唯「や、やめてよ憂!!!そんな冗談!!!!!」

憂『晩御飯までには帰ってこれるよう、すぐに済ませてくるよ

  だから安心して待っててね! お姉ちゃん!』 スタタタ…

唯「憂、待っ!!

ガチャ バタン

唯「憂ぃっ!!」



唯「わ…私のせいで…

  憂が…… あずにゃんが……っ!」 

唯「こうしちゃいられないよ……早くあずにゃんの所に……」

ジャラ ジャラ

唯「だ、駄目だ…とれない……」


唯「そうだ!携帯!」

ゴソゴソ

唯「あ、あれ…無い!?」

唯「憂が持って行っちゃったんだ………」

唯「どうしよう…」 メソメソ



薄暗い通り道!


梓「…」 テクテク


梓「はぁ…」


梓「なんか あっさり解決しちゃったな」


梓「…」


梓「憂の様子がおかしかったのは…

  あまり唯先輩に構ってもらえなかったから寂しかった…って話だけど」


梓「でも…何かが引っ掛かるんだよね…

  空き教室での…あの憂の態度……」


梓「こんなあっさり解決しちゃう程度の話じゃあなかったと思うんだけど…」


梓「…」


梓「…私ったら……嫌な子…」


梓「律先輩たちにも確認取ったからちゃんと解決したに決まってるし!

  友達が何ともなかったんだから喜ぶべきじゃない!」 ブンブン


梓「友達…か…」


梓「私も…最近全然憂と遊んでなかった…

  寂しかったって言うのは…私のせいでもあるよね……

  ……明日、憂が謝ってきた時は私もあやまらなきゃ……」


ブー ブー

梓「あ、メールだ…」 カチャ ポチポチ

梓「唯先輩から?」

[From]唯センパイ
[Sub]あずにゃんへ
===========

あずにゃん ごめんね←┘

←┘
←┘
←┘


梓「…?」


[From]唯センパイ
[Sub]あずにゃんへ
===========

あずにゃん ごめんね←┘

←┘
←┘

←┘
←┘
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←┘
←┘           ブゥン
←┘
←┘
死んで             憂『死んで』



梓「っ!」 バッ

スカッ

憂『えっ』

梓「…う…い…?」

憂『梓ちゃん、すっごーい!!

  今の避けちゃうんだ!!はは 凄いね!!

  流石はケイオンジャーってところかな?』

チャキ キラッ

梓「包…丁……」

憂『うん、そうだよ

  喜んでよ、梓ちゃん 梓ちゃんのためにしっかり砥いできたんだから!

  とっても切れ味が良い筈だよ』 ニコッ

梓「…っ」 バク バク

憂『…? 梓ちゃん?』

梓(刺さってた… 後一秒でも反応するのが遅れてたら…刺されてたっ!!)

梓(今回の話はまだ全然解決してない…!

  だって憂は…憂はまだ…こんなにも本気だから……!!)

梓「はぁ… はぁ…」 ガクガク

憂『…梓ちゃん 震えてるの?

  そっかー ケイオンジャーでも包丁は怖いんだね』

梓「…」 ガクガク

憂『安心したよ』 ニコッ

梓「…」 ガクガク

憂『怪人にも対抗するケイオンジャーだけど…

  これが怖いって事は……刺せば死ぬって事だもんね』

梓(包丁が怖い?)

梓(そうじゃない…怖いのは…)

梓「…」

憂『それじゃあ次行くよ、梓ちゃん』

チャキッ

梓「…うぅ」 ポロ ポロ

憂『あれ?  梓ちゃん泣いてるの?』

梓「もう…嫌だよ」

憂『嫌? ああ… やっぱり死ぬのは嫌?

  私は有機生命体の死の概念が理解できないけど…なんてね

  嫌がっても駄目だよ梓ちゃん… お姉ちゃんのために…梓ちゃんは殺さなきゃ』

梓「もう嫌だよ憂!」

憂『!』

梓「ねえ憂… もうこんな事やめよう?

  私は…私は憂と戦いたくないよっ!!!」 ポロ ポロ

憂『…梓ちゃん……』

梓「憂…」

憂『…』



憂『あは♪』

憂『あはっ あはははははっ!!

  あはははははははっ!!!!

  アハハハハハ!!!

  アハ!!!!!!

  アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \!!!!!!!!!』

梓「…憂……」

憂『お、おかしっ…アハハ

  ご、ごめんね 梓ちゃん 笑ったりして ははっ』

梓「…」

憂『ふぅ…』

梓「…」

憂『梓ちゃん可愛いね』

梓「えっ」

憂『うん、可愛いよ梓ちゃんは…

  正直嬉しいなあ 梓ちゃんがそんなに私の事思ってくれてたなんて』

梓「憂?」

憂『もう困っちゃうよ…戦いたくないだなんて…

  そんな悲しそうな顔でお願いされたら…


  もっと虐めたくなるよ』 ニコリッ

梓「…っ …憂!」

憂『手遅れだよ、梓ちゃん』

梓「…」

憂『昔の私なら… 梓ちゃんの言葉に心打たれてたと思うよ?』

梓「…」

憂『でも私ね これからは自分の気持ちに正直に生きる事にしたから』 

梓「…」

憂『私にとって お姉ちゃんはすっごく大切な存在なの

  梓ちゃんも知ってるよね?』

梓「…」

憂『だから…何としても取り戻さなきゃ』 チャキッ

梓「…」

憂『私の大切な人をっ』 キッ

梓「…そっか わかったよ憂の気持ちは…」

憂『わかってくれるんだね』


梓「だったら 私も手加減はしないっ!!

  何としても憂を止めてみせる!!」

憂『アハ♪ そっかー! じゃあ私も本気で[ピーーー]ね!

  それじゃあ行くよ、梓ちゃん!』 チャキッ



唯の家!

唯「うぅ…うぅ…」 ガリガリ

ジャラジャラ

唯「とれないよぉ…」 ポロポロ


唯「…」

唯「はっ!そうだ…!ケイオンジャーの力を使えば

  この手錠も引き千切れるかも!」

唯「よぉし!やっるぞー!」


唯「変身!」


シーン…


唯「…」

唯「は、はれ?」

唯「し、失敗?」

唯「変身!」

シーン…

唯「…」

唯「はっ!!!そうだ! 私、部屋着に着替えてたんだったっ!!」

唯「制服に着替えないとっ…」 スタッ ジャラッ

ビターン!

唯「いてっ!」

唯「…手錠が…」

唯「…」

唯「えっと…」

唯「手錠を壊すには ケイオンジャーにならないとダメ…」

唯「ケイオンジャーに変身するには 制服に着替えないとダメ…」

唯「制服に着替えるには 手錠を壊さないとダメ…」

唯「……」

唯「うぅ…一体どうすればいいかぁ…」 ポロ ポロ

唯「だめだよ……私にはどうしようもないよ……」 ポロ ポロ

唯「憂が大変な事になって…あずにゃんが危ないのに……」 グスグス

唯「私には何にもできる事なんてないんだよぉ…」 メソメソ

唯「うわぁあああん!!」



「お姉ちゃん!」
           「唯先輩!」


唯「…ぐすっ」

唯「…」 ゴシゴシ

唯「……諦めちゃダメだ」

唯「憂は私の大切な妹で… あずにゃんは私の大切な後輩…」

唯「私… 私は…」

唯「二人を助けたいっ!!」


キラキラキラー


……

ブンッ!

梓「…っ!」 サッ

憂『本当によく避けるよね…次はどう?!』

ブンッ!

梓「くっ…」 ゴロッ ササッ

憂『はは 梓ちゃん、本当にゴキブリみたいだよ!』

梓「うるさい!」


梓「へんし…

ブンッ

梓「っ!!」 サッ

憂『ハハハハハ!! 楽しいね!! 梓ちゃん!!!!』


梓(攻撃の手が早くてケイオンジャーに変身する暇がない…)

憂『…どうしたの梓ちゃん 手加減はしないんじゃなかったの?』 クスクス

梓「……してないよ!」

憂『そう、じゃあ次行っても問題ないよね?』 チャキッ


ブンッ
         サッ

ブンッ
         サササッ

ブンッ

梓「っ…」 ヨロッ

梓「あ…しまっ…!!」

ストン

梓(は、早く立ち上がらないとっ…!)

スッ

梓「!」

憂『ああーあ 鬼ごっこもお終いだね』

憂『それじゃあ、死んでね』 ニコッ

梓(避けられない…!)

ブンッ

梓(…!) ギュッ



唯「待って!!!!」

憂『!!!』

梓「! 唯先輩!?」

唯「大丈夫?あずにゃん!」

憂『嘘……お姉ちゃん???どうしてここに…???』

唯「ケイオンジャーの力を使えば手錠もこの通りだよ!」 ブイッ

手錠 ヘニャ

憂『そ、そんなっ!』

梓(て言うか…手錠って)


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最終更新:2010年10月15日 20:12