唯の部屋


唯「ほらほら純ちゃん、こっちに来なよ」

純「いや、同じベッドは…」

唯「えいっ」グイッ

純「わっ!?」ドサッ

唯「えへへ~、ようこそ~」

純「うぅ…」

唯「電気消すね」

パチッ

唯「…真っ暗」

純「……」

純(どうしよう…いつもならすぐに寝れるのに…)

純(今は唯先輩が隣にいるってだけで…)

唯「純ちゃん」

純「は、はい!」

唯「純ちゃんってもしかして…他に好きな人がいるの?」

純「好きな人…ですか?」

唯「だって…憂やあずにゃんが好きって言ってたし」

純「あれは友達としてって意味ですよ」

唯「じゃあ…もしかして澪ちゃんとか?」

純「澪先輩か~…確かに澪先輩と付き合えたらいいかも」

唯「やっぱり!?」

純「なんて…冗談ですよ。また騙されてる」

唯「うぅ~…イジワル」

純「澪先輩はあくまで憧れですから。それ以上はないです」

唯「じゃあ……私は?」

純(聞くと思った…)

純(もうちょっとイジワルしちゃおうかな)

純「えー?唯先輩ですか?」

唯「うん…」

純「どうかな~…」

唯「ど、どうでしょうか?」

純「私…大人っぽい人が好みなんですよね」

唯「大人…」

純「でも唯先輩ってなんか子どもっぽくて…はっきり言うと好みじゃないかも」

唯「!?」

純「だから唯先輩が大人になったらお付き合いも…」

唯「……」

純「唯先輩?」

純(あ…ちょっと言い過ぎちゃったかな)

唯「じゅ…」

純「え?」

唯「純ちゃん!!」ガバッ

純「わわっ!?」

唯「だったら一緒に大人になろうよ!」

純「あの…ちょっと!?」

唯「キス…してもいい?」

純「えぇっ!?」

唯「だって大人だし…」

純「これじゃただの変態ですよ!!」

唯「!?」ガーン

唯「だよね…やっぱり無理やりはよくないよね…」

純(あーびっくりした)

唯「本当はね、お風呂場でもしようと思ったんだ」

唯「けどやっぱり…付き合ってもないのにそういうことするのはどうなんだろうと思って…」

純「そりゃそうですよ。そんなことされたら嫌いになりますって」

唯「あぅっ!?やっぱり…」シクシク

純「泣かないでくださいよ…」

純(でもよく考えてみたら…)

純(同じベッドで寝ていること受け入れてる時点で…唯先輩は私的にはアリなのかな?)

純「……」

純(なんか分からなくなってきた…)

純「……」

純(唯先輩って私にとってなんなんだろう)

純(確かに優しい先輩だけど…)

純「……」

唯「純ちゃん?」

純「あ…なんですか?」

唯「大丈夫?なんだかぼーっとして…」

唯「まさかさっきのことがやっぱりショックだった!?ご、ごめんなさい!!」

純「だ、大丈夫ですよ…気にしないでください」

純「……」

純「唯先輩」

唯「ほぇ?」

純「どうして…私のこと好きになったんですか?」

唯「純ちゃんを好きな理由?」

唯「う~んとね…」

純「……」

唯「純ちゃんだからかな」

純「…なんですかそれ」

唯「好きなところが多すぎてまとめられないよ~」

純「なんか納得できない…」

唯「私と付き合ってくれたら一つ一つ教えてあげるよ?純ちゃんの好きなとこ」

純「それは結構です」

唯「えぇ~?聞いてよ~」

唯「まずね、頭がかわいいところでしょ」

純(結局言うんだ…しかも一番最初が頭って)

唯「次に優しいとこ!」

唯「いっつもあずにゃんを気にかけてくれてるもんね」

純「梓を…」

唯「うん、私は知ってるよ。純ちゃん気配り上手だもんね~」

純「そう言われると照れます…」

唯「あとはね~…」

純「も、もういいです唯先輩!」

唯「え~まだまだあるのに」

純(これ以上聞くとこっちが恥ずかしくなるっての!)

唯「でもね、一番好きなところは…」

唯「純ちゃんのよく分からないとこかな」

純「分からないところ…?」

唯「なんか純ちゃんって雲みたいでふわふわして掴みどころがないんだよ」

唯「それでよくわかんないから気になって、純ちゃんのことずっと見てたら…」

唯「いつの間にか好きになっちゃった」

純「……」

唯「…変かな?」

純「…ぷっ、あはは!」

唯「あ、あれ!?やっぱ変?」

純「違いますよ、掴み所がないってとこ…」

純「その言葉、そっくりそのまま唯先輩にお返しします」

唯「私?」

純「唯先輩の方がよく分かんないですよ」

唯「そうかな~」

純「そうですって、一体なにを考えてるんだか…」

唯「――私は純ちゃんのことしか考えてないよ」

純「あ…えっ?」

唯「本当だよ」

純「……えっと」

唯「私の頭の中には朝から晩までずっと純ちゃんが住み着いてるんだから」

唯「今も…純ちゃんしかいない」

純「……」

唯「……」

純「……」

唯「純ちゃん」

純「え…唯先輩…」ドキッ

純(なんか…さっきと雰囲気違う…)

唯「私…もっと早く純ちゃんの魅力に気づけばよかった」

唯「そうしたら、軽音部に無理にでも勧誘して一緒に部活したりとかして…」

純「いや、無理にはやめてくださいよ」

唯「遊んだり、楽しくして…」

唯「今よりずっと純ちゃんと同じ時間を過ごせたのに」

純「……」


唯「…なんかごめんね、一方的に言っちゃって」

唯「でもこの際だから伝えられることは全部伝えようかなって」

純「……」

純「伝わりすぎてますます分からなくなってきました」

唯「はぇ?」

純「私…唯先輩のこと気になりはじめてるのかな…」

唯「………へ?」

純「だから…そんな積極的に告白されたらそう思っちゃいますって」

純「相手が唯先輩でも」

唯「純ちゃん…」

純「私も正直驚いたっていうか、なんで私なんだろうって」

純「私よりかわいい子はいっぱいいるし、性格のいい子だって…」

純「それでも唯先輩が私のこといっぱい見てくれてほめてくれて…」

純「嬉しくなっちゃいました!」

唯「……」

純「唯先輩、私…唯先輩と――」

唯「純ちゃんありがとう!私も大好き!!」ガバッ

純「ぐわっ!?」

唯「私、純ちゃんのこと一生大切にするからね!もうはなさない!!」ギュ~~ッ

純「くっ…苦しっ…死…」

唯「あっ、ごめんごめ~ん」

純「はぁ…はぁ…」

純「てか、私まだなにも言ってないし」

唯「言わなくてもわかるよ!」フンス

純「勝手に決めつけないでください…」

唯「え…好きじゃないの?」

純「……」

唯「じゅ、純ちゃん…?」

純「…私って、普段すごく寝つきがいいんですよ」

純「ベッドに入ったらすぐ寝ちゃうんです」

唯「……?」

純「でも、今日はなんだか全然眠れない」

純「たぶん…唯先輩がいるからだと思います」

唯「…どういうこと?」

純「それ以上は自分で考えてくださいよ」

唯「???」

純「でも一つ言えることは――」ギュッ

唯「っ!?」

純「こうやって唯先輩と一緒にいるのはイヤじゃないってことです」

唯「……」

純「……」

唯「……えへへ」

純「どうしたんですか?」

唯「やっと純ちゃんから抱きついてくれた~」

純「…結構恥ずかしいんですけど、これ」

唯「慣れれば平気だよ~」

純「じゃあ今度は梓にでも抱きつこうかな」

唯「それはだめっ、純ちゃんが抱きついていいのは私だけなのっ」

純「そんな勝手な~…」

唯「だってぇ~… 純ちゃんがこうしてくれるのは私だけなんだし」

唯「ずっとそうであってほしいんだもん」

純「ワガママですね、唯先輩」

純「子どもっぽい人は嫌いになっちゃいますよ?」

唯「あうっ!?そ、それだけはご勘弁を~」

純「あははっ」


唯「なら私…純ちゃんもびっくりするような立派な大人になるよ!」フンス

純「なんか想像できないな~」

唯「でも…私一人じゃそれはできないかも」

純「はい?」

唯「やっぱり純ちゃんと一緒に大人になりたいな」

純「あ…」

唯「キス…今度はしていい?」

純「……」

唯「…純ちゃん」

純「無言はOKってことですよ」

唯「!」

唯「じゃ、じゃあ…」

唯「……」ドキドキ

純「……」ドキドキ

唯「純ちゃん…」

純「あっ――」

唯「んむっ…」

純「ゅぃ…せんぱ…」

唯「んっ…」

純「ぁう…」

唯「……ぷはぁ!!す、すっごい緊張した~」

純「私も…です」

唯「よーし、次は大人のキスだねっ!」

純「!?」

純「お、大人のキスって…」

唯「もっと長いよ!」

純「ちょっ……!?」

唯「むちゅ~っ」

純「ん゛ーっ!!」

純(し、舌入ってる!?)

唯「あむっ…クチュッ…」

純「チュパッ…んっ…」

唯「ふふ~、今夜は寝かせないぜ子猫ちゃん!」

純(あぁ私…今夜大人になっちゃうのか…)


―――――
―――


翌日


純(あー眠い…)

純(昨日は本当に寝かせてくれなかった…)

憂「おはよう純ちゃん」


梓「おはよ…」

純「あっ、おはよう二人とも」

憂「純ちゃん、昨日の楽しかった?」

純「え…うん」

憂「そっか~。私たちも楽しかったんだよ」

憂「ね?梓ちゃん」

梓「う、うん…」


梓「……」

純「…お疲れのようですね梓さん」

梓「そっちこそ」

純「……」

梓「……」

純「まぁなにがあったかは想像ついたよ」

梓「そう…」

純「……」

梓「……」

純「恐ろしいわ平沢姉妹」

梓「うん」




おわり



最終更新:2010年10月07日 23:21