純「あー、暇っ。ちーっとも眠くなんないし」

時間はもうすぐ深夜0時

純「おーい、あずにゃん2号?」

・・・

相変わらずどこをほっつき歩いてるのやら
最近家にいる事の方が少なくないか?

純「むー、やっぱり名前のせいだな。名付け親に似る事もなかろうに」

♪ゴハンハスゴイヨナンデモアウヨ-

うっ!この着ウタは梓!

純「なんたる地獄耳!猫の怨念恐るべし!」

まぁ、暇つぶしにはちょうどいいけどさ

純「なーにー、梓ぁ」

梓「取るのが遅い」ピッ ツーツー

…切ったよ、おい

ホントに猫並みの気紛れ屋じゃないの、梓ってさ

純「どうせまたすぐにかけてくるんでしょ。その手には乗らんぜよ」

・・・

純「…かけてこないし」

仕方ない、こちらからと思ったら携帯の液晶点灯
すかさず通話ON!

純「あんたさぁ、そのいきなり切るのはやめなよ」

梓「あぁごめんごめん。ちょっとトイレ行って来たんだよ」

純「…なんで電話の前に済ませておかないのよ」

梓「生理現象じゃん。なんか純の声を聞いた途端にもよおしてさぁ」

純「私は便秘薬か」

梓「これは便利かも知れない、うん」

純「あんた…それマジで言ってるでしょ」

梓「便秘は乙女の大敵なんだよ」

純「そりゃそうだ。私もさぁ…て、何の話だこれは!」

梓「ん?便秘の話だけど?」

純「…なんか私が電話を切りたくなってきたわ」

梓「あっそ」ピッ ツーツー

…ま、また切られた

純「まさか、またトイレなんじゃ…」

再び携帯の液晶点灯
またすかさず通話ON!

純「だから、なぜ切る!」

梓「なによ、人に携帯持ったままトイレに行けって言うの?」

純「…いや、それ絶対話がおかしいし」

梓「あんたまさか…変な趣味があるんじゃないでしょうね?」

純「…なんか頭痛くなってきたわ」

梓「そうなの?早く寝たほうがいいよ。最近は質の悪い風邪が流行ってるし」

純「…そうさせてもらおうかな」

梓「なによ、私の電話をほったらかして寝る気?見損なったよ、親友」

純「…あのさぁ、梓。私ってホントにあんたのなんな訳?」

梓「ん?…引き立て役、かな」

純「…私、本気であんたの事キライになりそうだわ」

梓「あはは、そんな訳ないよぉ。純が私の事キライになれる訳ないって」

純「ハァ…いっそ本気でキライになりたいわ」

梓「無理は身体に毒だよ。ストレスは便秘の元だし」

純「そうなんだよねぇ。なんか最近さぁ、部活の後輩の揉め事やなんやらでストレスが…って待て!なんの話だ、一体!?」

梓「ん?ストレスは便秘の元って話だけど?」

純「…いや、それなんか違うし」

梓「なんでよ?ストレスが便秘の原因になるのは医学的にも証明されてるしさ」

純「…あのさぁ、お願いだから便秘の話はやめない?」

梓「便秘は乙女の大敵なんだよ!分かってるの、純?」

純「…いや、それは分かるけどさぁ」

梓「分かってるなら良し!」

純「あのさぁ、さっきから話が便秘から進まないんだけど…」

梓「なによ、あんたまだ便秘を甘く見てるの?」

純「いや、そんな事はないんだけどさぁ」

梓「あのね、純。乙女にとって便秘は立派な病気だよ?ニキビとか出来ちゃうんだよ?分かるでしょ?」

純「うっ!それは嫌過ぎる」

梓「でしょ?それにあまりにも便秘でお腹が圧迫されると、生理不順の原因になったりもするしさ」

純「むー、そう考えると便秘って確かに怖いわ…」

梓「でしょ?乙女の憂鬱とはよく言ったもんだよ」

純「ねぇ、梓…やっぱりなんかおかしくない?」

梓「ん?なにが?」

純「いや、だからさぁ、なんの電話だっけ、これ?」

梓「ん?便秘は怖いって話だけど、なにか?」

純「…それなんか違わない?」

梓「違わないよ!便秘は大変なんだよ!痔の原因にもなるし」

純「え!それマジ?」

梓「マジだよ!あのね、便秘の時ってさ、なんとか出そうと頑張る訳じゃん」

純「まぁ確かに」

梓「でしょ?でも便秘だから出ない。けど、なんとか出そうと頑張る。けどやっぱり…この繰り返しとかあるよね?」

純「あぁ、あるわそれー。あれってさお尻の穴が痛くなってくるよね」

梓「そう!それが既に痔の魔の手が伸びてる証なんだよ!」

純「うっ!それは嫌過ぎる!」

梓「あ、因みに今の『お尻の穴が痛くなってくるよね』ての通録しといたから」

純「はぁ!?なによそれっ!」

梓「まぁまぁ。所で話は変わるんだけどさ…」

純「ちょっと待て!便秘の話に戻せっ!」

梓「あのさ、純。花も恥じらう乙女が、電話とは言え便秘の話とかやめようよ、ね?」

純「…あんた頭大丈夫?」

梓「ん?純よりはマシだと思うけど?思いっきりサラサラストレートだし」

純「そうだよね、梓の髪ってホントに綺麗だよね。あー、羨ましい!」

梓「縮毛矯正とかやってみたら?」

純「でも、あれって高いしさぁ」

梓「確かに学生の身には辛い額だよね」

純「部活があるからバイトも出来ないしさぁ」

梓「いっその事、もっと派手にパーマかけてみるとか?」

純「でもパーマって髪痛むじゃん?余計に癖がキツくなりそうだし」

梓「でもさストパーも微妙だよ?あれって髪をまっすぐにしても、元々の髪質は変わらないからさ、妙に艶の無いごわついた感じでさ」

純「だよねぇ…て、なんの話してたんだっけ?」

梓「髪は女の命ですって話だけど?」

純「あー、梓が羨ましい!」

梓「これはこれで結構大変なんだよ。手入れを怠ると枝毛や切れ毛が酷いし、寝てるだけでもつれたりもするしさ」

純「それでもやっぱり羨ましい!」

梓「まぁまぁ。所で話は変わるんだけどさ」

純「ちょっと待った!なんか大事な事を忘れてるような…」

梓「ん?だから今からそれを話そうと思ってるんだけど?」

純「あ、そっか。で、なんだっけ?」

梓「純、明日は暇だよね?」

純「なんで暇確定なのよ?」

梓「だって明日日曜日だし、ジャズ研も休みって言ってたじゃん」

純「まぁ、確かに暇なんだけどさ」

梓「それでさ、明日憂も誘って一緒に遊ばない?」

純「いいよ」

梓「それじゃ明日の朝10時にいつもの場所でいいかな」

純「オッケー、分かった」

梓「それじゃオヤスミ」

純「あいよ、おやすみ」

純「…なんか忘れてるような…まっいいか、寝よ寝よ」

zzZ



翌日

純「おっはよー、あーずさっ」

梓「おはよう、純」

純「あれ、憂はまだ?」

梓「うん、まだだよ」

純「珍しいね、憂が一番遅いなんて」

梓「そうだね」

♪お尻の穴が痛くなってくるよね
♪お尻の穴が痛くなってくるよね

梓「あ、憂から電話だ」

純「ちょ!待ていっ!なによ今のっ!!」

梓「ん?携帯の着信音だけど?」

純「いや、そうじゃなくて」

梓「ちょっと純、電話の邪魔」

純「…邪魔ってあんた」

・・・

梓「憂ちょっと遅れるって。それで、なんだったかな?」

純「いや、だからさっきの着信音なによ、あれ!」

梓「ん?昨夜の純の声をちょっと加工してみただけだよ」

純「あのさ…もしかしてあんた、私に嫌がらせしてんの?」

梓「…そんな訳…ないよ」

純「梓?」


梓「こうでもしないと…純、私の事を見てくれないもん」

純「…あんた、それでこんな事を?」

梓「言わせないでよ…こんなの」

純「…梓」

ホント、素直じゃない奴
でも、そんなあんたの事嫌いじゃないよ、梓
思わず吸い込まれるように梓との距離を縮める私

梓「あ、でも…」

純「なに?」

梓「キスとかしようとしたら、舌噛んでやるです!」

純「…やっぱ可愛くないわ、あんた」

梓「そう?趣味悪いね、純」


お し ま い





純「大きなお世話ですぅ」

梓「まぁまぁ。あ、憂が先にお茶でもしててってさ」

純「そんじゃ取り敢えず移動しますか」

FF店内

純「この席なら憂もすぐ分かるよね」

梓「そうだね。あ、私ちょっとトイレ行って来るよ」

純「…またトイレ行くし」

・・・

純「むー、梓の奴、ちーっとも帰って来ないし」

憂「お待たせー。ごめんね、純ちゃん」

純「あぁ、憂。珍しいじゃん。あんたが遅刻なんて」

憂「ごめんごめん。あのね、純ちゃんとお出かけすると思ったら急に…」

純「急に?」

憂「…ごめん、純ちゃん。ちょっとおトイレ行って来るね」

純「う、うん」

・・・

梓「ごめん、お待たせー。あれ?憂はまだなの?」

純「いや、来た事は来たんだけどさぁ」

梓「…あんたまさか憂に良からぬ事をしたんじゃ?」

純「…あんた私の事を一体どんな風に思ってんのよ?」

梓「ん?引き立て役で便秘薬だけど?」

純「…あんたマジで言ってるでしょ、それ」

梓「あぁ、後ねリラックマみたいで可愛いな、と思ってるよ」

純「…なんか嘘臭いし」

梓「そんな事ないよぉ。ほら、髪型とかもなんか雰囲気あるじゃん」

純「そ、そうかな//」

梓「うん。あ、でも…」

純「…でも、なによ?」

梓「リラックマって言うよりは、チリックマって感じかも?」

純「…チリ…だ…と?」

梓「…あのさ、チリ…じゃ無くて、純」

純「…なによ」

梓「ちょっとトイレ行って来るよ」

純「はぁ?またぁ?」

梓「ホンっとゴメン。マジヤバいわ、ちょっと行って来るっ!」

純「…なんなのよ、一体」

憂「ごめーん、純ちゃん」

純「あ、お帰りー、憂」

憂「本当にゴメンね。なんだか急にお腹の調子がちょっと…」

純「いやいや、快便なのは健康な証拠だよ」

憂「もー、純ちゃんたら、お店の中で恥ずかしいよ//」

純「あ、ごめん。なんか梓のが伝染っちゃったよ」

憂「あれ?そう言えば梓ちゃんは?」

純「それがさぁ、憂と入れ替わりでまたトイレなんだよ」

憂「そうなんだ。そう言えば私もね、家を出ようとしたら突然、その…」

純「あぁ、そう言えばそんな事言ってたね。で、なんなの一体?」

憂「あ、うん、そ、そのね…//」

純「ん?どうした、憂?なんか顔色悪いし、鳥肌が立ってるけど…もしかして調子悪いの?」

憂「そっ、そうじゃなくて、その…//」

純「その?」

憂「ごめんっ、純ちゃん。おトイレ行って来るっ!」

純「はぁ?」

・・・

純「梓はともかく、憂までなんなのよ…」

♪ゴハンハスゴイヨナンデモアウヨ-

純「ん?梓からメール?」

純「同じ店内にいて、メールって」

純「ん?なになに『これ以上は身体が保たないので、憂と先に帰ります』だと?」

純「…私って一体なんなのさ!?」


今度こそおしまい



最終更新:2011年04月26日 00:04