梓「え~と……。みんながやってたのは……」ガサゴソ

梓「あ、あった。ダイアモンドとパール、どっち買えばいいんだろ?」

梓「……。ちょっと電話してみようかな」

プルルルルルルルル

唯『あずにゃんだ! どうしたの?』

梓「ダイアモンドとパールで迷いまして」

唯『あ~、あるある。そんなのどっちでもいいんだよ~』

梓「ちなみに唯先輩はどっちなんですか?」

唯『わたしと澪ちゃんがダイアモンドで、りっちゃんとムギちゃんはパールなんだよ~」

梓「そうなんですか……。あっ、このプラチナってやつでもいいんですかね?」

唯『お! それはいいかもね』

梓「分かりました、ありがとうございます。買って戻りますね」

唯『がんばれ~』ブチッ


――

梓「ただいま戻りました」

唯「あずにゃんおかえり~」

澪「プラチナじゃないか! 梓やるなぁ」

律「さっそくやってみろよ~」

梓「そ、そうですね。では……」ポチッ

紬「これで梓ちゃんもポケモン仲間ね~」

梓「は、はい! ……最初の3匹……。どれにしよう……」

唯「わたしはナエトルにしたよ~」

律「ヒコザルにしたな」

澪「私はポッチャマ……」

律「澪ちゅわん、可愛い~」

澪「律!!」

律「冗談冗談(笑)」

梓「えーと……。じゃぁ、唯先輩のと同じのでいいです」

唯「やったあ~! あずにゃんと一緒だぁ~」

梓「なんかいいですね、こういうの」

律「お? ポケモンの魅力にハマってきたか~?」

梓「ちょっと、おもしろい、かも……」


――

数週間後――

梓「唯先輩! 今日も部活前にポケモンしましょう!」

唯「あ、あずにゃん」

梓「唯先輩、対戦しましょう。今日は負けませんよ」

唯「対戦? 負けない? あずにゃんどうしたの?」

梓「え」


ガチャリ

律「おーっすオラりっちゃんって……。どったの?」

梓「唯先輩がポケモンのこと忘れちゃってるみたいなんです」

律「ポケモン? は? 何それ」

梓「え……」

ガチャリ

澪「りぃ~つぅ~! さっきはよくも~……」

梓「! 澪先輩! 聞いてください! 唯先輩と律先輩が変なんです」

澪「? 二人が変なのはいつものことじゃないか」

梓「ちがうんです、あんなにハマってたポケモンをまるで知らないみたいに……」

澪「ポケモン? なんだそれ。律、知ってるか?」

律「うんにゃ」


唯「あずにゃん、どうしたの? 気分でも悪いの?」

梓「ほんとに……。どうしちゃったんですか、みなさん!!」

澪「お前がどうしたんだよ、梓。何かおかしいぞ?」

梓「おかしいのはみなさんです! ほら、コレみてください! これでも思い出しませんか!?」

唯「あ~、なんか可愛いね~」

律「強そうだな」

澪「なんか怪獣がいっぱいだな……」

梓「そ、そんな……」



ガチャリ

梓「む、ムギ先輩」

紬「ドッキリ大成功~!!」

唯澪律「イエーイ!!」

梓「え? え?」

唯「あずにゃんごめんね~」

律「ドッキリだったんだぜ」

澪「ごめんな、梓」

梓「な~んだ、ドッキリでしたか」


紬「梓ちゃん、大丈夫?」

梓「はい、大分落ち着きました。……では、気をとりなおしてポケモンしましょう」

唯「もう売ったよ?」

梓「え」

澪「そうだ、今の時代は……」

律「DQN(ドラクエナイン)だ!!」

梓「え」

紬「梓ちゃん、流行に乗らなきゃだめよ?」

梓「えぇぇぇぇっ!?」


――

それから1年後――

梓「……」ピコピコ

後輩「何してるんですか?」

梓「……」

後輩「梓先輩?」

梓「あ、いたの? ……これはね」

後輩「?」

梓「ぽけもん、って言うんだよ」


~終~



最終更新:2010年08月14日 00:10