梓「私は…明日唯先輩のいないまま演奏したって…どんなにうまく演奏できたって…成功じゃないです。このメンバー以外でやる演奏なんて意味がないです」ポロポロ

唯「梓ちゃん…」

唯先輩がぎゅっと抱きしめてくれる

梓「大体…みなさんおかしいです!これだけ毎日朝練までして…練習して…演奏して…そうやって完成させていった曲を…憂に代わりにできるかなんて聞くこと自体…おかしいですっ!グスッ…」
涙があふれてくる

梓「うわぁぁん」

思わず唯先輩のほうへ顔をうずめてしまった

唯「梓ちゃん…」

憂「そっそうですよ…みなさんあんなに演奏うまいのに…私じゃお姉ちゃんの役なんて勤まらないですよ」

律「ん…」

澪「確かに唯の代わりなんて…誰もいないよな。技術的な問題じゃなくてメンバーとして」

紬「そうよね」

唯「みんな…」

唯先輩は抱きしめていた私から離れると
唯「ホントにごめん…明日は…無理」

梓「土下座なんてやめてください」

律「もう気にすんなって、学祭じゃなくてよかったよ」

唯「次からは気をつけます!」

澪「また明日から次のライブに向けて練習だな」

紬「そうね。また新しい曲作りましょ」

律「でもさ、元々明日は練習の予定なんてなかったんだしさ」

澪「どうした?」

律「学校も休みだし、どっか遊びに行こうぜ!!」

唯「おぉーいいね。行こう行こう」

紬「行きましょう!ぜひ」

ムギ先輩が目をキラキラさせている

紬「私みんなともっと遊びに行けたらと思ってたの」

律「なーんだそうだったのか、実は私も遊びタイと思ってたんだ」

唯「えぇー2人ともそう思ってたの?だったら練習しかやらないぜ~みたいな空気やめてよぉ~」

律「悪い悪い、みんな練習にしか興味ないのかなと思ってたよ」

澪「わっ私だって…行きたかった…」

梓「なんだ…みなさんもっと遊びたかったんですね」

唯「当然だよ~高校生だよ?遊びたいよー」

紬「1年生のころからろくに遊びに行ってないもんね」

澪「練習練習だったもんな」

律「まぁそれも悪くないけど…やっぱ遊びたいよな」

そうやってお互い照れてるけどみんな笑顔だ…
最高の笑顔だ

唯「じゃあどこ行きたい~みんないるんだし打ち合わせしよ」



梓「いろいろあったけど…これでよかったんだよね?」
明日のライブはなくなっちゃったけど…
5人でお買いものなんてもっと楽しみ

梓「ふぁーあ…泣きつかれたのかな…早く寝よ…」



翌日?
pipipipi

梓「んっ・・・目覚ましなんて…かけたっけ?」
時間を見ると…あれ?朝練の時間に間に合うようにセットしたはずなのに…

梓「1時間遅れてる!?やばいっ朝練いけない」
と急いで起き上がったはいいけど

梓「あっそうだ。今日は軽音部の方々と遊びに行くんだった」

それなら9時ごろ起きれば十分間に合うから…まだ寝られる…
昨日眠かったから寝ぼけて目覚ましセットしたのかな
とりあえず…まだ寝てよ…
ウトウト

梓母「何してるの?早く起きないと遅刻するわよ?」

梓「えぇ…今日は学校お休みの日じゃん…」

梓母「何言ってるの?学校あるでしょ」

梓「えっ!?」

急いで携帯を開いてみる

梓「もしかして…戻ってる?」

日にちがおかしな世界に入る日だ

梓「もしかして今までの全部…夢?」

あんなに鮮明な夢があるだろうか

梓母「早くしてね?朝ご飯作ってあるからね」

梓「うっうん…」

夢落ちって…そりゃないよ…いろいろと

梓「そうだっ電話」
私は唯先輩に電話をかけてみる

梓「つながらない…」
いろいろと不安要素があるけどとりあえず顔を洗って朝ごはんを食べる
この朝のニュース…見覚えが…

梓「デジャヴ?正夢…?」


prrrrr
梓「唯先輩だ!もしもし唯先輩ですか?」

唯「うん。どしたのあずにゃんほんな朝早くから」

梓「あの…今私のことなんて言いました?」

唯「ほえっ?あずにゃん?」

梓「はぁ~…」

唯「あずにゃん?」

梓「戻ったぁぁぁぁあああ!!」

唯「うわぁっ!何いきなり」


梓母「うるさいっ」

梓「あっごめん。唯先輩もすみません」

唯「どうしたの?こんな朝早くから電話かけるから…ング…しんぷぁいひて…急いでかけなおひたほに…」
唯先輩…急いでかけ直したわりには…ご飯が進むようですけど…

梓「なんでもないですっ!ありがとうございますっ!ではまた放課後にっ」

唯「うっうん…」
ピッ

ピッ

憂「梓ちゃんどうしたの?」

唯「わかんないけど…さみしかったのかな?電話しただけでありがとうって言われたよ」

憂「ふーん…変な梓ちゃん」

唯「だね~」


やった!やった!戻った

梓「でも…あの世界は何だったンだろ…」

夢とは思えないし…見覚えのあるニュース…

梓「まっ確かめるのにちょうどいい素材があるしいいかっ」


ランラン気分で朝の通学路を歩く

紬「わっ!」

梓「ひゃいっ!!」

紬「あははは梓ちゃんびっくりしすぎ」

梓「ムギ先輩…びっくりさせないでください」

紬「フフ…ごめん。でも梓ちゃんと一緒になるなんて初めてね」

梓「はい!ちょっとだけ遅れたので」

紬「そうなんだー一緒に行きましょ?」

梓「はいっ!あっところでムギ先輩?」

紬「なぁに?」

梓「今日はお菓子ありますよね?」

紬「うん。もちろんあるわよ。楽しみにしてて」

梓「はい!」

やっぱり戻ってる!



昼休み

久しぶりに授業にも集中できた

憂「なんかご機嫌だね梓ちゃん」

梓「うんちょっとね」

純「いいことあったの?」

梓「純!軽音部はいらない?」

純「何…いきなり…」

梓「ふふ…冗談冗談」

純「まっ考えとく」

梓「ホント?」

純「たぶんね」

みんな元通りみたいだ


放課後
梓「こんにちは~」

唯「あっあずにゃ~ん」ダキッ

律「梓遅いぞ~さっムギ!」

紬「は~い」

4人の先輩が自分達の席へ座り机を囲っている

私も唯先輩をひきはがして指定席へ座る

梓「あれ?私だけケーキ多くないですか?」

紬「フフフ…梓ちゃん楽しみにしてたからおまけ」

梓「あっありがとうございますでもみなさんいいんですか?」

唯「あずにゃん。遠慮はいらないよ」

澪「あぁ唯や律ばっかりっていうのも不公平だしな」

律「澪ちゅぁーんもほしいんでちゅか?」

澪「私はっ・・・太るから…イイっ!」

紬「澪ちゃんは明日楽しみにしててね」

澪「あっありがとムギ///」

唯「あっそれずるーい!かあ私明後日楽しみにしてるねムギちゃん!」

律「じゃあわたしはその次な」

紬「あらあら」

梓「それじゃあお言葉に甘えていただきます」

紬「召し上がれ~」


紅茶を一口飲んでみる
あっちの世界でも紅茶を自分で入れて飲んでみたけどティーバッグじゃあやっぱり

この味は出せなかった
ケーキを一口含んでみる
コンビニで売ってるような砂糖ぶっかけたようなではなく上品な甘さが紅茶の香り

も引き立ててる
どんな高級な紅茶を使ってて、どれほど高価なケーキかはわからないけど、
明日ティーバッグの紅茶にコンビニのケーキを出されても私は同じようにおいしい感じると思う。
みなさんとおしゃべりしてたまに練習して、そんな雰囲気が空気がどんな紅茶やケーキよりも幸せな時間を運んでくれるんだと思った


と長ーい一人語りをしてしまったけど
とにかくわたしがいいたいのは

梓「これぞけいおん部っ!!」


後日に梓が新曲のはずのぴゅあぴゅあはーとをほぼ完璧に演奏できて驚かれたのはまた別のお話

というわけで





最終更新:2010年10月07日 00:06