同じ窓から
キーボード
ギドラム
タベース  てた風景
|ギター
 ノ ∟



「きれいなうみだね」  

「うん」 

蝉は合唱し《ない》ていた
  
浜辺

見渡せば 赤く透ける生命泉《うみ》

絆の強い二人の少女は

太陽《ひかり》のいたずらを浴びる生命泉《うみ》を見て

ただ『会話を失う』



どれぐらい経っただろうか

「そろそろごはんにしよ?」

「おねがいします!」

「おねえちゃんとつくりたいな」

「うっ」

「だめ? わたしのぶんだけふやしちゃうよ?」   

「ひっひきょぉ!」

ここに来る前の彼女らの秘密を

知る者は いない

i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i iii i i i i i i i i i i
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||PAST||||||||||||||||||||||
| | | | | | | | | | | | | | | || | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |


一夜の暗い部屋 一年の黒い交わり

「ひゃんッ!」

人と猿のように

昼と夕のように

あらゆるものは性格を変える

「ここがいいんだね?」

「んん!」

「ン…ンン! はっはげしいよぉ……」

たえまなく響くあえぎ《よろこび》

『二重に閉ざされたその場所から』
  
誰がこの絆《つながり》を知れるだろうか

「イッていいんだよ、ほら」
 
「まっまってういいぃぃ!!!」

そんな現実はやがて

下水《ねたみ》を流しこまれた

湖《おもい》へと変わる

「ハア……ハア…」

「ふふっいとしいいとしいお姉ちゃん」

「ハア……フゥ…」

「ヒャアン!」

「おいひぃよお姉ちゃん」

「きっきたないよぉァアン!!」 

「そんなわけないじゃん」 

「ハア…まって…」

そのとき彼女の下流に

誰が住む《くちをつける》だろうか

i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i ii i i i i i i i i i i i i i ii i i i i ii i i i i ii i i ii ii i
||A LONG TIME PASSED||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| | | | | | | | | | | | | | | | | | ||| | | | | | | | || | | | | | | | | | || | ||| | | | | | | | || | | |

「できた!」

「がんばったねお姉ちゃん!」

「えへへ」

やがて姉は同業者を拒み

別種の《おなじ》業者となり

妹の他に誰も飲めぬ湖《おもい》となった

「リビングにはこぼ」

「よっと!」

「きをつけてね」

「うん!」

約束した愛《みらい》を得た少女らは

この大きな家《らくえん》を

初めて訪れたときに見た 

大きな窓のある部屋へ

この海《しー》を見れる部屋へ

「終わった!」

「お姉ちゃん、食べよ!」

「もうぺこぺこだよぉ」

祝福の音を奏で うつわは光に照らされる

その部屋《そこ》にある光景は

窓に向き合う二人の少女《あい》

「おいしいね!」

「うん!」

そして同じ窓から見てたときと

ほとんど変わらぬ風景《うみ》

END




13
最終更新:2010年10月26日 16:37