~~~~~~~~~~~~~
「う~い~……」
憂「んっ……」
唯「おはよ~」
憂「あ……おはよ、お姉ちゃん」
唯「んふふ、憂、もう朝だよ」
憂「うぇっ!?」
『6:30』
なんでこんな時間まで寝てたんだろ…
お弁当作らないと!
唯「憂のおかげですっかり治ったんだ~」
憂「熱は?」
唯「さっき測ったらね、36.4℃。もう完璧ですっ」
憂「よかったぁ!」
憂「あ、お姉ちゃん昨日お夕飯は……」
唯「ううん、私もあの後ずっと寝てたから大丈夫だよ」
憂「そっか~…。ごめんね、今から朝ご飯用意し……ごほっごほっ」
唯「ういも無理しないでね」
憂「へっ?私は全然大丈夫…」
唯「さっき熱測ったんだよ~憂の」
憂「えっ…」
唯「38.0℃だよ。うい~…ごめんね」
憂「な、なんでお姉ちゃんが謝るの」
唯「私がういに風邪移しちゃったのかも」
憂「だ、大丈夫だよこれくらい……よっしょ」
あれ?
なんだか感覚が……
唯「うい!」
憂「わぁ…」ぐらっ
唯「危なかった~」
憂「えへへ……ありがと、お姉ちゃん」
唯「うい、今日は学校休まないとね」
憂「え?行けるよ、大丈夫だよっ」ごほっ
唯「んも~。憂ったらぁ」
憂「ほんとに行けるもん//」
唯「ほんとぉ?」
憂「うんっ!ちょっと咳が出るだけだし」
唯「うい」ぎゅ
憂「え…」
唯「今日はゆっくり休もうよ。我慢しないで」
憂「お姉ちゃん…」
唯「うい、顔色悪いし、熱あるし、咳してるし。だからね」
憂「大丈夫なのに…」
唯「ううん。見れば分かるよ。だから今日は私が憂を看病するよ」
憂「えぇ!?大丈夫、大丈夫だよぉ。そんなに辛くないし」
唯「憂は強がりだねぇ」
憂「ほんとだよ、お姉ちゃん」
唯「いーの。今日は私が憂を看病しますっ」
憂「でもお姉ちゃん、学校は行かないと」
唯「休むって連絡したよ。みんなにもメールした」
唯「憂が一番大事だからね」
憂「お姉ちゃん…」
唯「早くよくなりますよーに!」
お姉ちゃんと2人で学校行く予定だったんだけもなぁ。
でも、お姉ちゃんと2人で居れるなら、今日はお姉ちゃんに甘えちゃおっかなぁ…
ちょっと体もだるいし。ちょっとだけ。
それにしても私、うそついたりお姉ちゃんに迷惑かけたり……
だめだめだよね……
唯「うい?」
憂「?」
唯「そんな悲しそうな顔しないで」
憂「へっ?全然そんなことは」
唯「いいんだよ~。たまにはお姉ちゃんに甘えなさいっ!」
読まれてるよぉ…。
憂「えへへ…//」
唯「あ、そうだ、お粥でいい?」
憂「あ……うん!」
唯「ふふ、任せなさい!ちょっと待っててね~」
憂「ありがと、お姉ちゃん」
唯「お安い御用~♪」
お姉ちゃんに看病してもらうの、今年に入って2回目なんだ。
お姉ちゃん受験生なのに……
私がもっとしっかりしないと。
唯「できたよ~憂」
憂「ごめんね、お姉ちゃん」
唯「妹が困ってる時に助けるのは、お姉ちゃんのぎむだからね!」
憂「えへへ…」
唯「ほら~卵ものっけたよ!栄養まんてん」
憂「うん!おいしそ~」
お姉ちゃんの作るものはなんでもおいしいけどね~。
憂「いただきまーす」
唯「あっ!」
憂「?」
唯「やっぱり私が食べさせてあげるよ」
憂「へっ」
唯「いいからいいから~」
憂「うん…」
唯「ふ~…ふ~…」
お姉ちゃんがお粥を食べさせてくれるなんて。
バチどころじゃないし。神様ありがとう……って、
自分のことしか考えてないじゃん私。
お姉ちゃんありがとう。ごめんなさい。
唯「はーい、あ~んして~」
憂「あ~ん//」
唯「ふふ、憂ちゃんおいちいでちゅかぁ~」
憂「おねえひゃん!///」もぐもぐ
唯「冗談だよ~。お味はどお?」
憂「ん~……でりしゃす!!だよ!」
唯「おー?うい、真似したな~」
憂「えへへ…ばれちゃった」
唯「ふふ、でもよかったぁ」
憂「うんっ!」
とっても幸せな朝です!
憂「おいしかった~。ごちそうさま」
唯「よかった~。あとは憂、寝てるといいよ」
憂「えっ…お姉ちゃんどこいくの?」
って私なに言ってんだろ…
唯「これお台所に持っていくだけだよ~。ずっと憂のそばにいるよ」
憂「えへへ…//」
良かったぁ。
唯「ちょっと待っててね」
憂「うんっ」
お姉ちゃんはほんとはとっても優しい人。
ほんとは っていうのも変だけど…。
私が甘えるとお姉ちゃんは一生懸命尽くしてくれるから。
だから私も、いつもお姉ちゃんの力になっていたい。
唯「ポカリ飲んで~」
憂「うんっ」ごく
唯「…あ、うい、わたしお風呂入ってきていい?」
憂「もちろんだよ。気持ち悪いよね」
唯「汗かいちゃったからねぇ……じゃあごめんね、寝ててね」
憂「うんっ。ゆっくりしてきていいよ~」
唯「ありがと~」
私もお風呂入りたいけど……熱あるし。
後でお姉ちゃんに拭いてもらおうかなぁ……なんて。
熱下がって治ったらお姉ちゃんに何作ってあげようかなぁ。
ハンバーグ?カレー?肉じゃが?
ありきたりかな…
お姉ちゃんのリクエストで決めようかな~。
唯「ういー」
憂「あ、お姉ちゃん」
唯「気持ちよかった~」
憂「よかったぁ」
お風呂上がりでヘアピンしてないお姉ちゃんはなんだか少し、
大人っぽく見える。かっこいいお姉ちゃん。
唯「憂はどお?汗かいてるでしょお」
憂「うん…ちょっと」
唯「よしっ!拭いてあげる!」
憂「あ、ありがと」
…実際やってもらうとなると恥ずかしいかも。
でも、お姉ちゃんなら全然平気。たぶん。
唯「失礼しまーす」
憂「お願いします…」ごくり
唯「…」ふきふき
憂「ふ~…」
唯「…」ふきふき
憂「ごほん…」
唯「…」ふきふき
憂「…」
唯「…」ふきふき
わき目もふらずわたしの体を拭いてくれるお姉ちゃん…
無言だと、ちょっと恥ずかしいかも…
憂「お姉ちゃん…」
唯「…」ふきふき
憂「お、お姉ちゃんってば」
唯「ふぇ?」ぴたっ
憂「あ、ごめん、拭いてていいよ」
唯「うん」ふきふき
拭いてていいよって何か違う…!拭いてて下さい、かなぁ?
んあああ、もうなんだか熱上がっちゃいそうだよ…
憂「えと」
唯「…」ふきふき
憂「お姉ちゃん」
唯「…」ふきふき
憂「何か食べたいものある?」
唯「え?」ぴたっ
いちいち手止めなくてもいいよぉ…お姉ちゃん……
唯「ん~……って憂、なんか作ってくれるの!?」
憂「え、いや、熱下がったらね~」
唯「うんうん、そうだねぇ……」
憂「なんでもいいよ~」
唯「うなぎ!」
憂「うなぎ。いいよ~。どこで買ってこようかなぁ」
唯「あ、憂のお料理か」
憂「ううん、お姉ちゃんが食べたいものでいいよ」
唯「じゃあさ、カレー!カレー一緒に作ろうよ!」
憂「あぁ、いいね~!」
唯「でしょお!だから憂、早く治れ~」
憂「うんっ!」
お姉ちゃんとカレー。
なんだか楽しみだなぁ。早く治さないと!
唯「ふきふき~…」ふきふき
憂「あっ…お姉ちゃん」
唯「ん~?」ふきふき
憂「そこは自分で…拭くから///」
唯「遠慮しないで~」ふきふき
憂「///」
な、なに考えてんだろ私…
落ち着いて!わたし!
唯「…」ふきふき
憂「お、お姉ちゃん///」
唯「な~に~」ふきふき
憂「今日は…いい天気だね//」
唯「だね~」ふきふき
唯「憂のおなかぷにぷに~」
憂「///」
唯「へっへっへっ……とぉっ」つねっ
憂「わ//」
唯「憂かわいい~」
憂「お姉ちゃん//」
唯「えへへ、じょーくじょーく」
憂「んもぉ…」
でも、体拭いてもらうのってなんだか気持ちいいなぁ。
唯「終わりだよ~」
憂「ふ~……ありがと、お姉ちゃん」
唯「さっぱりした?」
憂「うん!」
唯「良かった~」
唯「じゃあ、また寝ててね~」
憂「うん」
唯「あ、そうだ」
憂「?」
唯「ねえねえ憂、ここにいるから、ギー太の練習してていい?」
憂「えっ…」
唯「うるさいかな」
憂「ううん、全然いいよ!BGMになるし!」
唯「練習だよ~」
憂「いいよ~!」
お姉ちゃんは練習中に色んな表情をするから、私も見てて楽しい。
唯「んっと……」
~♪
唯「ん~……」
~♪♪
唯「お~?」
憂「ふふっ」
唯「んー?どしたの、うい」
憂「お姉ちゃん、楽しそうだなぁって」
唯「う~ん……あとちょっとなんだけどねぇ」
憂「頑張ってお姉ちゃん」
唯「憂もね~。早く治ってね」
憂「うんっ!」
~~~~~~~~~~
憂「んんっ……ふぁ~…」
もう夕方かぁ。
唯「ふんふん…」~♪
お姉ちゃんはまだ練習してる…
偉いなあ。
憂「お姉ちゃん」
唯「あっ、憂。おはよ」
憂「おはよ~」
唯「熱測ってみよ~」
憂「あ、そうだね」
憂「軽音部入って、お姉ちゃん良かったよね」
唯「うんっ!」
憂「ふふっ♪」
唯「楽しいよ~!憂も入ろうよ」
憂「う~ん…」
ピピピッ
唯「お」
36.9℃。よし!
一晩寝れば明日には学校に行けそう。
憂「36.9℃だよ」
唯「えっ!憂すご!!」
憂「お姉ちゃんのおかげだよ~。ありがとう、お姉ちゃん」
唯「えへへ~。そうかな~」
憂「うん!明日はきっと一緒に学校行けるよ!」
唯「う~い~」
憂「?」
唯「明日は日曜日だよ~」
憂「あっ//」
唯「かわい~憂」
憂「冗談だよ~…えへへ…」
唯「ふふ、じゃあさ、明日、作ろっか!カレー!!」
憂「え…大丈夫かな」
唯「平気平気!!」
憂「そ、そうだよね」
唯「じゃ、明日のために今日は早く寝よう!」
憂「うんっ!!」
唯「あ、憂、お姉ちゃんここにいた方がいい?」
憂「えーっと……」
もうほとんど熱無いし、お姉ちゃんに移ることもきっと無いよね。
じゃあ……
憂「お姉ちゃん、一緒に……」
唯「ほぉ?」
憂「寝ない?……なんて…えへへ//」
唯「憂……」
憂「だめ、かな…」
唯「…待ってたよ!!寝よう!一緒に!!」
憂「あ、はは…ありがとぉ」
また気遣ってくれたのかなぁ…お姉ちゃん。
そしてまた甘えちゃったぁ。ありがとう、お姉ちゃん。
~~~~~~~~~~~~~~
憂「お姉ちゃん」
唯「……zzz」
もう寝ちゃった。色々してくれたから疲れちゃったのかな。
そういえば、最初は私がお姉ちゃんの看病をしてたのに、
気づいたらお姉ちゃんの看病を私が受けてた。
憂「ありがとう、お姉ちゃん」
唯「んにゃ……zz…」
先生にうそついちゃって、そしてお姉ちゃんに甘えちゃって、
迷惑かけちゃったかもしれないけれど、私はこの2日間、
なんだかとっても幸せだった。当たり前だよね。
明日もまた、お姉ちゃんと2人でカレー作り。楽しみだなぁ。
お姉ちゃんと一緒いる時間。
当たり前に続くと思えて、そんなわけは無かったんだ。
それを私に教えてくれたのは、お姉ちゃんだった。お姉ちゃんの歌だった。
でも私は、それが辛いとは思わない。
だって、今、お姉ちゃんと一緒にいれる時間は
とても大切で、貴重で、楽しい時間なんだって思えたから。
大切な時間を、大切に使うことができそうだから。
そんなことを改めて気付かせてくれたお姉ちゃんは、
やっぱり私のお姉ちゃんで、掛け替えの無い存在なんだって、
今改めて思います。
唯「んん……」
憂「これからもよろしくね、お姉ちゃん♪」
唯「…よろしくぅ……zz…」
憂「ふふ♪」
~おわり~
最終更新:2010年09月16日 01:19