J( 'ー`)し「じゃぁ母ちゃん居間に戻るね」

俺「…おい」

J( 'ー`)し「なんだい?」

俺「あずにゃんの話は?」

J( 'ー`)し「アズちゃんって誰だい?」

俺「アズちゃんじゃないよ。あずにゃんだよ」

J( 'ー`)し「タカシはアズちゃんが好きなのかい?」

俺「あずにゃんだよ。治ってねーじゃねえか」

J( 'ー`)し「母ちゃん途中までしか見てないから、続き見てくるね」

俺「勝手にしろよ」

J( 'ー`)し「そしたら母ちゃんと一緒にアズちゃんの話してくれるかい?」

俺「…」

J( 'ー`)し「見てくるね」


J( 'ー`)し「タカシ!アズちゃんが出てきたよ!」

俺「あっそ」

J( 'ー`)し「アズちゃんは後輩さんなんだねぇ」

俺「うん」

J( 'ー`)し「1年生は一人なのに頑張るねぇ」

俺「…」

J( 'ー`)し「先輩が傍にいてくれるからかな」

俺「…」

J( 'ー`)し「友達もいっぱ」

俺「うあああああああああああああああ!!!!!」

J( 'ー`)し「タカシ!?タカシどうしたんだい!?」

俺「うるさいうるさい!友達なんていなくていいんだ!ひとりでいいんだよ!」

J( 'ー`)し「タカシ!ごめんね母ちゃん変なこと言っちゃったかな?」

俺「あんたもいらない!ひとりにさせてくれよおおお!!」

J( 'ー`)し「…ごめんね。母ちゃん、居てごめんね…」


J( 'ー`)し「タカシ…」

俺「…」

J( 'ー`)し「今日は鯛焼きだよ」

俺「…」

J( 'ー`)し「アズちゃんの好物だよ」

俺「…」

J( 'ー`)し「タカシは知ってるかい?」

俺「…」

J( 'ー`)し「食べてね」

俺「…」

J( 'ー`)し「昨日はごめんね」

俺「…」

J( 'ー`)し「…」

俺「…」

J( 'ー`)し「今日も話しかけてごめんね」


J( 'ー`)し「鯛焼き2個買ってきたから、母ちゃんも食べていいかい?」

俺「…」

J( 'ー`)し「ここで食べていいかい?」

俺「…」

J( 'ー`)し「…」モグモグ

俺「…」

J( 'ー`)し「タカシはひとりじゃないよ」

俺「…」

J( 'ー`)し「かあ…アズちゃんや唯ちゃんやりっちゃんやムギちゃんや澪ちゃんが傍にいるよ」

俺「…」

J( 'ー`)し「だから大丈夫だよ」


J( 'ー`)し「けいおんがあれば毎日楽しいね」

俺「…けいおんは終わったんだよ」

J( 'ー`)し「終わってないよ」

俺「は?」

J( 'ー`)し「母ちゃんまだ全部見てないから、まだ最終回見てないから、終わってないよ」

俺「自分勝手だな」

J( 'ー`)し「こんな自分勝手な母ちゃんの相手してくれるのはタカシだけだよ」

俺「…」

J( 'ー`)し「鯛焼きおいしかったよ。食べてね」

俺「…うん」


J( 'ー`)し「タカシ…」

俺「何?」

J( 'ー`)し「母ちゃん全部見ちゃったよ」

俺「…」

J( 'ー`)し「…」

俺「…」

J( 'ー`)し「去年の春くらいだったかねぇ」

俺「何が」

J( 'ー`)し「タカシが明るくなったのは」

俺「…」

J( 'ー`)し「けいおんのおかげでタカシが元気になったと思ったのに」

俺「…」

J( 'ー`)し「もう終わっちゃったんだねぇ」


J( 'ー`)し「でも、卒業はおわりじゃないんだよ」

俺「卒業は終わりじゃない」

J( 'ー`)し「ああ。そうだよ。だからきっとアズちゃんたちもどこかで」

俺「俺、学校行ってもずっと一人で過ごしてきたんだ」

J( 'ー`)し「タカシ…」

俺「学校に行くのが苦痛で苦痛で、でも卒業までの我慢だからって思ってた」

J( 'ー`)し「…」

俺「でも、卒業しても苦しみは終わらなかった」

J( 'ー`)し「…」

俺「寂しくて悲しくて虚しくて、押しつぶされそうだったけど、けいおんが始まってから気が楽になった」

J( 'ー`)し「…」

俺「けいおんを見ることだけが楽しみだった」

J( 'ー`)し「…」

俺「もう無いけど」


J( 'ー`)し「母ちゃんタカシの気持ち考えてあげられなかったね。一人で苦しんでたんだね」

俺「…」

J( 'ー`)し「もっと早く気づいてあげられれば良かったね」

俺「…」

J( 'ー`)し「…本当は気づいてたんだよ」

俺「…」

J( 'ー`)し「タカシが好きなけいおんを見ればタカシが元気になるヒントが見つかるかと思ったんだけどねぇ」

俺「…」

J( 'ー`)し「何度繰り返し見ても見つからなかったよ」

俺「…」

J( 'ー`)し「母ちゃん馬鹿だからねぇ」

俺「…」

J( 'ー`)し「気づいてても…何にも出来ないちっぽけな母ちゃんでごめんね」

俺「…」

J( 'ー`)し「母ちゃんが母ちゃんでごめんねぇ」


J( 'ー`)し「ビデオなら何度でも見れるね。CDなら何度でも聞けるね」

俺「…」

J( 'ー`)し「母ちゃんこんなことしか言えないけど…タカシに元気なままでいてもらいたいんだ」

俺「…」

J( 'ー`)し「他に母ちゃんに出来ることがあったら何でも言ってね」

俺「ボーナスもらったって言ったよな」

J( 'ー`)し「うん。何がほしいんだい?」

J( 'ー`)し「新しいビデオかい?CDかい?お人形さんかい?」

J( 'ー`)し「そうだ、居間にもアズちゃんのお人形飾ろうか?」

俺「スーツ買ってくれよ」

J( 'ー`)し「…」

俺「安いやつでいいから」


J( 'ー`)し「何言ってるんだい!最高級にいいものを買うよ!」

俺「いいよ…すぐ諦めるかもしれないし」

J( 'ー`)し「大丈夫だよ。タカシは母ちゃんの子だから」

俺「けいおん見ててさ、普通の高校生はこうやって友達と部活やったりしながら楽しく過ごすんだろうな、いいなって思ってた」

J( 'ー`)し「うん」

俺「アニメ見て、りったんのボケにつっこんだり、みおみおに萌えたり、けいおんの中にはいったつもりで楽しかった」

J( 'ー`)し「そうかい」

俺「だけど、いつまでも自己投影での楽しみじゃいけないよね」

J( 'ー`)し「…」

俺「もう高校生じゃないし、ギターも弾けないけど、俺は何か違うところで楽しみを見つけるよ」

J( 'ー`)し「…」

俺「あのけいおんの子たちと同じように、毎日楽しく過ごしたいよ」

J( 'ー`)し「タカシなら出来るよ」

俺「これでもあんたの子だからな」


俺「…」ガチャ

J( 'ー`)し「タカシ…」

俺「中入って」

J( 'ー`)し「お邪魔しますよ」

俺「…」

J( 'ー`)し「ここにいるのは…アズちゃんじゃない…」

俺「俺、アズちゃん好きじゃないよ」

J( 'ー`)し「」

J( 'ー`)し「ごめんね!母ちゃん勘違いしてたよ」

俺「うん」

J( 'ー`)し「これは…唯ちゃんの妹だね。うーちゃん」

俺「憂だよ」

J( 'ー`)し「憂ちゃん」

俺「うん」


J( 'ー`)し「タカシは憂ちゃんが好きなんだね」

俺「前に約束したの覚えてる?」

J( 'ー`)し「うん。何かいいものがあるのかい?」

俺「憂ちゃんみたいに優しくて」

J( 'ー`)し「うん」

俺「憂ちゃんみたいにご飯が上手で掃除洗濯全部してくれて」

J( 'ー`)し「うん」

俺「憂ちゃんみたいに家族を愛てくれて」

J( 'ー`)し「うん」

俺「そんな母ちゃんが、俺の知ってる中で一番いいものだよ」

J( 'ー`)し「…」ポロポロ

俺「泣くなよ。うぜーな」

J( 'ー`)し「ごめんねぇ。母ちゃん泣き虫でごめんねぇ…」


J( 'ー`)し「明日スーツ買いに行こうね」

俺「うん」

J( 'ー`)し「きっと似合うよ」

俺「そうかな」

J( 'ー`)し「ほら明日から忙しくなるんだからさっさと寝る」

俺「もう2時か」

J( 'ー`)し「なんだって!」

俺「母ちゃんどうしたの?」

J( 'ー`)し「けいおん見逃しちゃったじゃないか!」

俺「おい」



おわり



最終更新:2010年09月22日 01:40