田畑「花村さん、みた?昨日のけいおん!!」
花村「もちろんよ!やっぱり澪あずは最高よねー!」
田畑「あら、何を言っているの花村さん。けいおん!!と言ったら律あずと昔から決まっ
てるのよ。」
花村「そんなことないわよ。澪あずの梓がみせる表情ったら!たまんないわ~」
富井「おやおやご婦人方、何の話かな?」
田畑「あら、富井副部長。副部長はもちろん律あず派ですよね?」
花村「いいえ!副部長!梓には澪ですよね!?」
富井「チッチッチ!いいですかご婦人方?けいおん!!といえば唯あずと昔から相場が決まってるんですよ!」
花村「え~!!信じらんない!いまどき唯あずなんて言っているのは富井副部長ぐらいですよ!」
田畑「そうよ!唯あずなんて邪道だわ!!」
富井「えっ?えっ?そうなの?」ションボリ
山岡「そんなことありませんよ。」
栗田「えっ?山岡さん聞いてたんですか?」
山岡「ああ。みんな唯あずはもう時代遅れなんて誤解をしているようだけどそんなことはない。」
栗田「どいうことです?」
山岡「確かに一期8話以来、唯あずが使い古されてきたのは事実だ。だけど、古くからある伝統的な組み合わせを
安易に否定してしまうのは問題だな。現に2期10話で唯あずというカップリングが公式として認められているんだ。」
栗田「そう言われてみればそうね。私たちは澪あず、律あずという新しい組み合わせに夢中になる余り、唯あずの
可能性を見失ってしまっていたんだわ!」
田畑「それじゃあ山岡さんは梓には唯がベストだと言うわけ?」
山岡「いいや。そうは言っていない。ただ、唯あずというカップリングも捨てたもんじゃないってわけさ。」
栗田「それじゃあ山岡さんは梓には何を組み合わせるのが一番だと言うの?」
山岡「・・・そうだな。ちょうど時間もいい。行きたい所があるんだ。この続きはそこでやろうじゃないか。」
栗田「(山岡さんの言う組み合わせってなんなのかしら?もう大体出尽くしてるみたいだけど・・・)」
山岡「着いたぞ。ここだ。」
栗田「(あら?ただの団地みたいだけど・・・)」
山岡「ここの203号室に俺イチオシのけいおん厨がいてね」
栗田「(こんなみすぼらしい団地にそんな人が・・・)」
山岡「さあ着いたぞ。ここだ。」ガチャッ
山岡「じゃまするよ~」
輝夫「ああ山岡さんいらっしゃい。ちょうど準備ができたところです。ささ、こちらへ」
母「あら輝夫お友達?何か部屋にもって行こうか?」
輝夫「うるせえババア!!黙ってろ!!」
栗田「(さすが!山岡さん一押しのけいおん厨ともなるとすごい迫力だわ!)」
輝夫「今日は珍しく他にもお客さんが来ていましてね」ガラッ
キュピーン!!
山岡「くっ!!」
栗田「海原雄山!」
雄山「またお前達か・・・」
輝夫「あの、どうかしたんですか?」
山岡「いえ、なんでもありません」
富井「エライ人にあっちゃったねぇ」
山岡「なに、気にすることないですよ」
田畑「そうそう気にしない気にしない」
花村「なんの変哲もない典型的なけいおんオタの部屋みたいだけど・・・」
山岡「よくみてみなよ。普通のけいおんオタの部屋とは決定的に違うところがある。」
栗田「ああっ!!紬よ!!紬厨の部屋なのよ、ここは!」
富井「なにっ!?」
山岡「そう。輝夫さんは紬専門のけいおん厨なんだ。」
田畑「でも紬厨と梓にどんな関係があるのかしら?」
山岡「おおありだよ」
栗田「どういうこと?」
山岡「まあ話はそれくらいにして。輝夫さん、アレよろしく」
輝夫「はいっ」
山岡「これを見てくれ。これは今週放送されたばかりのけいおん!!16話だ。」
栗田「・・・?昨日見たのと全く変わらないようだけど・・・」
田畑「そうよねぇ。梓メインの良回だったわ。」
花村「そうそう。14話に続いて紬のかわいさが際立っていたのよね」
栗田「ああっ!!紬あずよ!!紬あず!」
田畑「えぇ?紬あず?・・・そっ、そうよ!これは紬あずだわ!」
栗田「私たちは紬のかわいさに見とれるあまり、紬あずというカップリングに気づいていなかったんだわ!」
輝夫「紬厨の私にとって紬に注目するのは容易いことです。しかしそれ以上にまわりに気を配る必要がある。何が
紬をひきたてているか、我々紬厨にはそれに目を配らせることも求められているんです。」
栗田「でも、確かに紬あずという組み合わせは素晴らしいけど、これに唯あずや澪あずが劣っているとは思えないわ
。それに昨日登場したばかりだわ。」
山岡「果たしてそうかな?」
富井「なんだって山岡!」
山岡「実は紬あずが登場したのは昨日が初めてではないんだ。」
栗田「えぇっ!?」
富井「そんな!」
山岡「輝夫さん、あれを用意してくれ。」
輝夫「はい」
山岡「実は紬あずが登場したのは昨日が初めてではないんだ。」
栗田「えぇっ!?」
富井「そんな!」
山岡「輝夫さん、あれを用意してくれ。」
輝夫「はい」
山岡「確かに唯あずや澪あずといった組み合わせはすばらしいかもしれない。だけど見てみるんだこのOPを。
紬と梓のこの笑顔が紬あずこそが究極のカップリングだということを物語っているんだ。」
雄山「フハハハハハハ!!紬あずが究極のカップリングだ!?笑わせるな!!」
山岡「なに!?」
雄山「史郎!!お前は軽音部という枠に縛られているあまり、梓の良さを全く引き出せていないのだ!!」
山岡「どういうことだ!!」
雄山「まだ分からないのか・・・。主人あれを出してくれ。」
栗田「(あら?これは2期7話のようだけど・・・。たしかこれは澪回よね。まさか今更澪あずなんて言い出すんじゃ・・・?)」
山岡「こんなものを持ち出して今更何をしようと言うんだ!」
雄山「フッ、だからお前はにわかだと言うんだ。」
山岡「なんだと!!」
雄山「ここだ。止めてくれ。」
山岡「こ、これは!!」
栗田「和あず!」
富井「和あずだって?そんな組み合わせ聞いたこともない。第一このシーンだけじゃないか」
山岡「・・・いいえ副部長違うんです。」
富井「何?ど、ど、どいうことだ山岡!説明しろ!」
山岡「実は和あずは他の箇所でも確認されているんです。しかもとても目立つところで」
栗田「本当なの?山岡さん」
山岡「ああ。昨日のけいおん!!をよく思い出してみるんだ。」
栗田「・・・ああっ!新OPだわ!」
山岡「そう。新OPの『大好き大好き』のところでみんなが和に抱きつくシーンがあるだろ?和がマネキンにしかみえないあの
強烈なシーンだ。あの場面で唯に次いで一番和に密着しているのは実は梓なんだ。」
雄山「そうだ士郎。貴様は軽音部という枠組みにとらわれる余り和あずという稀有な組み合わせを見逃していたのだ。そんな奴に
けいおん!!を語る資格はない!!」
山岡「くっ!」
京極「なんちゅうカップリングを・・・なんちゅうカップリングをみせてくれたんや・・・和あずに比べたら山岡はんの紬あずなんてカスや・・・」
雄山「それがわかったらさっさと別なアニメでも見始めるんだな。お前にはキャラデザだけは一流のオオカミさんと七人の仲間たち
みたいなのがお似合いだ。さっ京極さん行きましょう。」
山岡「まて雄山!!もう一度勝負だ!」
雄山「ハッハッハ!!和あずという可能性を見落としていた貴様がまだけいおん!!を語ろうというのか。どうしても恥の上塗りをしたいようだな。
いいだろう、一週間後究極対至高の対決の場で決着をつけようではないか。それまでせいぜいBDを見直しておくんだな。フハハハハハハハ」
……
栗田「(山岡さんあんなこと言っちゃってももう6日もたつけど何かいい案は思いついたのかしら?)」
山岡「」zzzz
富井「おきろーーーーー!!!」
山岡「うっうわあ!!もうびっくりするじゃないですか」
富井「寝てる場合じゃないだろ山岡!海原雄山との対決は明日だぞ!ちゃんと勝てるんだろうな?」
山岡「ええ・・まあ・・・」
栗田「山岡さん、何も考えてないと思ったらちゃんと考えてたんじゃないですか!!で何にしたんです?」
山岡「ん?まだ決まってないよ・・・」
栗田「嘘だったんですか!まあ、あきれた!勝負は明日ですよ!」
山岡「分かってるよ。じゃあ俺寄るとこあるから。」
栗田「あ、待って!私も行きます!」
~岡星~
岡星「なるほど、梓対決ですか。それはなかなか難しいですね。」
栗田「山岡さんたら海原雄山に和あずを見せられて以来ずっとこの調子なんですよ。」
岡星「あの海原先生が和あずをですか・・・。ま、山岡さん、これでもみて機嫌を直してください。」
栗田「これは?」
岡星「憂和です。」
栗田「まあ?憂和?珍しいわね。」
岡星「はい。憂が和のことを『和ちゃん』と呼んでいることにヒントを得て作りました。お好みで唯をつけて召し上がってください。」
栗田「まあ!一見、『和さん』と呼んでいそうな憂が『和ちゃん』と呼ぶことで、和が単に高校の先輩ではなくて姉である唯
の幼馴染であることが再認識されるわけね。」
山岡「まったりとしていて、それでいてしつこくない。うん。これはなかなかいい組み合わせだよ。」
岡星「ありがとうございます。」
山岡「憂和か・・・こいつは使えるかもしれないぞ!!」
栗田「えっ!?」
司会「それでは究極対至高のメニュー対決、梓カップリング編をはじめます。」
司会「では早速、今回は至高のメニュー側からおねがいします。」
唐人「おほっ!これは・・・」
京極「なんやら見慣れん組み合わせやな。海原はん、これは?」
雄山「聡あずです。」
京極「なんやて!?」
唐人「ほっほっほこれは良い。」
栗田「これまで女子×女子のカップリングしかなかったけいおんの世界観に律の弟、聡を加えて梓と組み合
わせることでこれまでになかった新鮮さや深いコクがでているんだわ」
雄山「まだ中学生の聡を高校生の梓と組み合わせることで、年下の彼氏をいじる梓という妄想が実現するわけです。」
京極「なるほど。聡の設定が生かしてあるんやな。」
雄山「そこがカップリングの考え方というものだ。凡庸なけいおん厨は梓といういい素材が手に入るだけで、さっと軽音部の先輩と組み合わせることで満足してしまう。しかしそこに誤りがある。というのは実は梓にはいじられ耐性というものがある。
2年間の軽音部生活で培われたものだ。これに気をとられるあまり、梓が本来持っていた、いじり性質というものを台無しにしてしまうのだ。」
京極「言わはるとおりや。聡が梓にいじられる様が目にうかぶわ。」
唐人「この上品なあどけなさが絶妙じゃ。」
審査員「まさにこの組み合わせは至高のカップリング。素晴らしい。」
司会「では続いて究極のメニュー側、おねがいします。」
富井「さてさてどんなカップリングかなっ!」
山岡「究極のメニュー側が提示するのは、とみあずです!!」
社主「なっ、なに?」
局長「気でも狂ったか山岡!」
富井「山岡、いまからでも遅くない!早く別な組み合わせをもってこい」
雄山「(士郎め、血迷い追ったか。梓をあんなババアとくっつけるとは・・・)」
山岡「いいえ。副部長、これこそ究極のカップリングなんです。」
京極「山岡はん、どういうことか説明してくれなはれ」
山岡「究極のメニュー側は梓のカップリング相手として一文字とみを選びました。」
栗田「(一文字とみって、あの平沢家の隣に住んでいるおばあちゃんよね?とみあずなんて成立しそうにないわ!山岡さんどういうつもりなのかしら?)」
唐人「一文字とみじゃと?はてそんなキャラおったかな・・・?」
山岡「2期9話で平沢家の隣人として初登場、以後15話にも出演しています。」
社主「だが、それと梓といったいどういう関係があるというんだ?」
山岡「あずにゃんですよ」
局長「なにっ!?あずにゃんだと?」
山岡「そうです。あずにゃんです。実は作中で梓をあずにゃんと呼んでいるのは唯と一文字とみだけなんです」
雄山「(あずにゃん!!)」
栗田「あずにゃんという呼称で梓を呼ぶことで親近感がより一層引き立つんだわ!」
唐人「それになにやら懐かしい感じがするのう」
京極「なるほど・・・この組み合わせにはわしらがとうの昔に忘れてもうた大事なものを思い出させるカップリングやな。留さん、はっつぁんとあだ名で呼びあう、日本人の心の情景や。」
司会「我々審査員は、この年齢差を感じさせない2人の相性と、日本人の昔からの仲間づきあいの大切さを教えてくれたこの2点を考慮し、梓については究極のメニュー側の勝ちといたします。」
富井「やったー!」パチパチパチパチ
唐人「どうして別の組み合わせを出さなかったんじゃ?お前には梓&あずにゃん二号という異色の組み合わせもあったというのに。」
雄山「先生!・・・失礼します・・・」
唐人「雄山・・・(獅子は自らの子を崖に落とすという・・・果たして雄山にこの心有りや無しや・・・。父親として、けいおん厨として士郎の成長を見守っていきたいという気持ちが果たして奴の中にあるのか・・・)」
栗田「でも勝ててよかったですね。」
山岡「いや、雄山が和あずによって軽音部という枠を壊すことをしていなかったら俺はとみあずなんて考えもしなかったさ。次こそ海原雄山の手助けなしで勝ってみせる!」
END
最終更新:2010年08月02日 20:58