日曜AM9:30
澪「あ…早いな唯」
唯「うん…おはよう澪ちゃん」
澪(珍しいな…唯が待ち合わせに遅刻しないなんて)
澪「律はまだか…まったく…」
唯「…ねえ澪ちゃん?」
澪「ん?」
唯「私…わかったんだ…澪ちゃんがこないだ言ってたこと」
澪「え?」
唯「あ、りっちゃん来たよ!」
澪「あ、ああ…」
律「いやあ悪かったな!一番遅くなってさ…」
澪「まったくだ!言い出しっぺのくせに」
唯「…ま、まずはどこ行くの?」
律「そうだな…じゃあ映画に行こう!」
澪「なに見に行くんだ?」
律「んーそうだなあ…」
唯(りっちゃん、澪ちゃん…私、わかったんだ…
私の本当の気持ち…あと、二人の気持ちも…だから…)
映画館
律(よし、唯の隣に座るぞ!)
澪(唯は律の隣には座らせない!)
唯「よし、じゃあ真ん中澪ちゃん!右がりっちゃんで私は左ね!」
律「え、でも…」
澪「そうだな!それでいいよな律!」
律「う…まあ…」
律(ま、まだチャンスはいくらでもあるよな…)
デパート
律「唯、おそろいのペンを…」
唯「あ、澪ちゃん、このストラップ、りっちゃんとおそろいで付けたら?きっと似合うよ!」
澪「え?そ、そうかな…」
唯「似合うよ!だから買っちゃいなよ!」
澪「あ、ああ…」
律「ゆ、唯…なんで…」
ハンバーガーショップ
律「唯、向かいに座らないか?」
唯「澪ちゃんはりっちゃんの向かいに座りなよ!私は澪ちゃんの隣ね?」
澪「あ、ああ…ありがとう」
澪(なんだろ…妙に私の思った通りにいくな…)
律「な、なあ唯、一緒にポテトを…」
唯「あ、私ちょっとトイレ行くね?二人とも仲良くね!」
律(やっぱり…昨日のことで怒ってるのか?いや、もしかしたら…)
澪「なあ律、唯なんだけど…」
律「…澪、唯になに吹き込んだんだよ?」
澪「は?」
律「私が来る前になにか唯に言ったんだろ?それで唯は私から離れるようになったんだ!」
澪「な、なんだよそれ…私はそんなこと…」
律「どうだかな…こないだだって私に隠れて唯になにか聞いたんだろ?」
澪「な、なんでそれを…」
律「はっきりしろとか言っといてなんだよ…結局お前はそういうやつなんだな!」
澪「ふ…ふざけんなよ…お前がただ唯に嫌われてるだけだろ!」
律「な…なに!?」
澪「朝に唯が言ってたんだよ…私が言ってたことがわかったって!」
律「そ、それがなんだよ」
澪「私、前に唯に聞いたんだ…恋愛感情はないのかって…
それがないって確信したから、唯はお前から離れたがってるんじゃないのか?」
律「そ、そんな…」
澪「そういうことなんだよ!だから唯のことは諦めろ」
律「お、お前に…」
澪「律?」
律「お前に私のなにが分かるんだ!」
澪「分かるんだ!だって私は唯より付き合いも長いんだ!
唯なんかよりずっとずっとお前のことを…」
唯「澪ちゃん!りっちゃん!」
律「ゆ、唯…」
澪「あ…唯、今のは…」
唯「と、とりあえずお店出よう?皆見てるよ?」
律「う、うん…」
律(唯…今の聞いてたのか?)
澪「そうだな…」
澪(私…なんてこと…)
公園
律「な、なあ唯?」
澪「さっきの話なんだけど…」
唯「私ね?りっちゃんに言うことがあるの」
律「え…?」
唯「私…最近のりっちゃん見てて、なんか変だなって思ってたの…
宿題教えてくれたり、いつも私のこと見てたり…」
律「み、見てたの気付いてたのか…」
澪「唯…」
唯「あと遊びに誘ってくれたり…それって、私のことをずっと好きでいてくれたからなんだよね?」
律「あ…いや、その…」
唯「それで…音楽室でりっちゃんと倒れてたのを澪ちゃんが見てから、
澪ちゃんも変だなって思うようになったの」
澪「え…?」
唯「いつもりっちゃんのこと見てて、私とりっちゃんを近づけないようにしてたから」
澪「あ…うぅ…」
唯「私鈍くてよくわからなかったけど…
やっとわかったの、澪ちゃんはりっちゃんのことが大好きなんだって」
澪「ゆ、唯…」
唯「だから…だからね?りっちゃん」
律「唯…」
唯「りっちゃんが私のことを好きでいてくれるのはとってもうれしいよ?」
律(やめろ唯…それ以上は言わないでくれ)
唯「でも…やっぱり私は…」
律(言うな、頼むから言わないでくれよ唯)
唯「りっちゃんの気持ちには答えられない…
私は恋愛感情っていうのをりっちゃんには…持てないから」
律「ゆ…」
唯「だから…澪ちゃん?」
澪「な、なんだ?」
唯「多分澪ちゃんは私よりもずっとりっちゃんのこと知ってるし、
ずっとりっちゃんのこと好きだと思うから…」
澪「…!」
唯「りっちゃんのことを、今までよりもっと好きになってあげてね?約束だよ?」
澪「ゆ、唯…」
唯「じゃあ私は帰るよ!りっちゃんも澪ちゃんも、明日また学校でね?」
澪「ちょ…唯!」
律(なんでだよ唯…私、まだお前に好きってはっきりと言ってないんだぞ?)
澪「律…私、最低な…」
律(お前は…なんでそういうヤツなんだよ唯?普段は間抜けなクセしてたまにすごく大人びて…)
澪「私…バカだ…下らない優越感に浸って…唯のことを…」
律(なんで…なんでだよ唯…)
澪「付き合いが長いとか…そういうの関係ないのに…」
律「…澪」
澪「な…なん…」
ギュッ
律「私…澪のこと好きだ」
澪「り、律…」
律「だから澪、私と…付き合ってくれるか?」
澪「……」
律「私は唯にフラれたし…このまま澪とずっと一緒に…いっ…いっしょに…うっ…うぅっ…」
澪「律…」
律「澪と…一緒に…いれば…ゆ、唯のことも…わ、忘れ…られる…から…」
澪「なあ律、お前、嘘ついてるだろ?」
律「う…うぅ…えっ…えぐ…」
澪「言っただろ?私はお前のことならなんでも知ってるって」
律「うぅ…み、みお…」
澪「私と付き合いたいっていうのは嘘で、ホントの気持ちは…言わなくても分かってるよな?」
律「で、でも…お前は…わ、私のことを…」
澪「好きだぞ?でも、もう一人お前を思ってるヤツがいるだろ?
お前の本当の気持ちは…そいつに向かってるはずだ」
律「う…うぅ…」
唯(はぁ…りっちゃんたち、上手くいったかなあ)
唯「今日の晩御飯はなにかなあ~?憂、何作っただろう?」
唯(な、なんでこんな嫌な気持ちになるんだろう…
せっかく澪ちゃんもりっちゃんも仲直りできたはずなのに…)
唯「……グス」
唯(りっちゃん…私、昨日気づいちゃったんだよ…りっちゃんを気にしてる私は…
りっちゃんのことが好きなんだって…)
唯(でも、やっぱりダメなんだよ…
私がりっちゃんの気持ちに答えちゃったら…澪ちゃんはどうなるの?悲しむよ…)
唯(だから…私は…)
~♪
唯「ありゃ?メールだ…」
唯「澪ちゃん?仲直りできたのかな?」
『私は大丈夫』
唯「え?これ…どういう…」
律「おーい!唯!」
唯「あ…り、りっちゃん!?」
唯「な、なんでりっちゃんが…」
律「お前にまだ、伝えてないことがあったからな」
唯「伝え…だって私はもう…」
律「あれはお前が勝手に言ったことだろ?まだ私は何も伝えてない」
唯「で、でも…澪ちゃん…あ…」
唯(大丈夫って…まさか…)
律「澪もわかってくれた。あとは私がちゃんと言うべきことを言う」
唯「り…りっちゃん…」
律「私はな、唯…あの時、ドラムのことをほめてもらえて、すごく嬉しかったんだ」
唯「う…うん」
律「ありがとうって言ってもらえて…すごく嬉しかった…
その時のお前の顔は…その、すごく可愛かった」
唯「うん…」
律「その時からだ…お前のことが気になり始めたのは」
唯「そ、そうだったんだ…」
律「お前のことを見てるうちどんどん惹かれていったんだ。
ずっと一緒にいたいって思うようになった」
唯「う…」
律「唯」
唯「は、はい」
律「私はお前のことが大好きだ!だから私と、友達じゃなく恋人として…付き合ってください」
最終更新:2010年07月03日 05:03