唯「やっぱり海で恋人がやることときたら浅瀬で水かけ合いだよね!」

バシャバシャ

律「あはは…確かにな…あはは…」

律(まあ恋人らしいっちゃ恋人らしいか…唯も楽しそうだし…)

律「よっしゃ!おらおら!」バシャバシャバシャバシャ!

唯「りっちゃん冷たいよー!あはははは!」

唯「ふう…そろそろ帰ろっか!夕飯も出来てるよ!」

律「ああ…そうだな」

律(もう終わりか…短かったな…)

唯「あ…そうだりっちゃん?」

律「ん?なんだ唯」

唯「久しぶりに…ちゅー!」

律「なっ…」

唯「えへへ…りっちゃんのくちびる、相変わらず柔らかくっておいしい!」

律「な…な…い、いきなりすぎるぞ唯!もう一回だ!」

唯「えー♪どーしよっかなー?」

律「こら待て唯!もっとゆっくりじゃなきゃよく味わえないだろ!」

律(唯のヤツ…今日はとことん恋人やってやるからな!)

唯「ごめんみんな!遊んでたら遅くなっちゃった」

澪「どうだ律、二人きりで楽しめたか?」

律「澪…まあな…」

紬「さあ、夕飯にしましょう!」

唯「わーい!」




梓「ゆ、唯先輩、このスープ私が作ったんですけど…どうぞ!」

唯「あ、ありがとあずにゃ…」

律「唯!今日は私が食べさせてやるからな!ほれあーん!」

梓「な、なんですか律先輩…」

唯「い、いいよりっちゃん…私赤ちゃんじゃないんだから」

律「いいから!あーん!」

唯「あ、あーん…おいしい」

律「ホントか!よかったぜ!」

梓「だ、だから作ったのは私です!」

唯「私ばっかり食べさせてもらうのは悪いよ!りっちゃんもあーんして?」

律「あ、あーん…ぱく…うまいぜ!」

唯「よかった!はいもう一口!」

澪「なんか恋人というよりホントに赤ちゃんの面倒見てるみたいだな…」

紬「そうねえ…もうお腹いっぱい…うふふ…」

梓「え、もうですか?」

さわ子「赤ちゃんプレイってヤツね…モグモグ」

澪「じゃあみんなで風呂入るか…」

律「唯!か、体洗いっこしような!」

唯「うんいいよ?」

梓「唯先輩!私も背中流してあげます!」

律「梓!お前さっきから…」

梓「いいじゃないですか!後輩が先輩の背中を流すのって変ですか!?」

律「へ、変じゃないけど…」




風呂場

律「唯!じゃあ背中を…!」

唯「どうしたのりっちゃん?」

律(ゆ、唯の裸…ま、まずい…)

律「や…やっぱり…梓が流してやれ…」

梓「え、いいんですか?じゃあ唯先輩、洗いましょう」

唯「う、うん…」

澪「どうしたんだ律、前は普通だったのに」

律「だ、だって…変に意識しちゃって素肌なんて触れないんだよ…!それに」

律(あ…あの時のことを思い出しちゃってとてもじゃないけど直視できねえ…)

澪「それに?」

律「な、なんでもない!」

紬「りっちゃんかわいい♪」

さわ子「まったくウブねえ…あ、そうだ…」

梓「先輩、力加減大丈夫ですか?」

唯「うん、気持ちいいよ?」

梓(先輩の肌、すべすべで気持ちいいなあ…)

さわ子「あ~ず~さ~ちゃ~ん?」

梓「なっ…なんですか先生!」

さわ子「唯ちゃんとがった~い!」ドンッ

梓「あ、わ、きゃっ…」

ピトッ

梓「ひゃっ!」

唯「あ、あずにゃん!?」

梓「す、すいませ…」

律「あ…!」

さわ子「うふふ~りっちゃんに見せつけ…」ガツン!

澪「先生…湯船に浮いてろ!」

梓(せ、先輩の背中に…む、む…)

唯「あずにゃん、重いよう…」

梓「ご、ごごごめんなさい!」

唯「でもあずにゃん柔らかくって気持ちよかったあ~」

梓「そっ…そうですか?あはは…」

律「……」ガク

澪「あーまた…」

律「……」

澪「なあ律、あれは事故みたいなもんだし…」

紬「唯ちゃんだって深くは考えてないわよ!」

律「そ…そうかな…」

さわ子「でもわかんないわよ~?唯ちゃんだって梓ちゃんの感触を忘れられずに…」ガツン!

澪「ちょっと黙っててください!」

律「そ…そんなあ…」

律(梓も前に唯のこと好きとか言ってたし…
 強引に押したら唯だって万が一ってことも…)

唯「はーお風呂気持ちよかった!」

梓「さっぱりしましたね」

澪「な、なあ唯、さっきのことなんだけど…」

律「私もう寝る…」

紬「え、りっちゃんもう寝るの?」

唯「りっちゃんまだ遊ぼうよう」

律「いやいいよ…なんか体調悪いし」

唯「そうなの?じゃあおやすみ…」

梓「唯先輩トランプやりましょう!」

唯「あ、うん!しちならべやろう!」

律(唯…お前は私のことホントに好きなのか?)

律「はー…」

律(もっとラブラブな展開期待してたのになあ…かえって不安になっただけじゃん…)

律「唯が帰ってこないうちに寝よう…」

ガチャ

唯「…りっちゃん?」

律(唯…?)

律「…なんだよ、梓たちとトランプやるんじゃなかったのか?」

唯「そう思ったんだけど、りっちゃんがいないとなんか寂しいから…私も寝ることにしたの」

律(唯…)

律「な、なあ唯?風呂入ってるときにさ、その…梓がくっついたとき…どう思ったんだ?」

唯「えっと…あずにゃんすべすべで柔らかくって気持ちよかったよ~?」

律「そうなのか…」

律「ほ、ホントにそれだけか?」

唯「それだけって?」

律「だ、だから…梓ともっといたいとか、梓がかわいいなあとか…」

唯「あずにゃんはかわいいけど?」

律「だ、だから!私じゃなくて梓のほうを好きになったんじゃないかってことだよ!」

唯「あずにゃんはかわいいし好きだけど…りっちゃんのこと好きだよ?」

律「なあ唯…私に言う好きって、梓に言ってる好きとどう違うんだ?」

唯「うーん…そうだなあ…うーん…」

律「唯、答えてくれよ…」

唯「うーん…あーもうわかんないや!とにかく私はりっちゃんのこと大好きなの!」

律「…唯、好きって言ってくれるのはうれしいけど…私、不安なんだよ…」

唯「りっちゃん…不安って?」

律「お前、二人きりのときは恋人みたいなんだけど…
 みんなの前じゃ前とほとんど変わらないじゃないか…
 私のこと、もっと気にしてくれたっていいだろ…?」

唯「りっちゃん…」

律「私はこんなにお前のことが好きでこんなにお前のこと気にしてるのに…
 お前はいつも能天気じゃないか…だ、だから…私、不安なんだよ…お前はホントは…」

唯「りっちゃん!そんなことないよ!私はりっちゃんのこと好きだよ!」

律「で、でも…」

唯「私はりっちゃんのこといつも考えてるよ?
 でも私がボーッとしたり黙りこんじゃったら、それは私らしくないでしょ?」

律「う…」

唯「りっちゃんが好きになってくれた私は、いつも笑ってる私だと思うから…
 だから私はいつも通りの私でいるようにしてるんだよ!」

律「唯…そうだったのか…」

唯「だから大丈夫だよ…私、りっちゃんのこと大好きだから!」

律「ゆ、唯…私も大好きだ!うええ…」

唯「もーりっちゃん泣かないの!」

律「う、うん…な、なあ唯…一緒に寝ても、いいか?」

唯「うん!いいよ」

律「へへ、じゃあ寝るか…グス」

唯「よしよし…りっちゃん、もう泣いたらダメだよ?」

律「唯、ありがとうな…」ギュッ

唯「うん!もう、りっちゃんは甘えんぼさんなんだから…」

律「えへへ…唯?私今、すごく幸せだ…おやすみ」

唯「私も幸せだよ?おやすみりっちゃん…」



……

澪「…やっぱりこの二人は大丈夫みたいだな」

紬「とっても幸せそうな顔してるわね」

梓「そうですね…」

さわ子「梓ちゃん、私が一緒に寝てあげましょうかあ?」

梓「え、遠慮します…」



……

唯「りっちゃん…むにゃむにゃ」

律「唯ぃ…」


ピピピピピピピピピピ
律(ん…朝か…そういや今日唯と寝てたんだっけ…また抱きしめてやろう…)

ギュッ

紬「あっりっちゃんそんな…」

ガバッ

律「む、むむむむムギ!?な、なんで!?」

紬「実は昨日、皆で一緒に寝ようってことになって…」

律「…なんとなく言い出しっぺは分かる」

唯「うぅ~苦しいよう~…」

さわ子「唯ちゃ~ん…この服似合うわよ~グフフ」

律「さ、さわちゃん!唯から離れろ~!」

さわ子「…あらりっちゃん、おはよう…唯ちゃん寝取っちゃった♪」

律「ね、寝取るな!」

梓「あ、私も唯先輩と寝ればよかったかも」

澪「これ以上ややこしくしないでくれ梓…」



……


律「合宿はまだ1日あるし、唯、今日こそ思う存分遊ぼうな!」

唯「うん!」

澪「いや練習も思う存分やるぞ?」

紬「まあまあ…いいじゃない澪ちゃん」

梓「いや、やっぱり練習頑張るべきです!」

さわ子「梓ちゃん…焼きもち焼かないでも、私が遊んであげるから平気よ?」

梓「絶対嫌です!」



澪「今日は練習が先だ!律、二人で先に行って準備するぞ」

律「えー遊びたーい」

唯「私もー!」

澪「い・い・か・ら!行くぞ律!」

ズルズル

律「うわーん!やだー!あーそーぶー!」

唯「引きずられるりっちゃんもかわいいよ!」

律「え、そうか?じゃあ」


澪「ええい重い!歩け!」

紬「あの二人も、やっぱり仲いいわねえ♪」

唯「うん…幼なじみだもんね!」


澪「でも律、唯と上手くいってるみたいでよかったよ」

律「ああ…これも澪のおかげだよ」

澪「え、私の?」

律「お前が私の背中を押してくれなかったら、私は唯のこと諦めてた…ありがとな」

澪「な、なに言ってんだバカ律!ムギや皆のおかげだろ?」

律「はは…まあな、でも、澪のおかげであることは間違いじゃないだろ?」

澪「う…」

律「あ、澪照れてるな!?」

澪「て、照れてない!」

律「さーどうだかなー?私には分かるんだぞ!」

澪「もう…なあ律」

律「ん?なんだよ」

澪「もし…私が律のこと、諦めてないって言ったらどうする?」

律「は?なに言って…」

澪「私、今でも律のこと好きなんだ…唯じゃなくて私と恋人になってくれないか?」

律「な、ななななに言ってんだ澪!私には唯が…」

澪「ぷっ!なに慌ててるんだよ!冗談に決まってるだろ?」

律「んなあ…」

澪「私はお前と唯の応援するって決めたんだぞ?今さら好きだなんて言うわけないだろ!」

律「こ…このお…」

律「澪!怒るぞー!」

澪「人をバカにした仕返しだよ!やーい!」

律「きー!」


ガチャ

紬「遅くなっちゃってごめんなさい…さ、練習しましょう!…なにしてるの?」

律「ひどいんだよムギ!澪のヤツがさあ」

澪「だまされるお前が悪い!」

梓「あれ?唯先輩はどうしたんですか?さっき先に行くって言ってたんですけど…」

律「え…まさか…」

澪「唯のやつ…さっきの聞いてたんじゃ…?」


さわ子「お届けものでーす」


律「ゆ、唯!なんでさわちゃんにくっついてるんだ?」

唯「なんでもない…」

澪「ほっ…また変なことになるかと思ったよ」

紬「なんだ、つまらないわねえ…」

梓「む、ムギ先輩…?」

律「唯、さっきのは冗談だからな?」

澪「私、二人のこと応援してるから…嘘じゃないぞ?」

唯「…うん!わかってるよ!」

唯(でも…りっちゃん、澪ちゃんが好きって言った時、赤くなってた…なんか心配だよ…)

唯(そうだ…!)

唯「りっちゃん!」

律「なんだ?」

唯「後で私とまた…」

澪「おーい!始めるぞ!」

律「あ!…ごめん唯、また後でな!さ、練習頑張ろう!」

唯「う、うん…」

唯(二人で夜に海で遊ぼうって言おうと思ったのに…まあ、後でもいいよね)



最終更新:2010年07月03日 05:05