エリ「やっぱり来たね! 来ると思ってたよー」ニッ
あかね「ここは意地でも通さない! この」
エリ・あかね「コーラ大好きバレー部員二人組が!!」
澪「二人組とか…プリキュアのつもりか? 感動的だな。だが無意味だ。ひっこんでろ」
梓「それいうなら私たちも二人組ですよ」
澪「……キュアホルスタイン」
梓「キュアコックロ…キャット」
澪・梓「二人はプリキュア!!」ドン!
澪「三下吸血鬼ども!」
梓「とっとと塵となりやがれです!」
エリ・あかね「……」
梓「ブラックサンダー!」ドスッ
澪「ホワイトサンダー!」ドスッ
梓・澪「プリキャア! マーブルスクリュー!!」ドスッ
エリ「こ、こんなふざけた奴らに…ウソデショー…」
あかね「ム、ムネン…」
梓「こんなテンションでもなきゃ、やってられないっての…」
澪「よし、先を急ごう」
ドカーン
「!」
紬「うふふ、待っていたわぁ」
梓「む、ムギ先輩っ」
澪「壁を突き破ってきたぞあいつ…」
紬「私ね、吸血鬼になったらすっごく力が強くなっちゃって…いわゆる怪力ね!」
澪「なるほどな…梓、逃げよう。勝ち目が見えないよ」
梓「諦め早いですね!?」
澪「諦めも肝心ってことだよ…」
紬「あらあら、そういうの嫌いじゃないわ」
律「じゃあこんなことしてもいいってことだな~、澪」ギュッ
澪「え…」
梓「しまった!!」
ガブッ
澪「ああっ」
梓「澪先輩!? うわああ!!」
澪「あ…ああ……そんな…律…」
律「よかった、私が澪の血を吸うことができて…他の誰にも吸わせたくなかったんだぜー?」
紬「愛だわ…♪」ウキウキ
澪「っく、は…はな…せ……」
律「やだよっ、全然吸い足りないもん」
ガブッ
澪「うああっっ」
梓「わああああ!! 澪先輩から離れろぉっ!」ブンブンッ
律「おっと! 相変わらず騒がしい後輩だなぁ。ムギー」
紬「心得たー」
梓「ああああ!!!」
澪「ひぃ、ひぃ、はぁ、はぁ…こ、こんなの…いやだ…」
律「澪、何もお前は死ぬんじゃないだ。私たちの仲間、吸血鬼になるだけなんだよ?」ギュウッ
澪「それが嫌だって…言ってるんだろ…」
律「どっちみちもう遅いよ。すぐにお前は吸血鬼だ。あはは、やったな澪! 私と一緒なんだぞー嬉しいだろーえへへ」
澪「そうだ…なぁっ!」ドスッ
律「っが!!?」
澪「うぐぅっ…っあ…!」
紬「ああ! りっちゃん澪ちゃん!」
梓「そ、そんな…嘘……」
律「お、お前ぇ…何考がえテンダッ…ジブンゴトクイヲウチヤガッテ…オエエッ…ゲェッ…」
澪「おえっ…また少しずれちゃったか……吸血鬼?…そんなのごめンダヨ…ソレナラ…」ドスッ
律「ギャアアアアアア!!!」
澪「…ハァ、ハァ……マッタク、サイゴマデオマエトイッショダナンテナ…ジャアソロソロイコウカ、リツ……」ドスッ
律・澪「 」
梓「あ…あ……」
紬「二人とも、消えちゃった」
梓「っ!」
紬「あ、梓ちゃん待って!」
タタタ…
紬「待ってってばー…って、いないわ」
紬「トイレに逃げ込んだのかしら…こっちから匂いがする」
梓(はぁ…はぁ…)
ガチャリ
紬「梓ちゃーん」
ガチャリ
紬「梓ちゃーん」
梓(はぁ…はぁ…!)
ガチャリ
紬「みーつけたー」ニタァ
ピカーン
紬「!? ま、眩しいっ…イヤアアアアアアァァァァ」ジュゥゥ…
梓「この対吸血鬼用ライト…澪先輩とこっちに来る前で作ってきたんです。さわ子先生が吸血鬼になる間際で作り方が書いたメモを落としてくれてたんです。全身に染み渡りますか、この光…」
紬「アアアアアアァァァァァァアアアアアアァァァアアア」ジュゥゥ…
梓「塵になるまで浴び続けててください…。もうすぐ終わりますから」グイッ
紬「アァァアアアアア………」
シュー…
梓「あはは、出し惜しみなんかしないで最初からこれを使ってればよかったんだ…」
梓「…って、電池の消費が激しいから何度も使えないんだっけ」
梓「…っ、澪先輩…」
ガチャリ
梓「……」
梓「いるんですよね、親玉さん」
梓「ここは私たちの部室です。部外者は入らないでくださいよ」
梓「……」
梓「返事しろコラアアアアアアアァァァァ!!!!」
梓「……」
梓「まさか、いない? 憂が教えた情報は嘘だったの…?」
ギュッ
梓「!」
梓(う、後ろから抱きつかれた…顔は見えない…)
「あー…」ガァ…
梓「こ、このぉっ」ピカーン
「キャアアアアアアア」
ドンッ
梓「離れた! よし、このまま…」
ピカー…フッ
梓(電池が切れた…!)
「ふーっ、ふーっ、ふーっ!」
梓「…随分と可愛らしい親玉ですね。コノヤロー」
いちご「グルルルル…」
梓「…あなた、以前にもこんな騒ぎ起こしたんじゃないですか?」
いちご「グルルル…それはいちご2世…私はその子孫の3世」
梓「ああ、そうなんですか。別にどうでもいいです」
いちご「……」
梓「単刀直入に訊きます。なんでこんなことをしてるんですか?なんでそれも今になって」
いちご「…私には家族がいない。寂しかったの。時期はどうでもよかった。ただ寂しさ紛らわせたかった…それだけ」
梓「あちゃー、勝手な人ですね。いけませんよそういうの」
いちご「……」
梓「私、決めてたんです。あなたをにんにく漬けにしたり、にんにく風呂に入れたりしようって」
いちご「…勘弁」ピクッ
梓「でもそれはやめにしました」
いちご「……?」
梓「……」ギュッ
いちご「!」
いちご「何を…」
ガブッ
いちご「っ!!?」
梓「はひほろひへはふ~(噛み殺してやる~)
ガブッ、ガブッ
いちご「あっ…ん!」
梓「ふぅ…もとから吸血鬼のあなたはこうやって噛みつかれたことありますか? どんな気分です?」
ガブッ
いちご「い…やっ…ああ! んっ…あぅ…」
梓「がうーーーっ」
ガブリッ
チュンチュン、チュンチュン…
梓「ん…朝だ」
いちご「 」シュゥゥ…
梓「…そっか、私がやったんだっけ」
梓「我ながらとんでもないことしたかな…」シュゥゥ…
梓「あ、あれ…! なんか…苦しっ…ううっ…」シュゥゥ…
梓「そ…そっか……私も噛まれちャッタンダッケ…」シュゥゥ…
梓「アア…アアアアアアア………」
シュゥゥ………
澪「ん、んー…」
澪「…うわああああああ!!! って、あれ…」
紬「あ、澪ちゃん気がついたわっ」
律「澪ー! なんともないか? ごめんなぁ、ちょっと今回はやりすぎちゃったよ」
梓「ごめんなさい、澪先輩。私は止めましたけど律先輩がやるって聞かなかったんです。だから仕方がなかったんです」
律「てめぇこら中野」
澪「えっと…何だったっけ…みんな何を謝ってるんだ? ていうか吸血鬼は…律は…」
律「寝ぼけてんのか? 私はここだぞー澪ちゃんやー」
紬「えっとね、澪ちゃん。さっき澪ちゃん私たちのいたずらで気絶しちゃったのよ」
澪「…思い出した。そしてムカついてきた。全員その場で歯を食いしばれ」グッ
律・紬・梓「優しくしてね♪」
梓「いだだ…でもいいパンチでしたよ。一瞬星が見えました」
紬「私、一度グーで顔面殴られてみたかったのー…」
律「ったく…やるならもっと優しくやれよなっコノヤロー」
澪「こっちは死ぬかと思うぐらい怖かったんだぞ! それで済んだことをありがたくおもえ」
澪「…ところで、唯は?」
紬「あ、そういえば和ちゃんを引きつけてからそれっきりね…」
梓「澪先輩が倒れてからそれどころじゃなかったですもんねー」
律「それじゃあ探しに行くかー」
ガチャリ
唯「やっほー」
律「このタイミングの良さ…貴様、狙ってたな!」
唯「やれやれ、待ちくたびれたところだよ」
紬「和ちゃんはどうしたの?」
唯「生徒会に行ったよ~」
梓「あの人の友達は生徒会ですもんね」
澪「そんなこと言ってやるなよ」
唯「ところで吸血鬼ごっこはもうお終いですか!」
律「お終いです!」
唯「やーんっ!」
澪「……!」
その時私には見えてしまったのです。
唯の口からチラチラと覗かせる鋭い犬歯…口元に付着している血のようなもの…
唯「ちぇー、せっかく吸血鬼になったのにー!」
律「はいはい、よーございましたねー」
唯「…ふしゅるー」
終わり
最終更新:2010年09月18日 19:59