澪「ぅぅ…どうしよう…自分の教室わからなくなっちゃった…」ウロウロ
澪「恥ずかしくて聞けないし…」ドン
紬「きゃっ」
澪「あっすいませんすいません!」
紬「大丈夫よ。あなたこそどこか怪我してない?」
澪「私は大丈夫ですけど…(綺麗な子だな)」
紬「?どうしたの?」
澪「えっと…自分のクラスがわからなくて…」
紬「あらあら。じゃあ案内してあげますよ?」
澪「あ、ありがとう!」
紬「うふふ。それじゃあいきましょう」ニコ
澪「…!」ドキ
───
紬「じゃあ私はこれで」
澪「本当にありがとうございました!」
紬「たいした事じゃないわ。それに同級生なんだし敬語は…ね?」
澪「はい…うん!」
紬「じゃあね」フリフリ
澪「…///」ポー
澪「あ、名前聞くの忘れた…」
───放課後
律「まさか廃部寸前とはなー」
澪「…で、どうするの?」
律「入部希望者を待つ!」
澪「…待つの?」
律「待つ!」フン
───
澪「帰ろっか…」
紬「あのー、見学したいんですけどー」ガチャ
澪「あ!…」
紬「あら、あなたは…」
澪「…そうですよね、無理いってすみませんでした…」
律「まって!後悔はさせませんから!」
澪「こら、強引すぎるぞ律」
澪「ごめんなさい驚かして。じゃあ律、私も文芸部にいくから…」
律「澪!ライブの時した約束は嘘だったのかよ!!」
澪「それが嘘だ」
律「プロになったらギャラは7:3だって」
澪「偽造するな」ボカッ
紬「ふふ…なんだかおもしろそうですね。キーボードぐらいしかできませんがよろしくお願いします」
澪「ほ、ほんとか!!」パァー
律「よっしゃー!これであと一人だな!」
澪「えーと…」
紬「よろしくね、りっちゃん。澪ちゃん」ニコ
澪「う、うん///」
───二週間後
律「今日こそ新入部員をゲットするぞー!」
澪「あと二週間か…大丈夫かな」
律「澪は弱気だなー。大丈夫大丈夫!…おーっす」ガチャ
紬「こんにちは、りっちゃん。澪ちゃん」
澪「ム…ムギ、このティーセットが入った棚は何…?」
紬「うふふ。毎日楽器を演奏するだけじゃ息つまっちゃうから家から持ってきたのよ」
律「持ってきたのって…ムギが?」
紬「それは無理よ。ウチのモノに持ってきてもらったの」
澪「持ってきてもらったのて…」
律「おい澪」ヒソヒソ
澪「あ、ああ…実はムギって…」
澪律「すごいお嬢さまなのか…」
律「どことなくそんな雰囲気だったけどなー」
澪「ああ、綺麗だしな…」
律「…え?」
澪「わあああ今のはそうじゃなくって!!」
紬「どうしたの澪ちゃん?」
澪「あっいや!ムギの家はお金持ちなのかなーって!」アセアセ
紬「あらあら。そんな…言うほどじゃないわ」
律「またまたー。執事とかメイドとかいたりして」
紬「ええまぁ…」
律澪「いるんかい!!」
───
律「結局誰もこなかったなー」
澪「そりゃお茶のんでお菓子食べてるだけじゃな」
律「ぶー。澪が一番うまそうに飲み食いしてたくせに…」
澪「それはその…美味しいから…」
紬「うふふ。喜んでくれてよかった」ニコ
澪「あ、あはは…」
律「あー、もうティータイム部でよくないか?」
澪「いいわけないだろバカ律!」ボカッ
律「ってー…」
紬「澪ちゃん、暴力はだめよ?」
澪「ムギ…。ごめん」シュン
律「ちぇ、私には謝らないのかよー」
澪「わ、悪かったよ」
紬「うふふ」
──翌日
律「え!?新入部員!?」
澪「よかった…」
紬「じゃあこれで廃部にはならないんですよね?」
さわ子「ええまぁ。でも…」
律「よっし!それじゃあ平沢さんがガッカリしないように練習しようぜ」
澪「おっ珍しくやる気だな」
律「あったりまえよ!私のドラムテクニックを見せてやる!」
さわ子「顧問がいなと正式な部活としては…って聞いてないわね…」
──そのまた翌日
唯「あんまりうまくないですね!」
律「ばっさりだー!」
唯「でもすごく楽しそうです!私、この部活に入ります!」
律「やった…」
澪「これで部活ができるな」
紬「そうね」ニコ
律「よーし!目指すは武道館!」
唯澪紬「おー!」
──二ヵ月後
澪「合宿をします!!」
律「合宿?」
澪「そう。桜高祭の軽音部といえば昔はけっこう有名だったんだぞ?それなのに…」
唯「でもお金とか大丈夫なのー?」
澪「そ、それは…」
紬「それなら私の別荘でやりましょ?」
律「べ…別荘…」
澪「それならうれしいけど…いいのか?」
紬「うふふ、軽音部のためですもの」
澪「ありがと、ムギ」
紬「いえいえ」ニコ
──合宿当日
唯「遅れてごめーん!」
律「あれだけ遅れるなっていったのにお前は…」
唯「えへへ…なんか興奮して中々寝られなくてー」
律「小学生か!」
澪「ふふ…どうやらそれは唯だけじゃないらしいな」
律「え?」
紬「スー…スー…」
澪「(ムギ楽しみにしてもんな…ふふ、寝顔もかわいい…)」
紬「…澪ちゃん…」
澪「え!?」
唯「あはは、ムギちゃんったら澪ちゃんの夢みてるー」
律「ラブラブですなー」ニヤニヤ
澪「な、バカ律!」
律「顔が赤いですよ澪ちゅわん?」
紬「…唯ちゃん、りっちゃん…うふふ…」
澪「ほ、ほらっ軽音部の夢を見てただけだよ」
律「ちぇー」
澪「(ちょっと残念かな…)」
律「でっけー…」
唯「これが別荘…」
紬「ごめんなさい、一番小さいところしか用意できなくて…」
唯「これで一番小さい…」
律「どんだけー」
───
唯「じゃありっちゃん海いこー!」
律「よっしゃー!泳ぎまくるぞー唯ー!」
澪「こ、こらお前ら遊びにきたわけじゃ!」
律「さきいってるぞー」
澪「私さ、ムギが軽音部にはいってくれて本当によかった」
紬「え?」
澪「あっ別荘があるからとかじゃなくて…私人見知りだから律以外まともな友達いなくてさ、高校に入ってもすごく不安だったんだ」
澪「それに周りからは顔が怖いとか言われて、誰も話しかけてくれなかった…」
紬「澪ちゃん…」
澪「だから最初ムギが私を心配してくれた時すごくビックリしたけど…うれしくて…」
紬「…あのね澪ちゃん、私」
律「おーい二人ともはやくこいよー!」ガチャ
唯「海すごくキレーだよー」
澪「わかったわかった…それでムギ、何かいった?」
紬「うふふ、何でもないの」
律「はーやーくー」
紬「ほら澪ちゃん、行こう?」
澪「う、うん…」
──さらに二ヵ月後
澪「あっメール…。ムギか」
こんばんは紬です。
さわ子先生が顧問になってくれてなんだかドキドキしています。
歌詞作り頑張ってね
澪「ドキドキ…まさかな…」
───
唯「ギターをしながら歌が歌えないぃ…」シクシク
さわ子「もー仕方がないわね…私が特訓してあげるわ。ついてきなさい!」
唯「はいせんせー!」タッタッタッ…
律「行っちゃったな…」
澪「(ムギ、昨日からずっと先生のことボーっと見てたけどもしかして本当に…)」
澪「なぁ律…」ヒソヒソ
律「んー?」
澪「ムギってもしかしてさわ子先生のことが…」ヒソヒソ
律「へ?…ムギってさわ子先生のことが好きなのかー?」
澪「わっばか!」
紬「へ?あ、いえ…ただ女の子同士っていいなって」
律「まっまさか」
澪「なんだ、よかったあ…」ホッ
律「いいのかよ!?」
紬「本人たちがいいなら、良いんじゃないでしょうか」
澪「へっ…」ドキ
律「何を言ってるんだ…」
───
澪「(本人たちがいいなら…か)」ボー
和「澪、あなたさっきから何ボーッとしてるの?」
澪「あはは…ちょっと考え事してて」
和「へえ。恋の悩みとかかしら」
澪「ななななな何を言ってるんだ和!?」
和「図星なのね…。私でよければ相談に乗るけど?」
澪「…(和になら言ってもいいかな…)」
澪「なぁ和は…その…女の子同士の恋愛ってどう思う…?」
和「女の子同士…?澪が好きな子は女の子なの?」
澪「好き…なんだと思う」
和「うーん…私は本人たちがいいなら別にいいと思うけど」
澪「(ムギと同じこと…)気持ち悪いとか思わないのか?」
和「思わないわよ。私は応援するわ」
澪「そっか…聞いてくれてありがとう和」
和「いいのよこれぐらい。困ったらいつでも相談しにきなさいよ?」
澪「うん…!」
──その日の夜
「私は応援するわ」
澪「…明日、ムギに告白しちゃおうかな…」
澪「い、いやいや無理無理!絶対引かれる…それにもし断られたら私二度と軽音部いけない…」
澪「だけど…」
澪「…ええいっ頑張れ私!」ポチポチ
───
紬「あら、澪ちゃんからメール…」パカッ
明日昼休みに音楽室にきてくれないか
紬「…」
──翌日
和「澪、一緒お弁当食べよ」
澪「ごめん、わたしちょっと行くところがあって…」
和「へぇ、昼休みも練習するなんて熱心ね」
澪「いや…私、好きな人に告白してくる」
和「!…そう」
澪「和のおかげで勇気が出たよ。ありがとう」
和「私は何もしてないわ。頑張ってね澪」
澪「うん、また後でね!」タッタッタッ
和「…少しだけ…少しだけ期待しちゃったじゃない…」
──音楽室
澪「(ムギいるかな…)」ガチャ
紬「あ、澪ちゃん」
澪「ムギ…来てくれたのか」
紬「うふふ、友達の頼みだもの」
澪「(友達か…やっぱり友達のままのほうが…)」
紬「澪ちゃん?」
澪「え…っとムギは前にさ、女の子同士っていいなぁって言ってたよね」
紬「ええ」
澪「その…ムギ自身はどうなんだ?…女の子が好きになったりとか…」
紬「私は…」
澪「入学して間もない頃廊下でムギと出会って…そ、その時…ムギにその…ひ、ひひひ一目惚れしたんだ!」
紬「…」
澪「あんな気持ちはじめてで…それからもムギのことが好きになっていく一方で…」
紬「澪ちゃん」
澪「は、はひっ」ビク
紬「合宿の時に言いそびれちゃったけど、私澪ちゃんに言いたいことがあるの」
澪「え、なに…?」
紬「澪ちゃんが自分の教室を探してウロウロしてた時に私とぶつかったじゃない?」
紬「本当はね、わざと澪ちゃんにぶつかっちゃったの」
澪「へ?」
紬「ごめんなさい。どうしても話しかけるきっかけが欲しくて」
澪「なんでそんなこと…?」
紬「実はね…その時私も澪ちゃんに一目惚れしちゃったの」
澪「え、ええ!?」
澪「だってそんな素振り…」
紬「澪ちゃんと一緒に過ごすの大変だったのよ?いつも隣でドキドキしてるのばれちゃうんじゃないかなって」
澪「…」
紬「私から話はこれだけ。じゃあ澪ちゃんの話の続き教えて?」
澪「…ムギのいじわる」
紬「うふふ。澪ちゃんの口から聞きたいの」
澪「ムギ、私と…つ、付き合ってくれないか?」
紬「…私でよければ」
澪「ムギがいいんだ!」
紬「あらあら。本当に嬉しいわ…よろしくね、澪ちゃん」ニコ
──おわり
最終更新:2010年01月12日 01:54