唯「ほら、前に不思議な事がなかった?」

憂『不思議な事……あの鏡の事?』

唯「うん来ちゃった」

憂『誰が来たの?』

唯「私がこの世界に……私は向こうの世界の私なんだ」

憂『…………え?』

唯「だからアナタ達が鏡を通して話してた相手がこの世界に来たんだよ……」

憂『えっと……』

唯「あー…どうしよどうしよ……」

憂『向こうのお姉ちゃんがこっちに来たって事?』

唯「う、うん……そういう事」

憂『それって本当?』

唯「うん……」

憂『………………』

唯「信じてくれる?」

憂『えっと…………』

唯「いきなり信じてはくれないよね」

憂『あ、いや信じます……けどこっちの世界にお姉ちゃんが二人いる事になりませんか?』

唯「あの……ここの世界の平沢唯は向こうの世界にいるよ……」

憂『…………え?』

唯「話すと長くなりそうなんだけど……アナタのお姉ちゃんはこの世界にはいない」

憂『え……え?それって本当ですか?』

唯「うん……いなくなったアナタのお姉ちゃんの変わりに私がこの世界に来たのかな……?」

憂『………………』ウルウル

唯「状況が上手く理解出来ないよ……」

憂『ぐすっ…うぅ……』

唯「え?ど、どうしたの?」

憂『本当にお姉ちゃん違う世界に行ったんですか?』ポロポロ

唯「う、うん……本当だよ」

憂『ずずっ…もう帰って来ないんですか?』

唯「それはわからない……」

私が向こうの世界に帰れる事も分からない。

もしかしたら二度と帰れないかも知れない。

唯「………………」


唯「はぁ……」

憂『あの、ご飯出来ましたよ』

唯「ありがとう……ごめんねご飯作らせちゃって」

憂『いえ…いいんです』

唯「いただきます……」

憂『いただきます』

唯「……美味しい」

憂『ほ、本当ですか?ありがとうございます』

唯「あのさ…敬語はやめて」

憂『……ごめんなさい』

唯「違う世界だけど一応は姉妹なんだから」

憂『うん……』

唯「ありがとう」

唯「……多分明日になれば元に戻ると思うから」

憂『本当?』

唯「悪魔で私の勘だけどね……」

憂『当たるといいね』

唯「お互いの為にもね」

憂『………………』

唯「じゃあ…ごちそうさま」

唯「じゃあ私は寝るね」

憂『うん……おやすみなさい』

唯「うん……おやすみ」

ガチャバタン

唯「はぁ…………」

唯「大変な事になった……」

唯「でも、どうしていきなりこの世界に来たんだろ……?」

唯「とりあえず制服のままじゃ寝れなから……パジャマか何か借りようかな」

唯「よいしょ……」

唯「ハネムーン?これでいいや、えーと下はこれでいっか」

唯「はぁ……大丈夫、一晩寝れば元に戻る」

唯「おやすみ……」


唯『うーいー!』

憂「お姉ちゃんどーしたの?」

唯『戻った?戻った?』

憂「うんとねー戻ってないよ」

唯『そっかぁーあれ?うわっあずにゃんが横で寝てる!』

梓「………………」スースー

憂「あ、あのね!こっちの世界のお姉ちゃんも消えちゃった……」

唯『き、消えたの!?』

憂「うん……」

唯『なんでかなぁ?』

憂「わかんない……」

唯「うーん……とりあえずもう一回寝たら戻るかも!」

憂『そうかなぁ?……おやすみ』

唯「おやすみ!」

梓『帰ってこーい……』

唯「ほぇ?」

梓「さっさと帰ってこーい」

唯『あずにゃん?』

梓「おーい帰ってこーい」

唯『寝言だぁ!』

梓「………………しゃれこうべ」

唯『プッ…フフフフ……あずにゃんどんな夢みてるんだろ?』





唯「うん……んんっ」

唯「はぁ……戻ってない……」

唯「えーと……とりあえずリビングに行ってみようかな」

唯「よいしょ……」

憂『あ、お姉ちゃん……えっと』

唯「戻ってないよ」

憂『そっか……』

唯「ごめんね憂」

憂『お姉ちゃんが謝る事じゃないよ!』

唯「……そう言えば今日は学校?」

憂『うん学校だよ』

唯「じゃあ制服に着替えなきゃね」

憂『お姉ちゃん学校に行くの?』

唯「うん、こっちに来た理由が何か分かるかも知れないからね」

憂『そっか……あの私も何か手伝える事があったら手伝うよ!』

唯「ありがとう…じゃあ制服に着替えるね」

唯「着替え終わったよ」

憂『うん朝ご飯出来てるよ』

唯「ありがとう憂、夜は私が作るから」

憂『うん……いただきます』

唯「いただきます」


憂『ごちそうさまでした』

唯「ごちそうさま美味しかったよ」

憂『ありがとう……歯磨きしたら学校行こっか』

唯「うん、あ……向こうの私は学校行ったかな?」

憂『多分休んでるんじゃないかな?』

唯「もしそうだったらかなりありがたいね」

憂『歯磨き終わったし行こっか』

唯「うん行ってきます」

ガチャバタン

憂『………………あの』

唯「どうしたの?」

憂『向こうの世界はどんな世界ですか?』

唯「核の炎が街を包み壊滅状態かな」

憂『ほ、本当!?』

唯「ごめん嘘」

憂『嘘なんだ……』

唯「向こうの世界もこの世界も変わらないよ」

憂『そっか、よかった』

唯「町並みもあまり変わらないね」

憂『町もですか?』

唯「うん、唯一変わってる事は…ほらあそこの横断歩道見て、私の世界ではあそこの脇に花が添えられてる。この世界は添えられてないね」

憂『それって……』

唯「飼い犬が轢かれたらしくて毎日飼い主が花を添えてるんだ」

唯「それとあの自販機の売ってるジュースも違う」

憂『そっか』

唯「学校に行く道もまったく同じ」

憂『じゃあもうすぐ着く事も分かる?』

唯「うん」

唯「着いたね」

憂『うん……』

和『あら?唯と憂ちゃんじゃない』

憂『あ!和さん』

唯『うわっ真鍋さん…』

和『真鍋さん?』

唯「…………あ!和ちゃん?」

和『びっくりしたわ真鍋さん何て呼ぶんだもん』

憂『そ、そうだよね!もーお姉ちゃんったら!』

唯「アハハハハ和ちゃんをびっくりさせたかったんだ!」

和『そうなんだじゃあ教室に行きましょう』

唯「う、うん」

憂『バイバイお姉ちゃん!』

唯「バ、バイバイ!」




律「平沢さんおはよー!」

唯『おはようりっちゃん!』

紬「…………?」

唯『あ、ムギちゃんおはよー!』

紬「ムギちゃん?」

澪「平沢さんどうかしたのか?」

唯『あのね!私向こうの世界の私なんだ!』

律「向こうの世界の私?」

唯『ほら!鏡で話したじゃん!』

紬「………………」

唯『何でかわかんないけど来ちゃったんだ~』

梓「唯にゃん先輩見つかった!」

唯『あ!あずにゃん!』ガバッ

梓「おっと」ヒョイ

唯『私の抱き着き攻撃を避けた!』

梓「ちょろいです!あ、私唯にゃん先輩が心配で来ちゃいました」

律「ねーねーさっきの話しはどういう事?」

梓「何処まで話したんですか?」

唯『えーと此処に来たって所まで話したよ!』

梓「そうですか」

澪「さっきからよく分からないけど何かあったのか?」

梓「えーと……昨日起こった出来事を話しますね」


梓「……と言う事なんですよ」

紬「………現実は小説より奇なり」

律「じゃあここにいる平沢さんはあっちの世界の平沢さんって事?」

唯『うん!』

梓「信じないかも知れないですけど私は見たんです!唯にゃん先輩が二人いる所を!」

澪「平沢は宇宙人かもしれないな」

唯『わ、私は宇宙人じゃないよ!』

澪「冗談だよ」

紬「……こっちの平沢さん帰って来ないの?」

唯『だから今から向こうの世界への帰り方を探したいから協力して!』

律「うん!面白そう!」

梓「って言うかもうみんなこの事を信じてるんですね流石です話が早い」


さわ子「みんな今日もいい天気だなワッハハハ」

唯『さわ…ちゃん?』

澪「先生も来たみたいだし私は自分の教室に戻るよ」

梓「あ、私も戻らなきゃじゃあこの話しの続きは昼休みで」

紬「……………」コクッ

律「澪ちゃんバイバイー!」

唯『さわちゃん……ジャージ……』




律『ゆ、唯だ!』

紬『唯ちゃん!?』

澪『唯!』

唯「あ、おはよう」

律『おはようじゃないだろ!どうして昨日急に消えちゃったんだよ!』

唯「いや、あー…あれだよあれ」

紬『あれ?』

唯「バ、バイトだよ」

紬『唯ちゃんバイトしてるの?』

唯「あ…うんバイトしてる……(と思う)」

澪『バイトならバイトって言ってよ心配したんだぞ!』

律『そうだぞ梓は目茶苦茶心配してたぞ!』

唯「そっかーごめん心配かけて」

和『昨日、唯に何かあったの?』

律『昨日ムギと話してたら急に唯がいなくなったんだ』

唯「本当に迷惑だよね私もびっくりしたよ」

澪『びっくりしたのは私達だぞ!』

紬『まぁまぁまぁまぁ』

和『そうなの?』

唯「まぁそういう事になるかな」

紬『唯ちゃん何か雰囲気違うわね』

唯「勘違いじゃない?」

紬『そうかしら?ヘアピンも外してるしやっぱり雰囲気変わったわ~』

唯「目の錯覚だよ」

律『どうしてヘアピン外してるんだ?』

唯「頭にコツコツ当たって痛いじゃんあれ(した事ないけど)」

澪『何か話し方も違くないか?』

紬『まるで鏡で話した事のある向こうの世界の唯ちゃんみたいね~』

唯「アハハ……そうかな?」

紬『えぇ!まさか向こうの唯ちゃん?』

律『まさかそんな分けないだろー』

唯「だよねーアハハハ」

和『あ、先生来たわよ』

さわ子『席に着きなさーい』

唯「あれが……山中先生?」

澪『山中先生?』

唯「い、いや何でもないよ」



昼休み。

梓『ゆ、唯先輩!』

唯「うわ梓ちゃん」

梓『……梓ちゃん?』

律『梓ちゃん?』

唯「あずにゃん!……あずにゃん……」

梓『そ、それより唯先輩昨日は何で急にいなくなっちゃったんですか!?』

唯「バイトだよごめんね急に抜け出して」

梓『心配したんですからね……』

唯「そりゃどうもありがとう」

紬『…………ウフフ』

唯「どうしたの?」

紬『やっぱりこの唯ちゃんは唯ちゃんじゃないわ!』

唯「…………え?」

紬『憂ちゃんよね?』

唯「違うよ私は平沢唯だよ」

律『髪の毛を結わってみて』

唯「ほら」

紬『……確かに唯ちゃんね』

唯「だから私は唯だって何度も言わせないで」

澪『でも……やっぱり何時もの唯と違う気がするんだよな』

唯「ごほんっ……部室に行きたいな」

梓『ど、どうしてですか?』

唯「ちょっと調べたい事があるから」

澪『どうしてまた部室に行きたいなんて言い出したんだ?』

唯「どうしても行きたいの」

紬『じゃあ行きましょう!』

律『でも部室に行って何するんだ?』

唯「だから言ったでしょ?調べたい事があるって」




未完



最終更新:2010年07月31日 22:11