唯「わ、わかってる。私がいくよ。りっちゃんの声聞いたから少し安心した」
律「私もだよ……とにかく、頼んだぞ」
唯「お、おう!」
唯(最後の塩水……吐き出さないように気をつけて)
唯(走る!!)
だだだだだ
唯(はぁ……はぁ……リビングは何も起きなかった……このまま階段を降りて……)
唯(あ、あった!!)
3F 憂の部屋
憂「梓ちゃん……」
憂「落ち着いて。まだ私たちのこと気づかれてないから」
憂「で、でも…………」
憂「塩水が…………」
梓「2人分全滅……コップじゃなくてペットボトルにするんだった……」
憂「リビングにいけば澪先輩の分があるはずだけど……」
梓「このクローゼットから出てドアまではほとんど距離はないけど……それでも見つからないのはキツい」
憂「あ、あんなのに見つかったら……」
梓「人みたいな形に見えるけど……四つん這い……なんかモヤがかかってよく見えない」
憂「梓ちゃんよく見れるね……」
梓「一人だったら気絶してると思う……」
梓「ゲームをやめるにしても塩水が必要だし……なんとか出ないと……」
ピピピピピピピピッ
梓「ひゃうっ!!どこどこどこからっ」
憂「あ、目覚まし時計のアラーム……」
梓「び、びっくりさせないでよ……少し涙でちゃった……。てか憂早起きだね……」
憂「お姉ちゃんのお弁当とか家事とかあるからね。もう4時……いやまだ4時……」
梓「まだ季節的に当分暗いまま……ちょっと待って」
憂「え、なに?」
梓「あの四つん這いの白いの……目覚まし時計のとこでずっと止まってる……音……?」
梓「さっきまでずっとうろうろしてたのに……きっと音は聞こえてるんだ」
憂「じゃあ音に気を取られてるうちに……」
梓「目覚まし次になるのは何時?」
憂「私、一回で起きれるからスヌーズも掛けてないの……」
梓「……ダメか」
憂「じ、じゃあ携帯電話は?」
梓「それだ!」
憂「私の携帯をドアと離れたとこに滑らせて梓ちゃんの携帯で鳴らせば……」
梓「いける、いけるよ!」
梓「いい……?私が投げるよ……」
憂「うん……」
梓(ゆっくりクローゼットを開けて……えい)
スー……ガッ
梓(ヤバい! ベッドの足で跳ね返っ……)
ヒタ
ビタビタビタビタビタビタビタッ
バンッ
梓(ふ……ふぅ……ふぅ……)
憂(クローゼット、に…顔……くっつけてる……)
梓(声だしたら……見つかる……)
だだだだだ
……ヒタ
ヒタ
梓(二階で走る音……唯先輩かな……)
憂(た、助かったぁ……ぐす……)
梓(私の携帯がラストチャンス……次は大丈夫)
梓(絶対大丈夫……だからお願い……震えないで…………)
梓(届いてっ……!!)
スー……カコン
憂(いった!いったよ梓ちゃん!)
梓(アラームは1分後……)
ヒタ
梓(30……)
ヒタ
憂(10……)
ヒタ
梓(クローゼットをゆっくり開けて……)
憂(2……)
梓&憂(……0!!)
ピピピピピピピピピピピピッ
ヒタ
……パタン
梓&憂「で、出れたぁ……やっと……」
1F 玄関
唯(あった……人形……)
唯(和室は……りっちゃん!みおちゃん!)
律(あいつは消えた。このまま2Fにいくぞ)
澪(律頼むぞ……私は絶対目を開けないからな……)
唯(上……ピース……2Fに集合かな……わかった。先行ってて)
唯(人形は……うわっ湿ってる……当たり前か。でもこれでみんなと塩水を掛ければ終わりだ)
ゾクッ
唯(寒くなっ……気持ち悪い……目の前は玄関のドア……じゃあ……じゃあ……)
ズッ……
唯(……うし……ろ……)
ばっ
ゴクッ
唯「あ……あ……飲んじゃっ……黒い……なにあれ……」
ズッ……
唯(まだ離れてる……気づかないで! 気づかないで!お願い!お願いします!)
ズッ……
唯(もうわがままいいません!朝も早く起きます!だからだからだからお願い……お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願い)
ズッ……
「みぃ~つ~け~
「………………」
唯(…………)
ズッ……
紬(唯ちゃん……もう少し我慢して……)
ズッ……
唯(コップ……塩水)
ズッ……
フッ
唯(消えた……)
紬(ごめんね、口痛かった?……私怖くて……でもやっぱり頑張らなきゃって)
ぶんぶん
唯(ありがとう!ムギちゃんホントにありがとう! )
紬(2Fのリビングにみんな集まってるわ。私たちもいきましょ)
唯(うん!)
2F リビング
唯(みんな!!)
律(よかった……遅いから心配したぞ)
澪(ミエナイキコエナイ)
梓(あ、先輩そこ楽器気をつけて)
憂(お姉ちゃん……怖かったよぉ)
律(よし、早く終わらせるぞ!)
唯(人形を真ん中に置いて)
全員(せーの……)
ザザザザザザザザァァァァァァァァァァァ
ズッ
ヒタ
全員(!!!!!!!!)
唯(さっ……きの……)
梓(そんな……3Fにいたのに……)
憂(今塩水を吐き出したら)
紬(私の勝ちって3回言うより前に見つかっちゃう……)
唯(どうしようどうしようどうしようどうしよう……)
唯(助けて……誰か……私たちを……誰かっ!)
ガッシャーンガシャガシャビイィィィィン……
梓(楽器がっ!)
唯(ギー太!!!!)
律(今だ!!)
全員「私たちの勝ち私たちの勝ち私たちの勝ちいいいいいいい!!!!!!」
後日
律「いやぁ、あん時はホント参ったよなぁ!あははは!」
澪「おまえが言い出したんだろ!」
梓「私なんてあの後しばらくお母さんと一緒に……」
律「え?梓なんて?」
梓「い、いえ!なんでもないです!」
紬「でもホント、無事に終わってよかったー」
憂「あの時、楽器が偶然倒れてくれなかったらきっと見つかっちゃってたもんね」
唯「偶然なんかじゃないよっ!」
憂「え?」
唯「きっと、ギー太が……みんなの楽器が私たちを助けてくれたんだよ!」
澪「エリザベス……」
梓「ムッたん……」
律「私のスティックなんか特にな!」
紬「……倒れた時についた傷、直さないでおこうかしら」
憂「ふふ、ちょっと羨ましいな」
律「よし、それじゃ我らがHTTの勇姿でも見せてやるとするかあ!」
憂「お姉ちゃん頑張って!」
唯「よおし!それでは、放課後ティータイムより」
「U&I!」
よくある締めながらこれにて終了とさせていただきます。
最終更新:2010年09月03日 21:10