アットウィキロゴ
唯「……」ぼふっ

紬「……」ごそごそ

唯「外は明るいのにカーテンを閉めて部屋を暗くして寝る。最高だね」

紬「最高なの?」

唯「最高だよ、気持ちいいよ~」

紬「……」ぼーっ

紬「あ……今少しだけそんな感覚が……」

唯「でしょー」

唯「むぎちゃーん」

紬「なーに?」

唯「あれだね」

紬「あれって?」

唯「ここにテレビ置きたいね」

紬「テレビ?」

唯「うん、寝ながらテレビ見られたら最高だよ」

紬「ダメよ」

唯「えー」

紬「夜遅くまでテレビ見て朝起きられない唯ちゃんが用意に想像できるもん」

唯「そんなことないよ」

紬「そんなことあるよ」

唯「寝ながら見たいよぅ」

紬「リビングでソファーに横になって見たらいいじゃない」

唯「やっぱりベッドがいいんだよ、それに眠たくなったらこっちに来なきゃいけないし」

紬「携帯のワンセグは?こないだ機種交換したのは見れるのだよね」

唯「やっぱりテレビの大きい画面がいいんだよ、それにDVDとかも見たいし」

紬「唯ちゃんが自分で買うなら置いてもいいよ」

唯「う……」

紬「後でお買い物に行かなきゃ。唯ちゃん今日の夜は何が食べたい?」

唯「んーなんだろー」

紬「今一番たべたいものは?はい、どうぞ」

唯「えっ、あっ、あーっ……憂の料理?」

紬「そうじゃなくて具体的によぉ」

唯「じゃあハンバーグ、憂の作った」

紬「ちょっと……」

唯「そうだよ、今日は憂に来てもらおうよ」


唯「あ、憂?あのね、今日こっちに来ない?実は憂の料理が久しぶりに食べたいなって思って、えへへ……」

紬(巧い……)

唯「えっ?」

紬「?」

唯「ダメって……ちょっと……お父さんとお母さんと一緒にレストラン行くの?」

唯「うん……でも私誘われてないよ?」

唯「……いや、離れてて暮らしてるって言っても近くじゃん?」

唯「……はい……はい、わかったよ。うん、じゃあまた今度ね……」ピッ

唯「むぎちゃん、私家族から除け者にされたよ……」うるうる

紬「そ、そんなことないわよ……」

唯「ちくしょう……ちくしょう」ボスッボスッ

枕を殴る唯

紬「ゆ、唯ちゃん、ちょっと大袈裟よ……」

唯「ぐす」

紬「どうしたら……」おろおろ

唯「きっと私はお父さんとお母さんの本当の子供じゃないんだよ……ぐすっ」

紬(そんなわけないじゃない……憂ちゃんとそっくりだし)

紬「そ、そうだ唯ちゃん映画見ない?」

唯「……いいよ、何もする気が起きないし。ベッドから出たくない」

紬「……」

紬「じゃあ……ここで見よう?」

唯「ここで?」

紬「うん。ここにテレビ持ってくるから」

唯「……まぁ、それなら」

紬「う、うん。じゃあテレビ持ってくるね」

唯「……ゲームもしたいな」

紬「わ、わかったわ。ゲーム機も持ってくるからね」

唯「はい」

紬「よいしょ……」ゴト

紬「持ってきたよ」

唯「ありがとう」

紬「じゃあ見ましょう」

唯「うん」

紬「あ、飲み物とお菓子持ってくるね」

唯「ありがとー」


―数時間後―

唯「面白かったねー。よし、次はゲームしよう」ムクッ

紬(元気になったみたいで良かったわ)

唯「むぎちゃんもやろうよ」

紬「うん」

紬「もう6時よ」

唯「お腹空いたね」カチカチ

紬「私が何か作るね」

唯「今日の当番は私だよ、いいよ」

紬「……そう?」

唯「うん。でも作らない」

紬「えっ」

唯「ピザを取るよ、勿論私持ちで。今日はもうベッドから出ないで過ごそう」

紬「そう」

唯「むぎちゃんどんなのが食べたい?」

紬「シーフード系かな」

唯「わかったよ。じゃあもう半分は私が決めるねー」

唯「トローリ……もぐもぐ……おいしいね」

紬「うん。もぐもぐ」

唯「あ、今日は見たい番組があったんだ。……えっと9時から11時までか。じゃあそれまでゲームしよー」

紬「ねぇ、先にお風呂入っちゃったら?」

唯「今日はいいや。入らない」

紬「えええー」

唯「大丈夫だよ一日くらい。それにお風呂入った後に髪を乾かすのが面倒なんだよねー」

紬「ならシャワーで体だけでも」

唯「もう今日は入らないって決めたから」ばっ

紬「……わかったわよ」

紬「じゃあ私お風呂入ってくるね」

唯「いってらっしゃーい」

―――――

チャポーン

紬「こういうことが起きるたびにあれじゃダメよね」

紬「結局はあの部屋にテレビ置いちゃったし……ゲームもやらせちゃったし……料理もデリバリーで済ませたし……お風呂入らないって言い出すし……」

紬「このままじゃいくない……」

紬「もっと厳しくいかないと……」

紬「うん、もっと厳しく!」

ザバァッ!

紬「唯ちゃんを更正させなきゃ!」

唯「終わったー」

紬「もう11時ね」

唯「うん、じゃあゲームの続きしようっと……」カチ

紬「何言ってるの」

唯「はい?」

紬「もう寝るのよ」

唯「まだ眠たくないよ」

紬「そう、でもゲームはダメよ」

唯「えーいいじゃんー」

紬「ゲームは1日30分って決めたでしょ。あとテレビはもうリビングに戻しちゃうから」

唯「ま、待って!」

紬「待たないわ」

紬「よいしょ」

テレビを持ち上げようとする紬

ガシッ

ベッドから上半身を乗り出して紬に抱きつく唯

紬「唯ちゃん放して」

唯「ダメッッ!テレビ持っていっちゃダメ!」

紬「唯ちゃんが落ち込んでたから特別にって持ってきただけだし、今はもう大丈夫でしょ……放して」ぐぐ

唯「そんなことないよ、まだ落ち込んでるし。あー悲しいなー」ぐぐぐ

紬「白々しいわね、嘘つかないでよ……さぁ放して」ぐぐっ……

唯「い、嫌じゃ……テレビ持っていったらアカン……」

紬「もうっ!」

ドスーン

ベッドから落ちる唯

唯「ダメダメーテレビ持って行かないでー」ジタバタ

紬「そんな子供みたいな真似しないでよ」

唯「あああああ、家族に見捨てられた私をむぎちゃんまで見捨てるんだねー」ジタバタ

紬「ちょ、ちょっと……」

唯「悲しいよー」ジタバタ

ピタッ

唯「……」チラチラ

紬「ダメなものはダメ。持っていくからね」

唯「やだやだー」ジタバタ

紬「さようなら」スタスタ

テレビを置いて戻ってくる紬

紬「じゃあ寝ましょう唯ちゃん」

唯「……」

紬「おやすみ」

唯「……」

―数分後―
むくり

そろー……

紬「何してるの唯ちゃん」

唯に背を向けたまま紬が喋る

唯「……!」ビクッ!

紬「ゲームは隠しちゃったから行ってもムダよ」

唯「か、隠したって、そんなの酷いよ!」

紬「酷くないわ。さぁ早く寝ましょう」

唯「眠たくないよぅ」

唯「わ、私だって本当にゲームがやりたいわけじゃないんだよ」

紬「えええー」

唯「ただ寂しさを紛らわせようと……」

紬「……くすっ」

唯「ちょっとなんで笑うのー」

紬「そういうのとは別にただゲームがしたいんでしょ?」

唯「いや……」

紬「正直に」

唯「……はい」

紬「ふふっ。なら明日律ちゃん達来るし、その時にやっていいから」

唯「えー今やりたいんだよー」

紬「そんなこと言ってると明日もやらせないよ?」

唯「うぅ……わかりました。明日にします」

紬「じゃあ寝よう」

唯「はい」

紬「唯ちゃん」

唯「なに?」

紬「……」ガバッ

紬が自分のベッドから出る

ゴソゴソ

唯「あっ、むぎちゃん」

紬「今日は一緒のベッドで寝よう」

唯「もう入ってるじゃんー」

紬「これなら寂しくないでしょ?」

唯「うん、まぁ」

紬「……」ぎゅ

唯に抱きつく紬

唯「わわっ」

紬「あったかあったかだよ」

唯「あったかあったか……」

紬「唯ちゃん、私は唯ちゃんを見放したりしないわ」

唯「えっ?」

紬「ここは私の家、かつ唯ちゃんの家。一緒の家に住んでいる、だから私達は家族よ」

唯「……むぎちゃん」ぎゅ

唯「むぎちゃんは優しいね。そんな優しいむぎちゃんが大好きだよ」


唯「ありがとうね」ぎゅ

紬「私も唯ちゃんが大好きよ」

紬「……ねぇ唯ちゃん」

唯「なーに?」

紬「髪の毛ちょっと臭い。お風呂は毎日入ろうね」

唯「ずこー」

おしまい




―エピローグ―
あの日の翌日、唯ちゃんの家族が遊びに来て唯ちゃんの機嫌もすっかりよくなりました
っていうか唯ちゃんは前の日の時点で元気だったけど

そして今日は大学の入学式です

唯「むぎちゃーん、ご飯できたよー食べよー」

紬「うん」

唯「とうとう大学生だねー」

紬「そうね」

唯「私、大学生に見えるかな?」

紬「うーん……制服来たらまだまだ高校生に見えるかも」

唯「えー」

「!!」

「!!」

ドンッ

ドンドンッ!

唯「なんか隣が騒がしいね」

紬「そうね……」

「てんめぇ!なんだこれは!」

「なんだって……朝御飯だよ?」

「違うよ!言いたいのはそういうことじゃない!今日の朝飯当番はお前だろ!」

「そうだけど?だから用意しただろ」

「そうだけどじゃねーだろ!全部コンビニのパンじゃねーか!」

「嫌いか?」

「なんか自分で作れよ!」

「ちょっと朝寝坊したんだ。ごめんな」

「食費かさむからちゃんと作れ!わかったな!」

「はいはいわかりましたよ。なんだよ一回買ったくらいで……」

「初日からこれだから文句言ってんの!」

ピンポーンピンポンピンポンピンポーン

唯「はいはい」

ガチャ

澪「唯、むぎ、私もこっちで一緒に住みたいよー。ぐすっ」

紬「また喧嘩しちゃったの?」

澪「だって律の奴いろいろ厳しいんだもん……」

律「厳しくないって!」

唯「あ、律ちゃんも来た」

律「ほら澪もどんぞ」

澪「い、嫌だっ!私もこっちで唯とむぎと暮らすんだー!」





最終更新:2010年09月20日 22:24