学校

憂「じゃあまた後でね」

唯「ほいほい」

憂(なんかお姉ちゃんサバサバしてるなぁ、律さんみたい…)


教室

紬「おはよ唯ちゃん!」

唯「お、ムギおはよ!」

紬「!?」

唯(いけねw)

唯「ムギちゃんおはよ~」

紬「おはよ…う…?」

紬(やっぱり昨日から変よねぇ)


唯(唯の奴こねええええええええ!!)

唯(電話も出ないし…)

紬「今日はりっちゃんお休みかしら?」

唯「ああ、うん…かも…な……」

紬「かもな?…え…?」

ガラ!

先生「おはよう、出席取るぞー!席に着けー!」

紬「あらら…」

唯(先生来ちゃったよ…)

先生「────田井中~」

唯(何やってるんだよ唯は!抜け出して見て来るか…?)

先生「田井中~?なんだ田井中は休みか?」

唯「!!」

唯「あ!ハイ!田井中来てます!」

先生「何言ってるんだ、お前は平沢だろw」

一同「wwwwwwwwwwwwwwww」

唯(くぅ~~~~~~っ////)

先生「誰も聞いてないのか?無断で遅刻…欠席か?」

唯(バカ唯いいいいい!!)


先生「────じゃあ次、平沢~」

先生「平沢~?お~い平沢!」

唯(あーもう!後で文句言いまくってやる!)

先生「無視すんな!」チョーク投げ

唯「あだ!!」スコーン

唯「え!?なに!?」

先生「なに!?じゃない!返事しろ!」

一同「wwwwwwwwwwwwwwww」

唯(くそ~~~~~~っ////)

ガララ!

律「ハァハァ…すみません遅れました!」

唯「何やってんだ電話出ろよ!!」

律「ごめんりっちゃん、バスがよくわかんなくて…」

先生「りっちゃ…ん?」

律「あ!違いますなんでもないです!」

唯「そうそう、こいつ多分寝ぼけてて!」

先生「田井中!遅れそうな時は早く連絡しろ!」

律「え?私平沢ですけど…」

唯(バカ!!)

先生「お前もか!」

一同「wwwwwwwwwwwwwwww」

紬「………………………」


休み時間

唯「りっちゃんちょっとこっち来て!」

律「痛いよりっ」

唯「ち・が・う・だ・ろ」

律「そうでした…」

唯「もうちょっと真面目にやってくれ…」

唯「遅刻になる所だったろ!」

律「ごめんね…」


紬(トイレでヒソヒソ話?)

紬(やっぱり怪しいわね…)

紬「百合の香りが全然しないもの」


唯「なんで今日は遅れたんだよ、電話も出ないし」

律「ごめん、寝坊しちゃって…」

唯「しっかりしてくれよ…」

律「えへへ、面目ないw」

律「しっかし昨日は大変だったよ…」

唯「なんかあったのか?」

律「家事なんてやったこと無いから聡君に怒られまくっちゃった…」

唯「聡ごときに……お前なぁ、どれだけ普段からやってないんだよ」

律「あんなに家事が大変だとは思わなかったよ…」

唯「憂ちゃんに感謝しろよ!あんな良い子はいないぞ!」

律「はい…すごく身に染みました…」


紬(なにこれ……二人の中身が入れ替わったみたいじゃない…)

紬(でもそんな事あるわけ…)


昼休み

紬「────と、言うわけなの」

和「そんなまさか」

澪「昨日の物まねの続きでもやってるんじゃない?」

紬「私もそう思ったのだけど…」

紬「今日の体育は唯ちゃんがバレーで大活躍だったのよ」

紬「逆にりっちゃんはボロボロ…」

澪「うーん…」

和「あの唯が体育で活躍するなんて想像出来ないわね…」

澪「確かに…」

紬「でもまさかねぇ…」

澪「あとで律と話してみるよ」

和「そうね、私も唯と話してみる」

紬「ええ…」


放課後

梓「あれ?今日は律先輩と唯先輩は来てないんですか?」

紬「体調悪くて帰るってさわ子先生から言伝があったわ」

澪(逃げられたか…)

梓「はぁ…大丈夫でしょうか…」

紬「唯ちゃんが心配なの?」

梓「ちちちちがいます!////あの二人がいないと練習できないじゃないですか!」

紬(相変わらず素直じゃないわね~♪)


────三日後

唯「おはよりっちゃん!」

律「おーっす!唯!」


唯(なんとかりっちゃんっぷりが板についてきたな!)

律(りっちゃんのまねより家事を覚えるのと朝起きるのが辛かったよw)

律(それより唯の方は平気?憂に怪しまれてない?)

唯(それなりに上手くやってると思うよ)


唯「いやー、それにしても平沢家は天国だよーwwwww」

唯「憂ちゃんくれよw変わりに聡もってって良いからさwwww」

律「だめに決まってるだろ!」

律「でも聡もあれでなかなか可愛い所あるんだな!」

唯「でしょーwあいつまだまだお子様だからねw」


紬「何の話かしら…」コソコソ

澪「聞こうとしても強引にはぐらかされるんだよね」

澪「和も上手くはぐらかされて逃げられるって言ってたし…」

澪「あまり深入りしてこれ以上避けられるのも嫌だよ…」

紬「でもこのままじゃ練習できないわ…」

澪「二人揃って四日も部活休んでるからなぁ…」

紬「それにしてもりっちゃんやつれたわね…」

澪「この三日の間に一体何があったんだ…」

澪「憂ちゃんなら何か知ってるかな?」

紬「そうねぇ、あとで聞いてみましょ」


休み時間

梓「ねえ憂、唯先輩の体調の事わかる?」

憂「え?元気そうだよ?」

梓「え?じゃあなんで……」

憂「どうかしたの?」

梓「あのね…」

澪「憂ちゃん」

梓「澪先輩!」

憂「紬さんに和さんも、こんにちは」

澪「ちょっと唯の事を聞きに来たんだけど…」

憂「澪さんたちもですか?」

和「どういうこと?」

梓「私もちょうど唯先輩の事を聞いてたんです」

紬「何か最近唯ちゃんに変わった所はないかしら」

憂「そうですね……ちょっと変わりすぎかな………」


憂「────と言う具合に人が変わったようにテキパキ動いて」

憂「なんでも率先してやってくれるんです」

憂「お姉ちゃんがしっかりしてくれるのは嬉しいけど…」

憂「ちょっと寂しいかな…」

和「あの唯が…ねぇ…」

憂「この間までとは大違いですごく頼れる感じなんですよ」

憂「今までのお姉ちゃんとは別の意味で大雑把で…」

憂「そうですね…まるで律さんと話してるような気分です…」

紬「やっぱり?」

憂「どういう事ですか?」


澪「律も話のはぐらかし方がまるで唯みたいなんだよね」

澪「嘘が下手と言うか…」

憂「あ…」

和「どうかしたの?」

憂「最近律さんと良く電話で話すんですけど」

澪「律が?珍しいな…」

憂「まるでお姉ちゃんと喋ってるような感じなんです…」

和「憂がそう感じるなら決定………なのかしら」

紬「でもやっぱり信じられないわよね…」

澪「うん…中身が入れ替わるなんてなぁ…」

和「とにかく本人に聞いてみない事にはわからないわ」

紬「そうね、このままじゃ梓ちゃんが唯ちゃんの事を心配しすぎて倒れるかもしれないわ」

梓「全くですよ…」

紬(あれ?素直に…)

憂「…………………」


放課後

唯「今日もまたこの時間がやって来たね、りっちゃん…」

律「ああ…でもまいったな、これ以上逃げる理由を考えるのが辛いよ…」

唯「そうだよねぇ…」

唯「最近和ちゃんが色々聞いてくるんだよね」

唯「ねちっこく揚げ足取ってくるから誤魔化すのが大変で…」

律「私も澪からよく話しかけられるよ」

律「あいつ細かい事聞き返してこないから逆に怖いんだよなぁ…」


紬(さて…逃げられたらまずいわよね…)

澪(ムギ…こっちはいいぞ!)

紬(入り口に澪ちゃん…あっちは真鍋さん…)

和(フォーメーションは完璧よ!)

紬「いけるわ!」


唯「……ねえりっちゃん…気付いてる?」

律「ああ…囲まれてるな」

唯「どうしよう…」

律「強行突破は…」

唯「さすがに厳しいよね…」

紬「あきらめた方がいいわよ、二人とも」

唯・律「!!」

紬「私の怪力設定は忘れていないわよね」

紬「二人のどちらかが逃亡を試みた瞬間に唯ちゃんを全力で取り押さえるわ」

紬「そして残ったりっちゃんを真鍋さんと澪ちゃんが取り押さえる」

紬「体力の劣る今のりっちゃんがあの二人から逃げられるかしら」

唯「く…!」

律「ここまで…か…」

唯「あきらめちゃだめだよ…隙を見て」

紬(ゆらり…)

唯「ひッッ!?」

律(ぞわわわわわわ!)

律「あ…あぁ………」(ガクガク

唯「りっちゃん!?」

紬「……………ニヤリ」

唯「あきらめた方が良さそうだね…」


澪「やったなムギ!」

和「さあ二人とも、観念しなさい」

律「くっそー!煮るなり焼くなり好きにしろ!」

唯「私たちをどうするつもり!?」

紬「取り合えず、部室に来てもらうわ」

澪「二人には聞きたいことがあるしね」

和「じゃあ私は憂を呼んでくるから」

律「え?憂ちゃんも!?」

唯「それはちょっと勘弁……」

和「唯、あなたが部活に来ない事を話したら心配してたわよ」

律(あわわわわ…)

唯(憂ちゃん…)

和「悲しませるような事したらダメじゃない!」

唯(どうしよう…)

律(どうするもこうするも…やりすごすしかないよな…)

唯(でも今回はちょっと厳しくない?)

律(安心しろ!この3日でマスターした私のりっちゃんをそう簡単に見破れるわけが無いだろ)

唯(そうだよね…私だってやっと唯をマスターしたんだもん)

唯(ここでばれたら今までの苦労が全部台無しだよ…)

澪「ここにきて逃げる算段か?」

紬「…………………」

唯・律「いいえちがいます…」


音楽室

梓「唯先輩!律先輩!」

唯「あずにゃん!」

梓「二人ともなに考えてるんですか!」

律「ごめん梓…」

梓「ごめんじゃないです!」

梓「四日も顔見れなくてどれだけ心配したと思ってるんですか!」

澪「梓は毎日心配してたんだぞ」

紬「唯ちゃん来なくてしょんぼりしてたんだから」

梓「ち!ちがいます!練習が出来ないからです!////」

唯「あずにゃぁん…(じーん」

律「なんだよ梓、私の事はどうでもよかったのか?」

紬(こ、これは…)


唯「ぎゅう…」

梓「////」

梓(えええ!?これ偽者なの!?)

澪(ちょっとムギ、どう見ても唯じゃないか!?)

紬(私もびっくりしたわ…うっかり唯ちゃんがボロを出すかと思ったのに…)

律(フフフ…そう簡単にボロを出すわけ無いだろw)

唯(甘いよw)

紬「……手ごわいわね」

唯「ねえムギちゃん、今日はケーキ無いの?」

律「おい!サボってたくせにえらそうだな!」

唯「りっちゃんには言われたくないよ!」

律「あははwそれもそうだなw」

澪(こいつら…)イラッ


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最終更新:2010年01月25日 15:14