私はその後、憂と和ちゃんを部屋に連れて行った

2人を縛り終えた時、玄関のチャイムがなった

唯「あ……」

少し余韻に浸りすぎていたかな……
最後の仕上げをしないと

私はスタンガンとクロロホルムの染み込んだハンカチをポケットに忍ばせて玄関に向かう

紬「唯ちゃんの勝ちか~」

玄関ではムギちゃんが笑顔で立っていた

唯「うん、私の勝ち とりあえず中に入ってよ」

紬「ええ♪」

私はムギちゃんを家の中に招き入れた


そのままリビングに誘導する

リビングにはりっちゃんとあずにゃんがいるけど……それはこの際いいか

律「唯……ムギ……」

唯「うへへ……あと一人だよ」

梓「唯先輩……狂ってます……」

あずにゃんは私を睨みながら言った

唯「あずにゃん、そんな顔したら駄目だよ~ 窒息させるぞ?」

梓「ひっ……ごめんなさいごめんなさいいい!!」

ドスの利いた声であずにゃんを脅す

あずにゃんは必死に謝っている かわいい

紬「あと一人って私のことかしら?」

唯「もうムギちゃんったら~ 他に誰がいるのさ~」

紬「ごめんね~」

律「ム、ムギ……逃げろ」

唯「りっちゃんは人の心配してる場合じゃないでしょ? 一番弱ってるくせに」

律「うるせぇ……唯……お前一発殴らせろ……」

唯「手足縛ってるのに? さすがりっちゃん隊員は冗談が上手!」

律「くそぉ……」

梓「り、律先輩……駄目です……」

唯「あずにゃんは分かってるね~」

やっぱり一度恐怖を覚えた者は従順になるね

唯「かわいいなあ律は……」

私はりっちゃんの髪を掴んで頭をグイッと上げた

律「うあ……!!」

唯「痛がってる顔もかわいいよ律」

律「り、律って呼ぶ……な……」

唯「何で? 澪ちゃんはそう呼んでるじゃん」

律「ゆ、唯……やめてくれぇ……」

痛かったのか涙目になってりっちゃんは言った

唯「えへへ……ごめんね」パッ

律「うう……」

りっちゃんはその場にぐったりと倒れてしまった

梓「律先輩しっかりして……」

倒れたりっちゃんをあずにゃんが必死に揺する
あずにゃんはもう恐怖で泣いていた

唯「ふふ……ムギちゃん」

紬「ん?」

唯「監禁させて?」

紬「え……どうしようかしら」

唯「嫌なら無理やり捕まえるけど」

紬「それは嫌だなあ……」

唯「あれ意外……ムギちゃんなら『私、監禁されるのが夢だったの~』とか言いそうなのに」

紬「唯ちゃんの中だけでしょ」

唯「あは、そうかもね」

紬「私……されるよりするほうが好きなの~」

唯「そっか……」

紬「今日は見逃してくれる?」

唯「えー……どうしようかな」

紬「唯ちゃん一人でみんなのお世話できるの?」

唯「う……それは考えてなかったかも」

紬「私も手伝うわ」

唯「……分かった」

紬「うふふ……ありがと」

ムギちゃんはうまい事言って回避したつもりらしい
まあ残りはムギちゃんだけだし焦ることもないか……

ムギちゃんを見送ると、あたりはすっかり真っ暗だった

唯「さてと……」

私は自分の部屋に向かった

因みにみんなの監禁場所は
リビングにりっちゃんとあずにゃん
私の部屋に澪ちゃんと純ちゃん
そして憂の部屋に憂と和ちゃん

ガチャ

唯「二人とも生きてる~?」

澪「唯……」

純「うっ……う……」

純ちゃんはずっと泣いてるね 無理もないか

唯「よっこらしょ」

私は椅子に座ると、机の二段目の引き出しから一冊の本を出した

唯「澪ちゃんはこういうの駄目っぽいよね」

澪「え……」

私は澪ちゃんに本のタイトルを見せた

澪「ひい!!」

その瞬間、澪ちゃんは一気に青ざめた
その反応が見たかったんだよ

澪「やめろやめろぉ……拷問なんていやだぁ……」

唯「ふふ……」

私が持っているのは『世界の拷問』っていう結構ヤバめの本
前に憂とあずにゃんにやった窒息拷問もこの本に書いてあったものだ

まあ本当は脱糞するくらいまでやるって本には書いてあったけど
それはさすがに良心が痛むからやめておいた

唯「澪ちゃんはどのページがいい?」

澪「やだやだぁ! そんなもの見せないでぇ!」

唯「あははは」

今澪ちゃんに見せたページには火を使った拷問が書かれていた

唯「私さ……かなりのサディストなんだ」

澪「知ってる知ってる! だからその本をしまってくれええ!!」

唯「今日さ……りっちゃんが反抗的だったんだよ」

澪「え?」

唯「ちょっと恐がらせたほうがいいのかな~って」

澪「や、やめ……」

唯「澪ちゃんはりっちゃんが好き?」

澪「な、何だよ急に……」

唯「私はこれからりっちゃんを拷問します 澪ちゃんはどーする?」

澪「ど、どうって……」

唯「りっちゃんを助けたい?」

澪「そ、そりゃ助けたい……」

唯「え? 聞こえない」

澪「助けたい……律に酷いことしないでくれ!」

澪ちゃんは声を大にして叫んだ

唯「そうなんだ~……じゃあ澪ちゃんも一緒だね!」

澪「は?」

唯「律だけに苦しい思いはさせない!ってね」

澪「え……」

唯「じゃあ行きますか」

澪「や、やめろ……」

その時の私は間違いなく悪魔だった

やがて私は澪ちゃんをリビングに連れてきた

律「澪!?」

澪「律ぅ……」

唯「りっちゃんさあ……」

律「な、何だよ……?」

唯「それだけ弱っててまだ反抗できるなんて凄いね」

律「うっせぇって言っただろ……絶対一発ぶん殴るからな」

唯「おお恐い恐い……」

梓「(唯先輩……後ろ手に何か隠し持ってる?)」

唯「あははは」

梓「唯先輩!?」

唯「あずにゃんは気づいた? そりゃ一度やられてるもんね」

律「は?」

梓「律先輩! 早く唯先輩に謝って下さい!」

律「梓? 何でだよ……」

唯「あずにゃんは賢いね~ えいっ」

律「うっ!?」

私はりっちゃんの口にガムテープを貼った

梓「やめて下さい!」

唯「りっちゃんが反抗しなくなるまでやめませ~ん」

澪「律逃げろよおお!」

唯「澪ちゃん馬鹿? 手足縛られてるのに逃げれるわけないじゃん」

律「うーっ!!」ジタバタ

唯「しっかり見ておくといいよ 澪ちゃんにも味わってもらうから」

私はそう言うと、りっちゃんの呼吸を封じるべく彼女の鼻の部分にもテープを巻きつけた

律「む……ぐぅ!?」

梓「り、律先輩……嫌だ……」

律「うぐ! うぐぐ!!(お、おい……冗談だろ……?)」

りっちゃんは状況を把握したのか急に青ざめていった

唯「次は澪ちゃんの番だよ~」

澪「いやあああ……んんっ!?」

嫌がる澪ちゃんの呼吸器も私は塞いだ

梓「あ……ああ……」

あずにゃんが怯えた表情で私を見ている

唯「大丈夫……あずにゃんにはしないよ」

唯「あずにゃんはそこで見てなよ」

梓「うう……」

唯「大好きな律先輩が苦しんでるところをね あと澪ちゃんも」

梓「うわあああああん!!」

私は椅子に座りながら、芋虫みたいに床で苦しむ二人を観察することにした

律「ぐ……が……!!」

澪「んん゛!! うう……」ポロポロ

澪ちゃんは苦しくて……いや恐くてか
早くも泣き出してしまっている

唯「人間ってさその気になれば13分も息を止められるんだよ」

唯「まあこれはギネスに載ってる世界記録なんだけどね」

唯「あずにゃんは2分30秒、憂は2分40秒……りっちゃんなら3分超えれるかな?」

律「え゛え゛ーっ! うあ゛あ゛……」

澪「む……ぐぐ!!」

唯「あははははは」

二人は苦しさのあまり足をバタつかせもがいた
りっちゃんの白いソックスと澪ちゃんの黒いソックスの対照的な色が私の目にチラついた

律「う……え゛え゛……」

りっちゃんは椅子に座る私の足元に這ってきた

唯「何かな? 律」

律「うい゛……ぐるじい゛よお゛……」

その顔は涙でもうグシャグシャだった

唯「そうその顔! それが見たかったんだよ!」

律「うえ゛え゛……い゛ぎを゛……ざぜでえ゛え゛え゛!!」

梓「もうやめて下さい……」

唯「ふふ……律」

私は床に転がるりっちゃんを抱き上げた

律「!?」

唯「律は誰のモノ?」

律「うい゛でず!! うい゛の゛モノ゛です!!!」

唯「それでいいんだよ律」

次に私は澪ちゃんの傍に寄った

澪「うぐぐ……」

もう澪ちゃんはもがく力もないみたいで、痙攣してるようだった

唯「りっちゃんが私のモノって認めてくれたから、澪ちゃんは助けてあげる」ビリッ

私は澪ちゃんの口と鼻からガムテープを剥がしてあげた

澪「はぁ……はぁ……」

澪ちゃんは脳に酸素が長時間行かなかったせいで完全に体が弛緩している

唯「りっちゃんは私のモノ?」

再びりっちゃんに聞く

律「う゛ん゛! うん゛!!」コクコクッ

りっちゃんはしっかり頷いた

唯「よしよし……」

それを聞いた私はようやくりっちゃんの呼吸を助けた

律「ぶはぁぁ!! はーっ……はー……」

唯「よく我慢したね……ごめんねりっちゃん」

私は胸にりっちゃんを抱き寄せた

律「うえええええええん!!」

この苦行を課した張本人に抱きついてりっちゃんは大泣きした



その日の夜

律「スー……スゥ……」

りっちゃんは疲れたのかあれからすぐに寝てしまった

唯「ふわあ……」

私もいい加減眠くなってきた
お風呂入って寝よう

唯「りっちゃん……好きだよ」

耳元で囁くとりっちゃんの頭を撫でて私はリビングを出た

脱衣所の洗面台の鏡に映る自分の顔を見ながら
私は最後の一人、ムギちゃんを捕まえる算段を立てていた

正直、ムギちゃんが一番拷問しがいがありそうだ

唯「あははは みーんな私のモノだよ」

とびっきりの笑顔で宣言した

『うい゛……ぐるじい゛よお゛……』

唯「あはは……はは……」

『うえ゛え゛……い゛ぎを゛……ざぜでえ゛え゛え゛!!』

唯「あは……は……あれ?」

鏡の中の自分が泣いていた

唯「どうして泣くの……?」

分からないよ……全然分からない……

唯「うええ……りっちゃん……ごめんね……ごめんねえ……」

気づくと私は泣き崩れてしまっていた
理由は分からない

唯「どうして……?」

『うい゛……ぐるじい゛よお゛……』

唯「りっちゃん……」

あの時の彼女の言葉が頭から離れないよ

唯「なんで?」

分からない……分からない……




唯「Confinement!3」 おわり
唯「かんきん!監禁!Confinement!」に続きます



最終更新:2010年09月15日 03:36