和「高速の方が怖く無いわよ。車しか走ってないし、ギアチェンジも少なくていいから」

律「そんなもんなのか」

和「合流さえ気を付ければね」

律「和、頼むから頑張ってくれ」

和「また大げさね」

律「だって命の問題ですから!


ETCゲートopen

律「うわ乗っちゃった」

和「次で降りて引き返してきましょ」


高速道路

律「ああ、空いてるしこりゃ快適だな」

和「でしょ」

~~~~~~~~~~~~~


律「で、澪がさぁ~」

和「んしょ、澪のことばっかり話すのね」

          ゴト

和「あなた達進学して離れ離れになったらどうするのかしら」

律「まあ澪はあたしに頼りっきりだからなあ」

和「そう?逆に見えるけど」

          ゴト
律「んなことないって~」


                        ゴト

律「ん?さっきから後ろでゴトゴト鳴ってるけど」

和「そう?」

律「走りながら分解したりはしないよな~」

和「……さあどうかしら」

律「さあって」


和「ああ、トランクにいっぱい積んでるあるから、それが転がってるんじゃないかしら」

律「なんだそうか」

                         ゴト

和「……暗くなってきたわね、ライトつけなきゃ」

律「で、澪なんだけど~」



山道

律「で、高速降りたはいいんだけど、なんかえらい山の中だな」

和「反対側の入口はずっと回りこまなきゃいけないみたい んしょ」

律「もう真っ暗だしさ、崖とか気をつけてくれよ」

和「わかってるわよ んしょ」

律「寂しいところだなぁ……ん?」

律「あれなにかな?あの建物」

和「あれはホテルね」

律「へえ、こんなとこにもホテルがあるんだ、でもやけにケバケバしてんな」

和「何言ってんの、ラブホテルじゃない んしょ」

律「え……うは」

和「休憩していく?」

律「は?」

和「あのホテル、入ってみたくない? んしょ」

律「ええっ!和、お前…あ、あたしはそのそんな」

和「バカね、律だっていずれああいうとこ利用したりするかもしれないでしょ、後学のためにってことよ」

律「なんだ、あーびっくりした」

和「どう?」

律「いや……あたしはまだそういうのは……いいから」

和「まだ男の人って興味ない?」

律「ないこともないけどさ、今のとこ必要ないっていうか、あんなとこ入る自分が想像できないよ」

和「澪も?」

律「うーん、澪だけじゃなくってさあ」

律「唯とか紬梓、もちろん和もだけど、今のあたし達の毎日が楽しくって
    未来のそういうのってなんか現実味ないなあ」

和「ふーんそうなんだ」

律「そういう和はどうなんだよ」

和「うん、私もそんな感じなんだけど、でも、唯と律はちょっと心配かなぁ」

律「あたしと唯?なにが?」

和「あんた達って軽いノリで付いて行って、ああいうとこ連れ込まれちゃいそうなんだもの」

律「えー唯と一緒にされるとは心外だな~」

和「ふふ、特に唯は目が離せないわ」

和「律は考えたことない?このまま時間が止まって高校生活がずっと続けばいいとか」

律「そりゃあるよ、でもそんなのありえないし」

和「ありえないか……」

律「そうだよ、みんな大人になるんだ、現に和だってこうして車運転してるじゃん」

和「そう……そうね……」





律「キラキラひかる 願い事も~ グチャグチャへたる 悩み事も~かぁ」

                              ゴト…            ゴト…

律「あ、またゴトゴト鳴ってる」

律「そういやさ、なんで唯誘わなかったんだ?」

和「……」

                    ゴト…            ゴト…

唯は今日は……あれ?和と勉強とかいってたんじゃなかったっけ」

和「唯は……夕方から用事が-」

律「なーんだそうかー」

和「それに、私の車避けてるみたいで」

律(それはわかる気もするな)

                     ゴト…            ゴト…

和「……んしょ」

律「そうそう、唯ってさ……」




♪ユイ ユイ ユイ ♪ユイ ユイ ユイ

律「おっ噂をすれば唯から電話だ」

ピッ

律「もしも~し」


唯『……りっ…ちゃん』

                     ゴトン!

律「何だ唯、暗い声だな」

唯『私……私ね……死んじゃったの……』

                                 ゴト

律「へ?」

唯『和ちゃんに……殺されちゃったよぉ……』

律「あ?なんだって?」

唯『死んじゃったよぉ……』

律「はぁ?なーに言ってんだバーカ」

唯『私バラバラにされちゃって……車のトランクの中』

                                 ゴトン!

律「は?あたし今和の車に乗ってるんだけどな」

唯『りっちゃん……りっちゃんも気をつけて……』

律「唯、そういう冗談は笑えないぞ、反省してかけ直してこい!」

ピッ

律「ははっ、ったく唯の奴は」


和「……どうしたの?」


律「なんか唯がお前に殺されたとか言っちゃってぇ、そんなのであたしが腰抜かすとでも思ってんのかねぇ」

和「……」

律「あ、怒ってやらないでくれよ、あいつも悪気はないんだから」

和「……」

律「……和?」

和「……」


律「な、なんだよ~黙りこむなよ~」

律「まさかお前マジで?……なんちゃって~……は、はは」

                                  ゴトン…

キッ

和「……」

律「な、なんで止める……んだよ」

和「……」

ガチャ

律「おい、和 どこいくんだよ!なんとか言えよ!」

和「……トランク見てくる」

律「トランクって……おい」

律「待てよ!」

ガチャ 

律「のど……」



和「もう……音立てちゃダメでしょ」

和「律が怖がるからね……」

ガサゴソ

和「ほら、だからね唯は大人にならない方がいいのよ」

律「和……」

和「ずっとこのまま、純粋な唯のままでいてね……」

ガサゴソ

律「の……のど……か……」

律「おまえそこに!トランクに何が入ってる!」




和「……何って」


和「……これよ」


ドサッ!


唯「りっちゃ~ん!どんどこど~ん!!!」





律「ひえぇぇぇぇぇっっっっ!!!!」



律「……なに?なんなんだ……」

和「クスクスクス」

唯「ドッキリだよ~っ!!ずっとここに隠れてたんだよ~」

律「はぁ?ドッキリ?」

律「し、心臓止まるかと思った」

和「ごめんね、唯がやろうってきかなくてさ」

唯「あ~、和ちゃんもノリノリだったくせに~」

律「おまえらなぁ……」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

律「ふぅ、やっと落ち着いた」

唯「でも、さっきのりっちゃんの顔ったら。また思い出しちゃった」

和「プーッ!クスクス」

律「う、うるせー!」

唯・和「きゃはははははははっ!」




和「じゃ、帰ってファミレスでも行こうか」

唯「うんうん!もう私お腹ペコペコ~」

律「ふぅ、まったくもー、覚えてやがれっこの野郎どもっ」

唯「りっちゃん、ごめんねー」

和「ゴメンゴメン、食事おごるからさ」

律「たっぷりおごらせてやるからな~……ん?」



律「……ところで唯さ」

唯「なあに?」

律「ずっとこの中にいてどうもなかったのか?」

唯「全然平気だったよ~」

律「平気って、お前どんな……」


♪ミオミオ ミオミオ ミオミオ

律「あれ?澪からだ」

ピッ

律「もしもし~あたしだよ~ん」

澪『律!お前どこにいるんだっ!何で!なんですぐ出ないんだよ!』

律「え?すぐ出たじゃん」

澪『何時間もずっと電話してたんだぞ!大変だ!大変なんだ!』

律「どうしたんだよ」


澪『唯が……唯と和が死んだ……』


律「えっ?」

澪『交通事故……和が運転してて……それに唯も乗ってて……車グチャグチャで……』

律「なーんだ澪、お前も唯たちとグルかよ」

澪『律……なにを言ってるんだ』

律「ドッキリはもういいって」

澪『嘘じゃない!さっきまで病院に行ってたんだよ!紬と梓と二人の遺体に会ったんだよ……』

澪『お前は連絡取れないし……どこ……行ってるんだよ……りつぅ』

律「あのなあ、あたしはいま唯と和といるんだよ」

澪『り、りつ……なにを言ってるんだ……ふざけるのはよせ』

律「ふざけてんのは澪だろ、一緒にドライブ来てるんだよ、今からファミレスで食事するんだって」


澪『そんなわけ……そんなわけ無いだろっ!二人は死んだんだっ』



律「だからっ!現にここに!ほらここにっ!」

律『ほらここに……あれ?』

澪「律?」

律『お、おいっ!唯!?和!?』

澪「律?」

律『あれ?車は?』 

律『えっ?……ここどこ?』

澪「律!」

律『えっ?』 

律『あっ!』

律『うわああああああっ!!!』


澪「りつ!」


澪「律?もしもし?律、どうした?おいっ律!返事し…」


  『もしもし……澪ちゃん……』

澪「えっ?だっ誰?律、律は?」

  『……澪ちゃん……』

澪「その声……まさか、ゆ…」

  『今から……』 







  『今から行くから』

                      ゴトン!




            おわり



最終更新:2010年08月13日 22:51