昼休み・2年1組の教室

律「よーう和!」

和「あら律、どうしたの?」

律「ありっ?澪はー?」

和「一人になりたいって、どっか行っちゃったわよ」

律「そっかそっかー」ニコニコ

和「生憎だったわね」

律「いや、私が用あったのは和だし」

和「ん?何かしら?」

律「明日休みじゃん?予定とかある?」

和「明日は図書館行って、勉強しようと思ってるけど」

律「おっ、それって暇って事だよね~?」

和「失礼ね。私にとっては有意義な時間の使い方なのよ」

律「でも要するに暇って事だろ~?」

和「ま、あんたからすればそうなるわね」

律「じゃあたまには遊ばない?私と」

和「えっ?マジで?」

律「大マジ」

和「急に言われてもねえ……唯や澪も誘うの?」

律「いや二人で遊ぼうよ。折角だから」

和「どういう風の吹き回しよ」

律「いいじゃん、ショッピングとかしよ~よ」ユサユサ

和「う~ん……お金ないしやっぱりパス」

律「えっ、じゃあお金出す!お金出すからぁ!」ユサユサ

和「や、やめなさいメガネずれる……分かったわよ」

律「ホントかー!?」パァッ

和「ええ。でもお金は出さなくていいから」

律「わはは!サンキューサンキュー!」ブンブン

和「はいはい(唯に劣らず変な子ね……)」



放課後

さわ子「むふふ、やっぱりメイド姿はムギちゃんが一番ね!」

紬「そうですか?」

唯「えへへ~、ムギちゃんぽわぽわっ!」ギュー

紬「うふふ、唯ちゃんもぽわぽわだよ」ニコニコ

律「でも実際ムギは、メイドこき使う立場だぜ」

さわ子「分かってないわねー、だからこそいいのよ」

律「さっぱり分からん」

唯「あはは、りっちゃんだからね~!」

律「何だ唯!お前には分かるってのかぁ!?」

唯「私もりっちゃんと一緒だよ!」キリッ

律「怒る気にもなれん……」

澪「まあ大方、小公女セーラ的な妄想が出来るとか?」

さわ子「そうそう!没落貴族の悲哀があっていいのよ!」

律「ただの悪趣味じゃねーか」

さわ子「バカね!その設定で通常のメイドの3倍は萌えるわ!」

梓「どうでもいいです(早く練習したいなぁ……)」

さわ子「何言ってるの!設定は大事なのよ梓ちゃん!」

梓「私には練習の方が大事です」

さわ子「そうだ!澪ちゃんと梓ちゃんの姉妹メイドなんてどう?」

梓「!!」

さわ子「その設定で通常のメイドの3倍は萌えるわ!」

律「通常の3倍好きだなさわちゃん」

澪「先生、いい加減遊んでばっかりじゃ……」

梓「まあまあ、いいじゃないですか澪姉さん」

澪「えっ」

さわ子「何だ、ノリノリじゃな~い梓ちゃん」ニヤッ

梓「たまには付き合ってみるのも悪くないです」ニヤッ


さわ子「記念に一枚撮りましょうか」

梓「いいですね……ほら澪姉さん」グイッ

澪「ちょ、ちょっと梓ぁ!」カァッ

紬「うふふ……(後で焼き増ししてもらおっと♪)」

律「ふ~ん、姉妹メイドねぇ~」

唯「あずにゃん……」

律「じゃ、ムギが私の妹な!」

紬「えっ?わ、私?(りっちゃん……!)」

唯「え~!りっちゃん私は~?」

律「あはは、唯には憂ちゃんがいるじゃんか~」

唯「ぶぅ~!憂は本当の妹じゃん!」

律「なあムギ、私の事お姉ちゃんって言ってみて?」

紬「……お姉ちゃん」カァッ

律「くぅ~!かわいいなぁムギ!」ナデナデ

紬「……」ポー

律「……と、見せかけてチョーク!」ガシィ

紬「うぐっ……!?」

唯「ムギちゃんギブ?ギブ?」


澪(何だよ律のやつ……ムギと楽しそうにして)

梓「どうしたんです澪姉さん?」

澪(そういえば今日律としてないな……会話)シュン

さわ子「澪ちゃん!ほらもっと笑顔笑顔!」

澪「なあ……そろそろ終わりにしないかこの茶番」

梓「まだ始まったばかりですよ澪姉さん」

澪「わ、私を姉と呼ぶなぁ!!」

梓「澪姉さん♪澪姉さん♪」

澪「ああ……もう好きにしてくれ……」


……

澪「そろそろ時間だな」

律「よし終わりっ!澪~、一緒に帰ろうぜ!」

澪「律……う、うん!」ホッ

唯「今日はアイス屋さん寄ってかないの?」

梓「この寒いのにアイスですか唯先輩」

唯「冬こそアイスのシーズンだよ。知らないの?」

紬「唯ちゃんは本物のアイス好きね」

唯「ムギちゃんは分かってくれると思ってた!」

梓「私は遠慮します」

澪「なあ律、明日暇か?たまには一緒に遊ばないか?」

律「うえっ、明日!明日かぁ!ダメだ予定ある!」

澪「な、何だよ……」

律「明日は和と遊ぶんだよ~。ごめんね澪」

澪「の、和と?」

唯「えっ?和ちゃんと?」

紬「ど、どうして?」

梓「ふ~ん、珍しい組み合わせですね」

律「いや別にいいだろ……そんなに驚くなよみんなして」


唯「和ちゃんと仲良くするなんて10年早いよ」

律「な、何だよそれ」

唯「私と和ちゃんは、鎖でガチャガチャ繋がれてるんだから」

律「何かやばいよその比喩」

紬「そうだよね……和ちゃん優しいもんね……」

澪「か、勝手にすればいいじゃんバカ律!」

律「はぁー?どうしたっての?」

梓「鈍いですね、律先輩は」

唯(ていうか私も誘ってくれてもいいのに)ムカムカ

平沢家

憂「好き!好き!大好き!お姉ちゃん大好き~♪」トントン

唯「ただいまぁ~」ガチャ

憂「あっ、お姉ちゃんだ!おかえりー!」

唯「うーいー!」

憂「すぐ晩御飯出来るからね!えへへっ!」

唯「明日どっか遊び行かない?」

憂「……!?」ガシャンッ

唯「ちょ、ちょっと!危ないよ憂~!」


憂「い、行くよ!お姉ちゃんと一緒ならどこまでも行くよ!」

唯「あはは、そんな遠くまでは行かないよ~」

憂「そ、そっかー……でも珍しいね、出不精のお姉ちゃんが」

唯「むっ!私デブじゃないもん!」

憂「ち、違うよ!出不精っていうのはね」

唯「あはは!それ位知ってるよ~!」

憂「あっ、もうお姉ちゃんったら!ベタだよそれ~!」

唯「ベタなのに何か変な雰囲気になるよね、これ」

憂「うん。あんまりやらない方がいいかも」



翌日

律「のっ、和ぁ~!」タタタッ

和「あら律……12分の遅刻ね」

律「す、すまね遅れた……」ハーハー

和「息あがってるけど大丈夫?」

律「ホントに悪い!私から誘っておいてさぁ!」

和「ふふっ、走って来たから許してあげる」

律「流石和!寛大ですなあ!」

和「調子に乗らない」コツン

律「あはは……ごめん」

和「まあ遅刻されるのは、唯で慣れてるけどね」

律「ははっ、なるほど~」

和「で、どこ行く?」

律「う~ん、歩きながら決めよっか」

和「……いい加減ねぇ」

律「なあ、腕組んでいい?寒いし」

和「んっ」スッ

律「へへー、あったけぇあったけぇ~」ギュッ

和「律って寒がりなの?」

律「あー、割と」

和「ふ~ん……マフラー使う?」

律「うへっ、ありがとー」

和「どこ行くか決めてないのよね?」

律「うん。希望ある?」

和「律お勧めの場所がいいわ」

律「さよか……でもこのまま歩くのも悪くないぜ」

和「ふふっ、あんたも甘えん坊ねえ」ナデナデ

律「へへっ」ポー

唯「あれっ?和ちゃんとりっちゃんじゃな~い?」ヒョコッ

律「うわっ!?」ビクッ

和「あら?唯に憂も」

憂「和さん律さんこんにちは」

律「な、何で唯が……」

唯「私と和ちゃんは、鎖でガチャガチャ繋がれてるって言ったでしょ?」

律「まさか和、唯にしゃべったのか!?」

和「き、聞かれたから答えたけど……」

唯「りっちゃん見てたよ」ウヒ

律「うわああぁっ!何かめっちゃ恥ずかしいぃっ!!」カァー

唯「さ・む・が・り、りっちゃん♪」

律「ちくしょう唯!澪には言うなよ澪には!」

憂「お姉ちゃん、あんまりからかうと可哀想だよ」

和「何かごめんね律……」

唯「えへへ~、みんなで遊んだ方が楽しいよりっちゃん!」

律「あー、分かった分かった」

唯「今日のりっちゃんおでこが一段と光ってるよ?オシャレ?」

律「うるせー!走ったからだ!」ペシッ

和「何だかんだで仲いいわねー、あんた達」



服屋

律「おっ、このドクロのパーカーいいな!」

和「い、いい趣味してるわ……」

律「だろ~?よし!澪への土産にしよう!」

和「律ってば、いっつも澪の事考えてるのね」

律「えっ?そ、そんな訳ねーし!」カァー

和「かわいいわね照れちゃって」

律「か、からかうなよ和!」

唯「うーいー、このトレーナーどう?」

憂「かわいいよお姉ちゃん!(何着ても)」

唯「えへへ!だよねぇ~!買っちゃおうっと!」

……

律「なあこれからどうすっかね~?」

唯「だったらウチ来ない?みんなで鍋しよーよ!」

律「おー、楽しそうだな!」

憂「じゃあ、材料買いに行かないといけませんね」

唯「わ~い!スーパー♪スーパー♪」

律「でも私、荷物あるし一旦家帰るわ」

和「律、ついでに澪も誘ってみたらどう?」

律「そうだなー、声掛けてみる」

唯「あずにゃんやムギちゃんも呼ぼうよ!」



秋山家

律「澪ー!いるかー!?みーおー!!」

澪「り、律っ!?でかい声出すな!恥ずかしいだろっ!」ガラッ

律「わりぃわりぃー、上がるぜ~」

澪「も、もうっ……」

澪の部屋

律「今日は何してたの?」

澪「色々と……そっちこそ和とのデートは楽しかったか?」

律「あはは!デートって!そんな風に思ってたの澪!?」

澪「だ、だって……」カァッ

律「女同士でデートはねぇよ!ほれ土産」ドサッ

澪「あ、ありがと……」

律「開けていいぜ~」ニヤニヤ

澪「うん……ひゃあああぁっ!?ナニコレ!?」ブンッ

律「ちょ、ひどいな投げつけるなよ~」

澪「だ、だってそれ……」

律「カッコいいドクロのパーカーじゃん」

澪「お、お前こういうの、私が苦手だって知ってる癖に」ブルブル

律「何?いらないの?」

澪「いっ、いらないっ!」

律「まあそう言うなって。着てみろ似合うぞ」ガシッ

澪「いやああああぁっ!呪われるうぅ!!」バタバタ

律「……ふぅ。ほら似合ってるよ澪」ニカッ

澪「うっ……うう……こんなの嫌だよう……」グスグス

律「いやぁ~、やっぱり澪が一番……」

澪「えっ……」ドキッ

律「からかい甲斐があるな!」

澪「バッ、バカ律!!」ゴスッ

律「あいて!!」


おしまい




最終更新:2009年11月27日 02:22