唯「グミって果物だよね?」
律「え?何言ってるの?」
唯「だって甘いじゃん」
律「甘けりゃ果物なのかよ」
唯「でも果汁入ってるよ?」
律「ジュースも入ってるけど違うだろ」
唯「あ、そうか…じゃあもしかして」
律「何?」
唯「…野菜?」
律「なんでそうなるの」
唯「果物じゃなかったら野菜でしょ?」
律「何その乱暴な二分論」
唯「じゃあなんなの?こいつらは何で出来てるの?」
律「いや、普通にゼラチンとか香料とかでしょ」
唯「ハリボーグミ美味しい」グミグミ
律「なんで今食べた?答えられないと思うてか?」
唯「ゼラチンって何で出来てるの?」
律「タンパク質じゃない?ハリボー一個くれ」
唯「タンパク質って何からとれるの?」
律「くれないのかよ…コラーゲンじゃなかったっけ」
唯「ひもQおいしい」ツルツルモグモグ
律「あっ、ずるいぞ。一本くれ」
唯「あっ!わかった!」
律「ひもQうめぇな」ツルツルモグモグ
唯「食べてないで私の話を聞いて」
律「え、なにそのちょっとしたジャイアニズム」
唯「コラーゲンって軟骨とか豚足からとれるんだよね」
律「そうだな」
唯「ってことはさ…ひょっとして、グミって動物なんじゃない?」
律「意外すぎる結論だな」
唯「どやっ」
律「感情とか表情はカッコの外にだそうな」
唯「この新説、いかがでしょうか」
律「いやどこからどう検討しても違うだろ」
唯「結論付けるのは時期尚早なんじゃない?」
律「残念ながら十分議論は出尽くしました」
唯「いやいやいやいや。じゃあなんで動物じゃないって思うの?」
律「だって動かないじゃん」
唯「ハシビロコウさんだって動かないけど動物だよ?」
律「ハシビロコウが分かってなんでグミは命を宿していないことが分かんないの?」
唯「「さん」をつけなよデコ助りっちゃん」
律「ハシビロコウさんがわかってなんでグミは命を宿していないことが分かんないの?」
唯「よろしい」
唯「とにかくグミは動物なんだよ」
律「もぎもぎフルーツうまいな」
唯「あ、半分ちょうだい」
律「いいぞ。木の部分は私が食べるからな」
唯「おいしいね」モギモギ
律「おいしいな」モギモギ
唯「だからグミは動物なんだよ」
律「誤魔化されなかったか」
唯「いい加減認めて?」
律「いやいや。呼吸しないし」
唯「呼吸しない動物だっているよ?」
律「言ってみろよ」
唯「えーっと…コキュウシナイザウルスとか」
律「なんじゃそりゃ」
唯「呼吸しない恐竜だよ」
律「そんなのがいるのかー」
唯「そうだよ!八代亜紀に生きてたんだよ!」
律「そうなのかー」
唯「そうだよー」
律「嘘が致命的に下手じゃなかったら騙されてるところだったな」
唯「嘘じゃないもーん」
律「嘘つけ」
唯「あ、「嘘つけ」って文脈によって全く反対の意味にとれるよね」
律「よーし。私の眼を見ながら言ってみろ」
唯「ぷいっ」
律「オノマトペを口で言うな。ほれ、こっち向いてもう一度同じセリフを言ってみろ」ムギュー
唯「ウキュウシュヌイジュウルス」ムグムグ
律「なんて言ったか全然分かんないな」パッ
唯「わかってやったよね?」
律「悪い悪い」
唯「お主も悪よのぉ」
律「唯のほっぺた、グミよりも柔らかいな」
唯「柔軟剤は使ってないよ」
律「まーた話を明後日に方向に持ってこうとする。今なんて言ったの」
唯「コキュウシナイザウルス」
律「もうそいつ可哀想だからなかったことにしてやれよ」
唯「そうだね。さようなら、コキュウシナイザウルス」
律「短い人生だったなぁ」
唯「…あれ?アンパンマングミってアンパンマンの格好してるね?」
律「まあそうだな」
唯「じゃあアンパンマングミって実はアンパンマンなんじゃないかな」
律「世が世なら唯は煽動罪で捕まってるよな」
唯「え!?もしかして違うの!?」
律「その心底驚いたような演技いいな」
唯「でしょ。でも違うの?」
律「たい焼きは鯛の形してるけど魚じゃないだろ」
唯「ああ、そっか」
唯「件のアンパンマングミだよ。食べる?」
律「おう。オレンジ味が一番だよな」
唯「私このオブラートが大好きなんだ」
律「あ、じゃあ私グミ食べるから唯はオブラートな」
唯「いやいや、あくまでグミ主体で行こうと思ってるから」
律「とにかく、グミはグミだよ。それ以上でも以下でもないよ」
唯「昆虫グミ美味しいね」
律「まーた面倒くさいものを食べてやがるな」
唯「あ!ひょっとして昆虫ってグミなんじゃないのかな!?」
律「それみたことか」
唯「どうですか?この結論」どやっどやっ
律「薄々違うって分かってるんだろ?」
唯「あ、カブトムシグミ、後食べていいよ」
律「角だけ食べてよこさないでくれ」
唯「グミだって生きてるんだよ?」
律「なぜそこまでグミに生命の息吹を吹き込もうとするのか」
唯「証拠を見せてしんぜよう。りっちゃん、そこでみてて」
律「いったい何がはじまるんです?」
唯「ここにシュネッケングミがあります」
律「渋いねぇ」
唯「いまからこの子、喋るから」
律「お前は何を言っているんだ」
唯「いいからいいから…オホンオホン…アーアー、テステス」
律「うーむ、困った。何がやりたいのか分かってしまったぞ」
唯「じゃあ、このシュネッケン太を良く見てて」ヒョイッ
律「おう、頑張れよ」
グミ「ヤァ、リッチャン!」
律「おー。なかなかうまい」
グミ「ボクタチダッテ、イキテルンダヨ!」
律「結構完成度高いな」
グミ「ボクタチニ、ジンケンヲミトメテクレヨ!」
律「グミ権だな。よし。分かった」
唯「話が早くて助かるよ!グミを代表して感謝します!」ヒョイ
律「唯、グミの化身みたいになってるぞ」
唯「ということで、グミは生きてるんだよ!」
律「ああ。よーく分かった」
唯「よろしい」
律「じゃあもう二度とグミは食べられないな」
唯「あぁ…そうくるか」
律「残念だ、いやひっじょーに残念だ」
唯「あ、さっきのグミなんだけど」
律「なに?」
唯「私が声あててたんだ」
律「やっぱりそうだったかぁ…薄々気づいてはいたが」
唯「騙しててごめんね」
律「いいって。グミ権団体が出来る前で良かったな」
唯「グミには悪いけど、グミ食べたいもんね」
律「グミ美味しいもんな」
律「じゃあ今日のおさらいな」
唯「グミチョコ美味しいね」グミグミ
律「半分残しといてくれよ」
唯「了解!」
律「グミは、果物でも野菜でも動物でもない。グミだ。リピート・アフター・ミー」
唯「グミは、動物だ。」
律「編集すんな」
唯「冗談です。グミはグミなんだね!」
律「そういうこってす」
唯「さ、グミも食べきったし」
律「帰りますか」
唯「あ、前から気になってたんだけどさ」
律「おう。すごく嫌な予感がするけど、言ってごらん」
唯「りっちゃんって果物だよね?」
律「もうこれはバグのレベルだろ」
唯「だってパイナップルになれるんだよね」
律「なにが哀しくてそんな変身能力持たなきゃならんのよ」
唯「だってこの前澪ちゃんが部室で言ってたじゃん」
律「いやいや、パイナップルだと思えとは言ったけどさ」
唯「え…じゃあ…なに…?」
唯「そっか…食べられないのか」
律「さらっと恐ろしいことを言うなよ…」
唯「…帰ろうか」ションボリ
律「そんなにショックを受けてることにショックだわ」
唯「今日はせっかくグミ沢山持ってきたのに、二人で食べちゃったね」
律「グミ好きとはいえ、グミで腹を満たすとは思わなかったな」
唯「ムギちゃんが食べたいって言ってたから持ってきたのにね」
律「…あ、そうだ一応言っておくか」
唯「どったの?」
律「澪もムギも梓もさわちゃんも憂ちゃんも和も姫子も
その他大勢もみんな人間だからな」
唯「…うん!分かった!」
律「あ、あと純ちゃんもな」
唯「そっか…純ちゃんも人間なのか」
律「純ちゃんが聞いたら泣くぞ…」
唯「えへへ」
律「さーて、戸締りしたし。帰ろ帰ろ」
唯「帰りに忍者メシ買っていこうよ」
律「いいなそれ」
唯「あ!ギー太ってさ!」
律「食えないぞ」
唯「だよね」
律「そうだよ」
お わ り
最終更新:2010年07月27日 23:47