「純ー、本当にこれで歌上手くなるの?」
「なるって。これ歌えたら、フレディと同じ歌唱力ってことだよ?」
「うーん。そんな単純なものなのかな…」

今わたしは純の家に来ている。
ボーカルもやってみたい、と純に言ったら無理やり家に連れて来られた。
さあボイトレ始めよう!と始めて小一時間、ずっと謎の呪文を唱えさせられている。

「梓、そうじゃない!にゃーわいぬー、にゃーわいぬー……こうよ!」
「にゃ、にゃーわいぬー!にゃーわいぬー!」
「そんな肩肘張らないで。もっと、こう……」
「だって歌詞カードにはNow I knowってあるし…」
「……普通にやってもフレディを越えられるわけないでしょ」

ならもっと他にやり様があるだろうに…
なんでよりによって、預言者の唄なんだ。
純に言った私が馬鹿だった…

「じゃ、曲変えよっか」
「やった!」
「ドント・ストップ・ミー・ナウにしよう」
「同じアーティスト!?」
「細かいことは気にしない気にしない。我がままだなー梓は」
「我がまま!?」

我がままなのは純の方だと私は思う。
まあ、文句を言っていても始まらないし、ここはそういう事にしておく。

「はい、いくよー?どんすとっみーにゃー」
「ど、どんすとっみ、にゃぁ…………」

なんでまた「にゃー」が……

「声が小さい!どん!すとっ!みー、にゃー!」
「どん、すとっみーにゃぁ…」
「……あのねぇ、梓。あんたやる気あるの?」

誰のせいでやる気が削がれていると思っていやがるのですか。

「……ふぅ、しょうがないなぁ。時間も時間だしそろそろにしよっか」

よかった……
もう7時過ぎてるし、早く帰らないとまた怒らる。
ではお暇しまし――うわっ!

「純…なにするの……!」
「へへへ、なんでしょう?」

不意に純に押し倒された。
……ベッドの上に…
しかも、純はニヤニヤ笑って私を見てくる。

「ねぇ、ドント・ストップ・ミー・ナウってどんな意味が込められてるかわかる?」
「わ、わからない」
「んふ、今オナニーしてるから止めるなよってこと」
「オナ…ニぃ?」
「そう、オナニー。したことあるでしょ?」
「…………」
「何も言わないんだ?なら私が教えてあげるよ…」

純が私のアソコにそっと手を這わせてくる。
驚いた私は純の手を強く弾いてしまった。

「純、や、やめて!」
「なんで?」

それでも純は平気な顔で問いかけてくる。

「おかしいよ……だってこんな……」
「女同士だから?」
「う、うん」
「知ってっる?フレディはね、同性愛者だったのよ」
「し、知らなかった…」
「彼みたいになるには、彼みたいにするしかないじゃない?」
「でも…でも」
「大丈夫だよ、私と梓なら」

そう優しく微笑まれると、本当に大丈夫なように思えてくる。
別に純とならいいんじゃないかって。
この変な空気に私はまともな思考を失っていた。

「……」
「梓……キスするよ?」
「き、キス?」
「なに?もう迷うことなんてないでしょ……梓…目とじて……」

純の手が私の頬を撫で上げる。
気持ちよくて思わず眼を閉じてしまう。

「いくよ、梓…………っん」

純の唇が私の唇に触れる。
それはとても温かくて、だから、唇が離れたとき思わず寂しいと思ってしまった。
そんな私の心を見透かしたのか純は軽く笑い、もう一度顔をよせてきた。

「ん、ちゅ……はぁぅ……っんん……梓ぁ…」

息継ぎをすると、すぐにまたキスをする。

「んん…ちゅ……んっ、ん……ちゅっ……」
「……っちゅ……ぁんんっ…ん……はぁ、ちゅ……じ、純……」

なんか、もう頭がおかしくなりそうだ。
なにも考えられない。

「はぁ、梓……べろ、入れるよ?」

返事をする力もない。
頭を縦にふると、純は舌を口の中へと入れてくる。

「ちゅろ……っんちゅ、んぁ……れろ…んっ、はふ……んんんっ」
「れろ、ん……ちゅ…あむ……ちゅっ、んん…れろ、んむ……ぁぁあ」

純は口の中を激しく掻き回してくる。
それに応えるように、こちらも純の舌に自分のものを絡み合わせる。

「んぁっ……梓…んむ、上手…だよ……ぺろ……んっ……っんちゅ」
「ぅうぁぁ……っん……ちゅ、はげしっ…よ、純……あむ」
「ふぁ、ん…ちゅろっ、んんっ……ぁあ……ぁ、んっ……ぺろっ…はぅ」
「……っん、れろ……純…くる、し……ちゅ……っん……んぁっ、ごほっごほっごほ」

しばらくして、純はそっと顔を上げる。
どれぐらいキスしていたのだろうか。
時計を見れば、すでに8時を回っていた。

「はぁはぁ、梓……これからどう……する…?」

「どうするって……」

明日は学校もある。
部活や授業に支障をきたすようなことは、出来ればしたくない。
でも、純ともう少しこうしていたいという自分もいる。

「梓、私もう我慢できないかも」
「我慢できないって……わわっ!」

突然、純がズボンを脱ぎ始めた。

「ちょっと!何してるの、純!」

私の返事にも答えず、純はズボンを脱いでいく。
そして純は自分の下着を指差しながら言う。

「ほら、私のここ、もうこんなに……」
「?…………!」

純の秘部は目で見てもわかるくらいに濡れていた。
それにしても、黒のフリルとは……

「……ふふ、ほらほら、梓も見せなよ」
「ふぇっ、む、無理だよ!」

酔いどれの親父か。
純は怪しい笑顔を見せながら、私のズボンに手をかける。
た、助けをよばないと!

「梓……じっとしてて」
「うぅ……」
「そう、それでいいよ……」

酷い仕打ちだ。
こんな羞恥プレイがあっていいものなのか。
そんな事考えてるうちにも、ズボンは下ろされていく。

「へへ、やっぱり梓のここも濡れ濡れじゃん」
「濡れヌれっ――ぁん」
「ちょっと触っただけでそんなに感じるんだね……」
「この非道っ……ヒトの勝手に触るなんて!」
「他人のじゃないよ……梓はもう私のものだから」
「っ……」
「私も梓のものだよ」

ずるいずるいずるい!
純はずる過ぎる。
こんなこと言われて私はどうしたら……

「梓も私の触っていいよ……」
「触るって……」
「ここだよ」
「っ……」

思わず生唾を飲んでしまう。
だけど私は恐るおそる指をそこへ近づけていく。

「い、いくよ?純?」
「うん…きて………………んんっ!」
「だ、大丈夫!?」
「あ、うん。平気へいき。でも、私も梓のこと言えないみたいだわ」

私よりも大きい声だったから、何か間違えたのかと思った。
……前から思ってたけど、純はすごくエッチなんじゃないだろうか。
その疑問も時間と共に確信へと変わっていく。

「梓、次は上だよ」
「……え?」
「え、じゃない。上の服まくって」
「そ、そそんな!」
「自分でまくらないなら、私が捲くるよ?」
「ぅぅう……わかったよ……」

もう何を言っても無駄だろう。
ゆっくりシャツを上へもっていく。

「本当に……?」
「うん」

観念して胸が見えるあたりまで服を持ち上げると、純はすかさず胸へ触れてきた。

「ほお、ブラ着けてるんですね~お年頃ですね~」
「同級生なんだけど…」

もう、ただのおじさんだ。

「ってもう、そんなにジロジロ見ないで……ひやぁっ」
「ふふ、いい声を出しますね~お嬢さん?」

勝手に下着を取り外し胸を揉んでくる。
それほどあるとは言えない私の胸を優しく揉んでくれる。

「……んっ、ぁん……純っ、や…めて……んん……ふぁ、ぅん!」
「……どう……梓?」
「わ、わかんない…よ!……んぁっ……ん、はふ……」
「気持ちいんじゃない……?」
「っんむ……ふぁっ……そんなこと…聞かれても、わかん、ない……よ!」

いつの間にか、両手を使って弄される。
次第に私の声は大きくなり、純も強く胸を揉みしだく。

「んん……ひぁふ、ん……あん……ぁあう……純…」
「ほら、梓の乳首……勃ってきたよ」
「ぁぁあん……やめっ……乳……首やめ、て……んんっ!」
「やっぱり気持ち良いんでしょ?」
「はぁ、ん……っぁん……し、らないよ、んんぁっ……そん、な、こと……」

返事に満足できないのか、純はより力をこめてくる。
これ以上やられたら、頭がおかしくなってしまう。
でも、緩められるのも嫌だ。

「顔に出てるよ、梓」
「な、にいって……!……んっ…やぁぅ、わ、んんんっ……はぅ…!」
「……ね?下も行くよ」
「ち、ちょっと、ま――っぅぁあ……んんっ、ぅう……ぁんん……!」

下着の隙間から純の指が私の秘部へ入ってくる。
指とそれが擦れる度に、体に電流が走ったように身体が反応してしまう。
上と下を同時に刺激されて、私の中の感情が抑えられなくなってくる。

「んんっ……ぁあっ……んん……きも、ちぃ……純ぅ!……はぁっ……ぃやぁ…」
「やっと正直になれたね……」
「!……これは、ちがくて……んぁっ……ふぇ……わ、ゃあ……んんっ」

何も考えることが出来ない。
ただ、純にされるがままに快感に溺れるだけだ。

「ふぁ……ぁん、ちゅっ……んむ……ぅ……んぁぅう!」
「じ、純っ、わたし……あっ、ぁん……ダメっ……んぅっぁぅ……」
「梓……んちゅ……どう…れろ……っん、ぺろ……あむ……ん」
「んんぁっ、ダメっ……純……このままじゃ、わたし……おかしく、なる…よ……」

3箇所を同時に刺激されて私の身体は限界に近づいていった。
純の吐息が顔に当たる度に純のことを想ってしまう。

「ぁぅ……んんんっ……ぅあう、んぁぅ……はぁ……んんぁ!」
「んぅっ……純っ、やめて……からだが……熱いよぅっ……はふ……ん、ぁあっ」
「そろそろイク……?…梓……?」
「……え…なに……わかんないよぅ……んん…ちゅ……ぁあぅ、れろ……ぁん……!」
「ぁぅ……んんんっ……ぅあう、んぁぅ……はぁ……んんぁ!」
「んぅっ……純っ、やめて……からだが……熱いよぅっ……はふ……ん、ぁあっ」
「そろそろイク……?…梓……?」
「……え…なに……わかんないよぅ……んん…ちゅ……ぁあぅ、れろ……ぁん……!」

純の手の動きが早まる。
全身が麻痺したみたいに身体の自由がきかない。
ただ、快感を欲していた。

「んぁ、ぅう……っ純、も…と……はぅあぁっ……強くっ……っん!」
「んん……わかった……」
「ふぁぅっ……っちゅ……ぅあうっっ、だめ……んっ」
「ちゅ、んっぅ……あずさぁ……んぅ……れろ、んむ……」
「ぅぅうぁ、ゃぅっ……あっ、ん……もぅ……我慢、できない…!」

身体の奥底のどこかから何かが込み上げて来る。
私は欲のままにただ身体を動かす。

「ぁぁあ……っぁぅ……んんっっ、ふぁぅ……ゃあっぅ……んぁぅぅ……」
「っ……ちゅぅ……れろ、ぅぁあ……ダメっ、んんんぁっ……だ、めぇっ……ぁう!」
「ふぅぁ……んちゅ………っぺろ……んむ、あずさ……っ」
「ぁあん……もう……わたしっ…………ぅうぁあ……ん」
「ぅうううあ、んん、ぁ……っ……ぅんあ……イクっ、んんんん……」
「……ん、いいよ……あずさ…」
「んんぅうあっ、ふぁぁあ……イクっ…っんんんあ、あああああああああああああ!!」


んんんんん!!
魂が抜け落ちてしまったような気分がする……
それでも、少し残った快感を味わい続ける。

「ふふふ、梓、イッちゃったね」
「ふぅぇ、こ、これは……別にそういう、わけじゃなくて……」

私が何を言っても、純は不敵な笑みを浮かべるだけ。

「次は梓がやる番だよ?」
「え……?」
「だから、今私がやったように――」
「む、無理だよ!そんなこと!」
「私だってもう我慢できないんだもん。梓だけずるい」
「そ、そんな……」

ただでさえ、さっきので力が入らないのに……
でも、純も私にやってくれた事だし……

「わ、わたしやったことないよ……?」
「そんなの私だってそうだったし」
「うそ!?」
「梓、まさか私のこと変態だとか思ってるの?」

ごめんなさい。
思ってました。
でも、実際そうだと思います。

「ひどい、梓……私もう梓がしてくれるまでグレるから!」
「わ、わかった!するから!……あっ」
「ふふっ……」

やられた!

「ほら、梓……」
「で、できないよ……」
「私……ホントもう限界なんだ……」
「うっ……」

純は上目づかいで私を見つめる。
いつもは見上げる立場だから、少しドキッとしてしまう。

「なら……少しだけ……ほんの少しだけ、なら…いいけど……」
「うん……」

純の肩に手を置いて、少しずつ顔の距離を縮める。
純の吐く息で、私はまた少し興奮を感じ始めていた。

「…………っん……ん、ちゅ…ぅん……れろ……」
「……ん……んちゅ、れろ……あむ……ぅぅ…梓、したも……下も……して…」

純に促されて、右の手を純のそこへと持っていく。
……純のように出来ると良いのだけれど…

「ぁ……ぁぅう……んぁああ……んっ…梓の指が……私の、中に……」
「んんっ!!んぅう……いい……よ、あ…ずさぁ……ぁあ…っん!」
「ぅちゅ……れろ……どう、かな……はぁ……れろ、んん」
「ふぁ……ぅうあ、上手…だよ……梓……っんんん!」

ちょっとずつ慣れてきた。
少し手と舌の動きに変化を与える。

「ぅぁああっ……んん、ぁう……はふ…いいよ…梓……きもち……いい…」
「んぅぁああ、っ……ぁあ……ちゅ……んっ、ぅう……ぁんん!」
「……純…ちゅろ、れろ……あむ……ぅんっ……ぁぅう……」
「…ぁわっ……んんぁ……ぁああぅ……梓ぁ、もっと……強く……して……」

言われるがままに手に力をこめる。

「んんんぅぅうぁあ!はぁ、っんん……ぅう……ぁあっ……っぁん」
「ぅ……っん、ぁぅ…ん……ふぇぅ……ぅっぁあん…んん、ぅぁ……」
「ちゅっ……ふぁ、ん……っあぅ……ちゅむ…れろ、ん…」

純の顔がだんだんと赤くなっていく。
真冬なら白い吐息が見えそうなくらい温かい息をお漏らす。

「ぁあっ、あずさ……私…なんか、へん……っぅうう……ん……んぁあ!」
「ぅぅんっ……な、んか…からだに……電気が……ぁあん…んんっぅ」
「純っ、んっ……もう、少し……強くするよ……?…ふは、んむ、れろ……」
「う…っん……私、もう…ダメ……」

私もこんな顔をしていたのだろうか。
こんないやらしい顔を見せられたら、こっちまでおかしくなりそうだ。

「んんぁっ……ぁん……ぅう、はぁ…はぅ、んん!んぁ……ぁああう…」
「っあ……ぁう……梓、ダメっ…からだが……なんか……おかし、んっ!」
「…純、いちばん……つよく……するよ……?ちゅ、ん……ぁむ、ん……」
「あ……うん……して……梓の…きもちい……の……んん、んぁぅあ……」
「んん、んんん!んぁあぅぅっ!!はぁ……っんぁあああぅぅうぅぁぁああああああ!!!」


………………
………

「純、わたしより早かった…」
「あれは梓が上手かっただけ」
「う、上手いって……」
「指トレは本当にギターのためだけなの?」
「当たり前でしょ!」
「ボイトレの成果も出てたし、よかったよかった」
「ま、まさか……」
「サテ、ナンノコトデショウカ?」
「なぜカタコト!?」
「ミンナニハナイショダヨ」
「あ、当たり前でしょ!」



おわり



最終更新:2010年08月07日 23:45