唯「よしなよ・・・可哀想だよ・・・」

律「思い出思い出♪」

唯「だからやめなってば!可哀想だよ!」

律「な、なに怒ってんだよ唯・・・別にこれくらいいいじゃん!なぁ?澪」

澪「私は唯に賛成」

律「え?」

澪「こっそり寝顔なんか撮られたら気分悪いだろ?律はもうちょっと人の気持ちを考えたほうがいいよ・・・」

律「な、なんだよ澪まで・・・」


紬「うんん・・・ん・・・」

唯「あ、ムギちゃんおきちゃった!」

紬「・・・どうしたんですか?何か言い合ってたみたいだけど・・・」

唯「えっと・・・実はりっちゃんがムギちゃんの寝顔を撮ろうとしてて・・・」

紬「え・・・?」

律「あーっと・・・冗談だよ?冗談!あはは、ほら思い出にと思ってさ・・・!」

紬「・・・人の寝顔をとろうだなんて・・・そんな人だとは思いませんでした。最低」

律「そ、そんな・・・」

律「ご、ごめん・・・まさかそんなに怒るとは思ってなかったから・・・ごめん」

紬「もうしないって約束してくれる?」

律「うん!するから・・・!だから・・・」

紬「わかったわ。じゃあ今回だけは許してあげる」

律「あ、ありがとう・・・」

唯「良かったねー♪仲直りできて」

澪「ところでムギ、別荘ってどこなんだ?」

紬「もうすぐ着くと思うわ」


紬「着いたわ。ここよ」

唯「わー!すごーい!海だー!」

澪「キレイなところだなー」

紬「気にいってくれたみたいでよかったわ」

律「よっしゃー!じゃあ早速泳ごうぜー!」

澪「何言ってるんだ!?練習しにきたんだろ!!」

律「なんだよー、いいじゃんちょっとくらいー!なぁ?唯、ムギ!」

唯「りっちゃん・・・練習しようよ・・・」

紬「遊びに来たんじゃないのよ」

律「ご、ごめん・・・」


ジャガジャン!ジャガジャンジャーン・・・・

唯「・・・今のけっこう良い感じじゃなかった?」

紬「いえ・・・ドラムがちょっと走り気味だったような・・・」

澪「はぁ・・・また律か・・・」

律「ご、ごめん・・・」

澪「なぁ律・・・ちょっとは唯を見習えよ。唯はたった数ヶ月でここまで上達したんだぞ?
  律はいつからドラムやってる?中学のときからだろ?」

律「・・・ごめん・・・ごめん・・・ぐすっ・・・」

唯「澪ちゃんやめなよ!りっちゃんだって一生懸命やってるんだからさ・・・」

律「唯・・・」

唯「がんばろ!りっちゃん!」

律「・・・うん!」

澪「はぁ・・・じゃあもう一回やるか」


ジャガジャン!ジャガジャンジャーン・・・
澪「おい律・・・さっきより酷くなってるぞ・・・」

律「・・・・・」

紬「・・・ねぇ、りっちゃんは個人練習したほうがいいんじゃないかしら?」

律「え・・・!?」

紬「みんなと合わせるのはまだきっと早いのよ」

律「そ、そんな・・・!」

澪「そうだな・・・正直これじゃ皆のリズムも乱れるしな」

律「イ、イヤだ!私は皆と一緒にやりたい!次は絶対うまくやるから!なぁ唯・・・」

唯「ごめんねりっちゃん・・・」

律「唯・・・!」

澪「じゃあ私たち別の場所で練習するから」

紬「頑張ってね、りっちゃん」

律「うっ・・・ひっく・・・」


ドッドッダン、ドッダン、ドココココココシャーン・・・

律「はぁ、寂しいな・・・・」


キャッキャッ
それでさー・・・ホントー?澪ちゃん・・・あははは・・・


律「あっちは随分楽しそうだな・・・」

律「・・・・・」

律「・・・練習しなきゃ」

律「はぁ疲れた・・・もう夕方じゃん・・・」

澪「おーい律ー!」

律「あ、澪・・・」

澪「ちょっとは上達したか?」

律「・・・ん、多分・・・」

澪「じゃあ一回合わせてみよう」

律「うん・・・」

ジャガジャガジャーン・・・・

唯「ねぇ今の・・・」

紬「えぇ、ぴったり♪」

澪「完璧だったな」

律「ホッ・・・良かった・・・」

唯「りっちゃん!すごく良かったよ!」

律「ありがとう唯・・・あれ?」

唯「どしたの?りっちゃん」

律「唯たちも室内でずっと練習してたんだよな?」

唯「そうだよ?」

律「・・・なんか日焼けしてない?」

唯「!!」


唯「気、気のせいだよー!日が暮れたからそう見えるだけだって!」

澪「そ、そうだぞ!変なこというなよ律!私たち真面目に練習してたから!」

紬「あの・・・そろそろご飯にしましょうか!!」

澪「そ、そうだな!それがいい!」

唯「あー、超お腹減ったしっ♪」


律(・・・・・・澪達、きっと私抜きで海で遊んでたんだな・・・)


唯「わーいカレーだカレーだー♪早く食べよー!」

澪「唯、小学生じゃないんだからそんなにはしゃぐなよ」

唯「だってすっごくお腹減ったんだもん!」

紬「じゃあそろそろいただきましょうか♪」

澪「そうだな」

唯「やったー!いただきまーす♪・・・モグモグ」

唯「んまい!やっぱり思いっきり遊んだ後に食べるご飯は格別だね!」

律「・・・・・!」

澪「おい唯!」

唯「あっ・・・!ち、違うの今のは」

律「もういいよ隠さなくても・・・私抜きで遊んでたんだろ?」

唯、澪、紬「・・・・・・」

澪「・・・そうだよ。遊んでたよ。だからなんだっていうんだ?」

律「・・・!」

澪「そもそも律が下手糞なのがいけないんだろ?律がしっかりドラムやってくれれば
  練習も早く切り上げてみんなで遊べたのに・・・私たちが悪いみたいな言い方しないでくれる?」

律「っ・・・・!」

澪「だいたい律、お前部長の癖に足引っ張りすぎなんだよ。軽音部のリーダーも実質私みたいな感じになってるしさ・・・」

律「うぐっ・・・ひぐっ・・・うえぇっ・・・」



澪「だいたい律は昔から・・・」

唯「澪ちゃん!もうそのへんにしとこ?ね?」

澪「・・・分かったよ」

律「ひっく・・・ぐすっ・・・」

唯「りっちゃんも泣かないで・・・あ、そうだムギちゃん!ここ露天風呂あるって言ってたよね?」

紬「えぇ」

唯「皆で一緒にはいろーよ!それでもう全部水に流そうよ!ね?」

澪「しょうがないな・・・」

紬「じゃあ案内するわ」



-露天風呂-

唯「わーすごーい♪広ーい!」

澪「景色もなかなかだな」

唯「ねー、早く入ろうよ!ほら、りっちゃん♪」

律「う、うん・・・」

紬「・・・・・(スッ)」

律「うわっ!?」

ツルッドスン!

唯「だ、大丈夫!?りっちゃん!?」

律「イタタ・・・なんでこんなところに石鹸が・・・」

紬「・・・プッ」

澪「何やってるんだよ律。ドン臭いな」

律「ごめん・・・」

唯「はー・・・きもちいいー・・・露天風呂サイコー・・・」

律「・・・っ痛!」

唯「どうしたの?りっちゃん」

律「いや・・・さっき転んだときに腕擦り剥いたみたいでさ・・・お湯に染みるんだ」

唯「うわー・・・これけっこう酷いよー・・・大丈夫?」

澪「唯。別に心配する必要ないよ。自業自得なんだからさ」

唯「でも・・・」

紬「大丈夫よ♪そうでしょ?りっちゃん。別に治療とか必要ないわよね?」

律「・・・・うん」


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最終更新:2010年01月26日 03:16