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律「おーっす! 唯~、具合大丈夫かー?」

澪「寝てたらどうするんだよバカ」

律「あっ、そっか」

唯「……ん……? りっちゃんと澪ちゃん?」

澪「ああゴメン、起こしちゃったか?」

唯「ううん、平気だよ」

律「なぁ唯」

唯「なに? りっちゃん」

律「ムギと何かあったのか?」

唯「……!」

律「梓が心配してたぞー」

唯「……なにもなかったよ」

律「まあ何もなければいいんだけどな」

澪「唯、具合は大丈夫か?」

唯「まだちょっと……」

澪「じゃあ、六限はお休みするか」

唯「うん。そうするね」


タッタッタ……

憂「お姉ちゃん、大丈夫~?」

梓「唯先輩、ちゃんと寝てますかー?」


純「ハァ……ハァ……走るの早いよ二人とも……」


唯「憂! あずにゃん!」

純「……」

憂「お姉ちゃん、ジュース買ってきたよー」

梓「私はパンを買ってきました。お腹が空いてたら食べてください」

唯「わあ、ありがと!」


律「唯の周りはいつも賑やかだな」 ニコニコ

澪「律の周りは騒がしいけどな」 ニコニコ

律「澪の周りは寂しいよな」 ニコニコ

澪「律のオデコも寂しいだろ」 ニコニコ

律「澪に言われたくないんだけど」 ニコニコ

澪「やんのかコラ」 ニコニコ

純「なにこれこわい」

憂「ほらっ、飲んで! 飲んでお姉ちゃん!」

唯「自分で飲めるよぉ~」

梓「(むっ!) 唯先輩! アンパンですよアンパン! 食べてください!」

唯「自分で食べられるよぉ~」

純「なにこれもこわい」


澪「そろそろ休み時間も終わるし、教室に戻るぞ」

律「そうだな! 唯、しっかり休んどけよ~!」

唯「うん、頑張って休むよ!」

澪「頑張るものなのか?」

憂「お姉ちゃん、私達ももう行くから」

梓「また放課後来ますね」

純「お疲れ様でした~」

唯「うん、またね!」



唯「はぁ……」

唯「……ごろごろ~……」



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ほうかご!


ガラッ

憂「お姉ちゃん、来たよー」

梓「唯せんぱ~い」


唯「……」 ...zzzZZ

梓「唯先輩、寝てるね」

憂「お姉ちゃんの寝顔かわいい!」

梓「騒いじゃダメだよ」

憂「そうだね。静かにしないと……」

唯「……」 ...zzzZZ

梓「変な顔」 クスッ

憂「お姉ちゃんは変な顔じゃないよ!」

梓「憂、しずかに」

憂「……熟睡してるみたい」

梓「当分起きないかもね」

憂「う~ん、どうしよう。お夕飯の買い物しないといけないんだけど……」

梓「じゃあ、私が唯先輩のこと看てるよ」

憂「ありがとう梓ちゃん。でも部活の方は大丈夫?」

梓「平気平気。心配しないで」

憂「それじゃ、お願いするね」

梓「うん」

唯「……」 ...zzzZZ


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梓「(唯先輩……)」

梓「(唯先輩は、百合が嫌いなんですよね)」

梓「(でも私は……)」

梓「(唯先輩……)」

梓「(見てるだけならいいですよね?)」

梓「(私は先輩の傍に居られるだけで幸せです)」


唯「……あずにゃん……」

梓「」 ビクッ

梓「唯先輩……?」

唯「……」 ...zzzZZ

梓「……寝言か」

梓「唯先輩、今どんな夢を見てるんですか?」

唯「……」 ...zzzZZ

梓「私と一緒にいる夢ですか?」

唯「……」 ...zzzZZ

梓「もしそうなら、嬉しいです……」

唯「……」 ...zzzZZ

梓「唯先輩……」

唯「……ん~、あずにゃん♪」 ...zzzZZ

梓「…………唯先輩、幸せそう」

唯「~~~♪」 ...zzzZZ

梓「私も今、幸せです」


梓「……」

梓「……」

梓「……あぁ、カミサマお願い」

梓「二人だけのDream Timeください」

唯「……ん~、むにゃ……」

梓「あっ」

唯「……あれ、あずにゃん?」

梓「唯先輩、起こしてすみません」

唯「んーん、だいじょうぶ~」

梓「もう放課後ですよ」

唯「あれぇ、全然記憶がないや」

梓「寝てたんだから当然ですよ」

唯「いやぁ、なんかいい夢見てた気がするんだけどなぁ」

梓「そ、そうですか?」

唯「ん~~? ねえ、あずにゃん、どんな夢だっけ?」

梓「私に聞かれても分かりませんよ」

唯「それもそうか~」

梓「具合はもう平気ですか?」

唯「うん、よく寝たって感じだよ」

梓「そりゃ、ぐっすり寝てましたからね」

唯「さてと、部活いかなきゃ」

梓「今日は部活休みだそうです」

唯「ええー? なしてー?」

梓「唯先輩の調子が悪いからと、ムギ先輩が早退したという理由です」

唯「……ムギちゃんが?」

梓「はい」

唯「……」

梓「あの……」

唯「じゃあ早く帰ろうよ」

梓「はい。そうですね」

唯「教室からカバン取ってこなきゃ」

梓「カバンなら律先輩が詰めてくれました。これです」

唯「おおぉ~、ありがたやありがたや」

梓「唯先輩、結構汗かいてますね」

唯「ああ、暑かったからねぇ。寝汗かいちゃった」

梓「拭いてあげますよ」

唯「い、いいよぉそこまでしなくて……」 ドキ

梓「じっとしててください」

唯「ああぅ……イヤン♪」

梓「へ、変な声出さないでください!」

唯「あはは、くすぐったいよぉあずにゃん」

梓「すこし我慢しててください」

唯「ああ……これも我慢しなきゃいけないんだ……」

梓「そんなに我慢出来ないですか?」

唯「……うん……もう限界……」

梓「まあ、大体拭けましたし、服の中とかは自分でやってください」

唯「……そういう意味じゃないんだけどなぁ」 ブツブツ

梓「何か言いましたか?」

唯「いひぇ! な、なにも!」

梓「? 変な先輩……」

唯「そういえばさ~」

梓「なんですか?」

唯「あずにゃんさっき『ふわふわ時間』歌ってなかった?」

梓「……気のせいじゃないですかね?」


唯「気のせいかなぁ?」

梓「はい。気のせいです」

唯「あっ……!」

梓「どうかしましたか?」

唯「さっき見てた夢の内容思い出した!」

梓「どんな夢だったんですか?」

唯「そ、それは言えないなぁ~」

梓「どうしてですか?」

唯「どうしてでも!」

梓「……」

梓「夢の中に、私は出てきましたか?」

唯「エ、エスパーっ!?」


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唯「夕日がきれいだね」

梓「そうですね」

唯「……」

梓「……」

唯「ねえ、あずにゃん」

梓「なんですか?」

唯「……」

唯「さっきの夢の話だけどさ」

梓「はい……」

唯「夢の中に、あずにゃんが出てきたよ」

梓「……そうですか」

唯「うん……」

梓「夢の中でも、私に抱きついたりしたんですか?」

唯「……うん」

梓「唯先輩らしいですね」

唯「でも、もう……あずにゃんに抱きついたりはしないよ」

梓「え? ど、どうしてですか?」

唯「だって、あずにゃんも迷惑でしょ?」

唯「百合と勘違いされたら……」

梓「……」

梓「そ、それは、迷惑ですけど……」

唯「……そ、そうだよねぇ……うん……」

梓「唯先輩に抱きつかれるのは、嫌じゃないですよ」

唯「ふぇ?」

梓「ほ、ほら、百合と勘違いされるのと、抱きつかれるのは別の問題じゃないですか!」

唯「う、うん……そうだよね!」

梓「それに、唯先輩は言ってたじゃないですか。私に抱きつくと落ち着くって!」

唯「あ、うん……」

梓「百合と勘違いされなければ、べつに良いんじゃないですか?」

唯「そ、そっか……」

梓「だから大丈夫ですよ!」

唯「うん! そうだね!」

梓「(ちょっと必死すぎたかな……?)」

梓「唯先輩……」

唯「なぁに、あずにゃん」

梓「あそこに居るの、憂ですよね?」

唯「あっ、ほんとだ!」


憂「お姉ちゃんと梓ちゃんだー!」

梓「買い物終わったの?」

憂「うん。梓ちゃんのおかげでね!」

梓「大量だね」

唯「憂~、袋ひとつ持つよ~」

憂「ありがとーお姉ちゃん」

梓「晩ご飯は何作るの?」

憂「カレーにしようかなぁって思ってて。
  あ、そうだ! 梓ちゃん今日うちに来ない?」


梓「え?」

憂「いまお父さんとお母さん居ないんでしょう? うちも今居ないんだー。
  一緒に御飯食べようよ」

梓「そうだけど、でも……」

憂「それに昨日はお姉ちゃんを泊めてもらったし、今日はうちに泊まっちゃえば?」

梓「……良いのかな?」

憂「うん! 私は平気だよ!」

梓「唯先輩も大丈夫ですか?」

唯「ひゃい!」

梓「顔が赤いですけど、まだ熱あるんですか?」

唯「ゆ、夕日のせいだよ~!」



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ゆいんち!


憂「さあ、あがってあがって」

梓「お邪魔します」

唯「お邪魔されます!」

梓「おかしいですよ、それ」

憂「梓ちゃんは邪魔じゃないよ!」

梓「う、うん。ありがとう憂」

唯「うーいー、あいすー」

憂「ご飯食べてからね」

梓「憂も大変だね」

憂「そんなことないよ?」

憂「じゃあ私、カレー作るから」

梓「私も手伝おうか?」

憂「ううん、慣れてるから大丈夫」

唯「あずにゃんはこっちだよ!」

梓「わっ、引っ張らないでください!」

唯「ほらほら、はやくぅ~!」

梓「自分で歩きますよ……」


唯「ほら、ここが私の部屋だよ」

梓「はい、知ってます……」

唯「制服汚れると困るから、私の服貸してあげるね~」

梓「あ、ありがとうございます」

梓「(唯先輩の服……)」 ドキドキ

唯「『トレンディ』Tシャツで良い?」

梓「無地のシャツでお願いします」

唯「じゃあコレなんかどうかな?」

梓「はい。それで良いです」

唯「着替え手伝ってあげようか?」

梓「私は子供じゃないです」

唯「冗談だよぉ~」

梓「わかってますけど……」

唯「……」 ジー

梓「……あの……」

唯「なぁに? あずにゃん」

梓「いくら同性といえど、そんなに凝視されると着替えづらいんですが……」

唯「ハッ! ゴ、ゴメンよ!!」 バッ

梓「いや、べつに後ろ向かなくても……普通にしててもらえれば……」

シュルシュル……

梓「着替え終わりましたよ」

唯「私も着替えるね」

梓「はい。どうぞ」

唯「……」

梓「……」

唯「……」 カァァァ……

梓「……着替えないんですか?」

唯「あ、あずにゃんのエッチ!」

梓「なんなんですか、もう……」

唯「き、着替えるよ! 着替えるからね!」

梓「……? (唯先輩、どうしちゃったんだろう?)」


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最終更新:2010年08月27日 23:41