部室！
ちか「ねえねえエリ」
エリ「うん？」
ちか「いちごの家に泊まった日、勉強はかどった？」
エリ「う、うん！とっても！（わんわん泣いて一緒にお風呂入って抱き合って寝たとは言えない…）」
いちご（土曜日も昼まで寝かしてたしね）
ちか「そっか、よかったね」
しずか「今週からテストだもんね」
姫子「テスト期間だから練習も早めにきりあげよっか」
エリ「う、うん、じゃあ軽く何曲か合わせて今日は終わろっか」
姫子「…うん、いい感じかな」
ちか「今日はこのへんで終わりにしよっか」
エリ「…ちかさんちかさん」
ちか「？なに？」
エリ「あの…言いづらいんだけど…今日も、その…」
ちか「…勉強？」
エリ「…はい」
ちか「あはは、いいよ別に」
姫子「あ…わたしもちょっと、気になるところがあるんだけど…」
ちか「うん、じゃあまた勉強会しよっか」
ちか「二人はどうする？」
しずか「んーわたしは大丈夫かな」
いちご「わたしも大丈夫」
ちか「うん、じゃあ３人で勉強しよっか」
しずか「じゃあわたしたちは先に帰ってるね」
エリ「二人ともまたねー」
しずか「エリ、姫ちゃん、がんばってね♪」
いちご「また明日ね」
ちか「今日はどこで勉強する？」
エリ「うーん、今日はわたしもそんなに時間かからなそうだから…このまま部室でいいかな」
姫子「わたしもそれでいいよ～」
エリ「それで、さっそくここなんですが…」
ちか「あー…ここは、極値を求めるから関数を微分して…」
エリ「も、もうちょっとくだいた言い方で…」
姫子「あはは…あ」
ちか「？姫ちゃんどうかした？」
姫子「…今日しずかに抱きついてない」
ちか「あはは、またー？姫ちゃんしずか好きだよね～」
姫子「ん、可愛いからね～」
エリ（………）
ちか「まあしずかは確かに可愛いけどね～」
ちか「でも、いちごもしずかと同じくらいかわいくない？」
姫子「うん、いちごも大好きだよ」
エリ「！……」ｶｷｶｷ
ちか「おおー姫ちゃん言うね～♪」
姫子「もちろん、ちかもエリも、軽音部の皆は大好きだよ」ﾆｺｯ
ちか「あはは、照れるよ～///」
エリ「…いちごには抱きつかなくていいの？」
姫子「うん？えと…いちごもそういうのは嫌いじゃない…って思うんだけどね、まあ、皆の前じゃ恥ずかしがるかなって…」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ
ちかエリ（わかります、見てたから）
エリ「…まあ今度からいちごにも抱きついてみたら？」
姫子「うん…あ、でも二人のときは割と…」
エリ（！）
ちか「うん？」
姫子「あ…えと、なんでもない…///」
ちか「？そう？」
ちか「あ、それでエリ、さっきのとこなんだけどね」
エリ「ああ、うん（…なーんだ）」
エリ（わたしが心配するほどでもないみたいだね、ふふ）
エリ（…あとは）
エリ（いちご次第なのかな…）
帰り道！
ちか「けっこう遅くまで残ってたね～」
エリ「でもおかげでだいぶわかったよ、ありがとねちか！」
姫子「遅くまでつきあわせちゃってごめんね」
ちか「ううん、いいよいいよ～」
ちか「練習が短い分、皆と会う時間も減っちゃうのは嫌だしね」ﾆｺｯ
姫子「～～～ｯｯｯちーか！」ｷﾞｭｯ
ちか「わ！あはは姫ちゃん急に抱きつかないでよ～」
エリ（この子も割と破壊力が高いね…）
姫子「じゃあ、わたしの家こっちだから」
エリ「うん、またね～」
ちか「バイバーイ」
エリ「それにしてもさ」
ちか「なに？」
エリ「ちかって勉強できるんだね」
ちか「んーそんなことないよ～」
エリ「いやいや！今日はほんとに助かりました」
ちか「えへへ…まあ、大学いきたいから勉強はしてるよ～」
エリ「ん…大学かぁ…」
ちか「まだ志望校とかはっきりとは決めてないんだけどね」
エリ「でも偉いよ！わたし、将来のこととか全然考えてないなあ…」
ちか「まあ焦らなくてもいいんじゃない？」
エリ「なんか今はね」
ちか「うん」
エリ「軽音部のみんなと、一緒に笑ったり、演奏したり、遊んだりしてるのがすっごく楽しいから、さ」
ちか「…エリ？」ﾆﾔﾆﾔ
エリ「あ…なに？」
ちか「えーり！」ｷﾞｭｰｯ
エリ「わ！ちょ…ど、どうしたの？」
ちか「姫ちゃんのマネ♪」
姫子の部屋
姫子「ただいまー、と」
姫子「ふあー疲れたー」ﾄﾞｻｯ
姫子「あー、しずか成分と…いちご成分がたりないのか…」
姫子「…特に後者」
『もちろん、ちかもエリも、軽音部の皆は大好きだよ』
姫子「…まあそうなんだけど」
姫子「でもやっぱり、あの子は特別かな…」
姫子「…早くテスト終わんないかなー」
姫子「そういや今日ちかが…」
姫子「『練習が短い分、皆と会う時間も減っちゃうのは嫌だしね』って…」
姫子「………♪」
姫子「やっぱり軽音部でよかったなあ…」
姫子「エリは…なんだかんだで部員思いで、いつも皆のこと考えてくれるし…」
姫子「ちかは…前向きで、いっつも笑ってて皆を安心させてくれるし…」
姫子「しずかは…いわずもがなかわいいし、抱きつくとあったかいし…それに優しいし…」
姫子「でも…なにより…」
姫子「いちごに会えてよかったなあ…」
姫子「…なんて、はは」
姫子「皆の前じゃ恥ずかしくて言えないけどね」
姫子「……よし！勉強しよ♪」
しずかの部屋！
しずか「あの…いちご？」
いちご「なに？」
しずか「勉強、つき合わせちゃってごめんね？」
いちご「ん、いいよ別に…でもみんなと一緒じゃなくてよかったの？」
しずか「ちか、英語は苦手って言ってたし…それに」
いちご「それに？」
しずか「たまにはいちごと二人で話したかったから♪」
いちご「！…そう（あーもう///）」
しずか「どうかした？」
いちご「ん、いや（小首をかしげるのは反則…）」
しずか「？そっか」
いちご「…エリたちも勉強頑張ってるかな」
しずか「だろうねー」
いちご「…特にエリ」
しずか「あはは、なんでエリ？」
いちご「この前うちに泊まったときもあんまり勉強できなかったからね」
しずか「そうなんだ？」
いちご「うん、ご飯食べてお風呂入っていろいろ話して寝ただけ（泣きつかれたとは言えないな…）」
しずか「あはは、でも楽しそうだね」
いちご「ん、そう？」
しずか「うん、姫ちゃんも帰り道で『わたしも泊まりたかったなぁ～』って言ってたよ」
いちご「ん…そう」
しずか「姫ちゃんみんなといるの大好きって言ってたし♪」
いちご「…確かに姫子はそんな感じだもんね」
いちご「…しずかはさ」
しずか「なに？」
いちご「姫子と…仲良いよね」
しずか「うん、軽音部はみんな仲良しだよ！」
いちご「ふふ、そうだね（…良い子すぎる…）」
いちご「…姫子のこと、好き？」
しずか「うん！姫ちゃん優しいし、ベース上手いし、その…いつも抱きついてくるし///」
いちご「やっぱりあれ嬉しいんだ？」
しずか「ん…まあ、ね…えへへ///」
いちご（締まりのない顔だなあ…かわい）
いちご「…姫子も」
しずか「うん？」
いちご「しずかのことは好きなはずだよ」
しずか「え！？そうかな…だといいな、えへへ…」
いちご「…そう、だよ」
しずか「あ、でも姫ちゃんね」
いちご「うん」
しずか「いちごのことも大好きだよ」
いちご「！……そう、かな」
しずか「うん！だってわたしと二人のとき、いっつもいちごの話してるし」
いちご「そう…なんだ」
しずか「うん、たまに嫉妬しちゃうよ～なんてね、あはは」
しずか「だいぶ勉強進んだかな、今日はありがとね♪」
いちご「いいよ別に」
いちご「じゃあわたしそろそろ帰るね」
しずか「うん、また明日ね」
いちご「またね」
しずか「…あ、いちご！」
いちご「なに？」
しずか「わたしも、いちごのこと大好きだよ！」
いちご「………///」
いちご「…ありがと」
しずか「うん、じゃあまたね♪」
いちごの部屋
いちご「ただいまー」
いちご「…最後に不意打ちくらわされた…」
いちご「…ふふっ」
いちご「………」
『うん！だってわたしと二人のとき、いっつもいちごの話してるし』
いちご「…喜んで、いいんだよね…」
いちご「……やった///」
いちご「…姫子」ﾎﾞｿｯ
いちご「………」ｸﾞｽｯ
いちご「……あれ？」ｸﾞｽｯ
いちご「……なんで？」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
いちご（なんでわたし泣いてるんだろ…）
いちご「…ふふ、変なの」ｸﾞｽｯ
いちご（ああ…でも、きっと…）
いちご（誰かを好きになるってこういうことなのかな…）
部室！
エリ「ようやくテストが終わりました！」
ちか「ちゃんとできた？」
エリ「おかげで赤点はなさそうだよ！」
ちか「よかったね～」
姫子「じゃあ今日から本格的い練習再開しよっか。」
エリ「らじゃーです！」
練習後！
しずか「テスト期間中もちょっとは練習してたからいい感じだね！」
姫子「ちょっとでもブランクはさむと弾けなくなるからね」
エリ「よし、じゃあ今日はこのへんで解散にしよっか」
いちご「あ…エリ」
エリ「なに、いちご？」
いちご「…この後、ちょっといい？」ﾎﾞｿｯ
エリ「！…わかった」
エリ「あ、わたし、いちごとちょっと話あるからみんな先に帰ってて」
姫子「？そう、じゃあ帰ろうっか」
しずか「二人ともまたね～」
ちか「………」
エリ「…うん、みんな帰ったね」
いちご「つきあわせてごめんね」
エリ「いいっていって…姫子のこと？」
いちご「…うん、今週の日曜、遊びに誘おうと思うの」
エリ「…デート？」
いちご「ん…まあ…///」
エリ「うん、いいんじゃない？」
いちご「…それでね？」
エリ「うん」
いちご「姫子に…その…」
いちご「ちゃんと自分の気持ち、伝えようと思うの」
エリ「………そっか、決心はついたの？」
いちご「うん…わたし、決めたから」
いちご「みんなにも、自分にも、素直になるって」
エリ「…うん」
いちご「もちろん…姫子がわたしのこと、どう思ってるかなんてわからないし…」
エリ（……ばかだなあ…）
いちご「わたしのことなんて何とも思ってないかもしれないけど…」
エリ（…そんなことないよ、姫ちゃんもいちごが大好きなんだよ）
エリ（…まあ、それはわたしからは言えないけど…）
いちご「…でもね？」
いちご「ここであきらめたら…わたし、絶対後悔するから…」
いちご「自分の気持ちをとじこめたままなんて、わたし嫌だから、だから…！」ｸﾞｽｯ
エリ「…いちご？」
いちご「…なに？」
エリ「その…『絶対うまくいくよ』とか、そんな無責任なことは言えないし…」
エリ「いちごを勇気づける言葉も…わたし、かけられないけど…」
エリ「…だけどね、わたし…」
エリ「…応援、してるから…ずっと、いちごの味方だから！」
いちご「エリ…ありがと」ｸﾞｽｯ
エリ「…ふふっ」ｸｽｯ
エリ「今回は…あたし、泣かなかったよ」ｳﾙｳﾙ
いちご「……ふふっ」
いちご「今にも泣きそうだよ」
エリ「まだセーフ！」ｳﾙｳﾙ
いちご「ふふ…エリ」
エリ「あはは、なに？」ｺﾞｼｺﾞｼ
いちご「…ありがとね」
エリ「…うん」
いちご「じゃあ、そろそろ帰ろっか」
エリ「あ…わたし、部室の戸締りとかあるから先に帰ってて」
いちご「？それくらい待ってるよ？」
エリ「いいっていいって…それに、えと…ちょっと今日上手くいかなかったとこ練習したいし…」
いちご「そう？じゃあ先に帰ってるね」
エリ「うん、また明日ね」
いちご「うん、またね」
エリ「…いちご！」
エリ「その…がんばってね！」
いちご「ふふ…うん、またね」ﾊﾞﾀﾝ
最終更新：2010年09月14日 00:15
