純「(憂には敵わないな・・・)」

純「もぅ、大丈夫だよ」ニコッ

純「なんか、判っちゃったんだ」ヘヘヘ

憂「・・・・」ジッ

憂「うんっ」

憂「・・・よかった」

憂「本当に・・・このまま、明日からずっと、喧嘩したままかと」グスッ

憂「今日は、ゴメンね?」ギュッ

純「もぅ平気だよ~」ポンポン


純「(梓は先輩達、憂はお姉さんと幼馴染)」

純「(二人とも、それぞれの思い出と向き合ってきたんだね)」

純「(そこから、新しい軽音部を始めようとしてたんだね)」

純「(わたしも・・・わたしのジャズ研の2年間とちゃんと向き合わないと―!)」

純「(明日は、頑張るね?二人とも、大事なことに気付かせてくれて)」


純「・・・ありがとね」ボソッ

梓「純?何か言っt―」

ぐぅうううううきゅるぅうううううう×2

純「え?」

梓「あっ///」カーッ

憂「あはっ♪」

梓「だって、お昼ごはん・・・食べてないんだもん///」

憂「そうだったね、お弁当食べてないや」グゥ

純「っぷ」

純「あははは!!!すごい音っ!!!」ゲラゲラ



~~翌日 3年4組~~

ガラッ

純「・・・」

ワイワイ ガヤガヤ

純「・・・」スタスタ

純「・・・・」キョロキョロ

純「(やっぱり、たった一日だけでもクラスの仲良しグループって決まっちゃうんだなぁ)」

純「・・・」

純「(昨日は梓と憂の行動に勝手に期待して、あげく一人ぼっちになったのを人のせいにして逆恨みしてた)」

純「(でも、今日は・・・!)」


 ガラッ

ジャ研「え~?」 ジャ研2「やっぱ、臭いよね~」

純「(来た!)」トテチテ

ジャ研「あっ・・・」

純「おはようっ!」ニコッ

ジャ研「・・・・」 ジャ研2「・・・・」

純「あのっ」

ジャ研「それでさ~さっきの―」スッ

ジャ研2「・・・」フィッ

スタスタ

純「(やっぱり、無視か)」

純「(でも、くじけるもんかぁ!)」テテテ

純「ねぇ!」グィッ

ジャ研「!な、なによ」

純「(口、聞いてくれた)」


純「あの、ゴメン!!」


ジャ研「それは・・・肩をいきなりつかんだことに対して?」

ジャ研「それとも、他になにかあるの?」キッ

純「うっ」

ジャ研「手、離してよ!」バッ

純「あっ」

ジャ研「・・・」

純「あの、ジャズ研のこと、いきなり決めてゴメン!!」ペコリ

ジャ研「!」

純「怒ってる、よね?・・・やっぱり」

ジャ研「・・・」スッ スタスタ

純「あのっ後輩達!しっかりやってる?」

ジャ研「!」クルッ

ジャ研「・・・退部した純には関係ないでしょ・・・!」

純「・・・」

ジャ研「今更、辞めた部が心配ってワケ?」フンッ

純「・・・うん」

ジャ研「!」

純「1年面倒見た後輩だし・・・ね」

ジャ研「それならなんでっ」

純「ジャズ研は、頼りになる人いっぱいいるじゃん?」ニコッ

ジャ研「!」

純「軽音部は、梓以外いなくなっちゃったしね」タハハ

ジャ研「・・・」  ジャ研2「・・・」

ジャ研「(知ってる・・・軽音部は中野さん以外、みんな卒業しちゃったって)」

ジャ研「(でも、でもこんなにアッサリ辞められると・・・)」グッ

ジャ研2「後輩達も、みんな純がいなくなって寂しがってるよ・・・ね?」ポンッ

純「!」

ジャ研「!?」

純「え?あっ」

ジャ研「(ちょっと、なにを!)」ヒソヒソ

ジャ研2「(素直になりなよ・・・このままってのも、罪悪感あるし)」ヒソヒソ

ジャ研2「(それに、本当は話したかったんでしょ?色々とさ)」ヒソヒソ


純「そっか、後輩達寂しがってくれてるのか・・・」

ジャ研「じゅ、純が、急に辞めたりしたからでしょ!」

ジャ研2「純はさ、パート班隔てて、後輩の面倒見てきたし」

ジャ研2「慕われてたから、そりゃ寂しがるよ」

純「そっか・・・ゴメン」

ジャ研「・・・ふんっ」プイッ

純「あんた達も、わたしが辞めて、寂しかったりする?」チラッ

ジャ研「なっ!///」

ジャ研「ちょっとねぇ!」

純「なーんて、ね」ハハハ

純「ホント・・・迷惑かけてるね、わたし」

ジャ研「そうよ!」

ジャ研「私達も2年間一緒に頑張った・・・仲間だったじゃん!」

ジャ研「なのに、なんの相談もナシに退部を決めちゃって!」

ジャ研「引継ぎも、あっさり済ませてくれちゃって!」

ジャ研「そんな・・・そんなの!」

ジャ研「・・・寂しいに決まってるじゃん」ボソッ

純「・・・そう、だよね」

ジャ研「そうよ」

純「わたし、そんなにあっさりしてた?」ポリポリ

ジャ研「してたのっ!」

純「そっか・・・」

純「わたしね、ジャズ研で2年間頑張ってきて」

純「皆と仲良くなって、いっしょに部活してきたから」

純「どっかで・・・ジャズ研やめても、皆とは一緒にいられるんだって、思ってた」

ジャズ研「・・・!」

ジャズ研「・・・」


純「だから、軽音部に入ったの」

純「梓も、憂も、大切な親友だもん」

ジャ研「・・・」

純「ホントは、去年の夏頃からずっと、ジャズ研辞めて軽音部に入ろうか悩んでいたの」

ジャ研「!」

純「(梓、受験に励む先輩達見て、不安そうにしてたから・・・)」

ジャ研「だったら・・・相談してよ」

純「ごめんね?悩んでる内に春になっちゃって」

純「急いで決めちゃった」

ジャズ研「・・・」

ジャズ研「急に純がジャズ研辞めるって聞いて」

ジャズ研「私達、ショックだったんだからね!」


純「ゴメン・・・」

純「説明もなしに、急にジャズ研辞めたりして」

純「本当に、ごめんなさい」ペコリ

ジャズ研「・・・」

ジャズ研「・・・はぁ」

ジャズ研「・・・・・許したげる」ボソッ

純「!!」

ジャズ研「そういえば純って、そういうキャラだったしね」

純「ぅっ、許してくれて、ありがとぅう」グスッ

ジャズ研「・・・うんっ」ニコッ

ジャズ研「・・・」

ジャズ研「あの、私達もゴメン!」ペコリ  ジャズ研2「ゴメン!」ペコリ

純「え?」

ジャズ研「純が軽音部に入ったって聞いて、だいたい事情はわかってたの」

ジャズ研「でも、なんかムキになっちゃって・・・」

ジャズ研「昨日は無視なんかしちゃって、ごめんなさい」

純「うんっ!」

純「これから一年、このクラスでよろしくね?」ニコッ

ジャズ研「よろしく」

ジャズ研2「よろしくっ。あと・・・たまにはジャズ研にも顔だしてよ?」

純「!・・・うん!」

純「ところでさ・・・」

純「さっき、ムキになっちゃったって言ってたけど~」

純「もしかして、わたしが軽音部にとられて嫉妬してた?」ニヤリ

ジャズ研「なっ///」

ジャズ研2「してたかもね?」ニヤリ

ジャズ研「ちがう!調子に乗るなっ!!」ガーッ

純「ふふふ~全く、梓といい、あんたといい」

純「みんな、寂しがり屋だなぁ~♪」







~~ご都合主義の 後日談~~

純「兼部?!」

さわ子「そうよ、純ちゃんこれからもジャズ研見に行くんでしょ?」

純「どこで聞いたんですか・・・」

純「でも普通は文化部を2つ兼部するのってダメなんじゃ?」

さわ子「う~ん確かに厳しいけど・・・禁止されてるってワケじゃないのよ?」
                   ※   
さわ子「それに、軽音部って弱小部だし、皆も納得するわよ」 ※部員数、活動頻度等が理由

純「(おい、顧問)」

純「・・・でも退部届けだしておいて、すぐにジャズ研に戻るなんて」

さわ子「すぐだからまだ間に合うんじゃないの」

純「!そういう考え方もあるんだ・・・」

純「でも、やっぱり今更」

さわ子「でもジャズ研の顧問の先生に話つけちゃったわよ?」

ジャズ研顧問「おぅ、鈴木」

純「え」

ジャズ研顧問「新歓ライブには出せないが、新入生もまだ入ってないことだし」

ジャズ研顧問「現部員が納得してくれているなら」チラリ

 ひょこっ

ジャ研1「・・・」 ジャ研2「ふふん」ニヤリ

純「(あんた達?!)」

ジャズ研顧問「今回に限り、退部は取り消そう」

純「先生・・・!」

ジャズ研顧問「ま、この時期で職員室も部活関連書類の提出期限はまだうやむやだし」

ジャズ研顧問「今まで2年鍛えてきたベーシストを1人でも減らすのは惜しいからな」

ジャ研2「うち、マンモス部だけどね」ニヤニヤ

ジャズ研顧問「うっ」

さわ子「そういうワケだから、純ちゃん頑張ってね?」ニコッ

純「あの・・・はい!」

純「ありがとね」

ジャ研1「べ、別に純の為じゃないわよ!///」

ジャ研1「うちはマンモス部だし、後輩も多いし、面倒みてくれる部員は多いほうがいいってだけ!」

ジャ研1「軽音部と違ってね!」フフン

純「一言おおいよ!」

ジャ研2「実際純は後輩にも慕われてたし、ベースパートの子達も帰ってきて欲しかったのよ」

純「そっか・・・それじゃ」

純「改めて、これからもよろしくね?」ニコッ

ジャ研1「う、うん」

ジャ研2「おぅ」

純「~♪」

ジャ研1「・・・あのね、純」


 「「あ、やっと見つけた!!」」

梓「純!」 憂「純ちゃん!」

純「梓、憂?どうしたの?」

梓「すごいよ!なんと、新歓前なのに!」

憂「新入生から入部届けがきました~♪」ジャーン

純「マジで?!」

梓「去年の軽音部のライブ見て、ここに受かったら軽音部に入部するって決めてたんだって!」

憂「それで、今部室で待ってもらっているの!」

梓「新入生にメンバー紹介するから、二人で純を探してたんだよ!」

純「え?1人で待たせてるの?」

梓・憂「あ」

純「新入生なのに知らない部屋に1人きりってすごい不安じゃん!」

純「・・・二人とも後輩の世話とか慣れてないでしょ」

憂「お、お姉ちゃんのお世話なら得意だったよ?」エヘヘ

梓「トンちゃんの、お世話なら・・・」タラー

純「(意外に二人とも、年下の扱いとか下手なのか?)」

梓「と、とにかく!早く部室行こっ!!」グィッ

憂「新生軽音部、始動だね♪」ギュッ

純「よし!行こっか!」


ジャ研1「・・・」

純「あっ!ちょっと待って」


純「そういうことだから、行ってくるね?」

ジャ研1「・・・さっさと行きなよ」

純「おや?急に不機嫌になった?」

ジャ研1「っ!」

純「もしかして~?」ニヤニヤ

ジャ研1「ちがうっ!早く!行っちゃえ!///」シッ シッ

純「はいはい、行ってくるね♪」


テテテテ




こうして、純はジャズ研と軽音部を兼部を始めた

その後も新生軽音部は桜ヶ丘高校で大人気になり

彼女の周りは、その青春を大いに謳歌した

そして、とみ婆はエアギターで世界に名を馳せたという―    後日談 終わり




最終更新:2010年10月06日 23:00