――校門前

純「ついた~」

梓「でも校門閉まってて入れないよ」

純「え~」

純「よじ登ろうか?」

憂「それはやめた方が……」

梓「私もそう思う」

純「ですよね」

憂「でも夜中に真っ暗な学校を歩いたらすっごく怖そうだね」

純「そうだね」

梓(澪先輩を夜中の学校に一人で放り込んだらどうなるんだろ……)

梓(絶対やっちゃいけないし可哀そうだけどちょっと見てみたい……)

純「ああ!」

憂「どうしたの!?」

純「あそこの窓に人影が!」

梓「え!?どこどこ?」

純「うそぴょん」

梓「あ?」

憂「なーんだ」

純「ごめんごめん」

梓「意図がつかめない」

純「梓の突っ込みって思いのほかきついよね」

憂「あはは」

純「あー、中に入れないのかー」

純「コンビニでも行こうよ」

梓「なんか夜中のコンビニって独特な雰囲気だよね」

憂「そうだね」


――コンビニ

純「あ、すずし~」

純「なんか歩いてたら喉乾いちゃった」

梓「そうだね」

憂「なんか買う?」

純「でも私お金もってない……」

憂「私も……」

梓「150円」

純「……」

梓「……」

憂「……」


――公園のベンチ

純「ペットボトル1本しか買えなかったね」

梓「純飲みすぎ」

憂「私も一口ちょうだい」

純「はい」

梓「なんか疲れた~」

純「そろそろ戻ろうか?」

憂「そうだね」


――2時30分 純の部屋

梓「なんか眠気を覚ますって言ったけど……」

憂「逆に疲れちゃった……」

純「私はなんかテンション上がってきた」

憂「私もう眠い……」ウトウト

純「梓は?」

梓「へーき」

梓「罰ゲームは嫌だからね」

純「そうかそうか」


――3時

憂「zzz」

梓「憂寝ちゃった」

純「寝ちゃったね」

梓(まずい……)

梓(私もかなり眠い……)

純「うりうり」ツンツン

憂「うう……」

梓「起きちゃうよ」

純「前も聞いたような気がするけどさー」

梓「え?」

純「先輩達卒業したら軽音部どうするの?」

梓「うん……」

梓「今それは考える必要はないかなって思ってる」

梓「先輩達だってまだ居る訳だし」

純「そっかあ」

純「なんかごめん」

梓「いいよ」

梓「ふああ」

純「あ、欠伸」


――4時

憂「zzz」

梓「zzz」

純(寝た)

純(こうもあっさり寝るとは)

純(このまま私が起きてれば……)

純(よし)


――5時

純「……」ウトウト

純「やば……」

純「ねむ……」

純「とういうか今日学校じゃん……」ウトウト

純「……」ウトウト

純「……zzz」


――5時15分

純「は!」

純「……」

純「一瞬寝てた」

純「……」チラッ

梓「zzz」

憂「zzz」

純(よかった、ばれてない)

純「顔でも洗って来よう」


――洗面所

純「うおー」バシャバシャ

純「ふう~」

純「よし、復活した」

純「このままいけば」

純「……」チラッ

純「5時20分か」

純「いよっしゃあ!」


――6時

梓「zzz」

純「うわ、梓よだれ垂らして寝てる」

純「……」

純「写真とっちゃお」

純「……」カシャ

梓「う~ん……」

純「うへへ」

純「こりゃ上物ですな」


――7時

純「起きろー!」

梓「う……」

憂「あ……純ちゃん」

純「もう7時だよ」

梓「……!」

梓「わ、私寝ちゃった!」

憂「私も……」

純「私は起きてたよ」

純「学校に行く準備も万端」

憂「あ、もう制服だ」

梓「純ホントに寝なかったの?」

純「うん」

純(ちょっと寝たのは秘密)

梓「……」

純「梓罰ゲ~ム~」

梓「ええ~……ホントにやるの?」

純「罰ゲームを提案したのは誰だっけ?」

梓「あ……」

憂「罰ゲームって何するの?」

純「まだ考えてないよ」

純「思いついたら言うよ」

梓「くっ……」グヌヌ


――7時40分 学校 教室

梓「中途半端に寝ちゃったから眠い……」

憂「私も……」

純「ふわ~あ」

純「眠い~」

純「一睡もしなかったから眠い~」チラッ

梓「うざっ」

憂「あ……」

梓「ん?」

憂「お姉ちゃんちゃんと学校に来てるかな……?」

梓「そういえば……」

憂「ちょっとお姉ちゃんの教室行ってくる!」

梓「私も!」

純「じゃ、じゃあ私も!」


――3年2組

憂「失礼しまーす」

律「お、憂ちゃん」

梓「おはようございます」

純「おはようございまーす」

紬「おはよう♪」

澪「おはよう」

憂「お姉ちゃん来てますか?」

律「そう言えば唯まだ来てないなー」

律「今日もギリギリか~?」

澪「憂ちゃん一緒じゃなかったのか?」

憂「はい、昨日は純ちゃんの家に泊まって……」

紬「そうだったの」

梓「電話してみたら?」

憂「うん」

憂「……」プルルル

梓「……」

憂「……」プルルル

唯『もしもーし』

憂「あ、お姉ちゃん?」

唯『あ、ういー』

憂「お姉ちゃん、今は?」

唯『憂の電話で今起きたよー』

憂「え、お姉ちゃん今起きたの!?」

唯『そうだよ~……てっ、8時!?』

唯『あわわ……』

憂「お姉ちゃん!すぐ行くから!」

唯『だ、大丈夫!』

唯『すぐ行くから!』プツッ

律「唯は遅刻確定だな」

澪「やれやれ……」

紬「うふふ」


――教室

純「ふわ~あ」

純「やっぱり眠い……」

梓「やっぱり徹夜なんてするもんじゃないよ」

憂「そうだね~」

憂「私も眠い……」


――授業中

純「zzz」

梓(やっぱり寝てる)

梓「純ー」

純「zzz」

梓「……」

梓(あとでノート見せてって言っても見せないんだから)


――放課後

純「よし!」

純「授業終わった!」

梓「ずっと寝てたじゃん」

憂「眠かったけどなんとか耐えたよ」

純「時に梓」

梓「はい」

純「罰ゲームをお忘れではないか?」

梓「……はい」

憂「考えたの?」

純「いや、寝てたから全く」

梓「なにそれ」

純「だから簡単なのでいいよ」

憂「簡単なの?」

純「みんなのまえで『あずにゃんで~す』って」

梓「十分はずかしいよ……」

憂「みんなっては?」

純「う~ん」

純「じゃあ、軽音部の先輩」

梓「まあそれなら……」

梓(先輩たちなら笑って流してくれるはず……)


――部室前

梓「もうみんな集まってる……」

純「ほら、あずにゃんで~すって」

梓「うう……」

純「あずにゃんで~すって」

純「わかってるよ!」

梓「……」ガチャ


――部室

梓「こ、こんにちは~」

澪「お、梓来たか」

律「唯のやつ結局遅刻したんだぞ~」

唯「えへへ~」

律「笑ってる場合じゃないだろ」

紬「今お茶いれるわ」

梓「……」

澪「梓どうしたんだ?」

澪「そんなとこに立ったままで」

梓「あ、あの……」

律「んー?」

梓「あ、あずにゃんで~す!」

律「……」

澪「……」

紬「……」


梓(ああ……笑ってすらくれないんですね……)

律「お、おう……わかってるぞ」

紬「あらあら」

澪「梓……なにかあったのか?」

唯「あずにゃんはあずにゃんだよ!」

梓「……」ダッ

澪「あ、梓!」

唯「出て行っちゃった」

律「なんだったんだ……?」


――部室前

純「お!言った!」

憂「梓ちゃん……」

純「あはは!」

憂「あ、こっちに走ってきた!」

梓「……!」ダッ

純「うお!?」

憂「階段降りていっちゃった」

純「追いかけよう」


――廊下

梓「恥ずかしくて逃げてきちゃった……」

純「先輩達一瞬黙っちゃったね」

梓「うるさい」

純「じゃあ次やる時は梓の家で」

梓「もうやらない!」

                       おわり



最終更新:2010年09月06日 20:36