律「あれ? 澪、ピクルス食べないの?」

澪「……」コクコク

律「ピクルスおいしいのに、残すなんてもったいない!」

澪「……」ショボン

律「私が食べちゃおーっと!」ヒョイパクッ

澪「……」ジーン

紬「うふふふふ♪」

律「それじゃ、そろそろ解散ということで!」

紬「新入部員、入るといいわね」

律「まあ、なるようになるさ~!」

澪(ああ! メロンソーダまだ残ってるのに……!)ゴクゴクゴクゴク

律「なんだ、まだ飲み終わってなかったのか。
  待っててやるから、ゆっくり飲みな」

紬「あ、ごめんなさい!
  私、これから用事があって、すぐ帰らないといけないの」

律「ん、そうなのか。 じゃあムギ、また明日な~!」

紬「うん、また明日ね!」

澪「……マタ……ネ……」

律「おいおい、もっと大きな声で言おうぜー!」

澪「……また、ね……ムギ……!」

紬「!」

紬「うん! またね、澪ちゃん!」

律「なぁ、澪」

澪「……ん?」ゴクゴク

律「メロンソーダ美味しいか?」

澪「……それなりに……」

律「ベロ出してみて! ベーって!」

澪「……」ベー

律「あはは! 舌が緑色になってるぞ~!」

澪「ドゥフwwww」テレテレ

律「ほら、鏡で見てみなよ! 宇宙人みたいになってるぜー!」

澪「……ほんとだwww」

律「メロンソーダ星人だな!」

澪「……うんwww」ニコニコ



帰り道

………………

律「夕方ってさー」

澪「うん……」

律「すごく影が伸びるじゃ~ん?」

澪「……うん……」

律「ほら、変な動きすると楽しいぜー!
  未確認歩行物体だよ~ん!」ニョキニョキ

澪「ドゥフwwww」

律「はいはい、澪もご一緒に!」

澪「ヤ、ヤダwww」

律「なんだとぉー!! 踊るぞこらー!!」クネクネ♪

澪「ドゥフフフwwwww」

律「でさー、それがすっごく臭くてさー!」

澪(律と居ると楽しいなぁ……)

律「あの臭さは中々ないってー!」

澪(律の表情がクルクル変わる……見てて飽きないなぁ……)

律「例えるなら『便秘中のマンモスが化石化し、1万年の時を経て出土! そして放屁ッ!!』ってカンジ!!」

澪(話すときに私を少し見上げるのが可愛い……)

律「あーあ、澪にもかがせてあげたかったよー!」ガックシ

澪(あ、つむじが見えた)

律「澪もかぎたかったでしょ?」

澪「……エ……?」

律「でしょ?」

澪「……あ、うん……!」コクコク

律「え、ええーっ!? ホントにぃー!?」

澪「え? え?」


律「それじゃ、また明日ー! 歯ぁーみがけよー!!」

澪「うん、また明日……!」

律「夜更かしはお肌の大敵よ~ん♪」

澪「ドゥフwwww」

律「あっ、何笑ってんだこらぁー!」ペシペシ!

澪「ご、ごめwwwwついwww」

律「ぶはは! それじゃ、今度こそ本当に、また明日なっ!!」

澪「うん、また明日!」

律「お?」

澪「……ん?」

律「ははっ、なんでもないぜー!」ニコ

澪(律と別れるのは寂しいなぁ……)



音楽室

………………

ガラッ

紬「こんにちは~」

澪「」ビクッ

紬「あら、澪ちゃん一人? りっちゃんは?」

澪「……ア……掃除当番……」

紬「りっちゃんは掃除当番なのね」カチャカチャ

澪「?」

紬「あっ、これ? お茶を入れようと思って、ティーセット持ってきたの」

澪(なんか本格的だな……。すごく、貴族っぽいです……)

澪「ドゥフwwww」

紬「? 何か変だったかしら?」

澪「……エ? ……イヤ……」


コポコポコポ

紬「はい、どうぞ」カチャ

澪「……ア……ありがと……」

紬「クッキーもあるわよ」

澪(至れり尽くせりです……)

澪「」ズズー

澪「!」

紬「お味はどうかしら?」

澪「……ア、アツ……アツ……」

紬「あっ、猫舌?」

澪「…………デモ……美味しい……」

紬「ふふっ、よかった!」ペカー


ガラッ

律「遅れてゴメーン!」

紬「掃除当番だったんでしょ?」

律「いや~、ホントは昨日だったんだけどね~。忘れててすっぽかしちゃって!」

紬「それで今日代わりに?」

律「そういうこと! あっ、私にもお茶いれて~!!」

紬「は~い、すぐ入れるわね」

律「おおっ♪ クッキーもあるじゃ~ん!」ボリボリッ

澪「ドゥフwww(なんて自由奔放なwww)」

律「あーっ! 何笑ってんだチクショー!!」ペシペシ!

澪「ゴ、ゴメンwwww」

紬「りっちゃんって面白いわね~♪」カチャ

律「うあー! ムギまでひどいっ!」ガーン


紬「りっちゃん、お味はどう?」

律「んま~い! もう一杯くれっ!!」

紬「あらあら♪ 澪ちゃんも飲む?」

澪「……うん」コクン

紬「すぐ入れるわね~」

律「あれ? 私たち何部だっけ?」

澪「……け、軽音部……」

律「そっか! そうだったー!」ボリボリッ

澪(えっ、確認しただけ……?)

律「……って、のんきにお茶してる場合かー!!」

澪(ノリツッコミ!?)


律「よし、新入部員を獲得するために! 第2回作戦会議を開催する!」

紬「ワーイ」パチパチ

澪「……」パチパチ

律「昨日は飽きてグダグダになっちゃったけど、やっぱり真面目に考えないと駄目だ!」

澪(今日は真面目にやるんだ……)

律「では、意見がある人は挙手してください!」

紬「ハーイ、部長っ」ビシッ

律「むっ、何かね? 琴吹くん!」

紬「入部した人に『ハワイ旅行をプレゼントする』なんてどうでしょう?」

律「はっはっはっ、夢があってイイねぇ~!」

澪(……あれ? 真面目じゃない)

紬「じゃあ、父に相談しておくわね」

澪(あっ、これは止めないとまずいような気がする……)



帰り道

………………

律「いや~、今日も楽しかったなぁ~!」

澪「うん」

律「でもムギの奴、さすがにハワイは無いよな~!」

澪「……」コクコク

律「う~ん? でも、なにか忘れてるような気が?」

澪「……」

澪「新入部員」ボソ

律「ハッ! そうだったー!
  覚えてたなら言ってくれよぉ~!!」

澪(本気で忘れてたのかな……?)

律「あー、やっちゃったな~」

澪「……」

律「このままじゃ、バンドも組めないうちに廃部かな~」

澪「!」

澪「そ、それは絶対に嫌だ!」

律「お?」

澪「……わ、わ私は……りり、律とバンドがしたいから……」

律「!」

澪「は、恥ずかしいのも……我慢するし……だから……!」

律「澪っ!!」

澪「」ビクッ

律「……ありがとー!!」

澪「……う、うん……///」カァァ

律「実はさ~」

澪「……」

律「澪は嫌なんじゃないかと思ってたんだ。バンド組むの」

澪「……」

律「ステージに上がりたくないって言ってたし」

澪「……」

澪「……私は……」

澪「……律が声をかけてくれて、嬉しかった……」

律「……」

律「なんで?」

澪「……律は昔から……すごく明るくて……楽しそうで……」

澪「…………ずっと話をしたいと思っていたから……」

律「……」

澪「……」

律「いや、自分から声かけようよ!!」

澪「ドゥフwwww」テレテレ

律「そこ照れるところじゃねーし!!」

澪「……ゴ、ゴメンwww」



数日後。音楽室

………………

紬「入部希望者が見つかって良かったわね」

澪「うん……廃部になるかもって、不安だったけど……」

紬「一体どんな子かしらね?」

澪「……ムギみたいにおっとりした子だといいな」

紬「ふふっ、りっちゃんみたいな子だったらどうする?」

澪「……律は一人でいいよ……」

紬「あら、どうして?」

澪「…………いろいろな意味で」

紬「うふふ♪」

澪「……律の奴、おそいな……」

紬「掃除当番?」

澪「いや、日直だよ」

紬「あっ、日誌書くのって楽しいわよね~」

澪「そうかな……?」

紬「その日にあった出来事を思い返して、『特に無し』って書いておくの♪」

澪「それは少し楽しいかも……」

紬「そうでしょう?」ニコ

澪「うん。平和だな」ニコ


ガラッ!

律「入部希望者がきたぞおーーーーー!!!」

紬澪「!?」


………………

律「平沢さんみたいな人が入ってくれてよかったなー!」

紬「一週間以内にあと一人集まらなかったら、廃部になるところだったんです」

律「ほんっとにありがとう!」

唯「……あの!
  申し訳ないんですけど、実は入部するの止めさせてくださいっていいにきたんです!」

律「ふぇ?」

唯「ギターは弾けないし、もっと違う楽器をやるんだと思って……」

紬「じゃあ、何ならできるの?」

唯「カスタネッt……ハ、ハーモニカ!」

律「あ! ハーモニカならあるよー。
  吹いてみて!」

唯「ゴメンなさい! 吹けません!」

澪「……」

澪「……ア……が、楽器ができなくても……!」

律紬「!」

澪「……で、できなくても……大丈夫……!」

澪「…………私も……最近ベース始めたばかりだし……」

澪「……一緒にやっていこう……!」

紬「澪ちゃん……」

律「澪……」

唯「……」


唯「ゴメンなさい……」

唯「軽い気持ちで入部するなんて書いたから……
  期待させるだけさせて……
  何て謝ったらいいか……」シクシク

紬「私達こそゴメンなさい」

律「無理に引き止めて悪かったな」

澪(やっぱりダメか……)

澪(いや、あきらめちゃダメだ……!)


澪「じゃあ、せめて私たちの演奏だけでも聴いていって!」

澪(律や紬と演奏するために……!!)

澪(必死でベースを練習したんだ……!!)

澪(だから……!!)


………………

律「どうだった?」

唯「なんていうか、すごく言葉にしにくいんだけど……」

律「うん!」

唯「あんまりうまくないですねっ!」

澪(バッサリだー!)

唯「でも、何だかすっごく楽しそうでした!
  私、この部に入部します!」

澪律紬「……」


澪律紬「バンザーイ!」


澪(本当に……良かった……)



帰り道

………………

律「澪ぉ!」

澪「?」

律「今日はありがとなー!」

澪「私は別に……」

律「いや、澪のおかげだよ!!」

澪「……///」テレテレ

律「平沢さんとは初対面なのに、よく頑張ったな!」

澪「……」

澪「律……」

律「ん?」

澪「私が頑張れたのは、律とムギのおかげだよ」

澪「だから、ありがとう律」

律「……」


律「澪……」

澪「ん?」

律「いつのまにか立派になっちゃってぇ~! このこの~!」ペシペシッ!

澪「や、やめてwww」

律「澪も成長してるんだな!」

澪「元から律より背高いし……」

律「オッパイも私よりデカいしなぁ~……って自慢かチクショー!!」ペシペシッ!

澪「ドゥフwwww」

律「なに笑ってんだこらぁー! 増やすぞぉー!!」

澪「何をwww」









おわり



最終更新:2010年08月07日 23:29