和「はぁ…毎日毎日生徒会の仕事、私だって遊びたいのに」

「帰りどっかよってく?」

「いいね!どこ行く?」

「帰りながら決めようよ」

「そうだね~」

和「私も唯と寄り道して帰りたいな……っと、そろそろ行かないと生徒会室に行かないと」



会長「本日の会議はこれまでにします、皆さんお疲れ様」

「「「お疲れ様です」」」

和「お疲れ様です」

和「唯だって頑張ってけいおん部やってるのに私が愚痴ってちゃダメよね」

和「(今日は会議が早く終わったし帰りに本屋でもよろうかしら)」



「いらしゃいませ~」

和「何か面白そうな小説あるかしら」

和「あ…へぇ~この店って楽器の本とかもあるんだ……って私が読んでもよくわからないわね」

和「今度唯に話してあげようかな……あれ?」


「んしょ!んしょ!」


和「これかしら?」
「あ、ありがとうございます」

和「お勉強かしら?」

「はい、受験に向けて今から勉強しようと思いまして」

和「偉い!私の知ってる子なんか受験の1ヶ月前から勉強始めたんだから」

「え~!?その人どうなったんですか?」

和「それが驚く事に見事合格したわ」

「スゴいです!!」

和「まぁスゴいのかスゴくないのかよくわからない子だけどね。ねぇ受ける高校はもう決めてるのかしら?」

「はい、桜が丘高校を受けようと思ってるんですけど」

和「桜が丘高校!?私が通ってる高校だわ」

「本当ですか!?」

和「ふふっ、じゃああなたが来たら私はあなたの先輩になるのね」

「……合格できればですけど」

和「良かったら私が受験に使ってた参考書使う?」

「いいんですか?」

和「これも何かの縁だしせっかく可愛い子が後輩になるかもしれないしね」

「そんな可愛いだなんて///」


和「それでどうかしら?」

「はい!よろしくお願いします……えっと…」

和「真鍋よ、真鍋和

梓「梓、中野梓です」

和「梓ちゃんね、私は和でいいわ」

梓「はい、ありがとうございます和さん」

和「和先輩でもいいわよ?」

梓「それは合格した時の楽しみに取って置きます」

和「それじゃあ楽しみにしてるわね」

和「今から時間大丈夫かしら?何か都合があるならまた違う日にするけど」

梓「大丈夫です」

和「それなら私の家に行きましょ、参考書とか受験ポイントとか教えてあげるわ」

梓「ありがとうございます和さん」


和「お母さんただいま」

梓「お邪魔します」

和「お母さん買い物に出かけてるみたい、私の部屋は2階に上がって右だから先に入って待っててくれる?飲み物用意するから」

梓「ありがとうございます、わかりました」

梓「綺麗な部屋だな~それに家具もオシャレ」

梓「ん?あの写真に映ってるのは和さんと…さっき和さんが言ってた人かな?」

和「待たせてごめんなさい」

梓「いえ!わざわざすみません」

和「散らかってる部屋でごめんなさいね」

梓「散らかってるだなんて!!この部屋が散らかってるならほとんどの部屋が散らかってる事になりますよ!!」

和「ふふっありがとう」


梓「少し気になったんですけど和さんの隣に映ってる人ってさっき言ってた人ですか?」

和「えぇ、唯って言うのよ私の親友かな」

梓「唯さんって言うんですか」

和「唯ってば昔からぼーっとしてる子だったんだけど、高校に入ってからはけいおん部に入って変わったわ」

梓「けいおん部ですか!?」

和「あら、梓ちゃんも音楽するの?」

梓「はい、ギターを小さな頃からやってて…」

和「偶然ね、唯もギターなのよ」

梓「そうなんですか!?なんだかその先輩に会いたくなりました」

和「唯とならすぐに仲良くなれると思うわ、唯ってば梓ちゃんみたいな子大好きだしね」

梓「それで唯さんのギター歴は何年なんですか?」

和「高校になって初めてギターを触ったそうよ」

梓「え?」

和「残念ながら本当の話しよ」

梓「初めて…はは…初めてですか…あはは」

和「これは梓ちゃんがけいおん部に入ったら唯の出番は無くなっちゃうわね」

梓「入れたらですけどね」

和「そのために力を貸すんだから頑張ってね梓ちゃん」

梓「やってやるです!!…あ、すみません」

和「ふふ、いいわよ気にしないで」

梓「そ、そうですか?」

和「それじゃあ始めようかしら」

梓「やってやるです!!」

和「(可愛いわね)」


和「…とこんな感じかしら?多分まだ習ってない所もあるでしょうけどそこはいずれ授業で習うからしっかり勉強する事」

梓「はい!助かりました!!」

和「これは私が受けた時の内容だから梓ちゃんと違うかもしれないから油断しちゃダメよ」

梓「問題ないです、しっかり勉強しますから」

和「……本当に唯の立場無くなりそうね」

梓「あの、和さん」

和「何かしら?」


梓「良かったらメールアドレスと携帯の番号交換しませんか?」

和「いいわよ、何かわからない所とかあったら電話してきていいわよ」

梓「その時はお願いするです」


梓「それじゃあお邪魔しました和さん」

和「送っていかなくて大丈夫?」

梓「はい、まだそんなに暗くないので大丈夫です」

和「そう?ならさようなら梓ちゃん」

梓「和さんさよならです」

和「梓ちゃんか…可愛い子だったわね、勉強も真面目だし小さな頃からずっとギターの練習してるみたいだし」

和「唯、あんた真面目に練習しないとけいおん部のマスコットになっちゃうわよ」


……

唯「だら~」

律「だら~」

澪「2人共真面目に練習しろ!!」

律「え~?別にいいじゃん」

唯「いいじゃ~ん」


澪「そんなんで後輩が来た時にどうするんだ?」

唯「大丈夫だよ~私みたいに初心者で昔からギター弾いてる子なんて入って来ないって」

梓「くしゅん…誰か噂してるのかな?」

澪「それはそれで複雑だな……って、とにかく少しは練習しろ」

唯「あとでするよ~」

律「私も~」

澪「…まったく」

紬「まぁまぁ」

和「唯いるかしら?」

唯「あ~和ちゃん!」

律「お~和何の用だ?」

和「ちょっと唯が心配になっちゃってね、唯、真面目に練習しないと後輩にポジション取られちゃうわよ」

唯「ふぇ?大丈夫だよ~」


和「はぁ…本当に大丈夫かしら」

和「それじゃあ私はもう行くけど真面目に練習するのよ?」

唯「わかってるよ~」

和「本当にわかってるのかしら…」


唯「だら~」

澪「おい!さっき和が真面目に練習しろって言ったばかりだろ!」

唯「明日から頑張るよ~」

澪「おい…」

唯「だら~」

澪「はぁ~」


和「それで唯ったら私や澪が何度言っても練習しないのよ」

梓「ふふふ」

和「どうかした?」

梓「唯さんの話しをする和さんってスゴく楽しそうですから」

和「そ、そうかしら?」

梓「はい、もう唯さんにデレデレです」

和「こら、あんまり年上をからかっちゃだめよ」

梓「えへへ、ごめんなさいです」

和「でもごめんね、梓ちゃんも勉強で忙しいのに突き合わせて」

梓「大丈夫です、ちゃんと計画立ててやってるので」

和「本当に唯が少しでも梓ちゃんみたいになってくれたら私は助かるのに」

梓「でも不思議です」

和「何が?」

梓「いえ、和さんと唯さんがです」

和「私と唯?」

梓「はい、和さんはしっかり者って感じがしますけど話しを聞くようじゃ唯さんは…」

和「私と正反対かもね」

梓「はい、なのに何でそんなに仲がいいんですか?」

和「唯には私に無いものがあるからかな…多分唯のそこに惹かれたんだと思う」

梓「和さんになくて唯さんにあるもの?」

和「暖かさかな、唯と一緒にいると悩みとか嫌な気持ちとか忘れて心がポカポカ暖かくなるの」

梓「……そんなことないです」


梓「その…の、和さんも暖かいです///」

和「梓ちゃん…ありがとうね」

梓「いえそんな////」

和「ふふ、ここは私の奢りでいいわ」

梓「そんなつもりじゃ!」

和「いいのよ、嬉しかったしね」

梓「そうですか?なら和さんの好意に甘えるです」

和「素直でよろしい」

和「それじゃあ梓ちゃんまたね。ちゃんと勉強するのよ?」

梓「はい!y和梓「「唯(さん)みたいになっちゃダメ(です)よ」」

和「ふふっ」

梓「和さんってば口癖みたいに言うので覚えちゃいました、へへへ」

和「そんなに言ってたかしら?」

梓「はい!もう耳が痛くなるぐらいききました」


唯「くしゅん…あ~風邪かな?」

律「唯は風邪ひかないだろ」

唯「りっちゃんそれどういう意味?」

律「なははは」

唯「むぅ~」


和「そ、そんなに言った覚えないんだけど////」

梓「ふふ、和さんが話す話しの大半は唯さんが出てきますよ」

和「やっぱり奢るの無しにしようかな~」

梓「わ~!ごめんなさいです」

和「よろしい」


和「それじゃあ梓ちゃんまたね」

梓「和さんさようなら~」


梓「えへへ、和さんとお話出来て良かったな」

梓「和さんって頼りになってカッコ良くて…和さんがお姉ちゃんだったらいいな~なんて」

梓「よ~し!帰って勉強しないと」


和「妹がいたらあんな感じなのかしら…」

和「唯に聞いてみようかな」

和「お姉ちゃん…って、どんな…気持ち…なの?…っと……送ろうと思ったけど憂ちゃんがお姉ちゃんみたいなものよね…」

和「やっぱり唯に聞くのやめようかしら」


先生「この問題を真鍋、お前解いて見ろ」

和「はい、えっと…」

先生「どうした真鍋?お前ならこれぐらい解けるだろ?」

和「すみません」

先生「はぁ…お前が出来なくてどうする、もういい」

和「はぁ」

キンコンカンコン

先生「よ~しここまで」

「やっと終わった」
「疲れた~」

「ふぁ~眠い」

唯「和ちゃ~ん」

和「唯」

唯「和ちゃん安心していいよ~私もさっきの問題わからなかったし」

和「唯の場合は全部わからないんじゃないの?」

唯「でへへ~」

和「まったく…そうだ唯」

唯「何?和ちゃん」

和「お姉ちゃんってどんな感じなのかしら?」

唯「ふぇ?」

和「ほら唯って一応お姉ちゃんじゃない?」

唯「むぅ…一応ってなんだか失礼な言い方だね」

和「ごめんごめん、で、どんな感じなのかしら?」

唯「ん~…特にないけどやっぱり憂の事は大好きだし、憂に何かあると凄く心配しちゃうかな」

和「唯にしては真面目な意見ね」

唯「むぅ~和ちゃんイジワルだね」

和「ごめん唯、むくれないで…ほらあ~ん」

唯「あ~ん」

和「美味しい?」

唯「うん!」


和「(なるほど、常に気にかける存在ってわけね)」

和「(梓ちゃんの事は最近ずっと気にかけてるし……ふふ、それじゃあ私は梓ちゃんのお姉ちゃんかしら)」

唯「そう言えば和ちゃん最近何してるの?」

和「ん?何か言った?」

唯「ちゃんと聞いてた?最近和ちゃん何してるのかな~って、私部活始めてから和ちゃんと遊ぶ機会減ったから」


和「唯も知ってると思うけど生徒会の仕事よ、後は……可愛い猫さんとお話しかしらね」

唯「ねこ!?和ちゃんいいな~私にも紹介してよ!!」

和「焦らなくても来年来るわよきっと」

唯「ねこが?」

和「えぇ、きっとね」

唯「変な和ちゃん」


「あずさ~今日こそ一緒に遊ぼうよ」

梓「ごめ~ん私用事あるの」

「また愛しの和お姉様かしら?おほほ」

「梓ったら和さんにデレデレだよね~」

梓「そ、そんなことないよ////」

「まぁ照れちゃって」

「梓は大事な用があるみたいだから私達だけで遊ぶか」

梓「和さんとはそんなんじゃないから////」

梓「私がみんなと遊ばないのは勉強しないといけないからで決して和さんと会うためじゃ…」ブツブツ

梓「でも和さんに会うって事は勉強してないって事になるけど和さんに勉強教えてもらう事もあるわけで」ブツブツ

ブーブー

梓「和さんからだ」

和『梓ちゃんごめんなさい、今日の約束行けそうにないわ。今度また会いましょ
それと勉強頑張ってね』

梓「…………」ガックシ

梓「帰って勉強しよ」トボトボ

梓「ふ~!ふ~!」

「ねぇ…アレどうしたの?」ヒソヒソ

「何でもことごとく和さんに約束をキャンセルされてるらしいわ」ヒソヒソ

梓「ふ~!ふ~!」

「それで荒れてるのね」ヒソヒソ

「まぁね」ヒソヒソ

「クスクスよ~し」
「あ~ずさ、愛しの和さんと何か進展あった?」ニヤニヤ

梓「ふみゃ~!!」ガリガリ

「ちょ!こら!ひっかくな~いてて!こら梓!」

梓「しゃ~!!」

「いてて…まるで猫だ」

「猫ね」

梓「(和さんに会いたい~和さんと話したい~」


2
最終更新:2010年01月07日 03:51