……

保健室!

ガララッ

唯「失礼しまーす」

和「唯!!」

唯「あ、和ちゃん!」

和「あんた大丈夫だったの!? 怪我は無い!?」

唯「だ、大丈夫だよ~」

和「そう……良かった…」 ホッ

唯「和ちゃん大袈裟だよ~」

和「なっ 大袈裟じゃないわよ!! あのロボットあんた達のでしょ!

  あんなのが崩れたのを見たら…もしかしたら唯達に何かあったんじゃないかって思うじゃない…っ!!」

唯「和ちゃん…」

和「あんまり心配させないでよ…」

唯「ご、ごめんね…和ちゃん…」

和「……まあいいわ、許してあげる…ちゃんと無事に帰ってきたものね」

唯「和ちゃん!!ありがと~!!」 ギューッ

和「はいはい、所で憂は?」 ポン ポン


紬「ここで~す」 ヨイショ ヨイショ

憂「…」 スヤスヤ

和「憂! 大丈夫…って寝てるのね」

律「怪我とかは無いはずだけど…色々あってさ…きっと疲れてるんだよ」

憂「……」 パチクリ

紬「! 起きたのかしら」

和「! 憂」

憂「和ちゃん…おはよぉ」 ニヘラ

和「もう、のん気に笑ってる場合じゃあ無いでしょ? 具合は?」

憂「うん…大丈夫だよ ちょっと疲れがあるけど…それだけだから」

和「そう… 大丈夫そうね… だったらベッドでしばらく…

唯梓「憂っ!!!」

憂「お姉ちゃん……梓ちゃん……」

憂 ウルウル

憂「ごめんね、いっぱい迷惑かけて…ごめんね」 ウルウル

梓「もう!!だから、何回も謝らなくていいの!!友達でしょ!!」

唯「そうだよ!迷惑だっていっぱいかけていいんだよ!!私は憂のお姉ちゃんなんだからね!」

憂「お姉ちゃん…ありがとう…梓ちゃん…ありがとう…グスッ」

和「ほら、2人とも 憂が心配なのはわかるけど… 今は寝かせてあげなさい」

梓「…はい」

唯「…うん」

唯「うい~、ゆっくり寝て 早く元気になるんだよ~」 ニコッ

憂「…うん!」 ニコッ

和「ムギ、ベッドまで運ぶの手伝ってくれる?」

紬「ええ!任せて!」 ヨイショ ヨイショ

憂「紬さん…ありがとうございます… 和ちゃんも… ありがとう

  皆さんも… ありがとうございました」 ニコッ

律「いやいやぁ、どういたしまして」

澪「早く元気になりなよ」

和「皆、心配してるんだから…今はしっかり休んでなさい」

憂「うん……すぅ」

憂「…」 スヤスヤ


澪「憂ちゃん…寝たな」

紬「そうね…

  ……それじゃあ澪ちゃん…あの後何があったか話してくれる?」

和「私も聞かせてもらってもいいかしら」

澪「ああ、 実は……


………


和「そう、そんな事があったの…」

唯「む、昔のケイオンジャー…」

紬「その人が今回の騒動に関わってたのね…」

律「ああ…」

唯「毒だなんて… あずにゃん… 本当に大丈夫?」

梓「あ、はい 今は全然平気です」

紬「…川上さんって言うと…あのライブハウスのマネージャーさんよね?」

澪「うん…」

唯「あ、さわちゃんと同じ軽音部にいた人か!」

澪「…」

律「…」

梓「…」

和「! それであんた達……」

唯「ほぇ?」

澪「ああ…昔のさわ子先生の時代のケイオンジャーが関わってたんだ…

  だから…たぶん…今回の騒動について…

  さわ子先生は絶対何か知ってる……!」

唯「!」

澪「…今思えば……さわ子先生ずっと様子がおかしかったんだ…

  いつもなら率先して怪人退治に行くように促すのに…

  今回は全然いつものやる気がなかったって言うか…」

唯「えっ…」

澪「それに……川上さんが…ケイオンジャーになった事だって考えてみればおかしい…」

律「? どういう事だ…?」

澪「さわ子先生が言ってたケイオンジャーになれる条件、覚えてるか?」

梓「えっと『高校生くらいの音楽が好きな女子』でしたっけ?」

紬「つまり 川上さんが条件に当てはまらない…って事?」

唯「はっ! 年がっ!」

律「……それ、本人の前では言うなよ

  条件に当てはまらないのは……さわちゃんが条件を間違えて覚えてたって事もあるんじゃないか…?」

澪「ああ、そうとも考えられる…

  でも本当の条件を隠してたってこともあり得るんじゃないか?」

律「…そんなの何のために…」


澪「さわ子先生……本当はケイオンジャーになれるんじゃないか?」

唯律梓紬「!」

澪「川上さんがなれるんだ、さわ子先生がなれたっておかしくないだろ?

  ケイオンジャーになれるのを隠すために私達には偽の条件を教えた……とも考えられる」

和「……でも、その場合だとどうして隠していたのか疑問が残るわね

  それに、もしかしたら間違った条件を鵜呑みにしてて、変身しようとすら思わなかったのかもしれないし…

  あるいは別の条件のせいで変身できないのかもしれない…

  あなた達に嘘をつくつもりなんて無かったのかもしれないわ」

澪「かもしれない…

  でも……それだけじゃない… 川上さん…私達の必殺技の事まで知ってたんだよ…」

梓「そ、そう言えば」

澪「それって誰かに聞いたって事だと思うんだ…

  私達の必殺技の事についてよく知ってる誰かに…」

和「……今までのあなた達の戦いを見て自分で調べたのかもしれないわ」

澪「…それもそうかも……だけど」


( 最後に、忠告だけしておいてあげようと思ってね

   ……きっとあなた達は答えに気付いてると思うし、あの子自身から聞きたい事もあると思う

          でも、近づくのは止めておいた方がいいわね 今のあなた達じゃあ力不足だから)

澪「だけど…」

澪「…さわ子先生はきっと何か知ってる筈なんだ……」

澪「…」

律「…澪」


澪「だからさ…私… 今から さわ子先生に今回の事について聞きに行こうと思う…」

唯梓紬「!」


紬「で、でもそれって危険じゃないかしら…」

梓「き、危険って……そんな事は……」

紬「だって…昔のケイオンジャーが憂ちゃんに怪人の力を与えた犯人に関わってるなら… さわ子先生も……」

梓「い、意外に さわ子先生 今回の事については何も……知らないかも……なんて……」


澪「…それを確かめに行くんだ」

唯「澪ちゃん…」

澪「それに… さわ子先生が何も知らなくて…今回の騒動の事がわからなかったとしても…

  少なくとも… 昔のケイオンジャーについてわかる事はあるはずだしな」

律「…」


律「…わかった、私も行く」

澪「律…」

紬「りっちゃん…」

律「確かに危険かもしれないけどさ、2人で行けば…大丈夫だ!

  もし、例え、何があったとしても! こっちはケイオンジャー2人だっ!だから大丈夫!」

澪「律…… ああ!」

梓「クスッ… でもそう言って さっきは1対2で逃げられてたじゃないですか」

律「うっ…

  …そ、そう言う梓ちゃ~んが一番最初にやられてましたけど~」

梓「う、うるさいです!!」

梓「…」

梓「…私も行きます」

律「梓…」

梓「今度は「ここに残れ」とか言いませんよね、律先輩? また留守番は嫌です」

澪「でもいいのか? 梓が一番疲れて…」

梓「そんなの誰かに負ぶられてたおかげで吹っ飛びました!」 フンスッ

律「誰かって誰かはっきり言え!

  まあいっか、それなら 梓!お前もついてこい!」

梓「はいっ!」


紬「りっちゃん…」

律「ムギ…悪い!危険かもしれないけど私達は

紬「ずるい!!」

律「えっ」

紬「私も皆と一緒に行きたいっ!!」

律「ああ…うん、そうだな」

紬「もちろん、いいよね!!」 フンスッ

律「……構わん!!死なばもろともだ!!!」

梓「使い方間違ってますし、死んじゃダメですよ?!」

澪(私が言い出したことなのに… いつの間にか律が仕切ってる…)

律「…唯、唯はどうする?」

唯「私は…」

唯 チラッ


憂「…お姉ちゃん」 スヤスヤ

唯(…憂)

梓(憂……

  今まで寝言が全部「お姉ちゃん」なんだけど…本当どんだけシスコンなのよ)


澪「…やっぱり憂ちゃんの事が心配か?」

唯「…うん、私も皆と行きたい…

  さわちゃんが嘘をついてるなら…何か隠してるなら…本当の事を聞きたい… けど…」


律「…唯」

梓「唯先輩…」



和「行ってきなさい、唯」

唯「和ちゃん…」

和「憂の事なら私がちゃんと見てるから心配しなくてもいいの」

唯「うん…」

和「…」

唯「…」

和「ほら、しっかりしなさい!唯!」

唯「ほぇ」

和「先生と話して問題が解決したら、いつもの笑顔でちゃんと帰ってくるのよ

  アンタがそんな元気の無い顔してたら憂が起きた時、心配するでしょ」

唯「…うん!そうだよね、憂にまた心配かけたりできないよね」 ゴシゴシ

和「そうよ、まったく」

唯「和ちゃん…ありがとう!憂の事お願いするね!」

和「ええ、任されたわ」

唯「りっちゃん!私も行くよ!!」

澪「やれやれ 結局5人とも行くことになったな」

梓「なんとなくそんな気はしてましたけどね」

律「おう!やっぱり私らは5人揃ってケイオンジャーだしな!」

澪「ああ!」

紬「ええ!」

梓「はい!」

唯「うん!!」


律「それじゃあ!

  さわちゃんを ちょーっと 問い詰めに行くぜっ!!!

  ケイオンジャー!!出動だ!!!!」

唯澪紬梓「おーっ!!!」


和(みんな… 頑張って)

階段!

  ゴ         ゴ
    ゴ     ゴ   ゴ
      ゴゴゴ      ゴ
                 ゴ…ッ!!


唯「…」 ゴクリ

梓「な、なんだか…いつも部室に向かう階段が

  すごく威圧感を放っているような…」

律「っつ、っつーか…部室から…か?」

紬「い、いつもこんな感じだったかしら…」

澪「そ、そんな事は…なかっただろ…」 ガクガク

律「は、ハハ 澪、ビビりすぎだろ」 ブルブル

澪「り、りりり 律だってぇ…」 ガクガク

律「こ、これは武者震いだ」


律「だぁあああっ!!!!

  …こんな所でウジウジしてても仕方ない!!

  覚悟決めて行くぞっ!! 突撃っ、ケイオンジャー!!!!!」

唯梓紬澪「お、おおっ!!」



ぶしつ!


ガチャ!

律「たのもぉおおっ!!!!」

澪「な、なんで道場破りなんだ?!」

律「雰囲気でるだろっ!」

ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド!!


さわ子「…」


唯「…さ、さわちゃん」

紬「さわ子先生…?」


さわ子「あなた達…」 ゴォオオオ!


澪「ひっ…」

梓「うっ…」


さわ子「こんな時間にどうしたの?」 キョトン

律「へ」

さわ子「もう、下校時刻はとっくに過ぎてるわよ?」


律「えっと、いやあ あの…」

澪「あ、あの!実はこ、今回の事で…

  さ、さささわ子先生に き、聞きたい事が……あって」 ボソボソ


さわ子「今回?ああ、憂ちゃんの事?」


紬「!!」

梓「さわ子先生やっぱり!」


さわ子「唯ちゃんから梓ちゃんに連絡が来て、解決したんじゃ無かったの?」


梓「え」

律「…梓」

梓「あ、ああそう言えば…唯先輩から電話が来て…帰るときにそんな話もしたような…」


さわ子「って…唯ちゃんもいるじゃない… 憂ちゃんが待ってるから早く帰るって言ってなかった?

     あら… そう言えば…憂ちゃん、大丈夫だったの?」


唯「ほぇ」

律「…さわ子先生、 も、もしかして今回の話の流れ知らない?」


さわ子「流れって何が?」 キョトン

律 ガクッ

律「なんだよー、 結局澪の考えすぎだったんじゃ…」

澪「…」

律「澪?」

紬「澪ちゃん?」


澪「先生、今までどちらに居られたんですか?」

梓「? 澪先輩?」


さわ子「? あなた達が帰ってからずっとここに居たけど…」

澪「そうですか…ありがとうございます」

さわ子「? それが…?」

澪「さわ子先生」

さわ子「へ」


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最終更新:2010年10月15日 20:52