……………
ヤドン達「」ゾロゾロ
憂「えーと……これで全部かな?」
ガンテツ「おう! ようやってくれたな!!」
憂「あっ! ガンテツさん! 大丈夫ですか!?」
ガンテツ「ああ、もうすっかり治ったわ」
憂「そうですか? でも無理は」
ガンテツ「わかっとるわかっとる! それにヤドンも全部おるしな!! ホンマ感謝するわ!! ……ん?」
憂「どうしました?」
ガンテツ「こんなところに種……?」
憂「あっ! それたぶんチコちゃんが使った技だと思います」
ガンテツ(もしかして"タネマシンガン"のことか……? まぁええわ)
憂「あのー……」
ガンテツ「何や?」
憂「なんでこのヤドンってポケモンは誘拐されたんですか?」
ガンテツ「ふむ……まぁここで話すのもアレやから一回わしの家帰ってから話すわ」
……………
ガンテツの家
ガンテツ「あいつらがヤドンを誘拐した理由は金目的や」
憂「お金?」
ガンテツ「あぁ、あいつらヤドンの尻尾を売り捌こうとしてたらしいんや」
憂「……食べれるんですか?」
ガンテツ「あぁ、味はどうかは知らんがな。 ……にしてもあいつら急に現れやがって」
憂「急に?」
ガンテツ「ロケット団は普段カントーで活動しとんねん。 なんでか知らんけど急にヒワダにやってきてヤドンを誘拐したんや」
憂(カントー……?)
ガンテツ「まぁとにかくあんたが追い払ってくれてホンマ感謝するわ……えーと名前なんや?」
ガンテツ「憂か。 ちょっと待っとれ」
ガンテツ「ほれ、これ持ってけ」ポン
憂「これは?」
ガンテツ「わしが作った特製のボールや! 野生のポケモン捕まえる時に使うてくれ!!」
憂「ありがとうございます!!」
ガンテツ「ホンマはもっとええもんやりたかったんやけどなぁ……」
憂「いえ、気にしないで下さい」
ガンテツ「遠慮せんでええで。 ……ところでこの後憂はどうすんねん?」
憂「この後コガネシティに行きたいんですけど……」
ガンテツ「コガネか……それやったら『ウバメのもり』を抜けなアカンな」
憂「ウバメの森……」
ガンテツ「まぁボールやるだけじゃまだ礼が足りんからな。 入口まで案内するわ」
憂「あ、ありがとうございます!!」
ガンテツ「お礼言うんはこっちやってのに……」
……………
ウバメのもり
憂「暗いなぁ……」
ガンテツ「まぁこの森はいつも薄暗いからな。 足下に気つけや」
憂「はい」
ガンテツ「出口まで案内したいが、あんまりこの森には入ったこと無いし、家に孫娘一人にしとるから心配で申し訳ないが一人で行ってくれるか?」
憂「いえ、ここまで案内ありがとうございました」ペコリ
ガンテツ「何が起こるかわからんから注意しいや!」
憂「はい!」
……………
憂「えーと……」ガサガサ
憂「あれっ? この道さっきも見たような……」
カモネギ「くわー」ダッ
憂「うわっ!?」
カモネギ「?」
憂「び、びっくりしたぁ……ポケモンかな?」ヒョイ
カモネギ「くわー!」バタバタ
憂「あっ、ごめんごめん今下ろすから……」
炭職人見習い「おーい!! この辺にカモネギが……」ダッ
憂「えっ?」
炭職人見習い「あ!」
カモネギ「くわー!」バタバタ
……………
見習い「いやー助かったよ! このカモネギ僕の言うこと聞かないからさ! 捕まえてくれてありがとね!!」
憂「いえ、たまたまですよ」
見習い「まぁたまたまでも感謝するよ。 もしこのまま逃げられたら親方に……」
炭職人親方「おーい! カモネギ達は捕まったか!?」
見習い「あっ! 親方!」
炭職人親方「おっ! 2匹共おるやんけ! ようやったぞ!!」
見習い「親方、1匹は僕が捕まえましたけどもう1匹はこの子が……」
炭職人親方「おぉ! 手伝ってくれたんか!? 感謝するわ!!」
憂「そ、そんなに感謝されるようなことは……」
親方「何言うとんねん! せっかく感謝しとるのに遠慮したらアカンで!!」
憂「そ、そうですか……?」
親方「お礼になんでもするで! この森にいるって事はもしかしてコガネに行きたいとかか?」
憂「は、はい! そうです!!」
親方「当たったんかいな……まぁええわ。 こんな森彷徨ったらミイラになりかねんからな! 行くぞ!!」
見習い「はい!」
憂「お、お願いします!」
親方「任せんかい!!」
……………
親方「カモ! ネギ! "いあいぎり"や!!」
カモネギ達「クワッ!」ズバッ
憂「あっ、こんなところに道が……」
親方「この辺の木はすぐ生えるからな。 木が成長して道を防いで隠すことがあるから道知らん人は遠回りしたりずっと迷ったりしとるわ」
憂「そうなんですか……」
親方「よっしゃ、これぐらいでいいやろ」
憂「ありがとうございます」ペコリ
親方「なーに構へんて! こんなもの"いあいぎり"があれば楽勝や!!」
憂「"いあいぎり"……」
親方「このまま進んだら祠が見える。 後はそのまま一本道や。 じゃワシらはそろそろ帰るわ。 気ぃつけや!!」
憂「ありがとうございました!!」
見習い「お気をつけてー!!」
……………
憂「えーと……このまま進んだら祠が……」
憂「これかな……」ガサッ
憂「!!」
和「………」
憂「和さん!!」
和「……憂?」
憂「……そうです」
和「奇遇ね。 こんなところで再会するなんて」
憂「何やってたんですか……?」
和「ちょっとは御利益あるかなと思って拝んでただけだけど?」
憂「………」
和「………」
憂「……返して下さい」
和「何を?」
憂「ウツギ博士から盗んだポケモンですよ」
和「……悪いけどまだ返せないわ」
憂「どうしてですか!! 和さんはあんなことする人じゃないです!!」
和「………」
憂「和さんはしっかりしてて賢くてカッコいい人のはずです」
和「………」
憂「どうして……」
和「……こっちの用事が済んだらちゃんと返すわ。 だからそれまでは……」スッ
憂「えっ?」
和「返せないの!」ボン!
ワニノコ「ワニッ!!」
憂「!? チコちゃん!!」ボン!
チコちゃん「ベイッ!!」
和「……前に見た時とは姿が違うけど進化した?」
憂「はい」
和「まぁいいわ。 ワニノコ! "かみつく"!!」
ワニノコ「ワニッ!!」グワッ
憂「"はっぱカッター"!!」
チコちゃん「ベイッ!!」シュンシュンシュン
ワニノコ「ワニッ!?」ザシュザシュザシュ
和「戻って! ワニノコ!!」シュッ
憂「どうですか! これでもまだ返しませんか!?」
和「……まだまだよ」
憂「え?」
和「悪いけど今の私に憂は勝てない」スッ
憂「!?」
和「ヨーギラス!!」ボン!
ヨーギラス「ギラッ!!」
憂「えっ!?」
和「"あなをほる"!!」
ヨーギラス「ギラッ!!」ドドドドドド
チコちゃん「!?」キョロキョロ
憂「気をつけてチコちゃん!!」
チコちゃん「ベイ!!」
和「今よ!!」
ヨーギラス「ギラッ!」ドカッ
チコちゃん「ベイッ!?」
憂「チコちゃん!?」
和「"かみくだく"!!」
ヨーギラス「ギラッ!!」ガブッ
チコちゃん「!?」グラッ
憂「チコちゃん!?」
チコちゃん「……ベイ」グッ
和「こんな薄暗いところじゃ"こうごうせい"しても効果は無いしそろそろ諦めた方が……」
憂「"どくのこな"!!」
チコちゃん「ベイッ!!」ブワッ
ヨーギラス「!?」
ヨーギラスは毒をあびた!
憂「よしっ! これで……」
和「甘いわ! "しっぺがえし"!!」
ヨーギラス「ギラッ!!」ドカッ
チコちゃん「ベイッ!?」ドサッ
憂「チコちゃん!?」
チコちゃんは倒れた!
和「"こんじょう"……」
憂「!?」
和「ヨーギラスのとくせいよ。 毒や麻痺、火傷状態になると攻撃翌力が上がる」
和「それだけじゃないわ。 "しっぺがえし"は後で行動すると威力は倍増するのよ」
憂「……ラキちゃん!!」ボン!
ラキちゃん「ラッキー!」
和「!?」
憂「"タマゴばくだん"!!」
ラキちゃん「ラッキー!!」ブンブン
ヨーギラス「!?」ドカンドカン
和「無駄よ! "いわなだれ"!!」
ヨーギラス「ギラッ!!」ドドドド
ラキちゃん「!?」ドカッ
ラキちゃんは倒れた!
憂「そんな……」
和「もう終わり? 言っとくけど、私ヨーギラスがやられてもあと2匹いるわよ?」
憂「………」
和「……それじゃあ私行くから。 ヤミカラス!」ボン!
ヤミカラス「カァー!!」バサバサ
憂「………」
和「……」ボソッ
憂「え?」
和「ヤミカラス!」
ヤミカラス「カァー!」バサバサ
……………
ヤミカラス「カァー」バサバサ
和「……誰にも見られてないかしら?」
ヤミカラス「?」
和「流石に憂が可哀想だし、げんきのかけらぐらいあげてもいいでしょ?」
ヤミカラス「カァー!」
和「……にしてもソライシ博士って人いつまで探さないといけないのかしら? ほとんど手掛かり無しなのに……」
和「……ん?」プルルル
和「もしもし?」ピッ
???「よう和、調子はどうだ?」
和「……ボス」
???「良くないのか?」
和「……そんなところです」
???「まぁ焦らなくてもいいぞ? こっちだって色々準備が必要だからな」
和「……そうですか」
???「それじゃあまた連絡する。 頼むぜ和?」
和「わかりました」ピッ
和「はぁ……行きましょ、ヤミカラス」
ヤミカラス「カァー!!」バサバサ
……………
コガネシティ
憂「なんとか着いた……」
チコちゃん「ベイ……」フラフラ
ラキちゃん「ラッキー……」フラフラ
憂「とりあえずポケモンセンターに行かなきゃね……それにしても……」
和『げんきのかけら置いてくわ。 これでポケモン達を回復させなさい』ボソッ
憂『え?』
憂(和さんはなんで助けてくれたんだろう……?)
……………
コガネシティ ポケモンセンター
受付「それではポケモンを回復させるのでしばらくお待ちくださいね」
憂「はい……今日はここに泊まろうかな……」
女の子「ねぇねぇお姉ちゃん」
憂「え? 私?」
女の子「お姉ちゃんに頼みたいことがあるんだけど……」
憂「私でよければ聞くけど何かな?」
女の子「い、いいの?」
憂「うん、いいよ」
女の子「じゃ、じゃあ……ポケモンを引き取って欲しいの!」
憂「ポケモン?」
女の子「お兄ちゃんがポケモンの転送システムをいじってたら急にポケモンが転送されてきたんだって」
憂「他の人じゃ駄目なの?」
女の子「うん、色んな人に声掛けてみたけど皆いらないって言ったり今の手持ちで十分って言ったりして……」
女の子「私はポケモン育てたことが無いからどうすればいいかわからないから誰か引き取ってくれるかなぁ……って思って……引き取ってくれる?」
憂「うん、いいよ」
女の子「ほんと!?」
憂「今手持ちが2匹だけだからまだまだ余裕あるから大丈夫だよ」
女の子「やったー! じゃあ今日はもう遅いから明日ポケモンセンター前で待ってて!!」
憂「うん、わかったよ」
最終更新:2012年09月27日 00:22