さっき
紬「実は憂ちゃん、梓ちゃんたちと喧嘩しちゃって…」
憂「……」
律「喧嘩かぁ…」
紬「それも相当激しい喧嘩だったみたい」
紬「おかげで三人の関係が完全に崩れちゃって…」
憂「……」
澪「そ、そんなにひどいのか…」
唯「だからみんな!私たちが仲良くなれるよう手伝ってあげようよ!」
律「手伝って言っても…正直余計なお世話じゃないのか?」
紬「もう彼女たち三人じゃどうにもならないのよ…」
憂「……お願いします、みなさん」
澪「憂ちゃん…」
憂「わがままを言って申し訳ありません…でも」
憂「話ができる場を作ってもらえるだけでいいんです…どうかお願いします」
律「んー…」
唯「りっちゃん!」
律「まぁ、他ならぬ憂ちゃんが私たちを頼ってんだし…」
律「やるしかないよな!」
唯「さすがりっちゃん!」
澪「や、やるって…どうやって?」
律「とりあえず外に引っ張り出して話し合いさせればいいんだろ?まずは説得だ」
律「澪は梓担当な」
澪「えぇっ!?」
梓の家
澪(そんなこんながあって今梓の家にいるけど…)
梓「……」
澪(無理だよ、気まずいよ…)
澪(どうすればいいんだ…)
梓「……」
澪「……あ」
澪「暑いなー」
梓「夏ですから…」
澪「あ、そうだよな…」
梓「……」
澪「……」
澪「……」
梓「……」
澪(思いきって話しかないか…)
澪「…な、なぁ梓」
澪「憂ちゃんたちと喧嘩したんだって?」
梓「!」
澪「憂ちゃんから聞いて…その…えっと…」
梓「…憂とは喧嘩してません、先輩たちにも関係ありません」
澪「あっ、うん…そうだな…」
澪「……」
梓「……」
澪「…いや、やっぱりこんなの駄目だ」
澪「ずっと仲良かったんだろ?なのにこのまま喧嘩別れなんて寂しくないか?」
梓「……」
澪「…私も似たような経験があるよ」
梓「え?」
澪「小学生の頃な、律と一緒に生き物係をやってて亀を育ててたんだけど…」
澪「律ったらエサ担当だったのにそれを忘れてて、その亀は結局死んじゃったんだ」
梓「……」
澪「その事が原因で大喧嘩しちゃってな、お互いもう絶交だなんて言って別れちゃって」
澪「…その後かな、心の中に大きな穴がぽっかり空いたみたいに感じたのは」
梓「……」
澪「何にもやる気が起きなかったなー…律と喧嘩してからは」
澪「自分にも非はあるのに、なかなか認められなくて…」
澪「それでも、心のどこかでは律と仲直りしたいと思って…」
澪「結局、答えが出ずに黙り込む毎日だった…」
梓「……」
澪「けど、その後ちゃんと律と仲直りできてさ…」
澪「あの時は嬉しかったなぁ、大切なものを取り戻せたようで…」
澪「律がいなくなって暗かった毎日が嘘のよう明るくなった」
梓「……」
澪「…梓も、本当は仲直りしたいと思ってるんだろ?」
梓「……」
澪「…何かを変えたいと思ったら、自分が変わらなきゃだめなんだ」
澪「まぁ、私が言えたことじゃないけど…」
梓「……」
澪「梓は…今のままでいいのか?それとも…」
梓「…私だって」
澪「え?」
梓「私だって…みんなと仲直りしたいです…」ポロポロ
澪「梓…」
梓「でも…どうすればいいのか分からなくて」グズッ
澪「…仲直りしたいって気持ちがあるのならできるさ」
澪「私たちだってそうだった…」
梓「……」
純の家
純「……」
2号「……」
フリーザ「……」
純「……」
ピンポーン
純「……」
ピンポーンピンポーン
純「……」
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
ガチャッ
純「だれっ!?」
律「よっ、佐々木さん?」
純「…鈴木です」
律「あっ、そうだったそうだった」
純「…なんですか?」
律「ちょっと上がるよ~」ドタドタ
純「あっ、ちょっと!」
律「ふぅ、涼しいなー」
純「あの…」
律「憂ちゃんたちと喧嘩したんだってー?」
純「…っ」
律「早く仲直りしろよ」
純「…先輩たちには関係ありません」
律「梓もおんなじ事言ってそうだな、それ」
純「……」
律「…しょうがない、じゃあちょっと昔話をしよう」
律「あれは小学生の時だった…」
律「クラスで亀飼ってて、私と澪は係でそれを育ててたんだよ」
律「けど澪のやつ、水槽をちゃんと洗ってなかったから亀死んじゃってなー」
律「その事があって大喧嘩!あの時はつらかったー…」
律「でも今は仲直りして大の親友!てへっ☆」
純「……」
律「あれー…?」
律「ま、まぁ私の言いたいことは…」
純「…いいですよ、別に」
純「仲良くしろって言いたいんですよね?」
律「う、うん…」
純「でも無理です…私二人に嫌われちゃったし」
律「……」
純「最低な人間なんです、私…」
純「二人のこと傷つけて…」
純「それなのに仲直りなんて…今さらできませんよ…」
純「……」
律「……」
純「……」
律「…はぁ」
律「ずっと黙ってるけど、言いたい事はそれだけか?」
純「……」
律「なら聞くけど、お前にとって憂ちゃんってなんだ?」
純「憂……」
純「憂は私にとって…大切な存在です」
律「じゃあ梓は?」
純「……」
純「梓は…ズルいです」
純「先輩たちの所にもちゃんとした居場所があるのに…私と憂の所にもいて」
純「それでいて、私より色んな人と仲良くて…」
律「……」
純「でも…とういことは…」
純「私も…梓と仲良いってことなんでしょうか…」グズッ
律「…親友なんだろ?」
純「……」ポロポロ
律「私さ、澪と仲直りした時気づいたんだ…」
律「澪はかけがえのない親友なんだって…」
律「私は馬鹿だったよ、失って初めてそれに気づいた」
純「……」
律「…ま、気づいてるのに見てみぬフリしてる馬鹿もいるみたいだけど」
純「……」
律「自分がどうしたいか分かってるんだろ?」
純「……」
律「…学校の音楽室行ってきな」
音楽室
憂「……」
ガチャッ
憂「あっ…」
梓「憂…」
憂「……」
梓「……」
ガチャッ
純「あっ…」
憂「純ちゃん…」
梓「……」
純「……」
憂「……」
梓「……」
純「……」
憂「……」
梓「……」
純「……」
憂「……」
梓「……」
純「……」
憂「あの…」
憂「今日は二人に…謝りたくって来てもらったの…」
梓「……」
純「……」
憂「私…私が中途半端だから二人を傷つけちゃって…」
梓「……」
純「……」
憂「けど…今さら言葉では伝わらないのは分かってる」
憂「だから…その…」
憂「……セッションしない?」
梓「……え?」
純「……は?」
憂「ほら、前みたいにやろうよ」
憂「せっかく音楽室にいるんだし…」
梓「……」
純「……」
憂「…お願い」
憂「一度だけでいいから…」
梓「…えっと」
純「…まぁ……別に」
憂「!」
憂「ありがとう!」
憂「じゃあ始めるよ」
憂「ワン・ツー!」
ジャーン♪ジャジャーン♪
梓「……」
純「……」
憂「二人とも上手だね!」
梓「……」
純「……」
梓「……純、ちょっとずれてる」
純「…梓こそ」
梓「私はちゃんとやってるよ…」
純「嘘…私の方が正しい」
梓「違う、純が間違ってる」
純「梓が間違ってる」
梓「純」
純「梓」
梓「……」
純「……」
梓「純!」
純「梓!」
梓「純だって!!」
純「梓だって!!」
憂「あ、あの…」オロオロ
梓「憂はどっちだと思う?」
純「私があってるよね?」
梓「違うよ、私だって!」
憂「えぇっと~…」
憂「二人ともすっごく上手だよ!」
梓「……」
純「……」
憂「…あ、あれ?」
梓「…ぷっ、なにそれ」
純「……はぁ、まったく憂は」
憂「え?」
梓「…続きやろっか?」
純「…そだね」
最終更新:2010年07月26日 00:17