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63. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 10:26:02.04 ID:XFhJlLVV0
終わったかな。

私がむったんを弾く手を休めるとあの人が入ってきた。ギー太を携えて。

この家防音すごいんだね〜なんて能天気なことを言って私の隣に座った。

そしておもむろにギー太をかき鳴らした。私もそれに合わせる。

いつもの音だった。いつもの笑顔だった。

目をつむってハミングしている。私もそれに合わせる。

楽しいな。
64. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 10:30:23.92 ID:XFhJlLVV0
一曲弾き終えて隣に目をやるとまた二つの目が私の顔を見据えていた。

私はその綺麗な目を見返す。

ありがとう。

もう何に対してかわからない。数えきれない。とにかくありがとう。

お互い言葉を発することはなかったけど自然と次の曲を弾き始めた。

今度は向けられた視線から目を逸らすことなく。感謝の気持ちを込めて。

気付いたら私は歌い出していた。
66. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 10:35:18.65 ID:XFhJlLVV0
何曲目かな?

もうわかんなくなってきた。今何時かな。

私達放課後ティータイムの曲だけでなく、流行の曲とか、演歌とか、民謡とか。

果ては私が聞いたことない曲を歌い始めた。

この人のオリジナルかな?

私はそれでも何とか付いて行った。

決して途切れさせたくなかったから。
68. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 10:40:27.55 ID:XFhJlLVV0
2時。

私が力尽きたのは2時。

私は肩に重みを感じた。この子も全く休むことなく付き合ってくれた。

眠そうだけど今もその目はぱっちり開かれていた。

目が合うとクスッと微笑んだ、ように見えた。

それからゆっくり立ち上がるとドアの方に歩き出した。

お夜食持ってくる、だって。
69. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 10:45:21.50 ID:XFhJlLVV0
何やってるんだか。土曜の夜とはいえ。

朝が早かったこともあってかなりだるい。

でもさっきまではそんな気分になることはなかったな。

好きなことに夢中になってる瞬間ってああいう感じなんだろうね。

あの人も楽しそうに笑ってた。それが何より嬉しかった。

やっぱりあの人はへらへら笑ってギターを弾いて歌ってるのが一番いい。

さて、アイスはあるかな。
70. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 10:50:20.18 ID:XFhJlLVV0
おいしいね。スイカバー。

この種が特に。え〜種こそスイカバーの真髄だよぅ。わかってないなぁ。

私があっという間にたいらげる横で、あの子はちょびちょび齧っている。可愛いね。

そうだ。明日はりっちゃんの家に行かない?

澪ちゃんとムギちゃんと一緒に演劇の練習するんだって。

手伝えることはあんまりないかもしれないけど、久し振りにみんなで集まりたいでしょ。

明日も早起きしなきゃ!
71. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 10:55:40.31 ID:XFhJlLVV0
無理でしょう。早起きは。

きっと私達二人揃って昼まで寝てるでしょうね。

確かに澪先輩達には会いたいですけど。

今日は疲れたので明日はゆっくり休みたいですね。

はいはいわかりましたよ。善処します。

あ〜、深夜のアイスも意外といけるね。

さてそろそろ寝ましょうか。
72. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 11:00:18.35 ID:XFhJlLVV0
今私達はベッドの上。

あの子が持ってきてくれたアイスを食べて一息ついたらさすがに睡魔が襲ってきた。

一緒に寝ようという私の提案を意外にもあの子はあっさり受け入れた。

明日は嵐が来るね。嵐なら今日来たか。

疲れ切っているのかあの子は私に背を向けてぐったりしている。

猫みたいに丸くなって可愛い。

どんな寝顔なのか見てみたいけど怒られそうだから止そう。
74. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 11:05:17.65 ID:XFhJlLVV0
ベッドがギシギシ揺れる。

背後であの人がゴロゴロしてるんだろうな。

狭いんだから大人しくしてください。眠れないじゃないですか。

口に出す元気もないからこのまま自然と眠りに落ちるのを待つ。

そのつもりだったのに。

背中にくっついた体温に邪魔された。

振り向こうにも振り向けないよ。
76. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 11:10:24.90 ID:XFhJlLVV0
あり、がと……ね。

今日、も、昨日、も……今までずっと。

私、ぜんぜん、先輩らしく……ないけど。

めいわく、かけっぱなし、だけど。

がんばるから、ね。

君に、なにかをあげられる、ように。きみに、こころから、わらって……もらえるように。

ふわぁ。おやすみ。
78. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 11:15:20.23 ID:XFhJlLVV0
いつもの体温。落ち着く体温。

暑苦しくはない。むしろ、なんだか、ねむく、なって。

おかし、な、一日、だったなぁ。グダ……グダ、だった、なぁ。

私も、この人、も、早起きした、いみ、あったのかなぁ。

でも、あえて、よかったよ。あしたも、いっしょに……いようよ。

のどかな、休日なんて、今は、いらない。いまは……あなたと……いっしょが……いい。

あした、はやおき……できなくても……いいや。おやすみ。
79. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 11:17:17.89 ID:XFhJlLVV0
終わり
読んでくれてありがとう



最終更新:2011年02月26日 08:49