4限目授業!
律(なんというこっだ)
律(腹痛のあまりトイレに休み時間引きこもるハメになるなんて)
律(しかもその間、唯はムギにつきまとうばかり)
律(私はなにもしないっつーの)
律(しかし、唯のやつ澪や和になんか吹きこんでるし)
律(これじゃ、誤解は深まる一方だな)
律(……腹痛い)
律(うぅ~、保健室に行こうかな?)
――――――――――――――――――――――
和(律が、ねえ)
和(唯は律がムギをぶてと言ったっていうけど)
和(たぶん誤解よね)
和(にしてもさっきから律は落ち着きがないわね。ソワソワしてる)
昼休み!
律(あー……なんとか乗り切った。とりま保健室行こう)
唯「ジー」
律「……通して」
唯「いいよ」
昼休み!教室!
唯「ムギちゃん!怯えなくてもいいからね私がついてるから」フンス
紬「あのー、唯ちゃん。その正直私には唯ちゃんがなにを誤解しているのか
唯「ムギちゃん!みなまで言わなくていい!」
澪『なあ和』
和『澪の言いたいことはわかるわ。たぶん唯はなにか誤解してるのよ』
唯「ムギちゃん、困ったことがあったらなんでも言ってね!」
紬「あの、聞きたいんだけどどうして、唯ちゃんはりっちゃんから私を守ろうとするの?」
唯「なに言ってるのー、ムギちゃん」
唯「ムギちゃん、りっちゃんに脅されてたんでしょ?」
紬「どうしてそう思うの?」
澪「私も気になる」
唯「だって、昨日りっちゃんから電話があったんだよ」
和「なんて電話が来たのよ?」
唯「ムギをぶってほしいって」
紬「それは……」
唯「それは?」
紬「……ごめんなさい。よくわからない」
和「……」
紬(りっちゃん、なんで唯ちゃんにそんなこと言ったんだろう?)
唯「やっぱり。りっちゃん帰ってきたらお説教だよ!」
和「ちょっと席外すわね」
澪「どこ行くんだ?和」
和「購買よ」
唯「和ちゃ~ん、なにか買ってきてー」
和「お断り。欲しかったら自分で行きなさい」
唯「ぶうー」
紬「…………」
和「それじゃ、行ってくるわね」
保健室!
律(とりあえずなにもないって言われたからベッドで寝てるけど)
律(退屈だし保健室ってあんまり好きじゃないんだよな)
律(陰気くさいっつうかジメジメしてる)
トントン
律(誰か来た?)
和「失礼します。律いるー?」
律「和?」
和「やっぱりここにいたのね」
律「どうしてここってわかった?」
和「いつまで経っても教室に戻らないからっていうのと、体調悪そうだったから」
律「さすが生徒会長だな」
和「ありがと。ところでムギのことなんだけど」
律「ああ、そうだ。唯が誤解してるから和に言っておく」
律「ていうか、私の言い方が悪かったんだよな」
和「?」
律「えと、実はさ、ムギに昨日からあることを頼まれててさ」
律「いや大したことじゃないんだよ。ただ、今までぶたれたことないからぶたれてみたいって」
律「それで私にぶってほしいって頼んできたんだ」
和「なるほど。って、じゃあぶてばいいじゃない」
律「無理に決まってるだろ。ムギだぞムギ!」
和「まあ気持ちはわからなくもないけど」
律「だから、唯に頼んだんだよ。ムギをぶってくれって」
和「もしかして言葉が足りなくて誤解されたってこと?」
律「はい。そうなんです」
和「なるほどね」
律「本当にどうしたものか……」
和「今がチャンスだと思う」
律「?」
和「今ならムギをメールで呼び出すことができるでしょ?」
律「おお!そうか、その手があったか!さすが生徒会長だな!」
和「ありがと。ほめてもなにも出ないけどね」
律「よし、さっそくメールメール、と」
――――――――――――――――――――――
TO:ムギ
件名:
ムギー今すぐ保健室に来てくれ!
今から私はお前をぶつ!ぶつぞ!
――――――――――――――――――――――
律「よし、送信っと」
和「変なメールね」
律「うるさいやい」
三分後!
トントン
律「お、来たみたいだな」
和「入っていいわよ」
紬「失礼します」
律「おお、ムギ来てくれたか」
紬「う、うん。それよりりっちゃんは体調大丈夫?」
律「おう!大丈夫だよ。さあ、ムギ、いよいよ私がムギを殴るときだぞ」
唯「やっぱりそういうことだったんだね、りっちゃん!」
律「……なんでお前がいるんだよ」
唯「急にムギちゃんがトイレ行くって言うから心配してついてきたんだよ」
和「ふうん」カチカチ
律「あのな、唯。私の話を聞いてくれないかな?」
唯「お断りするよ、りっちゃん!」
和「じゃあ、ムギの話は?」
唯「ムギちゃんは、今アクマにタマシイを売ったりっちゃんに脅されてるからね」
和「そう」ポチッ
律「いや、だから誤解だって、つうか和もケータイいじってないで誤解を解いてくれよ」
唯「誤解もなにも、私ははっきり目撃したよ。りっちゃんがムギちゃんを殴るって宣言したところを」
紬「唯ちゃん、あれはね」
唯「いいんだよ、ムギちゃん。私にまでうそつかなくて」
律「だあー!めんどくせー」
唯「さあ、アクマの手先のりっちゃんを……あ、メールだ」
唯「憂からだ」
唯「ほおほお、うん?おお!」
律「どうした、唯?」
唯「」チラっ
紬「なあに?どうしたの?」
唯「一時休戦だよ。りっちゃん、ムギちゃんにひどいことしたら許さないから」
律「え?ちょっ、どこ行くんだよ、唯」
和「……」ニヤリ
和「どうやら成功みたいね」
紬「どういうこと、和ちゃん」
和「これよ」パカッ
律「さっきいじってたケータイじゃん」
和「憂にメールしてたのよ」
――――――――――――――――――――――
TO:平沢憂
件名:頼み事
悪いけど、憂のところに唯を呼び出してほしいの
事情はあとで説明するからお弁当が余ったとかなにか適当なメールで唯をつっておいて
――――――――――――――――――――――
律「さ、さすが生徒会長。伊達じゃないってか」
和「さっきから私を生徒会長ってキャラにしようとしてない?」
律「してないしてない」
紬「りっちゃん!」
律「あ、ああ、よし、ムギぶつぞ」
紬「おねがいしまっす!」
律「お、おう」
和「さっさとやっちゃいなさい」
律「……うん」
紬「さあ、りっちゃん思うままにぶったたいて」ペコリ
律「……やっぱやらないとダメ」
紬「はい!」
律「……」
和「早くしないと私がぶつわよ……律を」
律「いや意味わからないから、それ」
紬「りっちゃん、遠慮しないで。私がりっちゃんにお願いしてるんだから」
律「……あああ!もう」
紬「!」ビクッ
紬「……」
紬「…………?」
紬「りっちゃん?」ナデナ゙デ
律「いや、やっぱぶつのはいやだから……頭を撫でるので勘弁してくれない?」ナデナデ
和「ナゼカシラ。ココニイテハイケナイキガスル。オイトマシマショ」
紬「りっちゃん……」ナデナデ
律「ダメ?」
紬「ううん……これはこれで……ウレシイ」
律「へ?」
律「……」ナデナデ
紬「……」
律「……もういいか?」
紬「……………………………………はい」
律「なんか、そのごめんな」
紬「ううん。むしろ得したから」
律「そうか?」
紬「うん。ありがとう、りっちゃん」
律「どういたまして」
紬「それにしても……りっちゃん」
律「?」
紬「私の頭を撫でてくれてるときのりっちゃん、すごく……」
律「すごく?」
紬「すごくかわいかった」
律「え?」
紬「お母さんみたいっていうか、すごく優しくて、かわいくて……」
律「……///」
紬「りっちゃん?」
律「だから、そういうこと言われると反応に困るんだよ!」
ガツン!
紬「あいたっ!」
おしまい
おまけ!
澪「……」パク
澪「……」パクパク
澪「……みんなどこ行ったんだろ?」パク
澪「……」
澪「寂しくないもん」
澪「……グスッ」
おしまい!!
最終更新:2010年08月08日 20:35