憂「この間は驚いたなあ」
憂「まさか梓ちゃんに好きな人がいるなんて」
憂「わたしのことかもなんて思っちゃったけど」
憂「そんなにうまくはいかないよね…」
憂「よし!」
憂「がんばろう!」
憂(梓ちゃんを振り向かせなきゃ)
憂(積極的にいってみよう!)
憂(わたしには全15体のあずにゃんねんどろフィギュアがついてるんだ!)
―朝。
憂「あーずさちゃん!」ガバ
梓「ひゃあっ!?」
憂「えへへ~おはよー」ギュウ
梓「おはよう…そ、それより憂…なにしてるのかな?」
憂「え?…いやだったかな?…ごめんね」パッ
梓「う、ううん!そんなことないよ!」
憂「ごめんね…その…お姉ちゃんみたいにしてみたかったの」ショボン
梓「謝らなくていいよ…もういやじゃないって言ってるでしょ」
憂(梓ちゃん優しいなあ…)
憂(でも…嫌われちゃったかなあ)ズーン
憂「…」ズーン
梓「…もう!」ギュッ
憂「…え?」
梓「いい、いやじゃないって!」ギュウ
憂「梓ちゃん…」
憂「…ふふ、梓ちゃん優しいね。ありがとう」
梓「だから気をつかってるわけじゃなくて…」
憂「梓ちゃんのそういうところ、大好きだよ」
憂(ってわたしなにを言って…)
憂「あっ…今のは…ちがくて…」アタフタ
梓「わ、わたしも…すきというか…なんというか…」ボソボソ
憂「え?」
梓「なななんでもない!」
純「ふたりともなにしてんのー?」
純「授業はじまるよー」
憂梓「!」
憂「じゃ、じゃあね」
梓「う、うん」
純(なにあの雰囲気)
―
憂(はあ…さっきのは失敗だったかなあ)
憂(…でも、梓ちゃん抱きしめてくれた)
憂「えへへ」
憂(よーし!次がんばろう!)
憂(だいじょうぶ!わたしには梓ちゃんの心願成就お守りがあるんだ!)
憂「おー!」
憂「…な、なんでもありません、先生」
―
憂(どうしようかな)
憂(梓ちゃん優しいところがすてきだから)
憂(わたしも優しさをアピールしてみよう!)
憂(まずは…)
―
梓「う~…おも~い」ノタノタ
憂「梓ちゃん!」
梓「…憂~?なあに~?」ヨタヨタ
憂「荷物持つの手伝うよ!」
梓「でも…日直の仕事だし…」
憂「いいからいいから」ヨイ
梓「うん…て全部もたなくてもいいよ…」
憂「いいからいいから」
梓「う、うん」
梓(悪いことしちゃったな)
―
憂(よし、良好良好)
憂(次は…)
憂(梓ちゃんなにか描いてるな)
憂(…ふむ)
憂「ほめちぎるよ!」ガタ
純(なんだあの子)
―
憂「梓ちゃん!なに描いてるの?」
梓「ええっ!?なんでもないよお!!」グシャ
憂「あっ!ぐちゃぐちゃになっちゃうよ」
憂「ほら…かして?」
梓「大丈夫大丈夫大丈夫だから!」
憂(…そんなにわたしに見られたくないのかな)ショボン
梓「大丈夫!心配いらないからあー!…」スタコラ
憂「あっ…」
憂(…また失敗しちゃった…)グスン
純「…?」
―
憂(うまくいかないなあ)
純「憂ー」
憂「あ…純ちゃん」
純「よっ!憂どうかした?」
憂「えっ…な、なんで?」
純「だってなんか今日様子おかしいじゃん」
憂「…そうかな」
純「そうだよ。ほらわたくしめになんでも言ってごらんなさい」
憂(どうしようか…)
憂(でも、アドバイスもらったほうがいいよね。純ちゃん優しいし)
憂「実は…」
―
純「ほほー梓に優しさをアピールしたいと」
憂「うん…」
純「しかしなんでまた」
憂「え?い、いや深い意味はないの!ほんとだよ!」
純(なるほどー)
純(これは梓、いけるかもしれんぜ!)
純「よしわかった!協力しよう!」
憂「…ほんと?」
純(うおっ!これはくるぜ!)
純(いかんいかん、気を取り直して)
純「憂が優しいって梓はわかってると思うよ」
純「だからさ…もっとガンガンアタックしよう!」
憂「え?…でも…」
純「なになに」
憂「その…失敗しちゃって…」
―
純「なるほどねー」
純「大丈夫よそんなの!」
憂「…え?」
純「気にしすぎ!梓だって驚いただけで嬉しかったはずよ!」
憂「そんなの…わからないよ…ん?」
憂「そういえば純ちゃん、わたしアピールしたいって言っただけなのに…」
純「ん?ああだって憂バレバレだよ」
純「もっとお近づきになりたいんでしょ?」
憂「う、うん」
純「だったら大丈夫!心配いらないよ!」
純「わたしにまかせろー!」ガッハッハ
―平沢家。
憂「ネコミミだって装着すーるーでーす」ランラン
憂(純ちゃんも優しいな)
憂(もっと積極的でも大丈夫だって…)
憂(ほんとかな)
憂(ううん、やらなきゃはじまらない!)
憂「わたしはわたしの道を行くよ!」
憂(よーしまずは…)
憂(梓ちゃんのフィギュア(あるたー)…)
憂(これでイメージトレーニングだ)
憂(…)
憂(それにしても…なんていい出来…)
憂(す、スカートのなかも…こんなにリアルに…)
憂(ってなにしてるんだ練習しないと)
―
憂「あずにゃんペロペロ」ハアハア
唯「うい~?どしたの~?」
憂「な、なんでもないよお姉ちゃん!」
憂(あぶないあぶない…)
―次の日。
憂「おはよー」ガラッ
憂(よし梓ちゃんいるな)
憂(大丈夫わたしだってやられたんだから)
憂(おあいこだよ)
憂(落ち着け…落ち着け…)
憂(来月発売のあずにゃんフィギュア(ふぃぐま)のことを思えば…)
憂(…よし!)
憂「おっはよ~!」モミッ
梓「わあああああああ!なななななにいいいい!?」ガタン
憂「おりゃー!」モミモミ
梓「う、憂!?なに!なに!?」
憂「この間のおかえしだよ!」モミモミモミ
憂(おっぱいおっぱい!)
梓「あぁ…だっ、だめぇ…」
梓「だめえ!」バン
憂「きゃっ!」ドタ
梓「あ…ご、ごめんね憂、わたし…」アセアセ
憂「…ううん」
憂「わたしがやりすぎちゃったよ。…ごめんね」
憂(はあ…もう終わりだよぉ…)
憂「…じゃあね」スタスタ
梓「…」
梓「…う、憂!」
憂「…へ?…きゃあっ」
梓「今度はわたしの番だー!」モミモミ
憂「わわわわわ!なにするの梓ちゃん!」
梓「うるさーい!黙ってもまれてなさい!」モミモミ
憂「ちょっと…」
梓「はあー!」モミモミモミ
憂「…もー!」
憂「負けないよ!」モミ
梓「ひゃんっ!?な、なにをー!」モミモミ
憂「おりゃー!」モミモミ
「…!……!」バタバタ
純(なにあれ…)
―放課後。
梓「…」
憂「…」
梓「…はい」
憂「…ごめんなさい」
梓「もっとおしとやかにします…」
憂「すいませんでした…」
先生「じゃあもう帰りなさい」
憂梓「…はい…」
―帰り道。
憂「…ごめんね梓ちゃん。やりすぎちゃった」
梓「もーなに言ってるの、おあいこでしょ」
憂「……ふふ」
梓「…あはは」
「あははは!」ガッハッハ
憂「…ん?今…純ちゃんが…」
梓「どこにもいないよ」
梓「それより憂…手繋いでいい?」
憂「!…うん!」
梓「へへへ」ニギ
憂「えへへ」ギュ
憂(あずさちゃん…キャラスリーブにいれて持ち歩きたいかわいさだよお)
「……」ワイワイ
純「…」ガサ
純(ふふ…もうわたしの力は必要ないみたいね)
純(安心あんしん)
純「…」
純(なんか釈然としない…)
憂「…あ」
憂「そういえば梓ちゃん」
梓「なに?」
憂「昨日何の絵を描いてたの?」
梓「え!?あ、あれは~」
憂「なあに?」
梓「デッサンの練習してたんだよ絵が上手になりたくてね」ハハハ
憂「へえ~じゃあ今度見せてよ!」
梓「う、うん…またいつかね…」
憂(ふふっ楽しみだなあ)
梓「…はは」
―平沢家。
憂(Tシャツ…買っちゃおうかな)
憂「…」
憂(梓ちゃんとの距離…近くなったかな)
憂(でも…仲良くなれたよね)
憂(まだまだこれからだ!)
憂「…ん?」チャラリラー
憂「梓ちゃんからメールだ」
梓『明日の時間割教えて~』
憂「えーとたしか写真があったはず…」ポチポチ
憂「あった。これを送ればいいよね」
憂「ええと…よし送信!」ピッ
憂「…!って今のはああ!」
憂(ローアングルから撮ったあずにゃんフィギュア(うぇーぶの焦げた方)の画像だよお!)
憂「わああああああ!戻ってきてええ!」ピピピピピピ
憂「…」
憂「…どうしよう」
―中野家。
梓「ん~」ピロリロリーン
梓「おっさすが憂はやいなあ」
梓「どれどれ…」ピッピッ
梓「…なにこれ」
梓「これ…わたしだよね?」
梓「いやまさか…でも…」ピロリロリーン
憂『今のはなんでもないの!なんでもないからね!』
梓「…」
梓「まさか…」
梓(憂がわたしのフィギュアを持ってるってこと!?)
梓(それであんなことやこんなことを!!?)
梓(うそ!!!)ジタバタ
梓(やばい興奮するうううう!!)ドタバタ
梓「どうしよう!!」
―その日、意味を違えて放たれたふたつの言葉が、
とりあえずいろいろあってふたりをより強く結ぶことに成功いたしましたとさ。
おしまい。
最終更新:2010年08月02日 22:28