唯虫「おいしーよ」
澪虫「ほ、ほんとー?」オドオド
憂虫「おいしーですよー」
澪虫「…」
澪虫「ぱく…」
澪虫「ほっこり」
唯虫「ねー」リンリン♪
澪虫「おいしーおいしー」リンリン♪
梓「さ、さすが唯先輩にそっくりな虫…」
梓「とてもフレンドリー!」
唯虫「リンリンリン♪」
憂虫「リンリンリン♪」
澪虫「リンリンリン♪」
梓「わっ急に賑やかに!」
梓「澪虫、元気になってよかったね」
リンリン♪ チンチロリン♪
梓「こうして鳴き声を聞いてると」
梓「まるで楽器を演奏してるみたい…」
唯虫「ぐーぐー」スースー
憂虫「スースー…」
梓「鳴きつかれて、仲良く寝ちゃったんだね」
澪虫「…」ヨタヨタ
梓「澪虫はまだ起きてたんだ」
澪虫「…」サッサッ
梓「あ、二人に腐葉土を掛けてあげてる」
梓「澪先輩みたいにしっかり者なんだね」トントンッ
澪虫「オ、オヤスミナサイ…」ガサゴソ
梓「澪虫も土に潜っちゃった…」
梓(よかった、この3匹は仲良くやっていけそう…)
梓「丁度いいから、いまのうちに虫カゴに手を加えようかな」
梓「スーパーで買っておいた昆虫の水」
梓「地面に差しておくだけで適度な湿り具合にしてくれる優れもの」
梓「他にも庭に落ちてた葉っぱとか登り木を入れて…」ガサガサ
梓「なんだか楽しくなってきた…」
梓「ここはアイスを置くエサゾーン」ヒョイッ
梓「ここは木登りできる運動ゾーン」ヒョイッ
梓「ここは隠れられる場所がいっぱいでおやすみできる就寝ゾーンだよ」
梓「そして切り株を真ん中において」
梓「みんなが集まって仲良くする広場の出来上がり!」
ピカピカピカピカ
梓「えへへっ」ニヤニヤ
梓「手を加えた虫カゴはいっそう輝いて見えるよ!」
梓「そうだ、夏休みの自由研究の宿題はこの子達の観察日記にしよう!」
梓「たしか小学校の頃に使わなかった観察ノートがどこかにあったはず」ゴソゴソゴソゴソ
梓「ない」
梓「おかーさーん!どこかに観察ノートないかなー!?」ダッ
澪虫「…」スースー
リンリンリン♪
澪虫「?」
リンリンリン♪
澪虫「なんのおとー?」
澪虫「こっちのほうー?」ヨタヨタ
リンリンリン♪
澪虫「コワイナー…」
リンリンリン♪
澪虫「ダ、ダーレ?」オドオド
唯虫「みおちゃー!」リンリンリン♪
澪虫「ゆーいー?」
澪虫「どーしたの?」
唯虫「れんしゅー!」
澪虫「れんしゅー?」
唯虫「鳴くの下手だかられんしゅーだよー!」
澪虫「えらいー」
唯虫「きれいななきごえでなきたいもーん!」
唯虫「わたしとぶのもへたー」
唯虫「ぐーたらー」
唯虫「なきごえだけはうまくなりたいのー」
澪虫「ソ、ソンナコトナイヨー」
唯虫「えー?」
澪虫「ゆーいーはとってもやさしーよ!」
唯虫「えへへーありがとー」
唯虫「いっしょにれんしゅーしよー!」
澪虫「いいのー?」
唯虫「もっとやるきがでるよー」
梓「見つかった、見つかったー」
梓「1ページも使ってない新品!」
梓「それって私が単に投げ出しやすいダメな子だったって事なんだけどね…」
リンリンリン♪ リリリンリン♪
梓「あれ?また鳴き声が聞こえてくる」
梓「さっそくスケッチしなきゃ!」
唯虫「~♪」
澪虫「~♪」
今日は、唯虫と澪虫が仲良く合唱をしていました
二匹とも、まるで澪先輩と唯先輩のようです
私も混ざりたくなるような合唱でした。
梓「うーん…」
梓「まるで小学生の作文みたい…」
梓「い、いーや大丈夫!」
梓「絵心で勝負してやるです!!」
ぐちゃあぐちゃあ
梓「…」
梓「ちょっと時代を先取り過ぎたかな…」
梓「いや、これはアートだよっ」
梓「ほーら虫ちゃん達」
梓「貴方達を描いたよー」
唯虫「…」
澪虫「・・・」
ガサゴソ
梓「二匹ともまた地面に潜っちゃった…」
梓「・・・」
チロチロリン♪
梓「あ…憂虫…」
憂虫「じょうずだよーじょうずだよー!」あたふた
憂虫「あずさちゃーじょうずだよー!!」あたふた
梓「憂虫のフォローで胸が痛いよ…」
憂虫「あずさちゃーあずさちゃー」
梓「はいはい、ありがとー…」ナデナデ
憂虫「えへへー」スリスリ
梓「そうだ、お礼に憂虫も描いてあげるよ!」
梓「さっき唯虫と澪虫が鳴いてたときは地面に潜ってて書けなかったもんね!」
憂虫「…」
ガサゴソ
梓「…潜った」
梓「皆地面が好きなんだね!」
梓「私も布団に潜ってやるもん!」グスッ
梓「あーもーいーやっ!寝ちゃお寝ちゃお寝ちゃおーっ」モフモフ
純「ふわーあ…」
猫「にゃー」
純「おはよ…」ナデナデ
純「顔洗わなきゃ…」
チラッ
純「おおっ!」
純「今日の私は髪の毛が爆発してない!」
純「珍しい事もあるもんだ」
猫「にゃ~」
純「気分いいな~」
梓の部屋
リンリンリンあさだよー♪
梓「ふわーあ…」
梓「おはよ…」トントンッ
憂虫「おはよーおはよー!」リンリン♪
澪虫「オハヨ…」リン・・・
唯虫「おはよーおはよー!!」リンリンリン!!
梓「あっ唯虫が起きてる」
梓「珍しい事もあるんだね」
唯虫「じかんまちがえたのー」
梓「朝のえさだよ~」
唯虫「わーい!」もぐもぐ
憂虫「いただきまーす!」もぐもぐ
澪虫「…」もぐもぐ
梓「憂虫のおかげで今日もばっちり目が覚めたし」
梓「今日もラジオ体操に行ってくるかな」
憂虫「かーどかーど」
梓「大丈夫だよ、出席カードはちゃんとヒモをつけて首からぶら下げたから」
唯虫「すごーい」
梓「それじゃ行ってきます!」
澪虫「キヲツケテネ…」
ラジオ体操をする広場
ワイワイガヤガヤ ミーンミンミンミン
純「おー、なんだか夏って感じだなー」
純(気分がいいついでにラジオ体操に参加しちゃう健康的な私なのでした)
オジイチャン「…」シンブンバサバサッ
コドモ「ラジオ体操の後○○の家でスマブラシヨーゼー!」
ワイワイガヤガヤ
純(さ、さすがにうら若き女子高生は場違いだったりする?)チョットコウカイ…
梓(純がいる)
純「…」
純「…」おろおろ
梓(挙動不審…)
梓(面白いからしばらく遠くから眺めてみよう)
純(こういうときは携帯でもいじって時間をつぶすのが一番…)
純「…」
純(携帯忘れた!)
コドモ「ワイワイガヤガヤ」
純(気まずい…)チラッ
聡「…」
純(あ、あんなところに私と同じ境遇の男の子が!)パアァァァ
聡「…」チラッ
聡「?」
純(私には君の気持ちがよーくわかるよ!)
純(同じ境遇の人がいると安心できるね)ジー
聡「…」
律「聡!なにボケッとしてんだよ!」
聡「別にぼけっとしてねーし…」
純(あっツレがいた)
純(裏切り者!)キッ
聡「!?」
梓(表情がころころ変わって面白いな)
純「…」キョロキョロ
梓(また孤立した人を探してる…)
純「!」
梓(あ、目が合った…)
純「あずさー!!」ダッダッ
梓(うわあ…凄いうれしそうな顔でこっちに来るよ…)
純「ひょっとして梓もラジオ体操なの?」
純「奇遇だね!」ニコニコ
梓「いや、別に通りかかっただけだよ」
純「え…」
梓「私はそろそろ帰るから」
純「ちょ、ちょっと待ってよー」
純「いっしょにラジオ体操しようよっ!!」
純「調子に乗って来て見たけれど、話し相手がいなくて寂しいんだよー」
梓「そんなに嫌なら、帰ればいいじゃん…」
純「ここまで来て参加せずに変えるのもバカらしいじゃん!」
純「ゆっくりしていってよ、自分の家だと思ってさー」ギューッ
梓「なにいってんだ…暑苦しい…」
律「よっ、梓…と純ちゃんだっけ?」
梓「あっ律先輩、おはようございます」
純「あれ、さっきは気が付かなかったけど律先輩!?」
律「梓はラジオ体操出席カードをちゃんと持ってきたかー?」
梓「きちんと首にぶら下げてますよ」
純「えっ…」
純「さっき通りすがりって…」
梓「嘘だよ」
純「からかわれたー!」
純「ひどい!」
梓「ごめんごめん、あまりに純が必死だからつい面白くって…」
律「あー純ちゃん、今回初参加だろ?出席カード渡しとくよ」
純「あっはい、ありがとうございます」
律「ネコ型、クワガタ型、普通の四角、何種類かカードはあるけど、どれがいい?」
梓「ちなみに私はネコの形のカードだから…」
純「じゃあ私もネコ!」
梓「えっ普通被らないようにするもんじゃ!?」
純「いいのいいの、そーいうの気にしないし」
律「体操が終わるとこのカレンダーの部分にハンコを押してもらえるんだ」
律「いっぱい出席すると、素敵な景品がもらえるから頑張れよ」
純「はい!」
梓(純は3日でこなくなりそう)
コドモ「リツネーチャン、チョットキテー」
律「あ、今行くよ」
律「そんじゃ私は、ガキどもの面倒見てくるから」
梓「律先輩、子供ウケがいいですもんね」
律「頼れる姉御だからな!」
梓(性格が子供と同レベルだからですよ)
律「そんじゃ、また!」
純「な、なんだか律先輩、かっこいいね!」
梓「あ~たしかに部活のときよりも部長って感じかも」
未完
最終更新:2010年08月15日 00:08