校庭!


タッタッタッタ


唯「…皆を守るため…のはずが 私達…何時の間にか守られちゃってたね…」 タッタッタ

澪「ああ……私達は1人じゃない…」

紬「一緒に戦ってくれる皆がいる…」

律「そして…守りたい皆がいる…」

梓「この戦い負けられません… 絶対にさわ子先生を止めて見せます!」


律「ああ!! この校庭を抜けたら… 講堂までもうすぐ…」


ゴロゴロゴロ…

紬「? 雲…?」


ピッシャアアアンッ!!!!!!!!


唯澪紬律梓「!!?!?!!?!?!」


律「ら、落雷…!?!」

澪「コワイコワイコワイコワイコワイ…」 ガクガクブルブル

唯「!! あそこに… 誰かいる!!!」


???「まさか…ここまで来るなんてね」

梓「あ、あなたはっ!!」





紀美「 ク リ ス テ ィ ー ナ だ ! ! ! 」    ゴロゴロ  ピッシャーン!!!!!


紬「ら、落雷をバックに登場!?!」

律「は、派手だっ!!」


紀美「ふふっ… ん?」


澪「コワイコワイコワイコワイコワイコワイ…」 ガクブル

紀美「ごめん、またびっくりさせすぎた?」

律「いやあ、やっぱり何時もの事なんで」


紀美「そう…ならいっか

    …久しぶりね、現軽音部のみんな」

紬「久しぶりです、紀美さん… 結婚式の時のライブ以来…」

梓「でも… 再会を喜べそうにないですね…」

律「紀美さんがケイオンジャーの格好で…

  そこにいるって事は… つまりそう言うことですよね」


紀美「うん、まあね… 話が早くて助かるわ

    私はさわ子の味方 貴方達の敵ってわけよ」

唯「! ……」

澪「コワイコワイコワイコワイコワイコワイ…」 ガクガクブルブル

紀美「… それにしても… 

    メガネの子に忠告したはずだけどね 保健室から出るなって」


紬「! やっぱり…私達を保健室に運んで… 食事を運んでくれたのも紀美さん!」

紀美「まあね」

唯「私達を運んでくれてありがと~

  あ、後 おでんとっても美味しかったです!!ありがとうございます!!」 ペコリ

紀美(…はぁ、この状況でお礼だなんて…)

紀美「どういたしまして」


紀美「それで、あなた達はどうしてここにいるの?」


律「どうしてここにいるのか? 決まってるだろ!」

唯「私達はさわちゃんを止めに来たんだよ!!」


紀美「さわ子を…止めに?」

紀美「ふっふ… あっはっはっは!」

紀美「それは愉快な話ね!」 ニコニコ

唯「えへへ~」 ニコッ


紀美「舐めてんじゃないわよ、ガキんちょ」

唯「へっ?」


紀美「あなた達が さわ子を止める?

    ケイオンジャーにも変身もできないのに?どうやって?」

唯「は、話し合いで…」

紀美「…ふざけてんの?」

梓「ふざけてませんっ!!私達は真面目に…」

紀美「それがふざけてるって言ってるのよ!」

梓「ひっ」


紀美「……さわ子は本気よ

    本気で この学校を支配して作り変えようだなんて馬鹿げた事考えてる」

律「! 馬鹿げてるってわかってるなら…なんで止めない!」

紀美「……本気だからよ」

唯「本気…?」

紀美「そう、本気だから止められない

    少なくとも「お話しましょ☆」なんて甘ったれで平和な解決法じゃあね」


紀美「ちなみに どのくらい本気かって言うと 私達の意見にも耳を貸さずに

    教え子の妹を弄って それであなた達に嫌われても構わないってくらい本気」

唯律梓紬「…」

紀美「わかったらお家に帰りなさい 今なら見なかったことにしてあげるし

    あなた達には手を出さないように取り計らってあげても」

唯「嫌っ!」

紀美「………わからない子ね」


紀美「だったらどうするの?

    さわ子は今更あなた達の言葉を聞いて、簡単に考えを改めたりしないわよ

    そうなればもう力ずくで止めるしか無いでしょうが

    その時はどうするの? 何の力も無いただの女子高生に何ができるって言うわけ?」

律「ただの女子高生じゃない…」

紀美「?」

梓「私達はケイオンジャーですっ!!!」

紬「そしてさわ子先生の教え子だからっ!!!!」

唯「そうだよ、何もできないなんて事はないよ!!!

  それにやってもいないのに…諦めることなんてできないっ!!!!!」


紀美「…あなた達も本気って訳?」

律「ああっ!!」

紀美「…そっちで震えてる子も?」

澪「…あ、当たり前だっ…!」 ガクガク

律「澪…」


紀美「はぁ… 参るわね…

    さわ子にしても あなた達にしても… 人の忠告を聞こうとしないんだから

    そうなればもう…


    力ずくで止めるしかないわよねえっ!!!!!!」 ギュイイイイイイイイン


唯律澪紬梓「!!!」


紀美 バチバチバチバチッ!!!

律「な、なんだ?!」


紀美「『スパーク』、私の必殺技よ 簡単に言えば体中から電気を発することができる」

澪「! 電気!?」


紀美「そうそう、雷を落す事だってできるわ」 バチバチバチバチッ!!!!

紬「じゃあさっきの雷も…」

梓「紀美さんが!?!」


紀美「…もちろん必殺技だけじゃない

    肉弾戦だってね、自信あるのよ

    現役当時の私はさわ子達を抑えてケイオンジャー最強を誇っていたわ!!」 バチバチバチバチッ!!!

唯「ケイオンジャー…最強…」

紀美「ま、ただの女子高生相手に本気だしたりしないけどね」


紀美「どうする?今なら泣いて謝って逃げ帰るなら 許してあげるけど」

唯「……私達は逃げないよ!」

紀美「そ、ならいいわ 気絶させて…また保健室送りにするまで!!」 バチバチバチバチッ!!!


梓「っ… でもどうしますか…

  正直な所変身できないのに…ケイオンジャーを相手にするのはキツいんじゃ…」

律「…誰かゴム手袋とか持ってるか?」

梓「そう言う問題ですかっ?!」

律「無ければ幻想殺しとかでもいいけど…」

梓「超電磁砲対策!?!」

梓「って!ふざけてる場合じゃ…

バチバチ

律梓「!!!」 バッ

ピッシャーン!!!

梓「で、電撃を放った!?!」 ズザッ

律「あ、あぶねぇ…」 ザァッ


紀美「黒コゲになっちゃうから当てる気はないけど…

    でも…容赦はしないわよ?」 バチバチバチバチッ

律「はは、パルパティーンっかっつーの…」

律(澪は…)

澪「…っ」 ガクガクブルブル

律(ちょっとダメっぽいな…)

律「……ムギ…危険な役目頼めるか?」

紬「えっ…りっちゃん… …ええ、任せて!」

律「唯、梓!」

唯「?」

梓「何ですか…?」


律「…ムギと私が囮になる…その隙を狙って先に行け…」

唯梓「!!」

唯「そ、そんなのできないよっ!」

梓「そ、そうです!!先輩たちを置いていくなんて…」

律「リーダー命令だっ!!」

唯「…りっちゃん…」

律「私だって… できれば5人揃ってさわちゃんの所に行きたい…

  でもさ… 相手はケイオンジャー… 変身できない私達がまともに戦って勝てる相手じゃない…」

梓「律先輩…」

律「それに… 今は時間が無いだろ」

唯「!」

律「皆を助けるんだろっ! ならすぐにでも さわちゃんを止めに行かないと!!

  そのためには…こんな所で立ち止まってるわけにはいかないんだっ!!!

  だから行けっ!!!!!」

唯「…わかったよ、りっちゃん」

梓「でも…絶対後から追いついてくださいね…」

紀美「ふーん… 面白いこと考えてるみたいね」 バチバチバチバチッ

律「…」 キッ

紬「…」 キッ

紀美「…やってみる?」

律「だぁあああっ!!!!!」 タタタ…

紬「たぁあああっ!!!!!」 タタタ…

紀美「いいわよ、付き合ってあげる」


唯「今だよ、あずにゃん!」

梓「はいっ!」

唯梓 ダッ


紀美「…一方が私の気を引いて…その間にもう一方がさわ子の元へ」

紀美「うん、悪くない判断だと思うわ」



紀美「ただし、それに実力が伴えばの話だけど…ねっ!!!!」 バチバチバチバチッ

ピシャァァアアン!!!!!

律「わわっ!!」 紬「きゃっ!!!」

ピシャアアアアン!!!!!!

唯「わああっ!!!」 梓「うわあっ!!」


紀美「そんな簡単に行けると思ったら大間違いだから」 バチバチバチバチッ


律「くっそぉ…!」 ザッ

梓「…でも今の…惜しかったんじゃないですか?」 ザザッ

紬「ええ!次こそ上手くやれば…」 ズザッ

唯「行ける!!」 ザァッ


紀美「…」

紀美「勘違いしてるみたいね」


唯「え」

紀美「出力10%」

唯「10%?」

紀美「今の私が出してる力の割合」

唯律梓紬「!!」


律「じゅ、10%でこれかよ…」

唯「10%って言うと… 消費税と同じ…」

梓「違います」


紀美「そして…」

紀美「ふんっ!」 バチバチバチバチバチッ!!!!!!!!


唯律梓紬「!!!」


紀美「これでだいたい50%くらいかしら」 バチバチバチバチバチッ!!!!!

紀美「どう、わかる? 私とあなた達の間に広がる実力の差が」

律「…」


律「だから何だよ…」


紀美「ん?」


律「そんなんで私達は怖気づいたりしないっ!!!!!」

唯「そうだそうだっ!!!」

梓「ええ、だって私達は…」

紬「ケイオンジャーだからっ!!」


紀美「……手加減してるから勘違いしちゃうのかもね

    いいわ、来なさい! 教えてあげるわ

    今のあなた達じゃあどうやったって 私を超えられないし さわ子は止められないってね!!」 バチバチバチバチッ!!!


律「皆、作戦はさっきと同じだ… 

  でも次はムギも先に行ってくれ」

紬「!? で、でも… それじゃあ、りっちゃん…」

律「1人でも先に行ける確率が上がるなら…人数が多いに越したことは無い…

  囮役は私だけでいい」

梓「そ、そんなの危険すぎます!!!」

律「大丈夫だ、私なら…大丈夫」 ブルッ

唯「…りっちゃん…震えて」

律「いいから行けっ!!!!!!!」

梓「!!! 本気…なんですね」

唯「わかったよ、りっちゃん…」

紬「でも…絶対に無茶はしないでね…」

律「…わかってるよ 大丈夫、だって私は…ケイオンジャーのリーダーだからな!」


律 キッ

紀美「…1人で…なんて無茶するわね 勇気と無謀は違うって言葉は聞いたこと無い?」 バチバチバチバチッ!!!!!!

律「お生憎様だな! 私の辞書にそんな言葉は無いっ!!!!!!」 キリッ

紀美「…さすがにそれは書き足しときなさい」

律「私をただの女子高生だと思って甘く見てたら後悔するぜっ!!」

紀美「はいはい」


律「でりゃああああああっ!!!!!」 タタタ…

紀美 スッ タッ

律「!?」

紀美「捕まえた」 ガシッ


唯「!! りっちゃん!」


律「私の事はいいっ!早く行けっ!!!」


唯「あっ うん!!」 タッ

梓紬 タタッ

紀美「…行かせるわけ無いでしょうが!!!」 バチバチバチバチッ!!!!!


ピシャアアアン!!!!!!!!!!

唯梓紬「きゃああっ!!!!」

紀美「ま、ちょっと本気出せばこんなもんよ」

梓「そんな…これでもダメなんて…」

唯「りっちゃんっ!!」

律「くっ、くそっ 離せっ!!」


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最終更新:2010年10月15日 21:08