美萌倶楽部

調理人「これからアマガミSSを召し上がっていただきます。」

ダマト「アマガミSSというのは?」

菅「原作はアマガミというPS2のギャルゲーでして,キミキスの続編として
製作されました。主人公が『変態紳士』の異名をとるほどの変態でして本当に
ギャルゲなのかと思うほど変態プレーが多いが特徴です。そしてやはりオムニ
バス方式を採用したことによりヒロイン6人全員にスポットをあてることを実
現させたのもアマガミSSのおもしろさの理由です。」

陳「ほほう,キャラクターの魅力が偏ることのないところはけいおんに通じる
ところがありますな。」

菅「ヒロインごとにかわるEDも好評です。」

京極「4話ごとにかわるなんてぜいたくや。」


調理場

中川「今,アマガミSSをはじめたところです。大変好評のようです。」

士郎「よおし,いよいよけいおん!にとりかかるぞ!良三,用意しておいた2期
20話を持ってきてくれ。」

良三「は,はい!」

雄山「待て。」

中川「先生!?」

士郎「雄山・・・・・・」

士郎「待てとはどういうことだ!けいおん!の最終回を用意したということは
萌えで勝負するのは不可能だ。だったら感動の2期20話をもってきて,軽音部
5人全員の涙で勝負するしかないだろう。」

雄山「おのれ,それがわかっていながらなんという愚かなことを!この役立たずが!
失敗しおったな。」

士郎「なんだと!?」

良三「若が失敗を・・・!?」

雄山「最終回で萌えさせることが不可能なのは確かだ。では20話を用意したのなぜだ?」

士郎「20話では梓は泣かなかった,だがその梓が最終回で1人だけ泣くことで,他の4人との
気持ちの繊細な違いを強調し,観衆を完全な梓視点におき感動を盛り上げるためだ。」

雄山「それなら,なぜUtauyo!OPを使わなかった!?」

士郎「え?」

雄山「OPの卒業ライブのように見える演出が効いてくるではないか。」

士郎「あ!!」

雄山「このように感動物で勝負する場合,後味が悪く鬱モードに突入し翌日に
支障をきたしてしまう場合がある。だからこそOPの『大好き』の繰り返しで
救われたような気持ちになることができるのだ。そんなことにも気づかずよく
もぬけぬけと指揮ができたものだ!」

良三「あわわわ・・・・・・」

雄山「情けない。これだけけいおん厨がそろっていながら,それくらいのことを
わかる人間がいなかったのか!」

中川「そ,それは・・・」

士郎「調理人達の責任じゃない。俺がそうしろと言ったんだ・・・」

雄山「そうだ,所詮お前はその程度のけいおん豚であったということだ。良三,いますぐ
OPを用意しろ。士郎,この調理場にお前が入るのを許した覚えはない。調理場から出て
いけ!」


中川「先生!待ってください!士郎様のお力がなかったら今日の宴会はできませんでした!」

良三「先生のおられない急場をしのげたのも,若がおられたからこそです!」

士郎「俺は余計なことをしたようだな。」

サッ

調理人たち「士郎様!」

ゆう子「・・・・・・」

ガタッ

雄山「むうっ・・・」

ちよ「先生!!」

医者「だから言ったんだ,無理だって!!すぐに酸素吸入!!どこか部屋を!」

ちよ「はい,先生の寝室に!」

雄山「中川・・・士郎が最終回について指示を出したのは20話だけか。」

中川「はい。」

雄山「・・・ふむ・・・足りんな・・・」

医者「何をしているんですか!早く言う通りにしていただかないと命は保証できませんよ!」

雄山「あとで部屋に来い。主菜に足すものがある。それから中川,士郎に責任を取らせろ。」

中川「は?」

雄山「お客様をお招きしたときには,いつも最後に私が挨拶をしている。今日のこんな出来のあとに
どうして私が挨拶に出られようか。」

中川「先生・・・!」
~~~~~~~~~~~
士郎「ふざけるな!!あそこまで人を馬鹿にしておいて挨拶をしろだって!?」

中川「若,先生のお気持ちは・・・・・・」

士郎「俺はあいつの言うとおり失敗したんだ。」

ゆう子「何を言っているの,失敗といても取り返しがつく失敗じゃないの。」

良三「そうですよ,最終回の扱い方は先生のお考えになっていたのと同じだったじゃありませんか。」

中川「ただ・・・」

士郎「ただ・・・なんだよ?」

中川「はい。足すものがあると・・・」

士郎「なに,まだあれに足すものがあるだと!?」

ゆう子「ほら,それがどんなものか知りたいでしょう?」

士郎「うぐ・・・」

ゆう子「考えてみて,海原さんは自分に代わって美萌倶楽部を代表して挨拶しろ
とおっしゃっているのよ。あなたにあいさつをしろと言う海原さんは度量が大き
いわ。あなたはそれに負ける気なの?」

士郎「むむむ」

ゆう子「どうするの?あなたには海原さんほどの度量がないの?」

士郎「ううっ・・・」



……

朴「いやあ,けいおん!以外にも素晴らしいアニメはたくさんあるんですなあ!」

陳「私は樹海に行かずに済みそうですよ。」

京極「次が本日の主菜でんな。」

仲居「けいおん!最終回です。」

京極「はて?最終回・・・?」

菅「最終回・・・ついに来てしまいましたか・・・・・・」

ダマト「おや,何か始まるようですよ?」

仲居「最終回をお読みいただく前に,けいおん!!20話をご覧になっていただきます。」

京極「20話やと?はて,海原はんはどんなからくりを考えていらはるのやら・・・・・・」

20話視聴後

朴「りっちゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!」

陳「私は本当に死にたくなりましたよ。」

京極「もう来年はないんやな・・・」

ダマト「・・・・・・」

菅「みなさん,最終回をよみましょう・・・・・・」


最終回読了後

菅「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ずにゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

朴「確保!!と叫んでるあずにゃんの背景に2年前,あずにゃんを捕まえてに確保!!と叫んでいるりっちゃんがいて・・・・・・」


陳「
        \   r’´ ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄`、::.   ___
   l} 、::       \ヘ,___,_ ______/::.__|    .|___________
   |l  \::      | |             |、:..  |[], _ .|:[ニ]:::::
   |l’-,、イ\:   | |    ∧,,,∧ .   |::..   ヘ ̄ ̄,/:::(__)::
   |l  ´ヽ,ノ:   | |   (´・ω・`)    ,l、:::     ̄ ̄::::::::::::::::
   |l    | :|    | |,r’”,´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ、l:::::
   |l.,\\| :|    | ,’        :::::…  ..::ll::::    そうだ、これは夢なんだ
   |l    | :|    | |         :::::::… . .:::|l::::   目が覚めたら、またみんなと部室でお茶をして
   |l__,,| :|    | |         ::::….  ..:::|l::::    冬にはクリスマス会をして、お正月には初詣
   |l ̄`~~| :|    | |             |l::::   春にはまた新歓ライブがあって
   |l    | :|    | |             |l::::   それに向けてまた泊り込みで練習して
   |l    | :|    | |   ””´         |l::::   夏には合宿で海に行って目一杯遊んで目一杯練習するんだ
   |l \\[]:|    | |              |l::::   秋には学園祭でライブやって、思いっきり盛り上がるんだ
   |l   ィ’´~ヽ  | |           ``’   |l::::   それから、それから・・・
   |l-”´ヽ,/::   | |   ””´         |l::::   
   |l  /::      | \,’´____..:::::::::::::::_`l__,イ:::: 」


ダマト「20話では泣かなかったあずにゃんが,最終回では一人だけ泣いていて・・・。4人はやっぱり先輩ですから文化祭のときに
気持ちの整理はついていた。でもあずにゃんは先輩達がいなくなることに実感をもてないまま卒業式をむかえてしまった・・・・・・
切ないですな・・・・・・」

アッチャー「さて,樹海行くか・・・・・・」

京極「もう,仕事とかどうでもええわ・・・・・・」

仲居「では,これからみなさまにOPをみていただきます。」


ダマト「ええっ!?いまからOPを?」

朴「辛さが増すだけですよ・・・」

♪みんなが大好き~

陳「??」

菅「おお!!」

♪大好き,大好き,大好きをありがとう~

陳「唯にゃんが私に大好きといってくれている!!」

アッチャー「卒業ライブ風の演出もまたなんとも言えず気分を高揚させますな!」

京極「20話,そして最終回で大きな感動は得られるものの,同時にわしらは鬱モードに
突入してしまった。それをこのOPで卒業の雰囲気は残しつつ,プラスの感情へ変えているんや!」


菅「いやいや,これは満足ですな。」

陳「こんないい気分で最終回を迎えられるのは初めてだ!!」

仲居「最後にこちらをご覧になっていただきます。」

京極「まだあるんかいな・・・」

アッチャー「私は今までの演出で十分満足しているのですが・・・」

京極「こら海原はんに講義してもらわんとあかんわ。海原はんに来ていただけんか?」


スゥ
京極「山岡はん!?」

士郎「山岡士郎でございます。本日は海原雄山が体調不全のため,調理の指揮を取りました。」

京極「海原はんの息子さんです。」

ダマト「ほほう!あの海原雄山氏にこんな息子さんがおられたのか。」

京極「体調不全とは,いったいどうされたんや?」

士郎「あ,いえ,もうたいしたことはありません。ご心配なく。」

菅「それにしても,さすがは海原雄山氏の息子さんだ。どれも海原雄山氏の萌えを
見事に受け継いでいるじゃないか。大胆な構成,緻密な萌え,まさに海原雄山氏の
世界ですよ。」

士郎「いや,それは・・・」

京極「山岡くん,こまっとるようやな。わしはうれしいで!この日を待っておったんや
父と子の和解がなったんやな」

士郎「冗談じゃない,勘違いしないでください!」

菅「何かわけありのようですが,ここは一つ解説していただきたいですな。」


士郎「はい。今回の宴会はけいおんの今後というのが主題だとききましたので,主菜に関しては
けいおん!の最終回を用意させていただきました。」

京極「ふむ。ただ最終回をもってきただけでは鬱モードに突入してしまうだけや。だから20話と
最終回で感動を盛り上げたあとにOPを持ってきて,最終回の雰囲気を損ねずにわしらを幸せなえ
え心地にしようってわけやな。しかし,それにまだ何か加えるとは・・・」

士郎「さすが京極さん。じつは決め手は一期最終話です。」


朴「一期最終話だって!?」

陳「それを観て何になるというんです!?」

士郎「まあ,まずは視聴してください。」

視聴後 唯「軽音大好き!!」

ダマト「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!
軽音大好きだあああああああああああああああああああああああああああああ!!」

陳「ああ!けいおん!は永遠だ!!」

朴「この溢れるような喜びをどう表現すればいいのか!」


士郎「みなさんもうお分かりのようですが,最後に一期最終話をもってくることで,
みなさんが持っている,けいおんに対する感情が爆発するんです。感動させ,それを
幸せな気持ちにするだけではまだ不十分です。その感情全てをけいおん!そのものに
向けることが大切なのです。」

アッチャー「ううむ,感動は損ねることなく,最高の状態に持っていく!」

朴「けいおん!に対する我々の強い思いがあってこその感動ですな!」

菅「これは他のアニメにも通用することではありませんか。」

陳「うん,まったくだ。自分の好きなアニメに精一杯の愛情をそそいでやれば,

それだけ感動は大きくなって自分いかえってくるというわけですな!」

京極「山岡くん見事や。海原はんの域に迫ったやないか!」

士郎「この一期最終話は雄山の指示によるものです。俺は20話と最終回だけで
盛り上げようと思ったが,雄山が,OPと一期最終話を指示したんです。」

京極「なるほどな,うんうん親子,いや梓厨合作の妙味やな,ありがたいやないか!」

士郎「そんなものじゃありません!」

菅「いや,素晴らしかった!!」

陳「堪能しました!!」

パチパチパチパチ

雄山「・・・・・・」

ちよ「先生,お客様は皆様大満足で!あの通り盛大に拍手をしておほめいただいております!」

雄山「あのばかのおかげで台無しになるところだったが,なんとかしのいだか。」

ちよ「しのいだなんてもんじゃありません。大成功です!」

雄山「ふん。」

ゆう子「まあ」

看護士「寝台車が参りました。」

医者「病院に戻っていただきます。」

雄山「お任せする。」

ゆう子「ふうん,やはりね。」

士郎「やはり,なんだってんだ?」

ゆう子「20話と最終回だけでは完全に鬱モードのままだわ。これじゃあ自殺者が
続出よ。」

良三「でも今日の成功は全部士郎様のおかげです。」

調理人A「若,早く戻ってきてください。」

調理人B「それが私達の願いです。」

士郎「帰るぞ。」

調理人C「若!」

ゆう子「・・・」


病院

中川「これが士郎様の考えた演出です。」

雄山「やはりこれだけだといささか思い気もするが,私のようなけいおん狂には
関係ないな。」

中川「では,先生!?」

ちよ「あんた!先生が士郎さんの萌えを認めて下さったんだよ!!」

雄山「フッ・・・・・・」

おしまい



最終更新:2010年10月01日 04:07