唯「……これで新しいの買ってきていいよ~」

幼女「千円!?くれるの!?」

唯「…うん!」

幼女「やったぁ!ありがとうお姉ちゃん!」

唯「私はもう死んじ」幼女「またね~!!」

唯「…」

唯「…」ぽろ

憂(お姉ちゃんが笑顔で泣いてる!)

唯「死のう」

憂(お姉ちゃんがさっきの横断歩道に向かってる)

唯「…ふ~」

唯「生きるのに疲れた」

唯「…ギー太も連れてくれば良かったなぁ」

唯「ういにも見放されちゃったし」

唯「今わたしが死んでもきっと誰も悲しまないよ」

唯「死のう」

唯「…」

唯「あのトラックが来る瞬間に飛び降りよう」

唯「…」

唯「…ぁぁ」

唯「怖い」

唯「ってだめだめ!絶対に死んでやる!」

唯「いち、に、」

憂「!?」

唯「さんっで飛び込もう」

憂「…」

唯「いち」

憂「…」そっ

唯「にっ」

憂「…」

唯「さんっ」

憂「だめっ!」がしっ

唯「!?」

憂「だめ」

唯「え、え?」

憂「それはだめだよ、お姉ちゃん」

唯「…」

憂「…」

唯「あぁもお!せっかく死ぬところだったのにー!!」

憂「死んじゃだめ」

唯「死ぬ」

憂「だめ」

唯「むぅ…」

憂「…」

唯「…」

唯「すきあり!」ばっ

憂「めっ」がしっ

唯「くぅ…」ぐすん

憂「お姉ちゃん死んじゃだめ」

唯「なんでぇ」

憂「死んでいい命なんて無いの!」

唯「ぅぅ…」

憂「お姉ちゃんが死んだら日本のGDPは減少しちゃうんだよ?」

唯「…」

憂「お姉ちゃんが死んだらお葬式しなくちゃいけないしお葬式をするには多額の」唯「うわあああああああああ!」

憂「だから死んじゃだめ…」

唯「はぁ…はぁ…」

憂「だからおうちに帰ろう?」

唯「…」じろ

憂「お姉ちゃん?」

唯「…ういを殺して私も死ぬ」

憂「!?」

唯「もうムリ……あああああああああああ」がしっ

憂「お、おね…」こほっ

唯「ういぃ…ふふ、楽にしてあげよう」

憂「やめ…苦し」

唯「ふん!」ぎゅっ

憂「」どたっ

唯「……ふふ、ういをやっつけた、あは」

唯「…これでもう後には戻れないよ私」

唯「さぁ飛び降りよう」

唯「…」

唯「怖くない怖くない」

唯「…」

唯「怖くないっ!!」のぼりっ

唯「やっと死ねる」

憂「…」がしっ

唯「ああもお!離せ!ばか!」

憂「だから」

唯「私が死んだあとのことなんてどうでもいいもん!離してっばかうい!」

憂「絶対に離さない…」がし

唯「ああああああああああああ」ぐいっ

憂「ううう…」

唯「離してー!!死なせてー!!」ぐす

憂「だめっ」

唯「…ああ!くそお!!」

憂「いい加減にしてよっ!!!お姉ちゃん!!」

唯「え…うい…?」

憂「こんなの…こんなのお姉ちゃんじゃないよ!!」

唯「…わたしは私だよ」

憂「違うっ!!お姉ちゃんはこんなことする人じゃないもん!」

唯「何を言ってるのか」

憂「やめてよ!!」

唯「ういってば」

憂「お姉ちゃん」がしっ

唯「うっ」

憂「これ、見ちゃった」ぺら

唯「わたしの遺言書…」

憂「お姉ちゃん…」ぎゅ

唯「うい…」

憂「もう死ぬなんて言わないで…」

唯「…お葬式しなくちゃいけ」憂「うそだよっ!」

唯「え…」

憂「そんなの嘘に決まってるじゃん!」

唯「どうしてそんな嘘をついたの」

憂「わたしなりの冗談のつもりで…」

唯「そうだったの…」

憂「お姉ちゃんなら笑ってすぐ戻ってきてくれると思って」ぐす

唯「…」

憂「しかも私お姉ちゃんのことずっと見てたし」

唯「…え」

憂「でもね、おばあさんの荷物持ってあげたり、女の子にお金あげたり、やっぱりお姉ちゃんはお姉ちゃんだったよ」

唯「ぅぅ…」

憂「お姉ちゃんは悪者になんてなれないよ」

唯「うわああああん」ぽろぽろ

憂「泣かないでお姉ちゃん…」ぐす

唯「ういもだよ…」

憂「えへへ…」ふきっ

唯「…」ぐす

憂「お姉ちゃん」

唯「でも」

憂「…?」

唯「わたし皆から嫌われちゃったし、みんなに死ぬって言っちゃったし」ぐすん

憂「…」

唯「もう戻れないよ…うい、さっきはごめんね」

憂「わたしは全然…それにお姉ちゃん、ほら」

唯「これは」

憂「お姉ちゃんの携帯。お姉ちゃんがコンビニの前で落としたんだよ」

唯「…着信6件、未読5件」

憂「けいおん部の皆さんもお姉ちゃんのこと心配してるし…」

唯「みんなぁ…」ぱかっ


着信16:31 秋山澪
着信16:34 秋山澪
着信17:30 秋山澪
着信17:32 秋山澪
着信17:33 秋山澪

唯「澪ちゃん…」


憂「め、メールは皆さんから来てると思うよ」

唯「うん…」ぴっぴ


16:32
from澪ちゃん
唯、さっきはごめん。悪気があってやったわけじゃないんだ


16:35
from澪ちゃん
唯、本当にごめん。許してくれ


16:37
from澪ちゃん
本当にごめん。唯、返事してくれ


17:31
from澪ちゃん
唯?大丈夫だよな?


17:35
from澪ちゃん
本当にごめん。痛かったよな。私が悪かった。
何でもするから許して…


憂「…」

唯「…」

憂「…えっと」

唯「…ぷっ」

憂「…えへへ」

唯「澪ちゃん面白い…くく」

憂「ふふ」

唯「あははww」

憂「良かったぁ…」

唯「あ、澪ちゃんにお返事しないと」

憂「うん!」

唯「わたしは大丈夫だよ、怒ってないよ、塾頑張ってね…っと」ぴっぴ

憂「えへへ…」

唯「あっ」

憂「?」

唯「…和ちゃんに嫌われちゃったんだ」シュン

憂「え?どうして」

唯「電話も通じないの」

憂「え…」

唯「わたし和ちゃんになんか悪いことしたかなぁ」

憂「そんなことは…私もかけてみるね」

唯「え…いいよぉ、やめてよ」

憂「ううん、和ちゃんも着信拒否するのは酷いと思う!」

唯「うん…」シュン

憂「えっと、和ちゃん」ぴっぴ

携帯「…おかけになった番号は現在使われておりません」

憂「…」

和「唯、憂?こんなところで何してんのよ」

唯「うっ…和ちゃん」

憂「和ちゃん!」


和「ん?何してるの?」

唯「え、えっとですね~」

和「なんで敬語なのよ」

憂「和ちゃん……その」

和「なに?」

唯「ごめんなさいっ」ぺこ

憂「わたしも…」ぺこ

和「なに、なにがあったの」

唯「和ちゃ~ん…」ぎゅ

和「って、一から話してよ、何が何なのかよく分からないわ」

憂「携帯の…電話が」

和「携帯電話?」

唯「着信拒否にはしないでぇ」

和「…ああ」

憂「和ちゃん…」

和「ほら、これ」

唯「え!?新しい携帯」

和「そう。家族で携帯変えてきたところなのよ」

憂「えっ、でも番号はそのままでできるんじゃないの?」

和「親が料金払い忘れててね…困るわよね」

唯「…なんだぁ」

憂「じゃあ着信拒否じゃ」

和「そんなのするわけないじゃない、ましてや唯と憂に」

憂「和ちゃーん!!」ぎゅ

和「わっ…」

唯「うひひ…」にや

和「ちょ…もうやめてよ、抱きついてこないでよ」

唯「和ちゃ~ん!!」ばっ

和「って…もうすぐ抱きついてくるんだから」

憂「えへへ~…」

唯「ん~」すりすり

ぱた

和「あら?何か落ちたよ」

憂「あっ」

和「『遺言状』?なにこれ」ひらきっ

唯「ああっ、和ちゃんだめ~!」

和「なになに…」



憂、お母さんお父さん和ちゃんりっちゃん澪ちゃんムギちゃんあずにゃん、
クラスのみんな、世界中の人みーんなが幸せに暮らせますように!!
平沢唯


和「…これが遺言状?」

唯「見ないでって言ったのにぃ…」ぷんすか

憂「お姉ちゃんらしいよねぇ」にこ

和「確かに。実に唯らしいわ」

唯「自由に書いていいって説明書に書いてあったもん」

和「そうなんだ。…って、でもなんで遺言状を?」

唯「ふふ、それは内緒だよ!ねー、うい!」

憂「うん!和ちゃんごめんね」

和「なんなんだか。ふふ、まあいいわ、帰りましょう」

唯憂「うんっ!!」

和「なんで横断歩道にいるのかも分からないけど…」

唯「細かいことはいいのだよ、和ちゃん」

憂「うん♪あ、お姉ちゃん、今日のお夕飯はハンバーグだよ!」

唯「おお!さすがうい!…私も手伝うよ!」

憂「えへへ、うん!一緒にやろっか!」

唯「骨が鳴るね~、楽しみ」

和「腕が鳴る、じゃないの?」

憂「細かいことはいいんだよ、和ちゃん♪」

和「まったく…」

唯「よぉし!帰ろー!」

憂「おー!」



おわり



最終更新:2010年10月13日 22:17