唯「なぜだ!?なぜヤツを認めてこの私を認めねえんだっ!!」
ガチャッ
キィ
憂「……何言ってるの?お姉ちゃん…」
唯「あ、憂~♪」
よくじつ!!
律「よーっす!唯ーっ!!」
唯「あ!りっちゃん、おはよぉ~」
律「で、どうだった?昨日貸してやった漫画」
唯「うんっりっちゃんに貸してもらった『北斗の拳』すっごく面白かったよ~♪」
律「そうだろ?そうだろ~?唯なら絶対ハマると思ったんだよなー!」
唯「でね、昨日読んだ後になんだか盛り上がっちゃって、憂にね…ゴニョゴニョ」
律「お前……まぁ憂ちゃんは北斗の拳で例えたら確かにトキって感じだなっ」
澪「律、唯、おはよう」
紬「りっちゃん、唯ちゃん、おはよ~今日も元気ねっ」
唯「あ、澪ちゃん、ムギちゃん、おはよぉ~!」
律「おーっす!」
澪「何の話してたんだ?」
唯「北斗の拳っ!!」
紬「ほくとのけん??」
澪「何かと思ったら漫画の話か」
律「お?澪も知ってるのかよ?ムギは……さすがに知らないか」
紬「ごめんなさい」
澪「まぁ有名だし名前ぐらいはな」
唯「でねっ!今りっちゃんと、憂は北斗の拳で例えたらトキだよね!って話してたんだよぉ~」
紬「とき??」
澪「登場人物までは私もさすがに……」
律「なにぃ?そりゃ知ってる内に入らないぞぉ澪ーっ」
唯「そうだよぉー、トキも知らないなんてっ!」
澪「うぅ…なんだよ二人だけで盛り上がって…別に知らなくてもいいさ、こっちはこっちでムギと二人だけで話するから」
紬「え?」ドキ
澪「なー!ムギ?」
紬「澪ちゃん…(二人だけで…)」ウットリ
律「すねるな、すねるなって~、まぁ憂ちゃんがトキなら私はラオウってトコだな!」
唯「え~?なんでー!?憂は私と血が繋がってるんだよ?私が憂のお姉ちゃんなんだよ?私がラオウだよっ!!」
律「私は頼れる軽音部の部長なんだぜー!皆のまとめ役なんだぜー!私がラオウ以外ないだろ?」
唯「えー!?ずるいよ!りっちゃ~んっ!」
澪「誰も頼ってないって…」ボソ
律「ん~?何か言ったかな~澪ちゅわ~ん?ムギと二人だけで話してるんじゃなかったのかな~?」ニヤニヤ
澪「う…」ギクリ
紬「うふふ」ニコニコ
唯「ねぇねぇりっちゃん、それじゃ私は?私はなんなの??」
律「あ、あー……ってか唯はアミバなんだろ?」
唯「えーっ!ヤダよぉアミバなんて~っ!ぶーぶーっ!」
律「ちなみに面倒見が良くって優しいムギは山のフドウってとこだなっ!」
紬「良く分からないけど嬉しいわ」ニコニコ
唯「ピッタリだねっ!」
律「澪は…そうだな……ジャギってところか?」
澪「誰だよそれ……」
唯「…りっちゃん、ジャギは……」
律「仮面で顔を隠していないと人前に出れない、とってもシャイで内気な恥ずかしがり屋さんだよ」
紬「あら、澪ちゃんにピッタリね~」
澪「ふ~ん…って私は顔を隠さないと人前に出れないような人間じゃないっ!」
律「まぁまぁ、あえて例えたらだよ、気にすんなってぇ」
澪「まったく…漫画のキャラに例えるなんて下らないぞ……」
よくじつ!!
澪「律……私の名前を言ってみろ」
律「は?」
澪「私の名前を言ってみろぉ~~~~っ!!」ブンブンッ
律「ぐぇっく、くるじぃ~、くっ首っ!首が締まってっギブギブッ!!」パンパンッ
澪「この傷を見てもまだ分からないのか~~~っ!?」
律「ゲホッ…傷なんてねーだろ!いきなり何言ってんだお前は!?」
澪「こっちの台詞だ!昨日気になってちょっと読んでみたら何なんだよあのジャギっていうのはっ!?人間のクズじゃないかっ!!」
律「あ、読んだんだ…北斗の拳…」
澪「…」コクコク
律「っつーかあれに出てくるヤツらなんてほとんどがクズばっかりだろ?そんなんでいちいちトチ狂ってんじゃねーや!」
澪「もっと良いキャラもいるだろ!?レイとかシュウとかシンとか…なんでよりによって私がジャギなんだよ!納得いかないぞっ!!」
律「あー分かった分かった、じゃぁシンあたりにしといてやるからさ…しかし澪まで北斗の拳にハマるとはなぁ…」
澪「うっ…別にハマってなんかいないぞ…ちょっと読んでみただけだ……」
律「その割にはやたらとキャラに詳しくなってそーだけど?」
澪「べ、別にいいだろ…それで律にちょっと頼みがあるんだ」
律「なんだよ?」
澪「…私は北斗の拳をまだ途中までしか読んでいないんだ、本屋に行ってもそこから先は売り切れで…律は全巻持ってるんだろ?貸してもらえないか?」
律「…(やっぱハマってんじゃん)あ、あー…わりぃ、ちょうど唯に貸してる所でさぁ」
澪「そ、そうか…なら仕方がないな、じゃあ唯が読み終わったら次は絶対私に貸してくれよ!?絶対だぞっ!!」
律「あー、はいはい分かった分かった」
ひらさわけ!!
ガチャ
キィ
憂「お姉ちゃん入るよ~」
唯「あ、憂~♪」
憂「また読んでるの?それ」
唯「うんっ面白くってさぁついつい~、でへへ」
憂「…でもそれって核戦争後の世界が舞台のお話なんでしょ?なんだか怖いよ」
唯「ん~…でも漫画だし憂が思ってるほど怖くないよ~、男と男の熱い魂のぶつかり合いがテーマの漫画なんだよっ!」
憂「へ~、そうなんだ」
唯「うん、だから憂が思ってるほど怖くないよ?それに~」
憂「それに?」
唯「私も一度はこういう荒んだ世界を体験してみたいな~なんて、えへへっ」
憂「ふ~ん……」
よくじつ!!
大統領「ええい!侵入者はまだ捕まらんのかっ!?」
側近「敵、以前接近中!各部隊対応しておりますが、捉えきれません!」
大統領「く…っこのホワイトハウスに単独で攻め入るとはヤツは何が目的なんだ!?」
側近「SAT部隊全滅しました!」
大統領「ぜ、全滅?精鋭12個小隊のSATが全滅?3分もたたずにか?」
側近「は、はい」
大統領「たかが女子高生1人に我が国の精鋭部隊が全滅…ば、化け物か!?」
?「オタオタとうろたえおって…一国の大統領ともあろう者が情けねえェッッッ!!」
大統領「ッ!?ッオーガッッッッッ!!」
グニャ~
オーガと呼ばれた男「エフッエフッ!まだ見ぬ名も知らぬ女よ…よくぞそこまで辿り着いた…キサマのその克己心に愛すら感じるッッッ!」
ドガシャアッ!
大統領「鋼鉄で出来た厚さ300cmの強化扉を破壊して飛び出して行くとは……恐ろしさと同時に頼もしさを感じるよ…グッドラック!オーガ」
ガチャ
キィ
大統領「む?戻ったかねオーガ、行って即終わらせてくるとは、さすがはオーガとしか言えなっっっ!?」
憂「あの~」
大統領「ヒィィィッ!」
憂「夜分遅くにすみません、お邪魔致します」
大統領「バ、バカなっ!?オーガは?オーガはどうしたッッ!?」
憂「あ、この人ですか?すみません、この人こうでもしないと通してくれそうになくて…」ブランッ
大統領「E~~~~~~ッ!それはオーガの生首ッ!?」
憂「ご迷惑だったかと思いますが、私はどうしてもここでやらなくてはいけない事があるので…」スタスタ
大統領「SHIIIIIITッ!そ、そっちには核ミサイル発射スイッチが…っな、何をする気だっ!?」
憂「すみません、私も本当はやりたくはないんですけど…お姉ちゃんが望んだ事なので…世界中の人達には申し訳ないんですけど…」
大統領「やめろーーーーーっ!!!」
憂「お姉ちゃんの望みが私の全てなので……世界中の皆さん、ごめんなさい」ポチッ
チュドォォォォンッ
西暦20XX年、世界は核の炎に包まれた。
おわり
最終更新:2010年10月12日 20:55