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同性愛の趣味などなかった。
かといって特別忌み嫌っていたわけでもない。
興味がなかった。
そんなのもは自分には関係ないと、そう思っていた。
ふとしたきっかけであった。
その日、けゐをん部では、地獄のような日々にやっとぴりおどが打たれようとしていた。
らいぶまで間もないある日。
意識も朦朧とするけゐをん楽部屋に籠もりきりでの徹夜三日目、やっと最後のうたの合わせが仕上がった。
部の長としての手前、何とか踏ん張ってはいたが、正直、お律は倒れる寸前であった。
お律以外で唯一意識のあるおアズも、何とか疲労に耐えながらも頭をふらつかせていたし、お唯に至っては随分前から起きている気配が感じられなくなっていた。
澪吉と紬の介は折り重なるようにして寝息を立てている。この二人は初めから頑張っていたぶん、疲労も大きいのだろう。
無理もない。昼は寺子屋で勉学に励み、そのまま帰宅もせず音合わせ、半刻の猶予もない時間を送っていたのだ。
自分も限界であったお律は、やっと終わった最後のうたの楽譜を乱暴にまとめながら、おアズに眠るよう促した。
するとおアズが、眠い目を擦りながら、「私も手伝いまする」と言うので、手に持っていたお唯のぶんを渡そうとした。
そのときだった。お律はうっかり手を滑らしてしまった。
自らもふらついていたお律は、不意に、おアズの手を掴んだ。
思わず強く掴んでしまった。
「……お律先輩、」
見上げた目の、目元がほんのりと赤かった。
何かに耐えるように結ばれた唇に目が行った。
衝動的に、掴んだ手を引き寄せようとすると、おアズは恥らうように視先を逸らし、身を捩った。
艶っぽい。単純にそう思った。
「おアズ」
名前を呼ぶと、おずおずと顔を上げる。
そのまま顎を引いた。
驚いた表情のおアズの口を、貪るように吸った。
その唇はまるで赤子のもののように柔く、お律は興奮した。
本当に衝動に駆られたとしかいいようがない。
そのまま、おアズを抱え、隣の教室へと走った。
おアズは何も言わなかった。
ただ、腕の中で驚いたような顔をして、時折不安そうにお律を見上げるのだった。
それからは、想像の通りである。
着物を剥がす手、組み敷いたときのおアズの表情、声。
動くたびに鼻をくすぐる、い草の甘やかな香り。
忘れようとしても忘れられない。
確かに、彼女を抱いた。
次の日、けゐをん部。
あれからお律は、おアズと顔を合わすことはなかった。
おアズはあの後すぐ家へと帰ったし、お律はお律で、けゐをん楽部屋へ戻って、お唯たちと共に眠った。
皆のいる場で鉢合わせるよりも、できれば誰もいないところで会っておきたかった。
自分から廊下などでは神経を張り詰めて注意深く接触の機会を避けていたにも拘らず、お律は思った。
さて、しかし――皆のいる場で、一体、おアズがどのような表情を見せるのか。
それには興味をそそられた。
下世話だなどというのは今更の話だ。
なんせ、自分は勢いに任せて後輩を抱いてしまったのだ。
それも、艶姿をひとつ残らず覚えているほどはっきりとした意識があったというのに。
戸から長い髪に、お律は唾を飲み込んだ。
ちらりと見えた顔は、いつも通りに可愛らしかった。
目が合う。
おアズは遠慮がちに視線を逸らし、目を伏せた。
どうにもその動作が色っぽく感じてしまう。
思わずお律はおアズを見つめた。
おアズもそれに気づき、頬を染める。
しかし、その様子を陰から見て、手ぬぐいをぎりりと引きちぎらんばかりに噛み締める者がいた。
べぇす奏者の澪吉である。
澪吉はお律の竹馬の友である。
お律にとって澪吉は、気の置けぬ友、一番の親友であったが、澪吉にとっては場合が違った。
澪吉は随分前からお律に懸想していた。
「おのれ、おアズ、にっくき泥棒猫よ。許せぬ……絶対に許さぬぞ」
「こ、これ澪吉、どうしたのえ。それはわらわのぎぃたぞよ」
自分のぎたぁを踏みつけられ困惑するお唯に目もくれず、澪吉はお律に秋波を送るおアズを睨んだ。
その後ろから「これはこれは、楽しそうなことが起こる予感がするぜよ」と、紬の介は嗤った。
…………
律「えっなにこれ」
紬「現代文の授業の課題で書いてみたのー」
唯「そっか、ムギちゃん現国選択してたね!」
澪「ところどころ変な表現がないか? 寺子屋とか」
紬「書いたとき着物萌えが来てたからそれっぽくしてみたのー」
おアズ「色々とムチャクチャですね」
紬「歴史はあまり得意じゃないのー」
紬「それに先生に大事なとこ省略するなってダメ出しされたのー」
唯「おアズニャン!」
おアズ「やめてくださいです」
紬「私、実は国語も苦手なのー」
律「ていうかそんな問題じゃない」
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最終更新:2010年08月16日 23:26