流川「」ｷﾞﾝ
流川「」ﾀﾞﾑ
澪「ははは、どこに向かってドリブルしてるんだ」
流川「」ﾋﾞｯ
唯「あ、パスした」
赤木「」ﾄﾞｼｯ ｺﾛ
美紀男「ふあ！」
審判「バスケットカウントワンスロー！」
律「今のってけっこうナイスパスだったんじゃね？」
澪「あんなの沢北さんに勝てないから逃げてるだけだよ」
流川「」ﾋﾞｯ
紬「またパスだわ」
赤木「」ﾊﾞﾝ
梓「なんかまた追いついてきてませんか？」
澪「逃げてるだけだってば」
唯「ねえ澪ちゃん」
澪「なに？」
唯「ナガレカワくんの二本のパスは布石なんじゃないかなぁ」
梓「どういう事ですか？」
唯「あれで北沢さんの頭にはパスもあるって事が入るから、ディフェンスする時も迷っちゃうじゃん。もしかしたら今度は抜けるかも」
澪「唯じゃあるまいし、そんな事で沢北さんが迷うわけないだろ。何言ってるんだ」
唯「……だよね～。あはは、ごめんごめん」
流川「」ﾀﾞﾑ
律「あ、抜いた」
澪「な！？」
流川桜木「！！」ﾄﾞｼｯ
澪「プッ！あはははははは！味方同士でぶつかっちゃってるよ！」ﾌﾟｽｽ
梓「あー……もったいないですね今のは」
沢北「おあ！」ドカッ
紬「今度は沢北さんとぶつかったね」
律「なんなんだあの赤頭は」
澪「おい！なんで今のがオフェンスファウルなんだ！？どう見てもディフェンスファウルだろっ！！」
三井「」ｾﾞｴｾﾞｴ
唯「ミッチーがライブ前の澪ちゃんみたいに真っ青に……」
流川「」ﾊﾞｯ
澪「三井にパスか。ま、あんなにバテてちゃシュートなんて打てるわけ…」
そのシュートは今までよりも高く美しい弧を描いた
ﾊﾟﾂﾝ
澪「」
沢北「」ﾄﾞｳｯ
澪「また抜いたっ！！沢北さーん！」
澪「ﾀﾞﾑﾀﾞﾑﾀﾞﾑ！」
澪「恋はトラベリング、三歩以上歩いちゃうの！」
澪「タイムアウトをとりたくても、私の気持ちはランアンドガン！」
澪「マンツーマンでも私を止められない！スクリーンであなたをフリーにして、アリウープ！！」
律「うおおおい！いきなり変な詞を大声で叫ぶな！」ｶﾞﾊﾞｯ
澪「むがぐぐ……」
沢北「」ｶﾞﾝｯ
梓「しかも沢北さんシュート外すし……」
流川「」ひょい ﾊﾟｽｯ
唯「あ！今のってさっきの北沢さんのと同じシュートだよね！」
澪「むがが…」
澪「ぷはっ」
澪「パ、パクりじゃないか！ずるいぞ湘北！！」
梓「とうとう点差が一桁になりましたね」
律「頑張るなぁ」
澪「ふざけるな！いけっ山王！！沢北さんでガンガンいくんだ！！」
赤木「ほうっ！！」ﾊﾞｺｯ
紬「すごいわ！沢北さんをブロックしちゃった！」
澪「な、なななななな！」
桜木「どけミッチー！！」
ｶﾞｼｬｰﾝ
律「うわ、危ない！」
唯「赤頭くん大丈夫かなぁ？」
梓「動きませんね……」
澪「うぅ……なんであの赤頭は痛そうな事ばっかり……」ｶﾞｸｶﾞｸ
紬「大変だわ！私、手当てしてくる！」ｶﾞﾀﾝ
律「だからムギは落ち着けってば」
唯「すごいなぁショーホク……」
桜木「誰がヘタナリにだコラァ！！」ぐわっ
唯「……」
梓「唯先輩？」
唯「頑張れ湘北！」
澪「おい唯！？」
紬「あと少しだよ！」
澪「ムギまで！？」
唯紬「がんばれー！！」
澪「おい！私たちは山王の応援をしにきたんだぞ！？」
唯「だ、だって……」
紬「あんなに頑張ってるんだもん……」
流川「一つ忘れてるぜ」
ﾋﾞｯ ﾊﾟﾂｯ
唯「わああ！遠くから打つやつだよムギちゃん！」
紬「うん！凄い！すごいわぁ！」
澪「おい！山王の応援をするんじゃないのか！？」
唯紬「ショーホク頑張れー！ナガレカワー！」
梓「これ多分ルカワって読むんじゃないですか？」
唯「ル・カ・ワ♪」
紬「ル・カ・ワ♪」
澪「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ
律「ま、まぁまぁ澪。私は山王応援してやるからさ……」
河田「」ﾊﾞｼｯ
河田「だら！！」ﾀﾞｺﾞｷﾞｬ
澪「さすが！深津アンド河田！これで決まりだ！！」
紬「ああんもう！」
唯「ぶーぶー！」
宮城「お！？」ｷｭｯｷｭ
澪「ゾーンプリンだ！！底無しの体力だーっ！！」
唯「なにくそー！」
紬「がんばれ、がんばれ！」
宮城「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ！」ﾀﾞﾑ
唯「抜いたっ！」
澪「抜かれるなぁっ！」
赤木「うおおっ！」ﾊﾞｯ
ﾋﾟｲｰｯ
桜木「入ってろ！」ふんが
唯「おおーーっ！」
審判「ノーカウント！ファウルの後！」
紬「そ……そんなぁ～」
澪「はっはっはっは！ざまあみろ！」
桜木「」ふらっ
唯「ああっ！？赤頭くんが！」
澪「あぁ、もうダメだなあいつは。ヤンキーなんてさっさと退場すればよかったんだ」
唯「ヤンキーじゃないよ！」
紬「バスケット選手よ！」
梓「いやあれはヤンキーだと思いますよ……」
澪「ヤンキーなんかが真面目に練習してきた山王に勝てるわけないんだよ！な、律！」
律「え？あ、うん。そ、そうだな」
律（私も湘北の応援したくなってきた……）
ﾌﾞｯﾌﾞｰｯ 交代です！！
唯「きたー！赤アタマー！」
紬「待ってましたー！」
唯「サンノーを倒せ～！」
澪「何言ってやがる！こんなポッと出のチームに負けるか！格が違うんだ！」
唯紬「ディィフェンス！ディィフェンス！！」
魚住「死守だっ！シシューッ！！」
梓（あの料理人うるさいなぁ……）
いけえ美紀男ーっ！
うああーっ！
桜木「ダンコ桜木！！」ﾀﾞｶﾞｯ
唯「とめたー！」
深津河田「」ｷｭｯ
澪「よし！深津と河田なら止めてくれる！！」
三井「」ﾊﾞﾝ ｸｲ
松本「フェイク―」！！
ﾋﾞｯ ﾊﾞｽ
唯紬「ぐひっ……」
審判「カウントッ三点！ファウル白六番プッシング！ワンスロー！」
唯紬「ぐひっ……ぐひん～～っ」
梓「なに泣いてるんですか……」
唯「……ところでワンスローってなに？」
梓「知らないで泣いてたんですか！？」
澪「ああああ！何やってるんだよ松本！さっきから足引っ張ってばっかりじゃないか！」ｲﾗｲﾗ
三井「」ｽｯ
澪「ブーブー！！」
ｽﾊﾟｯ
三井「うわはははは！見たか！」ｾﾞｴｾﾞｴ
澪「ぐっ……」
唯「47！46！45！」
律「ど、どーすんだ！？」
唯紬魚住「シシューッ！！」
桜木「返せ…」ぐりっ
唯「やったっ！」
紬「早く攻めて！はやくーっ！」
澪「止めろォ！早めに止めろォ！！」
河田「ぶしっ」ﾊﾞｺｯ
河田「終わりだ！！」
唯紬律「あーーっ」
桜木「」ﾋﾞｯ
流川「」ﾀﾞﾑ ﾊﾞｽ
湘北77-76山王
澪「ぎゃああいああああああいああああううあ！！いやああああああああ！」
梓「うわ！びっくりした」
澪「見えない聞こえない見えない聞こえない見えない聞こえない」
湘北 安西監督、交代を指示
山王 堂本監督、とりかけたタイムアウトをやめる
10番は限界を過ぎている
ならば事実上5対4の状況のままで
最後のタイムアウトを放棄する代わりに交代する間も与えない
深津のゲームメイクに託した
沢北「」ﾀﾞﾑ ﾋﾞｯ
ﾊﾟｽｯ
澪「うおああああああああああ！？沢北さああああああああん！！」
澪「さ、さささ沢沢沢沢北さん！さわ子先生ーーっ！！」
澪「はっはっはっは！いやあ残念だったな、唯！ムギ！」
唯「あーあ……」
紬「惜しかったわね……」
律「結局山王かぁ……」
梓「いい試合でしたね」
澪「まぁ湘北もここまでやるとは思わなかったよ」
澪「でもやっぱり山王が最強！沢北さんが最高！！あっはっは！」
唯「ちぇー」
澪「あーっはっはっはっはっはっはっはっはっは」
桜木「左手は添えるだけ」ｽﾊﾟｯ
澪「は」
一週間後
音楽準備室
唯「澪ちゃん来ないね～」
律「山王の応援をしにわざわざ広島行ったのにあれじゃあな。ショックで寝込んでるんだろ」
紬「ちょっと可哀想ね……」
梓「おまけに湘北もあのあと惨敗ですからね。山王びいきの澪先輩にとっては辛かったでしょう……」
ガチャ
唯律紬梓「！」
澪「おはよう」
唯「み、澪ちゃん！よかったぁ～！もう立ち直ったんだね？」
澪「ん……まぁ山王の負けはショックだったけどさ……」
紬「ごめんね澪ちゃん……。私、つい湘北の応援なんてしちゃって……」
唯「ゴメンナサイ……」
澪「そんな……いいよ気にしなくて！」
澪「夏の大会があるスポーツはバスケだけじゃないからな」
律「まさかまた何か見に行くつもりじゃあ……」
澪「ふふふ！みんな、甲子園見に行かないか？」
唯「こうしえん？」
澪「ああ。今年の甲子園は面白くなるぞ」
澪「なんてったって、橘英雄擁する明和第一高校が出場するんだからな！！」
完
最終更新：2010年09月04日 20:38
