澪「おーい、りつーっ」
律「みおーっ!」
澪「大丈夫なのか?」
律「ああ、怪我なんかは無かったみたいだ」
澪「出れそうか?」
律「ああ、ちょっとやってみる…」
澪「律…」ハラハラ
律「ああ、こりゃヤバイな」
澪「!!!?」
律「出れないかも?」
澪「そんなっ、もっとがんばれよっ!」
律「うん…」
律「わかった、もう少しやってみるよ」
澪「がんばれ律っ!」
澪「絶対に出られるよっ!!!」
律「あーっ、もうっ!」
澪「律?」
律「ダメだよ澪」
律「多分…もう無理」
澪「!!!?」
澪「な、に、いってんだよぉー!!!」
澪「出てきてくれよー」
澪「私を、私を一人にしないでくれよっ!!!」
律「ごめん…」
澪「そんな…なんで…」
澪「なんで謝るんだよーっ!!!」
律「……」
愛しているとつたえて欲しい 第二章 第十八階層『戻れない二人』
律「ごめん」
澪「だから…、謝るなよ…」
澪「そんな言葉、いらないよ!」
澪「律、出てきてくれよーっ」
律「……」
律「わかってくれ澪、仕方が無いんだ」
澪「そんなことあるわけ無いっ、なんとかしないとっ!!!」
律「無理なコトだって、あるんだよ…」
澪「嘘だろ…」
澪「そんな、なんでこんな事に…」
律「ううっ!!!」ズキッ
澪「律っ!?」
澪「お前、痛むのか?」
律「まあ、ちょっとね」
澪「やっぱり怪我してるんじゃないか!?」
律「いやぁ、違うよ、本当に怪我は…」
律「グウッ!」
澪「律っ、りつーっ!!!」
澪「やっぱり、そんなっ、わたしっ、どうしたらぁーっ!!!」
律「落ち着け澪、お前は早くそこから去るんだっ」
澪「!!!?」
律「そんなとこにずっといたら、お前まで危ないっ!」
律「早くどこかへ行くんだっ!!!」
澪「で、でもっ、そんなこと言っても」
律「はやくっ、私のことはもういいから、自分のことだけ考えるんだっ!!!」
澪「ううっ、律…」
律「さあっ、行くんだ澪っ!!!」
澪「……」
澪「私は残るよ…」
澪「ここに居る、律が出てくるまでっ!」
律「バカヤロウっ!!!」
律「私は出られないって言ってるだろっ!?」
澪「じゃあ何処へ行けって言うんだよ…」
澪「私に、律の傍以外に、何処へ行けって言うんだよっ!?」
律「澪…」
澪「律が出てくればいいんだ、それまで私はここを一歩も動かないっ!!!」
律「くそっ…」
律「澪は、本当にわからずやだよ」
澪「……」
澪「分からず屋でいいもん」
律(このままでは澪の身も危ないっ!)
律(なんとかここから出なけりゃな…)
律「おい澪っ!」
澪「どうしたっ?」
律「私は、最後の賭けに出ようかと思う」
澪「き、危険じゃないのか!?」
律「……」
律「危険だよ」
澪「!!!?」
律「でも、このままじゃ澪がまで危ない」
律「二人が助かるためにはこれしかないんだっ」
澪「律…っ」
律「行くぞっ、いちかばちかだっ!!!」
律「ぐわあああぁぁああああっ!!!」
澪「りつーっ!!!?」
律(くそっ、流石に痛みやがるっ!!!)
律(だがこんな事じゃへこたれないぜっ!)
律「うがぁぁぁああぁああぁあ!!!!」
澪「律っ、りつーっ!?」
澪(ああっ、神様お願いっ、律を守ってっ!)
律「うっわぁぁあっぁぁぁぁあぁあああ!!!」
律(今だっ!)
律「いっけーええぇぇえええぇええええっ!!!!!!!」
澪「!!!?」
シーン
澪「えっ、律…?」
澪「りつーっ、無事かーっ!?」
律「うっ、ああっ、澪」
澪「どうだ律、出れそうか?」
律「わりいな澪」
律「しくじっちまった…」
澪「!!!?」
澪「そっ、そんなぁ!?」
律「私はもうダメだ…」
澪「がっ、がんばるんだ律っ!!!」
律「へへっ」
律「さっきから出血がとまらねえんだ」
澪「!!!?」
澪「そんなぁっ、律ーっ!!!?」
律「ごめんな、こうなったら流石に出られねえよ」
律「だから、澪っ、お前は早く何処かへっ…」
澪「なんでっ、なんでこうなるんだよぉーっ」
澪「律ーっ!!!」ポロポロ
律「泣くな澪っ、今はお前が助かる事だけを考えろっ!」
律「それが私の願いなんだ」
澪「で、でも…」
律「もう、私は…、はや、く…」
澪「律っ、苦しいのか?」
律「はや…くっ、い…け…」
澪「あっ、うわっ!!?」
律(えっ、澪っ!!!?)
澪「こっちもっ、やばいよっ!!!」
律「!!!?」
律「もう、い…けっ」
澪「私、律の所へ行くっ!!!」
律「!!!?」
律「なに、いってやが…る」
澪「どうせ私も助からないなら、律と一緒がいいよっ!!!」
律(澪の奴、自暴自棄になってやがるっ!?)
律(でも、澪はまだ助かるかもしれないんだっ」
律(絶対にここに来させるわけには行かないっ!!!)
律「お前は外へ出るんだっ、まだ助かるっ希望を捨てるなっ!!!」
澪「そんなの嫌だよっ、一人ぼっちで、ダメになるなら」
澪「私、律と二人でいたいよっ」
律「バカだよお前、本当にバカ」
澪「バカでいいもん」
律「絶対に来させないぞっ!」
澪「そっちに行くよ、こうやって、登ってから降りれば…」ジヨジヨ
律「バカっ!!!やめろっ!!!」
律「来るな澪っ!外へ出るんだーっ!!!」
ドサッ!
律「!!!?」
澪「えへへ、来ちゃった」
律「来ちゃったじゃないだろっ」
律「どうすんだよ一体…」
澪「ほら、こうやって、ちょっと詰めて」
律「えっ、あっ、そんな、何やってるんだ?」
律「こんなに密着してっ!」
澪「仕方ないだろっ」
律「恥かしいよ…」
澪「私だって…」
律「本当にお前は…」
澪「いいよ、それで」
律「まだ何も言ってないぞ…」
澪「私はなんだっていいよ、どんな事言われても、どんな状況だったとしても」
澪「律と一緒なら…別にいいよ」
律「澪…」
澪「ああっ、そろそろだよ」
律「そうか」
律「まあ、仕方ないけど」
律「まさかこんな事になるとはな…」
律「まさか澪と一緒に、一つの便器に跨るなんてなぁ」
澪「律が怪我(お尻の怪我、つまり切れ○)するのがいけないんだぞっ」
律「そんなの仕方ないだろ?」
律「お前が早く、他のトイレに行けば良かったんだよ」
澪「だってここら辺、他にトイレがある場所なんてわかんないし」
澪「間に合わなくなって、知らない人の前で恥をかくより」
澪「お前一人の前でした方がいいだろ?」
律「だからってお前なー」
律「こりゃ、末代まで隠しておかなきゃお互い一生の恥だぞっ?」
シーッ
律(澪が私と密着した状態でおしっこしてる)
律(どんだけシュールな光景だよ…)
澪「ふーっ、スッキリした」
律「拭いたら早く出てけよなっ」
澪「わかってるって」フキフキ
ドンドンドンッ!
律澪「!!!?」
唯「りっちゃーん、まだぁー?」
律「わっ、唯!?」
澪「ちょ、ちょっとまって!」
唯「!?」
唯「えっ、何で澪ちゃんの声までするの?」
律「わーっ、馬鹿澪っ!!!」
澪「そんなの仕方ないだろっ!?」
唯「えーっ、なんで?なんで二人でおトイレに入ってるの?」
律「そっ、それはぁーっ」アセアセ
唯「ムギちゃーん、あずにゃーん、りっちゃんね、澪ちゃんと一緒におトイレしてて」
唯「まだ開いてなかったよぉー」
律澪「!!!?」
紬「ちょっと、それって、やっぱりあれよねっ!?」キラキラ
梓「うわっ、先輩たち、超えてはならぬ一線を越えてたんですね」
梓「悪いですけどドン引きです」
唯「ちょっと、りっちゃん澪ちゃん、何してるかわからないけど」
唯「早くしてよーっ!」
律澪「……」
律「おい澪、お前早く出ろよ」
澪「嫌だよっ、こんな状況で、恥かしくって出れるわけ無いよ」ヒィッ
紬「そっとして置きましょうよ、きっと二人はこれからもっと燃え上がるのよっ」
梓「女同士で、しかもこんなお店のトイレでっ」
梓「先輩たちはいやらしすぎますっ!!!」
唯「はやくー、漏れちゃうよーっ!」
律「……」
律「どうしてこうなった」
愛しているとつたえて欲しい 二章 第十八階層『戻れない二人』 終わり
最終更新:2010年09月09日 00:10