~~~

ジャーン……

澪「……うん!」

律「できたな!」

紬「よかったわぁ♪」

澪(なんか人と演奏するのって楽しいな……)

律「あ~疲れた~……ムギのお茶が飲みたい~」

紬「あらあら、うふふ」

澪「こ、こら!遠回しに要求すんな!」

紬「まあまあ澪ちゃん……でもりっちゃん、もう暗いしまた今度ね♪」


律「えー……ムギぃ……ってもう6時か!」

澪「もう帰ったほうがいいな。片付けよっか」

律「みおー、帰りコンビニ寄ろうよぉ」

澪「また買い食いするとご飯食べられなくなるぞー」

紬「私!買い食いしてみたい!」キラキラ

澪「わぁ!ム、ムギ?」


律「お!じゃあムギも一緒に肉まん食べようぜ!最近澪は太るとか言って買わないからなー」

澪「り、律!」

紬「肉まん!?か、かっこいいわ!食べたい!」

澪(その感性はいったい!?)

律「よーし!じゃあ寄り道けってーい!で、澪は来ないのか?」

澪「うっ……」

澪「わ、私も行く……」カアァ

律紬(かわいいっ……)

~~~

律「はい!半分ずつ!」スッ

紬「え?」

律「いやぁ……やっぱ肉まんって丸々一つ食べると腹溜まっちゃうというか…………はいっ」

紬「……り、りっちゃん……」

律「ん?ムギ……?」

紬「抱きしめてもよかですか!」ガシッ

律「わ、わぁ!?肉まん落ちちゃうって!」ドキッ

澪「……」チュルチュル

澪(なんだよ……律のやつ……自分の時だけ)チュルチュル

紬「私、一つの食べ物を二人で分けて食べるのが夢だったの♪……あ、お金は……」

律「いいよ、これくらい。さ、食べよ♪」

澪(ムギ……楽しそうだな)チュルチュル

律「……で、なんで澪はおでんの白滝なんて食ってるんだよ……」

澪「う、うるはい!」チュルチュル

~~~

紬「じゃあ私はここで……」

律「うん、私と澪はこっちだから……またなムギ」

澪「おつかれ。また学校でな、ムギ」

紬「ええ……」

澪「?」

律「どした?ムギ」

紬「……二人とも、今日はありがとう!何だかとても楽しかったわ!明日もお菓子持っていきますね♪」ニコッ

澪「ムギ……」

律「へへ……」

律「じゃあぜひ美味しいケーキを……」

澪「調子に乗るな」ゴンッ

律「いで!冗談だって……」

紬「ふふっ……」

律「あ、そうだ!今度の休みに3人で買い物でも行こうぜ!ほら、部活で必要なもんとかもあるだろ?」

紬「まあ!行きたいわ!ぜひ!」

澪「ああ、いいんじゃないか。私も買いたい物あるし」

律「よし、決定な!新しい服買うぞー!」

紬「おー!」

澪「部活の道具はどうした……」

~~~

律「おーす!」

紬「こんにちは♪りっちゃん」

澪「遅いぞ、用って何だったんだ?」

律「へへ、ちょっとね~」ニヤニヤ

澪「? じゃあ、とりあえず楽器屋行こうか。ここからだと10GEARが近いな」

紬(!)

律「おう、早く行こうぜ~」

紬「あ、あの……」

澪「なに?ムギ」

紬「できたら今日は違うところがいいんだけど……」

澪「そうか?うーん……もうちょっと離れたところにもう一軒あるけど……なんで?」

紬「いえ……あまり深い意味はないんだけど……」

紬(タイミング悪いわ……今日は父が系列店の視察をする日だなんて……)ギュッ

律「……そっか、んじゃ、ちょっと歩くけど別のところ行くか」

紬「(りっちゃん……)ええ、ごめんなさいね」

澪「いいんだよ、まあ色々見ながら行こう」

律「お!今日の澪は乗り気だな!じゃあ早速あそこの美味しいケーキを出す喫茶店に……」

澪「お昼までガマンしろ!」

律「……へいへーい」トボトボ

紬「ふふふ」

~~~

律「お!これ澪に似合いそう!」

澪「ひっ!そんなフリフリのついたスカートなんて無理だ!」ブルブル

律「なんでそんな怯えるんだよ……」

澪「だって律、ムリヤリ試着させるし……」

紬「私はとっても素敵だと思うわ!」キラキラ

澪「(め、目が怖い……)ひ、ダメだよぉ……恥ずかしいよぉ……」ブルブル

律「また澪が幼き日々の美少女モードに……」

紬「(澪ちゃん……可愛いわ……)あ、じゃあこれとかどうかしら?」スッ

律「おっほ!ネコミミ!みお~これ付けてよ~」ズイッ

澪「ネ、ネコミ……もっと無理!ていうかなんでそんなもん置いてあるんだ!」

律「やっと気づいたか……ここはそっち系のお店だ」

澪「な、なにいいいい!?」

紬「あ、あそこのバニーなんて似合いそう~♪」

律「お!ナイスだムギ!じゃあこのネコミミとバニーちゃんを……」

澪「い、いやああああああ!!」バタバタ

律「あ!逃げちゃった……あとでフォローしてやんないと……」

紬「撮影ができなかったのは至極残念ですけど……行きましょうか」

律「声に出てるぞムギ……あ~、ネコミミの似合う部員入ってほしいなぁ」コトッ

紬「うふふ……いつか入ってくれますよ」


ウィーン……

?「……」

?「ちっ……結局付けてくれなかった……」ギリッ

?「この……ネコミミ……」スッ

?「いつか生徒に色んなコスプレさせてウハウハな日々のために……買っておきましょう……」ニタァ…

女1「な、なにあの人怖い……」

女2「ネコミミもって笑ってる……彼氏いなさそう……」

?「あ゙ア!?今は一応いるわゴルアァ!!」シャー!

女1・2「「ひいいいいいいいいいい!!」」

~~~

澪「こ、ここは普通のお店?」オドオド

律「見ての通り、普通の雑貨屋だよ……」

澪「だ、大丈夫かなぁ……」

紬「ねえ、これなぁに?」ビヨーン

律「おお!グローブ部分に血糊が付いてるパンチャーか!おもしろ……」

澪「見えない見えない見えない見えない私は何も見えない……」

紬「み、澪ちゃん!?」

律「あちゃ~……ごめん、澪は血とか怖い物が苦手なんだ」

紬「そうだったの!?ご、ごめんなさいっ……澪ちゃん!」

澪「ひぅ……もう怖いのない?……」グスッ

律「うん、大丈夫だよもう怖いのないから」ナデナデ

澪「……り、りつぅ……」

紬(はっ、いけない……一瞬でも撮り収めたいと思ってしまった……)

紬「本当にごめんなさい、澪ちゃん……これからは気をつけますね……」

澪「ムギ……ま、まあちょっとびっくりしただけだか……平気だよ。私こそごめんな」スクッ

律「澪は高校に入っても変わらないなぁ……本当に」

澪「それはお前も一緒だ!」

紬「あらあら……うふふ」



きっさてん!

律「へへーん、スティック新調しちゃった~ん♪どうだムギ!かっこいいか?」シャキーン

紬「ええ♪りっちゃんとっても可愛いわ♪」ニコッ

律「か、かわいい……」

澪「律はいつまでも小学生みたいだからな~」

律「な!なにをー!せめて中学生って言えー!」

紬「ふふっ……でも可愛いのは本当よ?女の子として可愛いと思うわ」

律「えっ……」ドキッ

澪「ム、ムギ……」

紬「……あ!!」カアァ

紬「あ、あのっ……!今のっ……女の子としてっていうのはそういう意味じゃなくて……いえっ可愛いのは本当なんですけど……その……」

律「は、ははは……わかってるよムギ。ありがとな(なにときめいてんだ私……)」ドキドキ

澪「っ……!」

澪「り、律!私だってちゃんと可愛いと思ってるからな!」カアアァ

律「なっ……!ば、ばか!澪なに言って……」

澪「あっ……」

澪「……」カアァ

紬「……」カアァ

律「……」ドキドキ

澪「あっ……なんか頼もう!?私このクリームあんみにしようかな!」

律「ま、また澪は太るぞ~?じゃあ私このティラミス!」

澪「こ、こいつぅ~!あ!ムギは何頼む?」

紬「わわっ私は……気まぐれシェフのごちゃ混ぜパウンドケーキを!」

澪「……」

律「……」

紬「……」

澪「……ぷっ」

律「……くくっ」

紬「……ふふっ」

澪律紬「あはははははははは!」

澪「はははっ……おっかしー」

律「なーにやってんだ私らは」ククク

紬「ふふっ……みんな変なの♪」

律「じゃあ食って気取り直そうぜ!頼むのは今言ったやつな!」

紬「ええ♪そうしましょう」

ピンポーン

澪「私はあんみつ……本当に太りそう……」

律「私はティラミスで、ムギは……」

紬「気まぐれシェフのごちゃ混ぜパウンドケーキで♪」

店員「かしこまりました~♪」

澪律「「本当にあったのかよ!」」

~~~

紬「今日は本当にありがとう。こんなに楽しかったの私はじめて♪」ニコッ

澪「私も、ありがとう。ムギと遊べて楽しかったよ」

紬「ふふっ澪ちゃんったら……」

律「……」ゴソゴソ

澪「律?」

紬「どうしたの?りっちゃん」

律「えへへ……」

律「はい!これ澪とムギに♪」スッ

澪「え?……律、これ……」

紬「……リング?」

律「へへっ……実は今日ちょっと早く来て買ったんだ。安物だけどね」

澪「遅いと思ったら……そんなことしてたのか……」

紬「わあ……綺麗……」

律「私も同じの買ったんだ♪3人でお揃いだぞ!」

澪「お揃い……」

紬「素敵!」パアァ

律「さ、付けてみて!」

澪「……」スッ

紬「……わぁ」スッ

律「……へへ」スッ

澪「……かわいいかも……」


紬「……でも、どうしてこれを……?」

律「いやぁ……今更なんだけど、軽音部に入ってくれたお礼というか……」

澪「お礼……?」

律「うん、二人は私のわがままに付き合わせちゃったトコあるしさ……」

紬「りっちゃん……」

律「だからさ、今はそれで埋め合わせってことでいいかな?」

律「……ありがとな、私といてくれて」

澪「……律」

紬「……」グスッ

律「ム、ムギ!?どうした?」

紬「ありがとうっ……りっちゃん……私、大事にするね」

律「ムギ……」

澪「……」

澪「律……あのね」

律「うん?」

澪「……私、なにも我慢なんてしてないよ?そりゃあ、最初は文芸部に入ろうと思ってたけど……」

澪「今は軽音部でやっていこうって思える。それは……律と……ムギがいるから」

律「みおっ……」

澪「……もしさ、軽音部がこのまま廃部になっても……3人でいようよ。また買い物したり、演奏したり……」

律「……ああ!もちろんだ!」

紬「……ええ!」

澪「きっとな!」

紬「あ、でもね……」

澪「……?」

紬「軽音部は……無くならないと思うわ。私わかるもの」

紬「きっと4人目が入って、その子も含めてきっと毎日楽しくて、来年には新入生も入って……これからもずっと続いていくと思うの……」


澪「……ムギ……!」

律「へへっ……そうだよな!なんたってこの私が立ち上げた部なんだからな!」

澪「調子にのるな!」ベシッ

律「いで!またデコ……」

紬「ふふふ……」

律「あ!いちおうリングは学校に付けてくるのよそーな!怪しまれちゃうし♪」

澪「ばっ……そもそも校則で禁止だろ……」

紬「私、肌身離さず持ち歩くわ~」ニコニコ

律「おう!3人だけのヒ・ミ・ツな!」ニシシ

澪「ふふっ……まったく」



すうしゅうかんご!

律「入部希望者だって!?」ガタッ

さわ子「ええ、ホラ」ピラッ

澪「よかった……廃部は免れる……」ホッ

紬「ええ、本当によかった……」

律「え~と、平沢……唯?なんか名前からすごそうだぞ……平沢進みたい」

澪「やっぱ……ギターだよな?(しっかり者だといいな……)」

紬「楽しみですね~」ニコニコ

さわ子「じゃあ、私はこれで……」

さわ子(いつか……澪ちゃんにネコミミを……)ジュルリ

澪「ひいいぃ!?」

律「ど、どしたぁ澪?」

澪「なんか悪寒と……来るべき未来に対する漠然とした不安が……」ブルブル

紬「大丈夫……?」

澪「な、なんとか……」

律「……ま、いいか!さぁ~て!廃部もなくなったことだし!練習しようぜー!」

澪「バカ!お茶だろ!新入部員に笑われたらどうするんだ!」

澪「……って、え?」

紬「澪ちゃん……」クスッ

律「あれぇ~?今日の澪は不真面目だな~」ニヤニヤ

澪「ばっ……」カアァ

澪「バカ律!いつもやる気ないのにっ……今日は練習しようなんて言うから……!ま、間違えちゃっただろ!」

律「ひ、ひどいぞ!私はせっかく練習しようと思ったのに!」

紬「まあまあまあまあまあ……」

澪(5回……)

澪「ご……ごめん、ちょっと突然だったから……やる気出してくれて嬉しいんだ」

律「澪……へへ、いいよ!じゃあ早速始め……」


?『ひいいいいいいい!!』



澪「!?」ビクッ

律「ドアの前から悲鳴が!?」

紬「な、何かあったのかしら……」

律「はっ!まさか例の新入部員!?」

澪「ま、まさか……」

紬「……ゴクリ」

律「わ、私見てくるよ……」スクッ

澪「……うん」

紬「りっちゃん……気をつけて……」

律「……」ドキドキ

律(……このドアを開けたら……)

律(明日から……もっと楽しくなりそうな気がする……ような?)


『ガチャッ!!』


おわり



終わりです
こっから1話の唯入部シーンに続く感じで



最終更新:2010年09月03日 23:16