律「ゆっ、唯っ!!私、唯に言わなきゃいけないことがあるんだ!」
唯「…り、りっちゃん?」
律「唯、私は唯が」
憂「お姉ちゃ~ん!」
律「!?」
唯「憂!?」
憂「夕飯の買い物しにスーパーに行く途中だったんだ。」
憂「そしたらお姉ちゃんと律さんの声が聞こえてきたから」
律(うう…タイミング悪いよ憂ちゃん…)
律「…ていうか、憂ちゃん風邪はもう良いの?」
唯「!そ、そーだよ憂!ダメじゃん家で寝てなくちゃ!」
憂「あはは、もう大丈夫。平熱まで下がってるよ。心配かけてごめんね、お姉ちゃん」
唯「う~…なら良いけど」
憂「お姉ちゃんも一緒にスーパー行く?」
唯(まだちょっと心配だなぁ)
唯「りっちゃん、ごめんね。私憂について行くからここでお別れしよ?」
律「あ、あぁ」
唯「…また明日。続き聞かせて?」
律「!!じゃ、じゃあ明日は唯の家まで行くから!朝一緒に行こうなっ!」
唯「うん。じゃあねりっちゃん」
律「じゃーまた明日っ!」
律(やべー、ドキドキが止まらねえぇ!唯可愛すぎるだろぉぉぉ!)
憂(律さん、さっきお姉ちゃんに何を言おうとしてたんだろ)
唯「ふえっくしゅ。寒いねぇ…」
憂(…お姉ちゃん。何処にも行かないでね。ずっと私と一緒に…)
憂「なんて、それは無理な話だよね」
唯「うん?」
憂「ううん、なんでもないよ」
次の日・唯宅前
律「もう唯起きてるかなぁ?」
律「ちょっと来るの早すぎたかも…」
律「携帯携帯~…まだ7時じゃん。ウキウキしてて、家を出るのが早過ぎたな、こりゃ」
律「唯がそんなに早く家出る訳ないし、しばらく待ってないとだなぁ」
律「そういや唯っていつも憂ちゃんと朝登校してたよな」
律「まさか憂ちゃん一人置いてく訳にいかないよな。それじゃあ3人で登校…?」
律「まぁ唯とふたりっきりが良いけどそうもいかないかぁ」
唯「…りっちゃん?」
律「ってうわぉぁ!唯、いつの間に!?」
唯「玄関開けたらりっちゃんが立ってて、一人でなんかブツブツ言ってたから…」
律(恥ずかしい…)
律「そっ、それよりさ、学校行こうぜ!」
唯「うん、そうだね」
律「…あり、そういえば憂ちゃんは?」
唯「あぁ…その、やっぱり昨日外に出たのがいけなかったのか熱が振り返してきちゃって…」
律「へ?そうなの?」
唯「うん、でも微熱だからね。全くもう憂ったら…」
律(よっしゃぁぁ!憂ちゃんには悪いけど、二人なら手を繋げるっ!)
唯「どうしたのりっちゃん。行こ?」
律「なっ、なぁ唯!て、手を…」
唯「手?手がどうしたの?」
律「え、いや、だから手をさ…」
唯「はっきり言ってよもう~。からかってるの?変なりっちゃん」
律「っておい!先に行かないでくれよ!」
律(くぅ…唯め、中々意地悪だな。こうなったら…)
律「唯の手、取ったり!」
唯「わ、りっちゃん…?」
律「へへ、絶対離さないかんな~」
唯「びっくりしたぁ。もうー」
律「さっ、仲良くガッコにいっきまっしょ~」
唯「ひ、引っ張らないで」
澪「ふぁぁ、眠い…。」
澪「7時か…。流石に居るだろ、律」
澪「おばさ~ん。律起こしに来ました~」
澪「…は?もう家を出た?」
澪「あぁ、はい。分かりました。いえ、別に、好きでやってることなんで」
澪「いえ。おばさんが謝る事ないですって。はい。朝早くにすみませんでした。それじゃあ」
澪「…また唯か。唯と一緒に行くために早起きしたのか」
澪「一体どうしたんだよ、律…」
学校
律「うぇ~。今日一限から体育かよ~。…しかも持久走…」
唯「走りたくないね…」
律「サボろっかなぁ。そうだ。唯、一緒にサボろ~ぜ!」
唯「ええ~…ダメだよりっちゃん」
紬「持久走って、走らないと補習があるって話だけれど」
律「ほしゅう?」
紬「確か放課後に、授業の倍走らせるとか」
律「うげぇ…、やっぱサボりなんて良くないよ。頑張って走ろう、唯」
唯「わ、私は初めからサボる気なんてなかったからね!?」
昼休み
律「まさか唯に負けるなんてなぁ」
唯「えへへ」
紬「何の話をしてるの?」
律「今日の持久走。良い勝負してたんだけど、最後の最後で負けちゃったから」
紬「確かに唯ちゃん、今日は早かったわね」
唯「なんか体の調子が良くてね~♪」
律「悔しい…、うう、今月は金欠気味なのにぃ」
紬「持久走で負けたのと、金欠なのが何か関係あるの?」
唯「りっちゃんが、普通にやっても面白くないから負けた方がジュースおごろう、って」
紬「まぁまぁまぁまぁ。それで…」
唯「でもりっちゃん。別に私は奢って貰わなくても良いよ?ジュース買うお金位あるし…」
律「いんや。私は勝負で負けたんだ。奢らせてもらうよ!と、言う事でちょっと行ってくるな、ムギ」
紬「えっ、ちょ」
唯「わわっ、だから引っ張らないでってばぁ」
律「先に飯食っててくれ~」
紬「ええっ!?…ま、また一人…」
律(上手く唯を連れ出せたぞ…)
律「なぁ唯、何飲む?」
唯「りっちゃん、ホントに奢ってもらって良いの?」
律「良いって!ほら、さっさと選べ~」
唯「う~ん、じゃあこれにしょっかなぁ」
澪「また弁当忘れ…あそこの自販にいるのは…!!」
澪「金入れてんの律か…?唯の奴、律に奢らせてるんだな…!」
澪「律、お前は唯の財布でいいのか…!?」
澪「きっと律は騙されてるか、何か弱みを握られて脅されてるんだ」
澪「律、絶対助けてやるからな…!」
律「…なぁ唯、聞いて欲しい話があるんだ」
唯「ふぇ?」
律「今、時間大丈夫か?」
唯「うん、大丈夫だけど…」
律「じゃあちょっと…そうだな、ついて来てくれ」
唯「?」
澪(あの二人、何処に行くんだ…?)
音楽室
唯「で、りっちゃん、話って?」
澪(ドア越しじゃ顔が分かんないな…。でも、声は聞き取れる、な。うん)
澪(ていうかわざわざ音楽室まで来て、よっぽど他の人に聞かれたくない話なのか?)
律「唯、昨日言えなかった事の続きを言わせてくれ」
澪(昨日言えなかった事の続き?)
唯「!!そ、それって…」
律「唯、私は唯の事が好きなんだ!」
唯「!!」
澪(はぁぁ!?)
唯「り、りつ…りっちゃん。冗談?」
律「冗談でこんなこと言う訳無いだろっ!」
唯「でも、でもさ、私達女の子同士だよ?」
律「そんなの…言われるまでもなく分かってるよ」
唯「じゃ、じゃあ」
律「でも唯が好きなんだよ、どうしようもなく!だから、好きだから、同性だとか…そんなの、関係なくって…」
唯「りっちゃん…」
律「唯、返事は今すぐじゃなくても良い。ただ、待ってるから。」
律「それがどんな返事でも。ずっと待ってるから…」
唯「分かった。…考えさせて」
律「…うん。わ、私先に教室戻ってるな!」
唯「あ、りっちゃん…!」
ダッダッダッダッ
唯「タイミングが…悪すぎるよ」
唯「私も教室戻らなきゃ…」
澪「あははっ、あはははははははっ、律は、唯が、好き?」
澪「そんなの嘘だよな、律」
澪「…違う、あれは律じゃない。私が知ってる律は、私の事が大好きで…」
澪「は…ははは…ははははは…」
澪「許さない、許さない、許さない、唯も律も絶対に…絶対に許さないっ…!」
唯「あれ…メールだ」
From澪
『話があるので今から、音楽室に来れませんか?』
唯「行かないと、まずいよね…」
唯「来た道戻らなきゃいけないのかぁ」
音楽室
唯「一体何の用だろ。もしかしてまた告白されたりとか…あはは、流石に無いか」
ガチャ
唯「ごめん澪ちゃん、まっ…え…」
「あははははっ」
唯「…え、どういう…あれ…」
唯(背中が…何か変な感じ…)
唯(あれ…何か目の前がチカチカする…)
「しょうがなかっ…だって…」
唯(血…?あ…背中から刺されたんだ、私)
「…が…で…」
唯(誰かが何か言ってる…誰…?)
唯(嘘…死ぬのかな…嫌だな…死にたくないな…)
唯「…ねぇ…ん…」
~~~~
「桜高で、殺人事件があったらしいよ」
「えぇ、マジ!?」
「うん、何でも二年生の女の子が一年生の子を刺したとか」
「は~、怖いね…やだやだ」
「ホント、最近そういうの多くてやだねー…」
憂「お姉ちゃん、遅刻するよ~」
唯「う~頭痛いよう~い~」
憂「え…も、もしかして…。ちょっと待っててお姉ちゃん。今体温計持って来る!」
唯「う~」
ピピピピッ
憂「…38度。うつしちゃった…ごめんねお姉ちゃん」
唯「別に大丈夫だけど~」
憂「今日は私休んでお姉ちゃんの看病するから、ホントにごめんなさい…」
唯「今日持久走あったんだ…どうじよー…」
憂「持久走…?」
唯「う゛ん…休んだ人は補習出なきゃいけなぐで…。なんか授業の3倍走らせるとか…やだな…」
憂「…お姉ちゃん、私が代わりに走ってくるよ!」
唯「…?」
おしまい
最終更新:2009年12月07日 01:40