唯「よしよし」ナデナデ
紬(凄い安心する……)
唯「」ナデナデ
紬「ねぇ、唯ちゃん、私のお話聞いてくれる?」
唯「うん、何?」ナデナデ
紬「私ね、中学のとき、ちゃんとしたお友達がいなかったの」
唯「そうなの? ムギちゃんって、お嬢様学校に行ってたんだよね」
紬「うん……みんないいお家の人ばかりだった」
唯「漫画のお嬢様って、優しそうだけどなぁ。あ、意地悪なお嬢様もいるか」
紬「うふふふ。意地悪な人はいなかったわ」
唯「そっか。漫画は漫画だもんね」
紬「みんないつも和やかにお話してるの。でも、どこか家の格みたいなものを競い合ってるような空気があって、完全に心を許してない感じなの」
唯「ふーん……」
紬「私の家は成り上がりだから、いつもそのことで厭味を言われてるような気がしてた」
唯「ムギちゃんに厭味を言う人なんて、りっちゃんがいたら成敗してくれたのにね」プンプン
紬「ふふっ。でももしかしたら、私が卑屈になっていただけかもしれないけどね」
唯「お嬢様もいろいろ大変なんだね」ナデナデ
紬「だからわがままを言って、普通の高校に来たの」
唯「そうだったんだ」
紬「桜高に入って、軽音部に入って、それからは夢みたいだった」
唯「ムギちゃん……」
紬「一緒にいるだけで楽しくなれるようなお友達ができるだなんて、考えてもいなかったの。私、ここに来て本当に良かった」
唯「うん、私もムギちゃんが軽音部に入ってくれて良かったと思ってるよ」
紬「ありがとう、唯ちゃん///」
唯「えへへ」
紬「でももう、高校も終わりなのね……」
唯「……ムギちゃん、私達は卒業しちゃうけど、友達じゃなくなっちゃうわけじゃないよ」
紬「唯ちゃん……」
唯「私、ずっとムギちゃんと友達でいたいよ?」
紬「……うんっ」
唯「えへへへへ」
紬「うふふふふ」
唯「ちょっとは元気出た?」
紬「うん。唯ちゃんに愚痴を聞いてもらっちゃった」
唯「えへへ。またいつでも聞いてあげるからね」
紬「あ、唯ちゃん、ケーキ食べない?」
唯「えっ!? あるの!?」
紬「実は私も、うっかり持って来ちゃってたの///」
唯「ぷっ。あはははは! 私と同じだぁ~」
紬「うふふふ」
唯「はい、ムギちゃん。あーん」
紬「あーん」パクッ
唯「美味しいね」
紬「うんっ!」
唯「……ムギちゃん」
紬「なあに?」
唯「私、N女子大を狙ってみようかな」
紬「えっ!?」
唯「その学校にはね、私の大事な大事な、寂しがり屋さんの友達が行く予定なんだぁ」
紬「ゆ、唯ちゃん……」ウルウル
唯「だから私も、N女子大に行きたくなっちゃったんだよ」
紬「唯ちゃんが一緒に行ってくれるなら、凄く凄く嬉しい!」
唯「うんっ」
紬「ありがとう、唯ちゃん」
唯「だから時々、勉強教えてね///」テヘ
紬「ふふっ、了解しました!」
唯「えへへぇ~」
紬「唯ちゃん、大好き!」
そして受験後!!
紬「学校に来るの、本当に久しぶりな気がするわ。梓ちゃん、元気かしら」
唯「さっきメール返って来て、下駄箱のとこで待っててくれるって」
澪「梓には寂しい思いさせちゃったからな。これから卒業まで、なるべく顔を出してやるようにしないと」
律「でも梓のヤツ、私まで合格したって聞いてびっくりしただろうなー。いっぱい自慢してやらないと」ニシシ
紬「うふふふ」
唯「あっ、いた! あずにゃぁ~~~~~~ん!!」
梓「唯先輩、おめでとうございます!」
唯「あずにゃん、ありがと~~」ダキッ
梓「わわ。唯先輩ももう女子大生なんですから、ちょっとは落ち着いてください!」
唯「だって久しぶりなんだも~ん。あずにゃん分が足りないんだよぉ~」スリスリ
律「ははっ、この光景も懐かしいなぁ」
澪「梓、久しぶり」
紬「元気にしてた?」
梓「あ、みなさんもおめでとうございます!」
律「へへーん、私まで合格してびっくりしただろー!」
梓「いえ、別に」
律「な、何ぃ?」
梓「だって律先輩が頑張ってたの、知ってますから」
律「む」
梓「やっぱりみなさんは、私の自慢の先輩ですっ!」
紬「梓ちゃん……」
唯「あずにゃ~ん、ありがとね~」スリスリ
律「梓……」ウルッ
澪「あ、律、ちょっと涙ぐんでる」
律「う、うるへー! 不意をつかれただけだっつーの!」グシグシ
紬「うふふふ」
梓「来年は私も行きますからね!」
澪「ああ、放課後ティータイム再結成だな」
唯「また一緒にケーキを食べようね!」
梓「何でそうなるんですか! バンドをやるんです!!」
唯「おお、そうだった!」
律「でも唯は受験勉強の間にギターを忘れてそうで怖いな~」
唯「私もだよ、りっちゃん!」
澪「自分で言うなよ!」
紬(またみんなと一緒にいれるなんて、凄く凄く幸せ!)ニコニコ
職員室!!
さわ子「みんなおめでとう」
唯紬澪律『ありがとうございます』
さわ子「特に唯ちゃんとりっちゃんの追い込みは凄かったものね、よく頑張ったわ」
唯「えへへへぇ」
さわ子「生徒の努力が実る瞬間に立ち会えると、先生になって本当に良かった、って思うわ」
澪「先生……」
紬「さわ子先生……」ウルウル
唯「えー、そういうのさわちゃんのキャラじゃないよ~」
律「台無しかっ!」
さわ子「ネットで見つけていつか使おうと思ってた言葉なんだから、素直に感動しなさいよ」ブーブー
律「アンタもか! 危うく騙されるところだった!」
澪「先生……」ジトー
紬「あらあらあらあら」
??「唯っ! 久しぶりだね!」
唯「へ? あっ、姫子ちゃ~~~ん」ダキッ
姫子「何だか騒がしいと思ったら、やっぱり軽音部だった」ナデナデ
律「姫子も合格の報告に来たのか? おめでとう」
姫子「ん。みんなもおめでとう。その顔だと全員合格したみたいね」
さわ子「姫子ちゃん、おめでとう」
姫子「先生、ありがとうございます」ペコ
さわ子「生徒の努力が実る瞬間に立ち会えると、先生になって本当に良かった、って思うわ」
姫子「せっ、先生っ……」ウルッ
唯紬澪律「…………」
廊下!!
姫子「みんなは帰らないの?」
唯「うん、あずにゃんが授業終わるの待ってるんだぁ」
澪「梓にはずっと寂しい思いさせちゃったからな」
姫子「ん。じゃあ梓ちゃんによろしく」
律「またなー」
紬「卒業式にね」
姫子「あ、そうだ。卒業ライブとかやらないの?」
律「え?」
姫子「3年2組はみんな放課後ティータイムのファンなんだからさ、やってくれたら盛り上がると思うよ」
唯「私やりたい!」
紬「やろうやろう!」
澪「うん、いいな!」
律「よっしゃ! いっちょやるか!」
姫子「あは。楽しみにしてるね」
卒業ライブ!!
唯「♪ふわふわ時間♪」
澪「♪ふわふわ時間♪」
じゃじゃっ、じゃじゃっ、じゃーん♪
きゃ―――――――っ!!
曜子俊美「秋山さ―――――ん!! 素敵―――――っ!!」
唯「みんなありがと―――――!!」
エリあかね「唯ちゃ――――ん!!」
唯「次は最後の曲です!」
えぇ~。
唯「この曲はね、みんなのこと考えながら作った曲なんだぁ」
しずか「えっ!? 唯ちゃんが作った曲なの?」
唯「そだよ」エヘヘ
しずか「すごーい!」ピョンピョン
唯「私ね、このクラスに入って本当に楽しかったの。修学旅行も学園祭も、すっごくすっごくいい思い出なんだぁ」
三花ちか「私も――――っ!」
唯「えへへ。だからね、私、このクラスになれて本当に良かった! みんなクラスメイトになってくれてありがとう!!」
こっちこそー! 唯っ、愛してる―――――っ!
あはははは。 秋山さーん、大好きー!!
唯ちゃーん! 律ー、腑抜けた演奏したら殴るよー!
うるせー! あははは。 ムギちゃーん! 唯ーっ!
澪ちゃーん! あずにゃーん!
りっちゃーん! ムギー!
律(みんな卒業でテンション高くなっちゃってるなー。引きずられてドラム走らないようにしないと)
澪(やっぱりライブは楽しいなっ! 恥ずかしがり屋の私が、何でもできるような気がしてくる)
紬(唯ちゃんのMCでちょっとうるっと来ちゃった)
梓(あずにゃんはやめて……)
唯「それじゃ行くよ! 『Utauyo!!MIRACLE』!!」
律「わん、つー、すりー!」
唯「♪みんなが大好きっ!!
延々続行 ルララ Miracle Sing Time
歌って 歌って 愛伝える最強手段
つたない曲でも 微妙な歌詞でも
届けたい 精一杯のsoulを♪」
姫子「みんなっ、唯が回るトコで一緒に回ろっ!」
しずか「うんっ」
エリあかね「了解!」
風子「え? え? え?」
春子「面白そうじゃん!」
いちご「……うん」
信代「えっ、何? 回るの?」
潮「唯ちゃんが回るトコで一緒に回るんだって」
慶子「わかった!」
さわ子(ふふっ、ギター弾きながら歌えないって泣きついてきた子が、まさかこんな曲を作れるようになったなんてね)
さわ子(軽音部やクラスのみんなを思いながら作ったのね、唯ちゃんらしいわ)
さわ子(初めて担任になったクラスだけど……)
さわ子(こんなにまとまってるクラスなんて、なかなか出会えないでしょうね)
さわ子(きっと唯ちゃんやりっちゃんのお陰だわ)
さわ子(2人とも、大人しい子や見た目の怖い子とも平気で仲良くなっちゃうんだもの)
さわ子(みんな、卒業おめでとう。そして、私の生徒になってくれて本当にありがとう)
唯「♪大好き 大好き 大好きをありがとう
歌うよ 歌うよ 愛をこめてずっと歌うよ♪」
じゃん♪
わあああああああああああああああっ!!
唯「3年2組大好き――――――――――っ!!」
―fin―
最終更新:2010年08月25日 22:56