律「…」

唯「…りっちゃん、とらないの?」

律「…とっていいのか?」

唯「澪ちゃんから、だし、いいよ」

律「ん、ごめん」

 「…もしもし?」

 「…うん、うん…いや、あーうん」

 「そ、そんなことないぞ!…うん」

 「それはー…ちょっと、あるかな」

 「うん、うん…わかってるよ」

 「…あぁ、うん」

 「…じゃーな、うん、おやすみ」

唯「…電話終わった?」

律「うん。ごめんな…」

唯「…なんで嘘ついたの?」

律「…」

唯「今の、澪ちゃんからでしょ?」

 「どうして家にいるって言ったの?」

 「わたしの家に泊まるの、どうして隠すの?」

律「…ごめん」

唯「…知られちゃ、まずいの?」

律「…ごめん」

唯「澪ちゃんがさ、りっちゃんのこと大好きなのはわかるよ」

 「今日の帰りだって、絶対怒ってたもん」

 「だからってさ…独占、しすぎじゃない?」

 「彼女じゃないんだからさ」

律「…ごめん」

唯「……ごめんじゃ、わかんないよ」

律「…」

唯「…」

律「…」

唯「…」

律「……わたし、」

唯「うん」

律「告白されたんだ」

唯「」


律「この間、澪に、わたしのこと好きだって言われた。付き合ってくれって」

 「でも、澪には悪いけど、…わたしは、澪のこと、友達としか思えないから」

 「だから、断ったんだ」

 「そしたら、こうやって、今みたいに…その、」

唯「言いたいことはわかるから、大丈夫だよ」

律「…うん」

唯「…じゃぁさ、りっちゃんはさ、」

律「うん」

唯「澪ちゃんと気まずくなっちゃったから、わたしのこと追いかけてきたの?」

律「え?」

唯「澪ちゃんに告白されなかったら、今日の帰りも、わたしのこと追いかけないで、澪ちゃんと帰ってた?」

律「…何、言ってんだよ」

唯「わたしと一緒にいて楽しいって思うのも、澪ちゃんとの距離ができたから?」

律「っ、違う!」

唯「わたしは、澪ちゃんの代わり?」

律「唯!」

唯「…ごめん」

律「…いいよ」

唯「…」

律「…」

唯「…」

律「…」

唯「…ねぇりっちゃん」

律「…なに」

唯「もしわたしが、りっちゃんに告白しても、澪ちゃんみたいにフッた?」

律「…唯はどうなんだよ」

唯「……わたしは、いいよ」

律「え?」

唯「りっちゃんだったら、付き合うよ」

律「」


律「…真面目に答えろよ」

唯「わたしはいつだって真面目だもん」

律「そんなん嘘だろ!」

唯「嘘じゃないよ」

律「だって、澪がそんなにわたしといたいのかって聞いたとき、全力で否定してた!」

唯「……澪ちゃんが、りっちゃんのこと好きなのわかってたから、否定するしかないじゃん」

律「憂ちゃんと約束してるって、嘘ついた!」

唯「あれも澪ちゃんに気遣っただけだよ」

律「じゃぁなんであん時そう言わなかったんだよ!」

唯「そんなこと言ったらりっちゃんにバレちゃうと思ったの」

 「告白されたの知らなかったし」

律「わたしと一緒にいるのも楽しいけど、みんなと一緒にいるのも楽しいってことは、ただの友達じゃんか」

唯「澪ちゃんと同じくらいって言われて、悔しくてそう言ったの」

 「さっきも比較なんか出来ないって言ったけど、みんなに対する大好きと、りっちゃんに対する大好きは意味が違うもん」

律「…どういう意味だよ」

唯「……愛してるってことだよ」

律「」


唯「りっちゃんも、さっきの質問答えてよ」

 「わたしが告白したら、澪ちゃんみたいにフッた?」

律「……わたしも、唯だったら、付き合う」

唯「…嘘だよ」

律「嘘じゃない!」

 「澪と気まずくなったとか、そんなの関係ないよ!」

 「唯のこと追いかけたのは、好きだから!まだ離れたくなかったんだ!」

 「だから泊まれるってなったとき、すごいうれしかった!」

 「風呂場で、澪と一緒にいるときと同じくらい楽しいって言ったけど!」

 「唯と一緒にいるときは、楽しいとかじゃなくて、すっごい特別なんだ!」

唯「りっちゃん…」

律「だから、嘘じゃないよ。わたしだって唯のこと、愛してる」

 「……わたし、憂ちゃんにまで嫉妬しちゃったんだ」

唯「え?」

律「さっきも言ったけど、憂ちゃんは唯のことなんでもわかってる」

 「わたしと知り合う前の唯も、全部」

 「和だってそうだよ。憂ちゃんと同じくらい同じ時間をすごしてる」

 「すっげーうらやましい」

唯「…それは、わたしもだよ」

律「え?」

唯「わたしだって、憂に嫉妬しちゃったもんっ」

 「憂よりわたしの方が先に知り合ったのに、いつの間にか仲良くなってるしっ」

 「憂に対してすっごく優しいしっ」

 「憂のことも大好きなのに…大事な妹なのに…嫉妬なんて最低だよ…」

律「唯…」

律「…」

ちゅ

唯「!!」

律「唯、わたしは、こういう意味で好きなんだ」

唯「りっちゃん…」

ちゅ

律「んっ」

唯「わたしも、こういう意味で好きだよ」

律「唯…」

唯「りっちゃん…」

憂「あの、邪魔しちゃうようで悪いんですけど…」

 「もうちょっと静かにしてもらえますか?」

 「わたしの部屋まで丸聞こえです」

唯律「」

律「ゆーい…」

唯「なーに…」

律「…憂ちゃんに怒られちった」

唯「そーだねー」

律「…しかも丸聞こえ」

唯「うんー」

律「ゆーいー」

唯「だーいじょうぶだよっ!ちょっと機嫌悪かっただけだって!」

律「うぅー…」

唯「明日になったら朝ゴハン作って許してくれるよっ!」

律「んー…そっか…そうだよな!唯の妹だもんな!」

唯「まぁ今日からりっちゃんの妹でもあるけどねっ!」

律「……ばーか」

唯「えへへー」

唯「あっ!そうだっ」

律「ん、どした?」

唯「りっちゃん、10回ゲームしようっ!」

律「はぁ?唯苦手なんじゃないのか?」

唯「いいからいいから!」

律「んー…まぁいいけど…」

唯「よしっ!りっちゃんっ!キスって10回言ってっ」

律「…キスキスキスry」

唯「わたしのことは?」

律「!大好きっ」

唯「わたしも!」




最終更新:2010年10月04日 16:58