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梓(――なんて事があったんだよなぁ去年は)

梓(あの事件以来律先輩との仲が前より良くなった気がする)

梓(今思えばやらかして正解だったかも……なーんて)

梓(仲良くなったのはいいけど私何してるんだろう)

梓(今日もせっかくの夏休みなのに気が付けばこうして律先輩の家の近所を徘徊してる)

梓(べっ別にストーカーとかじゃないよね……?)

梓(ちょっと散歩してるだけだし……)

梓「……あつい」

梓(飲み物も尽きたしそろそろ帰ろうかな)

律「なーにやってんだよ」

梓「わっ!?」

律「よっ」

梓「律先輩! どうしてここに!?」

律「どうもこうも私の家すぐそこだし」

梓「ですよねぇ……」

律「梓は何してるの?」

梓「へっ!? いやあの……そう! ちょっと暇だったので散歩を」

律「この熱いのに散歩かよ。しかも女子高生が夏休みに一人で」

梓「い、いけませんか!? そういう律先輩は何やってたんですか?」

律「え、私? 私はほら、近所だから」

梓「だから?」

律「近所だから……一人でぶらぶらと……」

梓「……」

律「……あ、あー暑いなあ! こんなとこで立ち止まってたら余計に暑くなっちゃったあ」

梓「ふーん」

律「はいはい私も寂しい独り身ですよ。ってか梓大丈夫か?」

梓「何がですか?」

律「汗めっちゃかいてるぞ」

梓「ああ……ちょっと散歩しすぎたかもしれないです」

律「じゃあ家で休んでく? てか遊ぼうぜ」

梓「えっいいんですか!」

律「いいよん」

梓(やったぁー! 夏休みを徘徊に奉げて良かった! 私間違ってなかったよ!)

梓「ではお言葉に甘えて」

律「おー来い来い」

梓「お、おじゃまします……」

律「家族は出かけてるからまあくつろいでくれ」

梓「は、はい」

梓(わあーわあー律先輩のお宅訪問しちゃったぁ)

律「今飲み物持ってくるから」

梓「ありがとうございます」

梓(おおお……律先輩の家のかほりが……)

梓「あっ」

梓「すんすん」

梓(私汗臭くないかな……)


梓「ぷは」

律「かああーっ! 生き返る!」

梓「そうですね」

律「生き返ったところで遊ぼうぜ」

梓「はい。何をするんですか?」

律「んー、ゲームとか」

梓「いいですよ。律先輩ってどんなゲームやるんですか?」

律「今日出掛けるまではRPGのレベル上げしててそれに疲れたから気分転換に外へ……って何だよその顔は」

梓「いえ別に」

律「お前だって一人散歩してたんだからな? 人のこと言えないんだからな?」

梓「あ、このゲームやったことある」

律「くっ」

梓「このゲーム自信があります」

律「マジで? 梓格ゲーとかやるんだ」

梓「友達の家で少し」

律「よしやろう。ギッタギタにしてやろう」

梓「それはこっちの台詞です」

梓(ふふん、このゲームは純の家で結構プレイしたし持ち主よりも強いし……いける!)

律「ホアアーッ」

梓「!?」

律「どうしたどうしたー」

梓「うっ……強い」

梓(純なんかとは比べ物にならない! ていうか強すぎ!)

律「あらやだ、大人気なかったかしらん」

梓「も、もう一回!」

梓「私は井の中の蛙だったんですね……」

律「そう落ち込むなよ! 相手が少し悪かったな!」

梓「くっ」

律「でもまあ基本を抑えれば澪といい勝負になるかもな」

梓「澪先輩?」

律「あいつともたまにやるんだけどさー、ああ腕は私の方が上だけど。澪は連続技は上手いけど立ち回りがいまいちでさ、ちょっと揺さぶってやるとあっさりと……」

梓(律>澪先輩>私……。何だろう、何か悔しい。)

梓「ちょっと練習してもいいですか」

律「どうぞどうぞ」

梓「だいぶやれるようになってきました」

律「んじゃあ次の勝負で私に勝てたら私が晩御飯作ってやるよ」

梓「えっ!? 本当ですかっ?」

律「勝てたらな」

梓「……やってやるです」

梓「あ、でも私が負けたら……?」

律「それは別にいいよ。どうせ私が勝つから悪いじゃん」

梓「んなっ!」

梓「絶対勝ってやるぅ!」

律「レディーゴー!」

梓「ふんすっ!」

律「ダッシャー」

梓「あっ」

律「YOUWIN!」

梓「負けました……」

梓(いやああああ律の手料理があああ……私のヘタクソーー)

律「はぁー遊んだ遊んだ。てか何時間ゲームしてるんだよ私たち」

梓「そうですね……ハァ」

律「そんなに落ち込むなよー相手が悪かったのだよ梓君」

梓「そうですね……諦めます。それじゃあ私そろそろ帰りますね」

律「あれ、うちで食べていかないの?」

梓「えっ、でも負けちゃったし」

律「梓は真面目だなあ」

梓「何ですかそれ」

律「そういうわけで今から作るわ」

梓「……あ、はい」

梓(ヤッター! 最初からこのつもりで? うわあぁ一々一喜一憂してるよ私)

梓「私も手伝います」

律「おーう」

律「あらぁ?」

梓「どうしました?」

律「やっぱ無理だわ……」

律「まさか冷蔵庫に何も入ってないとはなぁ」

梓「仕方ないですよ」

梓(ううっ……ふええん)

律「せっかく梓に何か作ってやろうと思ったのに」

梓(う、嬉しい……!)

梓「外食も楽しくていいと思います!」

律「そうだな。あー後は買い物もしておかないと」

梓「なんだかすごいです」

律「何が?」

梓「私は家の冷蔵庫が空っぽでも何を買っていいのかさっぱりで」

律「あー……」

梓「?」

律「お菓子買うつもりだったんだけど……」


……

梓「……なんだ」

律「なんだよそのがっかり感は」

梓(私のトキメキを返して)

律「まあいいや、とりあえずここにするか。ここ私のオススメな!」

梓「へぇ! お店の名前は……ゲームスポッ……」

律「梓ー?」

梓「いいですけど。いいんですけどね」

律「さてと、いっちょやるか」

梓「そのゲームさっき散々やったじゃないですか」

律「対戦に終わりはないのだよ」

梓「そうですか……」

律「ぬあっ、こいつ強ぇ! くそーこのー……わっはぁー! 一本取れた!」

梓(律の表情がコロコロ変わって楽しい……意外な楽しみ方を発見しちゃった)

律「ああー負けたー」

梓「ふふ、残念でしたね」

律「ちぇー」

律「無難な二人プレイのゲームといったらガンシューティングだよな」

梓「いいですねやりましょう」

律「でもなぁ……」

梓「?」

律「じゃあコンティニューは二回までな」

梓「わかりました」

律「それでは」

梓「いざ」

律「おお、中々上手いじゃん梓」

梓「そうですかっ?」

律「これなら四面くらいは行けそうだな」

梓「全部でどのくらいあるんですか?」

律「八面だったかな……おっと」

梓「うわっライフが……ああーゲームオーバー」

律「梓一回目な」

梓「は、早くお金入れないと!」

梓「よし!」

律「梓熱中しすぎだそー」

梓「やった! ……あ、今何か言いました?」

律「……何も」

梓「ああーまたやられた!」

梓「今度こそ!」

律「あのー梓さん?」

梓「ああっ百円玉がない! 律っ百円玉貸して下さい!」

律「え、ええー……」

梓「はっはやく! コンティニュー出来なくなっちゃう!」

律「はいはい……」

梓「ありがとうございます!」

梓「よし! あと一面で全クリだー!」

律「わ、わあ」

梓「思わぬ出費が……」

律「だからコンティニューは二回までって言ったのに」

梓「つい夢中になっちゃって」

律「梓は負けず嫌いというか熱中しやすいというか」

梓「面目ないです……」

律「ぷふふ……それよりお腹すいたろ?」

梓「あ、はい」

律「じゃあ行くか」

梓「そうですね」


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最終更新:2010年09月24日 20:34