姫子(あの女諦めたのかな)

姫子(それとも元々律の片思い?)

姫子(ま、昨日の話が効いたみたいで律にべたべたしないからどっちでもいいけど)

姫子(つーかあれで諦めたとしたら超ヘタレなんだけど)プッ

姫子(あとは律の方かー)

姫子(どうすればあの女諦めてあたしのこと好きになってくれるかな…)





澪(………ふつうにできたよね)

澪(ちゃんと笑えたし)

澪(帰りだって気使えたし)

澪(律とも会話できたし)

澪(うん)

澪(おかしく、なかったよね)



紬「どう考えてもおかしいと思うの」

梓「…はぁ」

紬「梓ちゃんあなただって気づいてるでしょう?」

梓「………まぁ」

紬「というよりあの空気で気づかない方がおかしいわ」

梓「約一名いつも通り平和な方がいますよ」

紬「唯ちゃんはいいの。きっと子供のように純粋なんだわ…だからあの空気を全く読めなくて余計なことを言いまくってもいいの。だって唯ちゃん可愛いんだもの…」

梓(褒めてんのかな)

紬「唯澪なのかと思ったけどやっぱり律澪だと思うのよ。だって澪ちゃんのあの様子おかしいもの。りっちゃんだって澪ちゃんの方ばかり気にして…」

梓「すいませんもう少し分かりやすくお願いします」

紬「だからね、あのギャル風の子が邪魔してると思うのよ。澪ちゃんとりっちゃんは両思いなのに…」

梓「(普段ならまた変な妄想してる…と思うところだけど今回ばかりは)同じ意見です」

紬「そうでしょ!?そうよね!?そうに決まってるわ!大体ギャルって萌えないのよ!確かにあの子は可愛いけど!でも百合なのに萌えないっておかしいわ!そう思うわよね!」ぷんぷん!

梓「いえ思わないです」

梓「それで呼び止めたのは何でなんですか?」

紬「私たちで何かできることはないかと思って…」

梓「無理じゃないですかねー…あえて触れないでいようって空気が流れてますし…」

紬「でも私辛いの…あんな無理してる澪ちゃん見るのも…元気のないりっちゃん見るのも…」

梓「ムギ先輩…」

紬「何よりあの空気に耐えられない…!」ウッ

梓「………すごくよく分かりますよ…」キリキリ

梓「でも実際どうしようもないんじゃないですかね。律先輩に付き合ってるんですかって聞いても誤魔化すだろうし」

梓「律先輩のことがはっきりしないと澪先輩にも何て声かけたらいいか分からないし、唯先輩は論外だし…」

紬「あ、じゃあ立花さんに聞けばいいんじゃないの?」

梓「………ムギ先輩チャレンジャーですね」

紬「駄目かしら…」

梓「できたらすごいですけど…できますか?」

紬「…………………」

梓「…………………」

紬「……私やってみます…!」

梓「え!?本当ですか?」

紬「えぇ…だってお茶はみんなで楽しく飲みたいもの」ニコ



次の日の放課後

紬(…そろそろいいかしら)

紬「あの…みんなごめんなさい。私実は今日用事があって…もう帰らせてもらいたいの」

唯「えームギちゃん帰っちゃうの?」

律「珍しいな」

澪「あぁ構わないけど…家の用事か?」

紬「うんちょっと」

律「しかしムギは律儀だなー私だったら最初から部活サボっちゃうのに!」わはは

澪「そっか気をつけて帰れよ?」

律(あれ?突っ込まない)

紬「えぇありがとう。それじゃあ」

梓「………………」

紬『立花さんはきっと明日もけいおん部に来ると思うの。そこを狙って私は部活の途中で抜けて立花さんと話をしてくるから…後のことお願いね?』

梓(って言ってたけど…本当に大丈夫かな…)

律「ムギがいないんじゃ練習になんないなー私たちももう帰るか」

梓「えっ…(それはまずい!まだムギ先輩達が廊下にいるかもしれないのに!)」

梓「何言ってんですか!個別で練習するべきです!」

澪「んー…そうだな、まだ時間もあるしそうするか」

唯・律「えー…」

梓「ほらほら練習するです!!!」

唯・律「……はぁーい」



廊下

紬「えぇありがとう。それじゃあ」パタン

姫子「あ、終わった?」

紬「しー」←人差し指を口の前で立てる

姫子「は?」

紬「ちょっとお話があるから来てもらえないかしら」ヒソヒソ

紬「ねっ?」ニコッ

姫子(なんなのこの眉毛)

てくてく

紬「私たちの教室でいいかしら?多分もう誰もいないと思うから」

姫子「べつにどこでもいいけど。早くしてよね」

紬「そう。じゃあ入って?」ガラッ

姫子「で、なに」

紬「まずあなたとりっちゃんの関係について聞きたいの」ニコニコ

姫子「なにあんた律のこと狙ってんの?」

紬「(…ふつうに聞くよりこっちのが喋ってくれるかしら…)だったらどうなの?」

姫子「へぇ…そうなんだ。でもあんたじゃ無理だね。諦めなよ」クスッ

紬「なんであなたにそんなこと分かるのかしら?こう言っては悪いけど私はあなたよりも長い時間りっちゃんと一緒に居るわ。あなたよりも私のが可能性はあると思わない?」

姫子「はぁ?あんたバカにしてんの?」イラッ

紬「してないわ」

姫子(なにこいつすまし顔してんの超ムカツク)イライラ

姫子「…いいことおしえてあげよっかぁ?あたしと律付き合ってるんだ」クスクス

紬「(!やっぱり…)…あなたなに言ってるの?りっちゃんは澪ちゃんが好きなのよ?」

姫子「…前はね。今は違うの」

紬「(………どうしよう…本当にそうなのかしら…でも澪ちゃんのあの様子は絶対おかしい…)…澪ちゃんはあなたたちが付き合ってること知ってるの?」

姫子「律が恥ずかしいからみんなには言いたくないって」

紬「…そう(どうしよう…もうなんて返したらいいのか…)」

姫子「ねぇもういい?律と一緒に帰りたいんだけど」

紬「………お時間取らせてごめんなさい」

姫子「あーいいよいいよ。これで律にちょっかい出すクズがまた一人減ったからさ」プッ

紬(また…?)

姫子「じゃあねー琴吹さん。人のものには手出さないでね」クスクス

バタン

紬「……………またって言ったわね」

紬(澪ちゃんもりっちゃんとの関係を聞いたってこと…?それともべつの誰かを指している?いえ…仮に澪ちゃんだと断定して…)

紬「じゃありっちゃんとあの人が両思いで澪ちゃんの片思いってことなのかしら…」

紬「あの子の言ってることでも筋は通るわね…」

紬「私したことは完全に余計なお世話…?」



姫子(あーあの女超うざかった)

姫子(でもまぁ付き合ってるって言った時のあの顔)クスクス

姫子(あの女もこれで諦めたでしょ)

姫子(つーか律モテ過ぎ。まさか唯とちっこいのまで律狙いってことないよね)イライラ

姫子(あの部活やめてくんないかな)

姫子(てか律まだいるかな)

姫子「律ー帰ろう」ガチャ



梓(ムギ先輩大丈夫かなー…私も抜けたいけどみんなには練習しろって言っといて自分は帰りますってわけにいかないもんね)ジャカジャカ

梓(どこか空いてる教室で話すって言ってたから部活終わったら私も探しに行こう)ジャカジャカ

姫子「律ー帰ろう」ガチャ

梓「!」

律「(こいつまた…)バカまだ終わってn」

澪「律、個別練習終わったんなら帰ってもいいよ」

律「澪…?」

姫子「ごめんねー秋山さん。ほら律帰ろう」ニヤニヤ

律「………まだ終わってないから。先帰れよ」

姫子「せっかく待ってたのにそんなこと言うんだ?」

唯「りっちゃんひど…むぐっ!?」

梓(少し黙ってください)

唯「むー!むー!」ジタバタ

律「だから待ってろなんて言ってないだろ」

澪「……………」

姫子「………お姫様はいいの?」

律「!(この女…!)」

梓(お姫様…?)

姫子「ね?律…帰ろう?」

律「(……またこうやって流されるのか…)ごめん、先帰る」

澪「…お疲れ」

梓「………お疲れ様です」

唯「むー!むー!(りっちゃん姫ちゃんばいばーい)」ジタバタ

澪「…さ、私らも帰ろうか」

梓「………はい」

唯「むー!(わーい!ところでいつまでこのままなのかなぁ?)」ジタバタ

梓「あっごめんなさい」パッ

唯「ぶはー!もう!ひどいよあずにゃん!」

梓「すいません」

唯「罰として五分間ぎゅってさせろー!」

梓「澪先輩ごめんなさい、私も先に帰っていいですか?」

唯「あれ?無視?」

澪「ん?うんいいよ片付けやっておくから」

梓「すいません…明日は私がやりますから」

澪「いいよいいよ。お疲れ」

梓「はいお疲れ様です(ムギ先輩のところに急がなきゃ)」タッ



唯「最後まで無視された…」ズーン


……

梓「ムギ先輩!」

紬「梓ちゃん…」

梓「あの人また部室に来ましたけど…どうでした?」

紬「……私のしたことは余計なお世話だったのかもしれないわ…」ズーン

梓「?…詳しく教えてもらえませんか?」

紬「えぇ…」

紬「───というわけなの」

梓「確かにあの人の言ってる事でも筋は通りますね…(それにしても聞き出すために律先輩を好きなふりするとか…ムギ先輩こわ…)」

紬「やっぱり…」

梓「でも律先輩があの人を好きだとは思えないんですけど」

紬「みんなには内緒にしたいのに部室に来たり手繋いできたりするから怒ってたんじゃないかしら…?」

梓「んー…でも色々おかしいですよ。やっぱり律先輩か澪先輩のどちらかに話を聞くべきです」

紬「…でも余計なお世話じゃないかしら」

梓「何言ってるんですか。部室の空気がおかしいのは確かなんですからそれを直さずにほっとくことなんてできませんよ。これはけいおん部である私たちの問題でもあるんです!」フンス

梓「…だからそんなに落ち込まないでください。いつものおっとりとしてて時々変態なムギ先輩でいてください」

紬「梓ちゃん…」キラキラ

梓「こっ今度は私が澪先輩か律先輩に話聞きます!」カァ

紬「ふふ…じゃあお願いしようかしら?」ニコニコ

梓「やっぱり澪先輩より律先輩に付き合ってるのかハッキリ聞いた方が話が進みそうですよね」

紬「そうね、でも話してくれるかしら?」

梓「いざとなったらムギ先輩見習ってあることないこと言って聞き出して見せますよ」

紬「あらあらうふふ」

梓「(なんで喜んでるんだろう…)膳は急げです!早速メールしてどこかで落ち合います」

紬「でもまだ立花さんと一緒にいるんじゃない?」

梓「多少遅くなっても待ちます」めるめる

紬「…ねぇ私も行ってもいい?」

梓「えっでも…」

紬「梓ちゃんから元気もらっちゃったから私も協力したいの」ウフフ

梓「そそそうですか!ムギ先輩がいいなら構いませんにゃあ!」

紬「ふふ」ニコニコ

梓「(噛んじゃった…変な事言うんじゃなかった…)ファミレスでも行って待ってましょうか」

紬「私可愛い子とファミレス行くの夢だったの!」キラキラ

梓「…じゃあ行きましょうか(もう突っ込むのめんどくさい…)」



ファミレス

律「おー」

梓「あっこんばんは」

紬「りっちゃんこんばんは」

律「あれ?ムギ一緒だったのか?」

紬「えぇ」うふふ

律「?なんか嬉しそうだな」

梓「気にしなくていいです」

律「そう?で、どしたん?」

梓「えーっとですね…単刀直入に聞くと立花さんと付き合ってるんですか?」

律「ななななに言ってんのかにゃ!?」

紬「あら、さっきの梓ちゃんみたい」ウフフフフフフ

梓「ちょっと!」カァァァ

紬「あ、ごめんなさい。しーっだったかしら?」ふふ

律「お前らこそ付き合ってんじゃね?」

梓「少し黙っててください!」

紬「はいはい」ふふ

律(おかーさんみたいだ)

梓「…で、どうなんですか?付き合ってるんですか?」

律「…なんでいきなりそんなこと聞く?」

梓「部室の空気が明らかにおかしいの律先輩のせいですよね?」

律(やっぱり空気おかしかったか…)

梓「付き合ってるんですか?あの人のこと、好きなんですか?」

律「……………好きじゃないよ」

紬・梓「……………………」

梓「…好きじゃないのに付き合ってるんですか?」

律「………………」

紬「ごめんねりっちゃん。実はりっちゃんに聞く前に立花さんから聞いちゃったの」

律「えっ…?」

紬「ごめんね?」

律「いや…うん…(あいつ…)」

律「!」ハッ

律「澪は?澪も知ってるのか!?」

紬「立花さんは言ってないって言ってたけど…本当のところは分からないわ」

律「…そっか(言ってない…よな…?でもムギに言ったってことは澪にも…?)」

梓「……澪先輩にバレたらまずいんですか?」

律「え…」

梓「あの人と付き合ってるんですよね?それなのに澪先輩にバレたくないってどういうことですか?」

紬「………」

律(なんだ?全部聞いたんじゃないのか?いまいち話がかみ合わないぞ…?)

律「あの…あいつからはなんて聞いたんだ?」

紬「え?えーっと…りっちゃんは澪ちゃんのことが好きだったけど今は立花さんと付き合ってるって…」

律「…それだけ?」

紬「そうだけど…」

律(全部は説明してないのか…自分に都合の悪い事は言わなかったんだな)

律(…って好きじゃないのに付き合って色々しちゃいましたなんてのは私にとっても都合の悪い事じゃん…)ズーン

律(ムギ達には知られなくてよかった…のかな)

律(………友達と後輩にこんな情けない話できんしな…)

紬「……………もしかして他にも何かあるのかしら?」

律「えっ!?ナイデスヨ!?」

紬「………りっちゃん、全部言った方が楽になるわよ?」ニコッ

律(あばばばばばばばば)

梓(ムギ先輩こえええええええええええ!!!)


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最終更新:2010年09月06日 22:51