「いいねぇー!この二人にして正解だったかもね!」
「いいコンビだねー」
澪「………」
紬「み、澪ちゃん!ここなんだけど…」
澪「え、あ…どれ?」
紬「ここの…」
いちご「……………」
帰り
律「結構疲れるもんだなー」
澪「………」
律「…みおー?」
澪「律さ…あの子と仲よかったっけ?」
律「あの子…いちご?なんで?」
律『……あーお茶とかコーヒーない?』
澪「……………」
律(あれ…もしかしてこの間喫茶店行ったのバレた…?)
澪「……まぁ律は誰とでも仲良くできるからな」
律「おっ…おぉ!そうだぞー!澪しゃんと違って友達いっぱいだからな!」
澪「うるさいっ!」ゴチンッ
律「いってー!」
律(よかった…いつもの澪だ)
……
いちご「…………」てくてく
姫子「いちご」ぽんっ
いちご「姫子」
姫子「今帰り?」
いちご「うん」
姫子「ふーん」
姫子「……いちごさぁ…」
いちご「なに?」
姫子「なんであんなこと言ったの?」
いちご「…あんなことって?」
姫子「律がロミオやるならーって」
いちご「律が私をジュリエットに指名したから」
姫子「そうだけどさー…あれまずくない?」
いちご「なんで?」
姫子「だって律と秋山さんって付き合ってるんでしょ?」
いちご「……………」
姫子「なんとなくだけど…分かってるでしょ?」
いちご「付き合ってるって」
姫子「え?」
いちご「律と秋山さん」
姫子「え、聞いたの?」
いちご「うん」
姫子「あんた可愛い顔してすごいこと聞くね…」
姫子「っていうか聞いたんなら尚更…」
いちご「いいじゃんべつに」
姫子「いや二人とも変に思うでしょ」
いちご「聞いたのは律からだけだから」
姫子「じゃあ秋山さんは知ってるってことを知らないの?」
いちご「多分ね」
姫子「ふーん…ってそれでもダメでしょ」
いちご「…秋山さんが自分で辞退したんじゃん」
姫子「そうだけど…」
いちご「あんな顔するなら最初から大人しくやればいいのに…」ボソッ
姫子「………あんたもしかしてさぁ…」
いちご「……なに」
姫子「いや…うーん…」
いちご「…………」
姫子「…まぁ、がんばって」
いちご「なにそれ」
姫子「いやー私が口出しちゃいけないかなーと思って」
いちご「…ふーん」
姫子「いい劇になること期待してるよ」
いちご「うん」
姫子『だって律と秋山さんって付き合ってるんでしょ?』
いちご(…分かってるよ)
いちご(でも…)
律『いちごとか!お姫様みたいに可愛いし!』
いちご「……………」
澪『……………』
いちご(分かってる…分かってるよ…)
……
和「え、辞退したい?」
いちご「うん」
律「おいおいなに言ってんだよ!」
いちご「まだ変更間に合うでしょ」
律「お前…」
いちご「秋山さんがジュリエットやってくれるよ」
澪「えっ…?」
律「なんでロミオがだめでジュリエットならできるんだよ!」
いちご「やらないの?」
澪「……………」
律「無理だって澪は…」
澪「や…」
いちご「……………」
澪「……やる」
律「………え?」
澪「ジュリエット…やる」
律「え、ちょっ…無理すんなよ」
澪「やる!」
いちご「………ってわけだから」
和「…そう」
紬・姫子「……………」
唯「ほえ~急だねぇ」
いちご「私ちょっとバトン部行かなくちゃいけないから」
律「あっ…おい!」
いちご「………」スタスタ
律「なんだあいつ…」
澪「……律」
律「ん?」
澪「あの…がんばるから。律となら私…がんばるから」
律「えっあっ…そ、そうか…」カァッ
唯「ひゅーひゅー!」
律「うるせっ!」
…
いちご「……………」てくてく
姫子「いちごっ!」
いちご「……なによ」
姫子「…よかったの?」
いちご「…なにが」
姫子「昨日の勢いだと奪っちゃうのかと思ってたから」
いちご「べつに…たかが劇だし」
姫子「…そっか」
いちご「……うん」
舞台 当日
澪「おぉロミオ…あなたはどうしてロミオなの」
律「あの天使のような声は…」
澪「!ロミオ…どうしてここへ…屋敷の石垣は高くて簡単には登れないはず…」
律「高い石垣など…恋の翼で飛び越えてみせましょう」
澪「ロミオ…」
律「ジュリエット…」
ぎゅうっ
キャー! キャー!
いちご(……本当なら私が律に…)
いちご『ロミオ…』
律『ジュリエット…』
いちご(………なんて)
いちご(バカみたい…)
いちご(本当ならって…あの二人が【本当】なのに…)
いちご「……………」
いちご(……バカじゃないの)
おわり
最終更新:2010年08月24日 00:24